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抗菌 ペプチド

Antimicrobial Peptides JP - Bachem...3 AMPは、比較的小さな分子からなるヘテロ なグループであり、通常100未満のアミノ酸 で構成されています。1960年代、AMPは、

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バッケムが提供する 抗菌ペプチドリポソームで合成された抗菌ペプチド(AMP)は、構造的に異なる様々な分子群を構成し、実際にあらゆる生物にみられます。多くの抗菌ペプチドは100未満のアミノ酸残基で構成され、正味の正電荷を持ち、細胞膜作用活性を示します。自然免疫防御機能において重要な役割を担い、またケモカイン誘導、ケモタキシス、炎症および創傷治癒の過程にも関与しています。抗菌作用に加え、多くは抗ウイルス活性および抗腫瘍活性を示します。

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AMPは、比較的小さな分子からなるヘテロなグループであり、通常100未満のアミノ酸で構成されています。1960年代、AMPは、ZeyaとSpitznagelによって、多形核白血球リソソームで初めて紹介されました。これまでに2600を超えるAMPが同定されデータベースに登録されています(例:http://aps.unmc.edu/AP/main.php)。またAMPは、細菌、菌類、植物、動物などのほぼすべての種類の生物や生命体において産生されます。多くの脊椎動物のAMPは、哺乳類の気管、舌または腸の粘膜や、両生類の皮膚といった上皮細胞表面から分泌されます。一部は好中球、単球、マクロファージで発現します。AMPは、動物と植物両方の免疫防御システムに関与しています。恒常的に発現または誘導され、AMPは細菌の侵入に対して最前線における防御で重要な役割を担っています。

構造と分類AMPは、そのアミノ酸組成と構造に基づいて分類され、2つのグループに大別されます。1つ目のグループは、α-ヘリカル構造を取りやすい直鎖状分子、またはアルギニン、グリシン、ヒスチジン、プロリン、トリプトファンといった特定のアミノ酸が豊富に含まれる直鎖状分子からなります。2つ目のグループは、1つまたは複数のジスルフィド構造を有するシステイン含有ペプチドからなります。多くの場合、抗菌活性にはジスルフィド架橋の存在が必要です。ほとんどのAMPはカチオン性ペプチドですが、ほかにも、ヒト由来のダームシジンやアスパラギン酸が豊富なペプチド、両生類の皮膚由来のマクシミンH5といったアニオン性ペプチドがあります。その他の非カチオン性AMPとして、主に双翅類の幼虫から

分離されるプロエンケファリンAや芳香族ジペプチド、あるいは節足動物や環境動物の酸素結合タンパク質由来のペプチドといった神経ペプチド前駆体を由来とするフラグメントがあります。

作用機序ほとんどのAMPは、細胞膜透過性を増加させることで作用し、哺乳類細胞よりも微生物細胞を選択的に標的にします。選択性は、膜組成中の違いなどいくつかの因子の影響を受けます。多くの病原菌の細胞膜には、ホスファチジルグリセロール(PG)、カルジオリピン、ホスファチジルセリン(PS)といった負電荷を帯びた脂質成分が含まれています。一方、哺乳動物の細胞膜は、一般的にホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルコリン(PC)およびスフィンゴミエリンが豊富に存在し、正味荷電ではおおむね中性です。細胞膜内のコレステロールやエルゴステロールといったステロールの存在は、AMPにとって、哺乳類や真菌細胞と原核生物とをさらに見分ける目印となり得ます。膜透過性機序の最初のステップは、正電荷を帯びたAMPと負の電荷を帯びた微生物の膜表面との間に発生する静電相互作用に始まります。その後、微生物の細胞膜を穿孔し膜を破壊することで、イオンや代謝産物の漏出、細胞膜の呼吸停止および生合成を引き起こし、最終的に細胞死に導きます。穿孔形成には、Barrel-Stave、ToroidalまたはWormhole model、Carpet modelといった数個のモデルが提唱されています(図1)。

