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今号から始まる連載「顧客情報を活用しよう!」では、企業内に眠る 顧客情報をフル活用し、より効果的なマーケティングを行う、平た く言えば「もっとうまく売る」ための理論と実戦方法を解説してい きます。内容はサブタイトルにもある通り「戦略的データベース・ マーケティングの理論と実戦」です。初回となる今回は、導入とし ての「マーケティング戦略の基本理論」です。 ストラテジー&タクティクス(株) 代表取締役社長 佐藤義典マーケティング戦略の基本理論 戦略BASiCS なぜ 顧客情報 なのか? ●「ワタシの時代」へ この連載を開始した理由は、企業 に眠る顧客情報をフル活用して、よ り効果的なマーケティングを展開す る一助としたいからです。ではなぜ、 そのような提案をしているかを説明 いたします。戦後から現在までの時 代を「何が売れたのか」という観点 で振り返ると、このグラフのように なります(図表1)。 グラフは内閣府の消費動向調査を 私が加工したものです。戦後~今ま でをざっくり俯瞰すると、3つの時 代に分けられます。 戦後~1970年頃までは、戦後の奇 跡である「高度成長」の時代です。 この時代は冷蔵庫、洗濯機などの 「生活がラクになるもの」が爆発的 に普及します。その後が1970年頃~ 1990年頃までの「バブル」の時代で す。カラーTV、クーラー、自動車な どの「3C」(Car、Cooler、ColorTV) すなわち「生活が楽しくなるもの」 が普及します。この時代の後半がい わゆるバブルで「人より良いもの」 を求める「見栄の時代」でもありま した。マーケティング的に言うと 「新規需要」が次々に産まれた時代 ですね。 1990年過ぎにこの歯車が止まりま す。大型消費財の代表である自動車 の普及が一段落し、売れなくなりま す。「必要なもの・欲しいもの」が 一通り普及し、マーケティング的に は「買い替え需要」の時代になりま す。これがバブル崩壊の背景です。 そして「失われた10年」へと突入し ます。「失われた10年」とは、売り手 がこのような時代・ニーズの変化に 対応できなかった時代とも言えま す。そして、これからは人口減少時 代を迎え、この歯車が逆回転する時 代です。 マーケティングという視点で見る 36 2009-5 156 1957 1959 1961 1963 1965 1967 1969 1971 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 乗用車 カラーテレビ VTR 電気掃除機 ルームエアコン パソコン 電気冷蔵庫 電子レンジ 電気洗たく機 戦後~高度成長期 バブル デフレ~ 「とにかくモノが欲しい」 「他人より良いモノが欲しい」 「ワタシの欲しいモノが欲しい」 【図表1】現在は「ワタシ」の時代 主要耐久消費財普及率推移(内閣府 消費動向調査を著者が加工) 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0 いわゆる「高度成長期」 「失われた10年」~「IT景気」

AQ156 (Page 36)企業に眠る “宝の山” と、図表2のようになります。 大きな流れは、人と同じものが欲 しい、という時代から、「ワタシら

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Page 1: AQ156 (Page 36)企業に眠る “宝の山” と、図表2のようになります。 大きな流れは、人と同じものが欲 しい、という時代から、「ワタシら

今号から始まる連載「顧客情報を活用しよう!」では、企業内に眠る顧客情報をフル活用し、より効果的なマーケティングを行う、平たく言えば「もっとうまく売る」ための理論と実戦方法を解説していきます。内容はサブタイトルにもある通り「戦略的データベース・マーケティングの理論と実戦」です。初回となる今回は、導入としての「マーケティング戦略の基本理論」です。

ストラテジー&タクティクス(株) 代表取締役社長 佐藤義典氏

マーケティング戦略の基本理論戦略BASiCS

企業に眠る“宝の山”

今、なぜ「顧客情報」なのか?

