SharePoint Server 2010 自習書download.microsoft.com/download/5/1/A/51AAC23A-0ED2-4C20...SharePoint Server 2010 自習書 Upgrade/Migration ステップバイステップガイド

SharePoint Server 2010 自習書

Upgrade/Migration ステップバイステップガイド

SharePoint Server 2010 自習書 Upgrade/Migration ステップバイステップガイド

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著作権

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2010 Microsoft Corporation. All rights reserved.

SharePoint、Excel、Internet Explorer、は、米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標

または商標です。記載されている会社名、製品名には、各社の商標のものもあります。


3

はじめに

2010年 5月、SharePoint Server 2010 が正式に発表されました。多くの組織は新しい SharePoint Server

2010 へのアップグレードを検討されることでしょう。

アップグレードを行う際には、入念な計画が必要です。また、アップグレードを行う前に、アップグレード中のプロセス、アッ

プグレード後の結果をイメージすることが大切でしょう。

本自習書は、アップグレードを検討している立場の方がスムーズにアップグレードを実行することができるよう、アップグレ

ードにどのような選択肢があるのか、またアップグレード中のプロセスを理解することができるよう計画されました。

どのアップグレード手法にもトレードオフの側面があります。本自習書が組織の SharePoint環境にとって適切なアップ

グレード手法を選択するお役にたてれば幸いです。

なお、アップグレード手法には複数の方法が考えられます。既存のファーム構成によっては本自習書でカバーしきれてい

ない手法を取り入れる場合もあるでしょう。しかし、どのようなケースでも、データベースを操作すること、復元すること、

PowerShell スクリプトの使用、STSADM コマンドレットを使用する手順は発生します。使用するコマンドやデータベー

ス操作は同一であるため、まず本自習書全体を一読され、汎用アップグレードケースを理解されることをお勧めいたし

ます。


4

変更履歴

バージョンリリース時期変更内容

Version 1.0 2010 年 6 月初版リリース


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前提環境について

評価用の Active Directory環境と電子メールサーバーが既にあることを前提環境とします。

本自習書を記述する際に使用した前提環境は下記の通りです。

・Active Directory

サーバーOS： Windows Server 2008 R2 (x64)

サーバー名： DC2008

サーバーの役割：AD DS、DNS

ドメイン名： Contoso.com

ドメイン機能レベル： Windows Server 2003 ネイティブ

・電子メールサーバー


サーバー名： MAIL2010

アプリケーション： Microsoft Exchange Server 2010

インストール： Exchange Server の標準インストール（Hub、CAS、Mail Box、Exchange管理ツール）

・SharePoint Server 2007 （移行元）


サーバー名： MOSS2007

SQL Server： SQL Server 2005 (x64)

・SharePoint Server 2010 （移行先）


サーバー名： SP2010

SQL Server： SQL Server 2008 R2


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Contents

はじめに .......................................................................................................................................................................................... 3

変更履歴 ...................................................................................................................................................................................... 4

前提環境について ........................................................................................................................................................................ 5

第 1章アップグレード手法の考察 ........................................................................................................................................ 8

1.1 SharePoint Server 2007 から SharePoint Server 2010へ....................................................................... 9

1.2 なぜ SharePoint Server 2010 へのアップグレードを考慮すべきか？............................................................... 11

1.3 トレードオフ ......................................................................................................................................................................... 13

第 2章インプレースアップグレードを行う ............................................................................................................................. 14

2.1 インプレースアップグレードの手順の確認 ....................................................................................................................... 15

2.2 アップグレードを開始する .................................................................................................................................................. 17

第 3章データベース移行によるアップグレード ................................................................................................................... 46

3.1 データベースの移行によるアップグレードを計画する .................................................................................................... 47

3.2 データベース移行アップグレードの作業手順を確認する............................................................................................. 49

3.3 2010新ファーム環境を作成する .................................................................................................................................. 51

3.4 データベース移行を行う（準備） .............................................................................................................................. 51

3.5 データベース移行（移行データのバックアップ） .......................................................................................................... 54

3.6 データベース移行（復元） ............................................................................................................................................ 58

3.7 共有サービスデータベースの復元 ................................................................................................................................ 67

3.8 データベース移行のしあげ ................................................................................................................................................ 75


8

第1章アップグレード手法の考察


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1.1 SharePoint Server 2007から SharePoint Server 2010 へ