はじめに

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Barrel-StaveモデルBarrel-Staveモデルは、個々のAMPやAMP複合体を樽板として見立て、AMPが細菌の細胞膜内にバレル様の穿孔を形成するメカニズムを説明しています。このような配列では、AMPの疎水性の領域は膜のアシル鎖に向かって外側を向き、親水性の領域は穿孔を形成します。

トToroidal PoreまたはWormhole Modelこのモデルの穿孔はBarrel-Staveのものとは異なります。主として、細胞膜の外側および内側のリーフレットは、膜貫通チャネル中にインターカレートされません。

Carpet Model別のメカニズムが提唱されているCarpet Modelでは、先ずAMPは細胞膜の外側を覆い、次にミセル様ユニットを形成して細胞膜を界面活性剤のように破壊します。

ある特定のAMPはチャンネルを形成することなく細菌の細胞膜を貫通します。これらのAMPは、たとえば、核酸やタンパク質合成を阻害することで、細胞内の標的に作用します。

耐性AMPに対する耐性は、構成性か誘導性に分けられます。遺伝性の耐性メカニズムには、表面電荷の改変、acive efflux、ペプチダーゼの産生やタンパク質の捕捉、宿主の細胞プロセスの改変などがあります。たとえば、黄色ブドウ球菌は、Dアラニンによって、細胞壁の成分であるテイコ酸をエステル化することで細胞表面全体の電荷を減少

させ、ヒトAMPに対する耐性を高めます。表面正味電荷改変のもう1つの例として、特定の黄色ブドウ球菌株にみられるカチオン性リジンで置換したホスファチジルグリセロール(L-PG)の生成があります。グラム陰性菌では、リピドA骨格のリン酸基への4-アミノアラビノース(Ara4N)の追加、またはリポ多糖類(LPS)のアシル化の増大は、AMP耐性の重要なメカニズムです。

このほか、AMPに曝露すると、微生物が生存しようとするストレス反応を誘発することがあります。さまざまな生物に誘導可能な調節機構があると説明されています。たとえば、サルモネラ菌のPhoP/PhoQレギュロンは、表面および分泌タンパク質、外膜のリポ多糖類、脂質およびタンパク質成分を修飾する酵素および特定のAMPを分解する可能性のあるプロテアーゼの転写活性を調節することが確認されています。

図1作用機序

A Barrel-StaveモデルB トロイダルポアまたは

ワームホールモデルC カーペットモデル

A

B

C

ほとんどのAMPは、細胞膜 透過性を増加させることで作用します。

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例直鎖状のカチオン性α-ヘリカルペプチド 昆虫由来アンドロピン

両生類由来ボンビニン両生類由来ブフォリンIIウサギ由来CAP18昆虫由来セクロピンブタの腸内寄生性線虫、豚回虫由来セクロピンP1昆虫由来セラトトキシン両生類由来ダーマセプチンヒト由来LL-37両生類由来マガイニン昆虫由来メリチンPseudopleuronectes americanus由来プレウロシジン

特定のアミノ酸用に凝縮されたカチオン性 ペプチド

グリシン含有ペプチド ミツバチ由来ハイメノオプテシン

グリシンおよびプロリン含有ペプチド 甲虫由来コレオプテリシンミツバチ由来ホロトリシン

ヒスチジン含有ペプチド ヒトおよび一部高等霊長類由来ヒスタチン

プロリン含有ペプチド ミツバチ由来アバエシン

プロリンおよびアルギニン含有ペプチド ミツバチ由来アピダエシンウシ由来バクテニシンショウジョウバエ由来ドロソシンブタ由来PR-39

プロリンおよびフェニルアラニン含有ペプチド ブタ由来プロフェニン

トリプトファン含有ペプチド ウシ由来インドリシジン

システインを含有し、ジスルフィド結合を形成するアニオン性およびカチオン性ペプチド1 ジスルフィド結合 ブレビニン2 ジスルフィド結合 ブタ由来プロテグリン3 ジスルフィド結合 ヒト、ウサギ、ラット由来α-デフェンシン