●「ワタシの時代」へ

この連載を開始した理由は、企業

に眠る顧客情報をフル活用して、よ

り効果的なマーケティングを展開す

る一助としたいからです。ではなぜ、

そのような提案をしているかを説明

いたします。戦後から現在までの時

代を「何が売れたのか」という観点

で振り返ると、このグラフのように

なります(図表1)。

グラフは内閣府の消費動向調査を

私が加工したものです。戦後~今ま

でをざっくり俯瞰すると、3つの時

代に分けられます。

戦後~1970年頃までは、戦後の奇

跡である「高度成長」の時代です。

この時代は冷蔵庫、洗濯機などの

「生活がラクになるもの」が爆発的

に普及します。その後が1970年頃~

1990年頃までの「バブル」の時代で

す。カラーTV、クーラー、自動車な

どの「3C」(Car、Cooler、ColorTV)

すなわち「生活が楽しくなるもの」

が普及します。この時代の後半がい

わゆるバブルで「人より良いもの」

を求める「見栄の時代」でもありま

した。マーケティング的に言うと

「新規需要」が次々に産まれた時代

ですね。

1990年過ぎにこの歯車が止まりま

す。大型消費財の代表である自動車

の普及が一段落し、売れなくなりま

す。「必要なもの・欲しいもの」が

一通り普及し、マーケティング的に

は「買い替え需要」の時代になりま

す。これがバブル崩壊の背景です。

そして「失われた10年」へと突入し

ます。「失われた10年」とは、売り手

がこのような時代・ニーズの変化に

対応できなかった時代とも言えま

す。そして、これからは人口減少時

代を迎え、この歯車が逆回転する時

代です。

マーケティングという視点で見る

36 ○ 2009-5156

195719591961196319651967196919711973197519771979198119831985198719891991199319951997199920012003

乗用車カラーテレビVTR電気掃除機ルームエアコンパソコン電気冷蔵庫電子レンジ電気洗たく機

戦後~高度成長期 バブル デフレ~

「とにかくモノが欲しい」 「他人より良いモノが欲しい」 「ワタシの欲しいモノが欲しい」

【図表1】現在は「ワタシ」の時代主要耐久消費財普及率推移(内閣府 消費動向調査を著者が加工)

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

いわゆる「高度成長期」

「失われた10年」~「IT景気」

この頃バブル崩壊

Page 2: AQ156 (Page 36)企業に眠る “宝の山” と、図表2のようになります。 大きな流れは、人と同じものが欲 しい、という時代から、「ワタシら

企業に眠る“宝の山”