ヒト、ウシ、マウス、ラット、ブタ、ヤギ、家禽類由来β-デフェンシン、アカゲザル由来Θ-デフェンシン昆虫デフェンシン(ネッタイシマカ由来デフェンシン-A)

4ジスルフィド結合 植物由来抗真菌性デフェンシンショウジョウバエ由来ドロソマイシン

アニオン性ペプチド ヒト皮膚由来ダームシジン両生類皮膚由来マクシミンH5

前駆体タンパク質由来アニオン性および カチオン性ペプチドフラグメント

ウシα-ラクトアルブミン、ヒトヘモグロビン、 リゾチーム、オボアルブミン由来抗菌性ドメイン双翅類の幼虫由来芳香族ペプチドヒトカゼイン由来カソシジンプロエンケファリンA由来エンケリチンラクトフェリン由来ラクトフェリシン

出典:K.A. Brogden, Nat. Rev. Microbiol. 3, 238-250 (2005)

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ボンビニンボ ン ビ ニ ン は 、 ヨ ー ロ ッ パ ス ズ ガ エ ル(Bombina種)が産生するAMPファミリーで、グラム陰性および陽性菌、真菌に対して活性を有しています。ボンビニン、ボンビニン様ペプチド(BLP)およびボンビニンH分子は、Bombina bombina、Bombina variegata、Bombina orientalisの種にみられますが、同種のマクシミンおよびマクシミンHペプチドはオオスズガエルBombina maximaによって産生されます。ボンビニンHペプチドは17または20個のアミノ酸残基を有し、ボンビニンよりも疎水性が高く、一部はN末端から2番目にD-アロイソロシンを含んでいます。ボンビニンよりも抗菌活性は低いものの、ボンビニンとは対照的に溶血活性を有しています。

カテリシジンこのファミリーのメンバーは、広範囲の抗菌活性を有する両親媒性のカチオン性ペプチドです。カテリシジンは、主に細菌の細胞膜インテグリティを破壊します。それらは、タンパク質分解過程で放出される12~100残基を有するC末端抗菌ドメインに連結する、およそ99~114のアミノ酸残基が進化的に保存されたN末端カテリン様ドメインを特徴とします。このファミリーのメンバーには、異なる種類のプロリン反復モチーフ(Bac5、Bac7、PR-39、プロフェニン)を示すプロリンに富んだ多数のAMP、あるいは規則的に配置された3つのプロリン残基を特徴とするトリプトファンに富むインドリシジンなどの直鎖ペプチドが含まれます。プロテグリン(PG-1~PG-5)には、2つのジスルフィド架橋と1つのアミド化されたC末端が含まれています。調査されたすべての哺乳類種で、カテリシジンの存在が確認されています。ヒトでは、LL-37 (製品H-7298)だけが、カテリシジンファミリーに属します。このペプチドは37個のアミノ酸で構成されており、N末端に2つのロイシン残基を有しています。18kDaの前駆体タンパク質、ヒトカテリシジン抗菌タンパク質CAP-18からタンパク分

解的に開裂されます。LL-37は、主として貪食性白血球および上皮細胞によって産生され、微生物の直接殺傷、LPSへの結合および中和、ケモタキシスおよびケモカインの誘導、炎症反応の調節、創傷の治癒といったさまざまなプロセスに関与しています。その産生は、微生物の生産物、宿主サイトカイン、ビタミンD3、および酸素の利用率といったいくつかの因子に影響を受けます。マウスとラットのLL-37オルソログは、それぞれ、CRAMP(マウス)(製品H-6526)とCRAMP(ラット)です。

セクロピン最初セクロピンは、巨大なカイコセクロピアサンから単離されました。それらは、両親媒性のα-ヘリカル構造を形成することができ、バクテリシジン、鱗翅目生物由来、ザルコトキシンといったその他のセクロピンに構造的に関連しています。ブタの腸にみられるセクロピンP1(製品H-5718)もこのファミリーの一員です。ほとんどのセクロピンは、広範囲の抗菌活性を示します。このほか、セクロピンA(製品H-3094)およびB(製品H-3096)は、哺乳類白血病、リンパ腫、癌細胞株に対して殺腫瘍活性を有していることが明らかにされています。

セラトトキシンこのファミリーは、チチュウカイミバエCeratitis capitataの雌性生殖付属腺に発現するカチオン性αヘリカル両親媒性ペプチドからなります。このペプチドの産生は交配によって促進されます。セラトトキシンAおよびセラトトキシンBは、2つのアミノ酸が異なる29アミノ酸からなるペプチドです。セラトトキシンCおよびDは、それぞれ32および36のアミノ酸からなります。このファミリーのペプチドは、グラム陰性および陽性菌に対して活性を示し、Barrel-Staveモデルを介して作用すると考えられています。セラトトキシンAは、主にグラム陰性菌に対して抗菌性を有することが明らかにされています。

重要なAMPファミリー

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デフェンシンデフェンシンは、3つまたは4つのジスルフィド架橋を含み、システインに富んだ低分子カチオン性ペプチドです。それらは、軟体動物、ダニ、クモ類、昆虫、哺乳類、植物から単離されています。また、そのシステイン残基の空間分布に基づいてさらにファミリーに分類されます。α-、β-、θ-デフェンシンの3つのファミリーは、哺乳動物で識別することができます。 α- およびβ-デフェンシンは、3つのジスルフィド結合によって安定化された逆平行β-シート構造を特徴とします。θ-デフェンシンはアカゲザルやヒト以外のその他の霊長類の一部にみられますが、ヒト、チンパンジー、ゴリラにはみられません。Head-to tailの環化によって結合した異なる前駆体タンパク質由来の2つの9アミノ酸ペプチドで構成されています。無脊椎動物および植物デフェンシンにはそれぞれ、3つと4つのジスルフィド架橋が含まれています。昆虫および哺乳動物デフェンシンは、主に細菌に対して活性を示す一方、ほとんどの植物デフェンシンは抗真菌活性を示します。

ダーマセプチンダーマセプチンファミリーのペプチドは互いに密接に関連しており、28~34個のアミノ酸で構成されています。初めは、南アメリカの樹上性カエルPhyllomedusa sauvageiの皮膚抽出物から単離されたもので、N末端から3番目に保存されたトリプトファン残基を含みます。ダーマセプチンは、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して広範囲の抗菌活性を示します。

ヒスタチンヒスタチンはヒスチジンに富み、大部分はカチオン性ペプチドで、ヒトや高等霊長類の唾液にみられます。広範囲の細菌と真菌に対して活性を有しています。ヒト唾液ペプチドヒスタチン-5の抗真菌活性は大規模に研究がなされており、その抗真菌活性はミトコンドリア呼吸の阻害および活性酸素種の形成によるものと考えられています。このほかヒスタチン-5は、歯周病に関与する宿主由来および細菌性のタンパク質分解酵素の両方を阻害することが示

されています。ヒトの耳下腺から分泌されるペプチド、ヒスタチン-8は、特定の型の歯周病に関与するグラム陰性菌ポルフィロモナス・ジンジバリス381の血液凝集活性を阻害することが確認されています。本ペプチドは、凝集のあいだ、ポルフィロモナス・ジンジバリスのヘマグルチニン結合ドメインとして機能します。