と、図表2のようになります。

大きな流れは、人と同じものが欲

しい、という時代から、「ワタシら

しくありたい」という時代への流れ

です。モノは一通り持っている、商

品の品質にも大きな差はない、その

ような物的成熟社会の中で「ワタシ

が欲しいものが欲しい」というニー

ズです。

売り手から見ると、今は「個別具

体的ニーズにこたえる」ことが必要

な時代です。新規需要は先細りで、

ほぼすべての購買が「買い替え需要」

です。自分が“本当に欲しい”と思

ったものしか買いませんので、一人

ひとりの「個」客をよく知り、その

ニーズにきめ細かくこたえることが

求められている時代なのです。

企業内に眠る顧客情報

この時代に私たちがすべきこと

は、「個」客を知ることです。お客

さまの個別具体的ニーズを知らなけ

れば、そもそもそれにこたえること

ができません。

「個」客ニーズの収拾は大変です

が、意外に企業内に眠っています。

法人顧客相手のB to Bビジネスでは顧

客企業に請求書を発行します。そこ

には買い上げ品目や価格などの情報

が入っているはずです。個人顧客対

象のB to Cビジネスでも、自動車・化

粧品・通販など多くの場合におい

て、顧客データベースや購買情報が

あります。小売りでもポイントカー

ドなどを発行していれば、「個」客

の購買情報があるはずです。

問題は、それが活用されていない

ことです。私のコンサルタントとし

ての経験上、9割以上の企業で顧客

情報が生かされていません。顧客情

報を持っていても、それを体系的に

整理して戦略に反映、実際のマーケ

ティング活動に落とし込んでいる企

業は極めて少ないのです。

その大きな理由のひとつが、マー

ケティング戦略、顧客データベース、

現場でのマーケティング活動のすべ

てを統合・体系化する理論や手法が

未発達であることが挙げられます。

そもそもこのすべてを理解した上

で、一貫して筋を通した経験を持ち、

その手法を言語化できる人が極めて

少ないのです。私はこれらすべてを

一貫的にやってきており、著書や講

演などでその理論や成功例を公開し

ています。この連載はその一環とし

て、読者がマーケティング戦略、顧

客データベース、現場でのマーケテ

ィング活動に一本の筋を通して、効

果的な(すなわち売れる)マーケテ

ィング活動を展開する上でヒントと

なる情報を提供することを目的とし

ています。

マーケティング戦略のフレームワーク:戦略BASiCS

戦略的データベース・マーケティ

ングを行うに当たり、まず「戦略と

は何か?」を解説していきましょう。

●戦略とは何か?

「戦略」とは、目的に応じた行動の

最適化です。「戦略」は目的を達成

するに当たっての大きな方向性で

す。「戦術」はその方向性に基づき

最適化された個別具体的な行動(4P

など)です。

●統合戦略フレームワーク:

戦略BASiCS

「マーケティング戦略」については、

さまざまな理論家・実務家がいろい

ろなことを言っていますが、大きく

まとめると図表3の5つに分類できま

す。どの理論が良い・悪い、ではな

く、これらの5つの理論分類である

1)戦場・競合

2)独自資源

3)強み・差別化

4)顧客ターゲット

5)メッセージ

は、戦略を構成する5つの「要素」

と考え、その要素間の「一貫性」を

取ろう、というのが私の主張です。

その5つの要素の英語の頭文字を取

2009-5 37○156

【図表2】マーケティングの変化

戦後~1970年頃

1970年頃~1990年頃

1990年頃~現在

他人と同じモノが欲しい、同質化の時代

「他人より良いモノが欲しい」見栄の時代

自分の欲しいものが欲しい、自分らしさの時代

顧客ニーズ

設備投資による生産力増強

顧客セグメンテーションと

差別化

「個」客に密着した個別ニーズ対応

売り手のマーケティング

モノ不足・高度成長

豊かさニーズ・バブル

成熟社会・人口減少

時代・経済背景

Page 3: AQ156 (Page 36)企業に眠る “宝の山” と、図表2のようになります。 大きな流れは、人と同じものが欲 しい、という時代から、「ワタシら

企業に眠る“宝の山”

り、戦略BASiCSと名付けました。マ

ーケティング戦略を考える際の統合フ

レームワークで、古今東西の戦略論

のいいところ取りをしたものです。

●マクドナルドの戦略BASiCS

5つの要素をマクドナルドを例に

取り、説明していきましょう。説明

の都合上、5要素の順番をBASiCSと

いう順番から入れ替えます。

1)戦場・競合:マクドナルドはど

こで誰と戦っているのか?

戦場は「どこで戦っているのか」

競合は「誰と戦っているのか」です。

この2つは同じことですので、セッ

トで考えましょう。

マクドナルドの競合は誰でしょ

うか? わかりやすいところでは、

モスバーガーやロッテリアです。

競合をそうとらえると、戦場は

「お手軽ハンバーガー」ということ

になります。

では「マクドナルドに行こうとし

て閉まっていたらどこに行くか」と

考えてみましょう。それが本当の競

合の定義です。お客さまにとっては

業種・業態は関係ありません。もし

マクドナルドが閉まっていたらドト

ールに行こうと考えるのなら、おそ

らく「コーヒーでちょっと休憩」と

いう「価値」を求めています。つま

り「カフェでひと休み」という「戦

場」ですね。このように、「戦場」

は「お客さまにとっての価値」で定

義されます。そして、「競合」は同

じ価値を提供するドトールなどのカ

フェですね。

2)顧客ターゲット:その価値を求

める人は誰か?