マガイニンマガイニンは、直鎖状両親媒性のカチオン性AMPのファミリーを構成しており、アフリカツメガエルの皮膚から発見されました。このファミリーの密接に関連した2つのメンバー、マガイニンI(製品H-6565)およびマガイニンII(製品H-6570)は2つの部位が異なるに過ぎず、長さは23個のアミノ酸です。マガイニンは、グラム陰性菌およびグラム陽性菌、真菌、原虫に対して広範囲の抗菌活性を備えるほか、マウスおよびヒトがん細胞系に対し細胞毒性を示します。

結論AMPの構造は、微生物およびウイルス感染症、癌、敗血症などの治療のために新たな適用を探索するうえで、独自の情報源として機能してくれます。最新の合成法は、比較的安価かつ正確に、リード化合物およびペプチド候補の生産を可能にするでしょう。ペプチドライブラリーの生成、質量分析法としての分析手法、そしてスクリーニングおよび製剤設計技術における功績は、プロテアーゼに対する感受性や宿主毒性などの治療薬としてAMPを使用する際、その固有の問題の解決に寄与するでしょう。Bachemには、ペプチド合成における多くの専門的知識および長年の経験があります。弊社は、単純および修飾ペプチド産生のスケールアップを可能にする製薬業界の良きパートナーです。

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参考文献

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抗菌ペプチドヒトを含め動物界全体にわたり、抗菌ペプチドは植物やほとんどの生物によって産生されています。AMPは、細菌、真菌、ウイルスなど、幅広い感染性微生物に対する防御作用を示します。

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セクロピン セクロピンA4030488KWKLFKKIEKVGQNIRDGIIKAGPAVAVVGQATQIAK-NH2

セクロピンA(1~7)-メリチンA(2~9)アミド4042609KWKLFKKIGAVLKVL-NH2

セクロピンA(1~8)-メリチン(1~18)アミド4028472KWKLFKKIGIGAVLKVLTTGLPALIS-NH2

セクロピンB4030477KWKVFKKIEKMGRNIRNGIVKAGPAIAVLGEAKAL-NH2

セクロピンB(遊離酸) NEW4095745KWKVFKKIEKMGRNIRNGIVKAGPAIAVLGEAKAL

セクロピン P14039862SWLSKTAKKLENSAKKRISEGIAIAIQG GPR

デフェンシン デフェンシン5(ヒト) NEW4102158ATCYCRTGRCATRESLSGVCEIGRLYRLCCR(ジスルフィド結合、空気酸化)

α-デフェンシン64059148AFTCHCRRSCYSTEYSYGTCTVMGINHRFCCL(Cys4およびCys31/Cys6およびCys20/Cys10

およびCys30の間でジスルフィド結合)

デフェンシン HNP-1(ヒト)4025473ACYCRIPACIAGERRYGTCIYQGRLWAFCC(Cys2およびCys31/Cys4およびCys19/Cys9

およびCys29の間でジスルフィド結合)

デフェンシン HNP-2(ヒト)4025474CYCRIPACIAGERRYGTCIYQGRLWAFCC(Cys1およびCys29/Cys3およびCys18/Cys8

およびCys28の間でジスルフィド結合)

デフェンシン HNP-3(ヒト)4025495DCYCRIPACIAGERRYGTCIYQGRLWAFCC(Cys2およびCys30/Cys4およびCys19/Cys9

およびCys29の間でジスルフィド結合)

rec β-デフェンシン1(ヒト)4038285

β-デフェンシン2(ヒト) NEW4034693GIGDPVTCLKSGAICHPVFCPRRYKQIGTCGLPGTKCCKKP(ジスルフィド結合、空気酸化)

rec β-デフェンシン2(ヒト)4038287

レトロサイクリン-1(RC-100)4045698c(GICRCICGRGICRCICGR)(Cys3およびCys16/Cys5およびCys14/Cys7

およびCys12の間でジスルフィド結合)

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ヘプシジン ヘプシジン-20(ヒト)4065374ICIFCCGCCHRSKCGMCCKT(ジスルフィド結合、空気酸化)

ヘプシジン-22(ヒト)4065376FPICIFCCGCCHRSKCGMCCKT(ジスルフィド結合、空気酸化)

ヘプシジン-24(ヒト)4084346THFPICIFCCGCCHRSKCGMCCKT(ジスルフィド結合、空気酸化)

ヘプシジン-25(ヒト) 4040671DTHFPICIFCCGCCHRSKCGMCCKT(Cys7およびCys23/Cys10およびCys13/Cys14

およびCys22の間でジスルフィド結合)

ビオチニル-ヘプシジン-25(ヒト)4056950ビオチニル-DTHFPICIFCCGCCHRSKCGMCCKT(Cys7およびCys23/Cys10およびCys13/Cys14

およびCys22の間でジスルフィド結合)

ヘプシジン-1(マウス)4062144DTNFPICIFCCKCCNNSQCGICCKT(Cys⁷およびCys²³/Cys¹⁰およびCys²²/Cys¹¹およびCys¹⁹/Cys¹³およびCys¹⁴の間でジスルフィド結合)

LL-37および フラグメント

LL-374042456LLGDFFRKSKEKIGKEFKRIVQRIKDFLRNLVPRTES

LL-37 (37-1) NEW4099710SETRPVLNRLFDKIRQVIRKFEKGIKEKSKRFFDGLL

ビオチニル-LL-37 NEW4099715ビオチニル-LLGDFFRKSKEKIGKEFKRIVQRIKDFLRNLVPRTES

5-FAM-LL-37 NEW4104169フルオレセイン-5-カルボニル-LLGDFFRKSKEKIGKEFKRIVQRIKDFLRNLVPRTES

Tide Fluor™ 2-LL-37 NEW4104170Tide Fluor™-2-LLGDFFRKSKEKIGKEFKRIVQRIKDFLRNLVPRTES

LL-37 (スクランブル) NEW4099707GLKLRFEFSKIKGEFLKTPEVRFRDIKLKDNRISVQR

ビオチニル-εAhx-LL-37 (スクランブル) NEW4099709ビオチニル-εAhx-GLKLRFEFSKIKGEFLKTPEVRFRDIKLKDNRISVQR

LL-37 アミド4046855LLGDFFRKSKEKIGKEFKRIVQRIKDFLRNLVPRTES-NH2

5-FAM-LL-37 (スクランブル) NEW40997085-FAM-GLKLRFEFSKIKGEFLKTPEVRFRDIKLKDNRISVQR

Tide Fluor™ 2-LL-37 (スクランブル) NEW4104171Tide Fluor™-2-GLKLRFEFSKIKGEFLKTPEVRFRDIKLKDNRISVQR