顧客ターゲットは、その戦場・競

合における顧客です。マクドナルド

が「カフェでひと休み」戦場で戦っ

ている場合、その価値を求める顧客

は誰でしょうか? 例えば、外勤の

ビジネスパーソンや外回り中の営業

パーソンかもしれませんね。このよ

うに、戦場・競合を顧客にとっての

価値という視点で定義すると、それ

と連動して顧客が決定します。

3)強み・差別化

ではその「顧客」は、なぜ「競合」

のドトールなどではなくマクドナル

ドに行くのでしょうか? それがマ

クドナルドの「強み・差別化」です。

ポイントは、顧客が競合ではなくマ

クドナルドに行く理由、ということ

です。強み・差別化はあくまでも競

合に対して、ですから競合が誰かに

よって強みは変わります。ドトール

に対してであれば、マクドナルドの

強み・差別化は「低価格」かもしれ

ません。顧客である外回り中の営業

パーソンは毎日のように行くので、

そうそう高いお金を払えません。と

なると「低価格」という「強み・差

別化」は「顧客」にとっても重要で

すね。

もし競合が「缶コーヒー」なら、

マクドナルドの強み・差別化は、

「ゆっくり座って休める」となるか

もしれません。このように、競合や

顧客によって強み・差別化は変わり

ます。これは、競合や顧客を無視し

て行う「強み分析」が無意味だとい

うことです。強み・弱みを取り出し

てそれだけを分析してはいけないの

です。強み分析やSWOT分析を行う

際も、強みだけを取り出して考える

のではなく、あくまでも競合や顧客

との大きな一貫性の中で分析しまし

ょう。

4)独自資源

次に、その「強み・差別化」は

「競合」にマネできないのか、とい

う独自性をチェックします。カンタ

ンにマネされる強み・差別化は意味

がありません。強み・差別化を長期

的に競合にマネされないようにする

強みの「源泉」が「独自資源」です。

マクドナルドの「低価格」という

強み・差別化はドトールなどにはマ

ネできないのでしょうか? 恐らく

答えは「できない」でしょう。2つ

の要因があると言えます。ひとつは

マクドナルドの店舗数など規模の経

済です。マクドナルドの店舗数は

3,754店、ドトールの店舗数は1,130店

(共に2008年末、各社HPなどより)

と、3倍以上違います。もうひとつ

は各種ノウハウで、例えば座ってゆ

っくり休める店舗を効率よく開発す

38 ○ 2009-5156

【図表3】マーケティング戦略理論:戦略BASiCS

儲かる戦場で戦えば儲かる戦場・競合

戦場・市場を選び、勝てる市場で戦え!

他社にマネできない資源を蓄積せよ!独自資源

自社の独自資源があれば儲かる

強みのある優れた商品・サービスを売れ!強み・差別化

差別化された商品があれば儲かる

ターゲットの視点を持ち、顧客の気持ちになれ!顧客ターゲット

顧客ターゲットのニーズにこたえれば儲かる

わかりやすい、魅力的な売り方・売り文句を作れ!メッセージ

売り方・伝え方が良ければ儲かる

Battlefield

Asset

Strength

Customer

Selling message

i

Page 4: AQ156 (Page 36)企業に眠る “宝の山” と、図表2のようになります。 大きな流れは、人と同じものが欲 しい、という時代から、「ワタシら

企業に眠る“宝の山”