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Tyr-LL-37 NEW4099712YLLGDFFRKSKEKIGKEFKRIVQRIKDFLRNLVPRTES

LL-37 FK-13 NEW4099695FKRIVQRIKDFLR

LL-37 FKR NEW4099697FKRIVQRIKDFLRNLVPRTES

LL-37 GKE NEW4099696GKEFKRIVQRIKDFLRNLVPR

LL-37 KRI NEW4064381KRIVQRIKDFLRNLVPRTES

LL-37 LLG NEW4099698LLGDFFRKSKEKIGKEFKRIV

LL-37 RKS NEW4064380RKSKEKIGKEFKRIVQRIKDFLRNLVPRTES

LL-37 SKE NEW4099699SKEKIGKEFKRIVQRIKDFLR

KR-12 (ヒト)4064798KRIVQRIKDFLR-NH2

ビオチニル-KR-12 (ヒト) NEW4099713ビオチニル-KRIVQRIKDFLR

マガイニン マガイニン I4012844GIGKFLHSAGKFGKAFVGEIMKS

マガイニン II4013706GIGKFLHSAKKFGKAFVGEIMNS

PSEUDINペプチドおよびアナログ

メリチン セクロピンA(1~7)-メリチンA(2~9)アミド4042609KWKLFKKIGAVLKVL-NH2

セクロピンA(1~8)-メリチン(1~18)アミド4028472KWKLFKKIGIGAVLKVLTTGLPALIS-NH2

メリチン4030808GIGAVLKVLTTGLPALISWIKRKRQQ-NH2

メリチン (遊離酸) NEW4061024GIGAVLKVLTTGLPALISWIKRKRQQ

Pseudin-24060547GLNALKKVFQGIHEAIKLINNHVQ

Page 13: Antimicrobial Peptides JP - Bachem...3 AMPは、比較的小さな分子からなるヘテロ なグループであり、通常100未満のアミノ酸 で構成されています。1960年代、AMPは、

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ヒトカテリシジン LL-37ヒトカテリシジンLL-37。ヒトを感染症から防護する上で重要な役割を果たすヒトカテリシジンLL-37の構造を示すコンピュータモデル。

(KEYSTONE/SCIENCE PHOTO LIBRARY)

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抗菌ペプチド

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その他

タフトシンおよび アナログ

マクロファージ抑制ペプチド(タフトシン(1~3))4007532TKP

タフトシン4003033TKPR

ACV4028307Aad(Cv)

Bis-ACV4009950(Aad(Cv))₂

Baceridin NEW4105366Cyclo(-D-Ala-D-allo-Ile-Val-D-Leu- Leu-Trp)

バクテネシン4030388RLCRIVVIRVCR(ジスルフィド結合)

ビューベリシン4013628Cyclo(-D-α-hydroxyisovaleryl-N-Me-Phe)3

Crotalicidin NEW4105369KRFKKFFKKVKKSVKKRLKKIFKKPMVIGVTIPF-NH₂

Cyclo(-Leu-Pro)4003115c(LP)

ダーマセプチン4018008ALWKTMLKKLGTMALHAGKAALGAAADTISQGTQ

ダームシジン-1L (ヒト)4061590SSLLEKGLDGAKKAVGGLGKLGKDAVEDLESVGKGAVHDVKDVLDSVL

EcAMP3 NEW4105368GADRCRERCERRHRGDWQGKQRCLMECRRREQEED(Cys⁵およびCys²⁷/Cys⁹およびCys²³の間でジスルフィド結合)

エンドトキシン阻害剤4014453KTKCKFLKKC (ジスルフィド結合)

エピネシジン-14070287GFIFHIIKGLFHAGKMIHGLV-NH2

細胞外死因子4060185NNWNN

ヒスピダリン NEW4105367SDYLNNNPLFPRYDIGNVELSTAYRSFANQKAPGRLNQNWALTADYTYR

インドリシジン 4030762ILPWKWPWWPWRR-NH2

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ラクトフェリシン B (4-14) (ウシ) NEW4057344RRWQWRMKKLG

ラクトフェリシン B254087382FKCRRWQWRMKKLGAPSITCVRRAF(ジスルフィド結合)

リゾチームC(46~61)(ニワトリ) 4044059NTDGSTDYGILQINSR

パラシン I 4029070KGRGKQGGKVRAKAKTRSS

ペネトラチン4036091RQIKIWFQNRRMKWKK-NH2

ポリビア-MP1 NEW4099795IDWKKLLDAAKQIL-NH₂

ラナレキシン 4025017FLGGLIKIVPAMICAVTKKC(ジスルフィド結合)

セ ミ ナ ル プ ラ ス ミ ン フ ラ グ メ ン ト(SPF)アナログ4025057PKLLKTFLSKWIG

タキプレシン I4030734KWCFRVCYRGICYRRCR-NH2

(Cys3およびCys16/Cys7およびCys12の間でジスルフィド結合)

H-Tyr-Ser-Pro-Trp-Thr-Asn-Phe-OH(RIP (遊離酸))4034200YSPWTNF

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2031

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