る店舗開発ノウハウなどがあるかも

しれません。このような自社の「独

自資源」が、マクドナルドの「低価

格」という強み・差別化を長期的に

維持可能にするわけです。時間軸で

みると、独自資源を蓄積するのには

時間がかかります。そして、時間が

かかるからこそ「独自」たり得て、

マネしづらい資源となるのです。

5)メッセージ

ここまでの「戦場・競合」「顧客

ターゲット」「強み・差別化」「独自

資源」が戦略の主な要素ですが、こ

れらが顧客や従業員に伝わって初め

て、戦略が具体化されて効果を発揮

します。ですので、これらの戦略要

素をどう伝えるか、という「メッセ

ージ」も重要です。特に強み・差別

化などは顧客に伝わらなければ意味

がありません。

マクドナルドの例で続けると、

「カフェで一休み戦場」の競合であ

るドトールやスターバックスに対

し、マクドナルドの「低価格でゆっ

くり休める」という強み・差別化を

顧客ターゲットの「営業パーソン」

にどのように伝えれば、マクドナル

ドに来てもらえるかということにな

ります。通常はそのまま「低価格で

ゆっくり休める」ということを伝え

ます。それを「どう」伝えるか(面

白おかしく伝えるのかまじめに伝え

るか、媒体はTVCMかポスターか)

などは、実行段階で具体化していき

ます。このように戦略→実行へと具

体化していくのです。

この「戦場・競合」「自社の独自

資源」「強み・差別化」「顧客ターゲ

ット」「メッセージ」が戦略構築の5

要素で、その英語の頭文字をとって

「戦略BASiCS」(ベーシックス)です。

マクドナルドの場合、「戦場をカ

フェ」「競合をドトール」ととらえ

るとこのようになりますが、戦場を

「家族の団らん」「競合をファミレス」

とすると別の組み合わせになりま

す。戦場・競合や顧客の定義によっ

て、大きく違うことがわかるでしょ

う。どちらにしてもタテの一貫性が

ポイントです(図表4)。

ここでのポイントは戦略5要素の

「一貫性」です。

・どんな戦場でどんな競合に対し

・自社のどんな独自の資源を生かし

・どのように強みを使って差別化し

・その強みを重視する顧客ターゲッ

トに対し

・どのようなメッセージを伝えてい

くか

の一貫性を確保するのが戦略構築の

ポイントです。そして、これを顧客

情報や顧客データベースを使って緻

密に緻密に考えていくのが本連載の

趣旨です。

●戦略BASiCSと顧客情報

次回から、この戦略構築方法をデ

ータベース・マーケティングや顧客

情報という視点で考えていきます。

現在は「ワタシの個別具体的なニー

ズ」にこたえることが求められてお

り、顧客一人ひとりを知ることが極

めて重要な時代です。マクドナルド

でも、ターゲットを「ビジネスパー

ソン」とするか「子供のいる家族」

にするか、によって戦略が全く違い

ます。顧客を、さらにさらにさらに

分解していくと顧客一人ひとりが顧

客ターゲットになります。いわゆる

One to Oneマーケティングですね。

「個」客の顔が見えるマーケティン

グをするに当たり、顧客一人ひとり

に対してこのような戦略を組み立て

ていくのです。

では次回をお楽しみに!

2009-5 39○156

Yoshinori Sato早稲田大学政経学部卒、ペンシルベニア大ウォートン校MBA、中小企業診断士。NTT、外資系メーカー、外資系エージェンシーなどを経て、2006年にストラテジー&タクティクス(株)(www.sandt.co.jp)代表取締役に就任。高度な理論体系と豊富なマーケティング経験に基づく実践的コンサルティングには定評がある。著書に『経営戦略立案シナリオ』(かんき出版)、増刷を重ねるベストセラー『図解 実戦マーケティング戦略』(日本能率協会マネジメントセンター)など計8冊。読者約2万人の人気マーケティングメルマガ、『売れたま!』(www.mpara.com)の発行者としても知られる。

【図表4】マクドナルドの戦略BASiCS

マクドナルド ファミレスドトール競合

戦場=顧客の価値

顧客:価値を求める人

強み:競合でなく自社を選ぶ理由

独自資源:強みが自社にしか無い理由

メッセージ:顧客に魅力的な売り文句

休日の家族団らん戦場

小学生の子どものいる家族

子どもが喜ぶメニュー(ハッピーセット)

メニュー開発力調達ノウハウ

お子さんが喜ぶ!

手軽な休憩・軽食戦場

営業パーソン

安い座ってゆっくり休める

規模の経済店舗開発力

ゆったりとした休憩を低価格で!