SharePoint Server 2007 と SharePoint Server 2010 を比較したとき、サーバーのトポロジ自体には大きな変

化はありません。

一般的なサーバーのトポロジでは：

・Web フロントエンドサーバーの役割

・アプリケーションサーバーの役割

・データベースサーバー

しかし、アーキテクチャや新しいソフトウェア、ハードウェア要求事項を比較したときには大きな変更点があります。代表的

なものを取り上げてみましょう。

１．64 ビット環境のみの提供：

SharePoint Server 2007 では 32 ビット版、64 ビット版共に提供されていました。またサーバーのトポロジもそれぞ

れの層で 32 ビット、64 ビットを選択することができました。（同一層内での 32 ビット、64 ビット混在は不可）

しかし、SharePoint Server 2010はファーム全体が 64 ビットOS とアプリケーションで構成されている必要があ

ります。そのため、既存の SharePointファームが32ビットで構成されている、もしくは 32ビット環境が混在している場

合は、大きな挑戦となります。

SharePoint Server 2010は 64 ビット用に最適化されているため、広大なメモリ空間を使用し、より良いパフォーマ

ンスをもたらします。

２．「共有サービスプロバイダ」の廃止：

SharePoint Server 2007 には「共有サービスプロバイダ」がありました。共有サービスプロバイダは、「共有すること

により便利に活用することができる」いくつかのサービスをまとめて提供するしくみです。例えばエンタープライズ検索機能、

ユーザープロファイル機能、ビジネスデータカタログアプリケーション、Excel Servicesなどが共有としてまとめられ定義さ

れ提供されました。

SharePoint Server 2010 では「共有」として複数のサービスがひとまとで提供されるのではなく、一つ一つののサービ

スが独立した「サービスアプリケーション」として提供されます。それにより柔軟な冗長構成をとることができるようになりまし

た。

３．（クライアントサイド）Internet Explorer 6のサポート終了：

SharePointはWeb のテクノロジを使用したアプリケーションです。ユーザーはWeb ブラウザを使用し、SharePoint

を利用します。ブラウザは種々存在しますが、より汎用的なWeb の技術を採用するため、SharePoint Server

2010 では、Internet Explorer 7以降のバージョンが必要になります。


10

どのようなアップグレード手法を採用するかは、現在の SharePoint ファーム環境、組織の要求事項を考慮すると、お

のずと選択肢を絞ることができるでしょう。マイクロソフトが TechNet で紹介している手法は下記の２つになります。

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc287821.aspx

手法内容

インプレースアップグレード既存のファーム環境が 64 ビットで構成されている場合、インプレースアップ

グレードがサポートされます。しかし、OSのバージョンアップ、追加コンポー

ネントのアップデート、新しい SharePoint Server 2010 のハードウェア

要求を満たすなど、最低限の要求事項に従う必要があります。

データベース移行移行可能なデータベースをバックアップし、新環境へ移動します。

ある程度のダウンタイムが許されるのであれば、データベース移行はもっとも

スムーズに SharePoint Server 2010にアップデートする手段となります

が、全ての設定、全てのデータベースが移行できるわけではありません。

本自習書ではこの２つの手法、インプレースアップグレードとデータベース移行によるアップグレードをご紹介いたします。

Tips：Office SharePoint Portal Server 2003から SharePoint Server 2010 へのアップグレード

Office SharePoint Portal Server 2003 から直接 Microsoft SharePoint Server 2010 へのアップグレー

ドはできません。また 2003から 2010 への移行を考慮するとき、バージョンは差異があまりにも大きく、ハードウェア要

件も違いすぎるので、データベース移行を使用しても直接の一括アップグレードはできません。

まずコンテンツを Microsoft Office SharePoint Server 2007 にアップグレードし、その後で SharePoint

Server 2010 にアップグレードします。

http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/ee947141.aspx

http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/ee947141.aspx


11

1.2 なぜ SharePoint Server 2010 へのアップグレードを考慮すべきか？

現在安定稼働しているアプリケーションをアップグレードするには、多くの労力、費用と時間を必要とします。

現在使用している SharePoint Server 2007が問題なく稼働しているのであれば、SharePoint Server 2010

へのアップグレードを考慮する必要はないでしょうか？

SharePoint Server 2007 と SharePoint Server 2010 を比較したとき、下記のような向上点があります。

・ドキュメントやWeb以外のリッチなコンテンツに対応

これまで SharePoint Serverはドキュメントコンテンツ、Webページ、リストデーター、外部データベースなどが共有、

管理の対象になっていました。SharePoint Server 2010 では、それらに加えて動画コンテンツ、Silverlight コンテ

ンツなどリッチメディアを管理することができるようになり、エンドユーザーによりリッチな経験を提供することができるようにな

りました。

・向上したユーザービリティ

SharePoint Server 2010は Office製品で採用されている「フルーエント UI（リボン）」を採用しています。これ

により、ユーザーはローカルクライアントアプリケーションである Office製品とサーバー製品を同一の UI で違和感なく使

用することができます。またフルーエント UI は動的な UI です。ユーザーの操作の脈略にそって内容が変化していきます。

場所によってはライブプレビュー機能も使用することができます。完全に設定を適用する前に、どのような変化が起きる

かをライブ（マウスカーソルをあてるだけ）で確認できます。

また、ファイルのアップロードや配置の方法も向上しています。AJAX を使用した画面遷移のない UIは、使用者に安

心感を与えます。自分の操作に応じて URL がどんどん変化していったり、画面が変わっていくと、何をしていたのか、どの

ように戻ったらよいのかわからなくなることがありますが、SharePoint Server 2010 ではそのような問題が起きず、直

感的です。

・高い信頼性と冗長化、可用性手法

SharePoint Server 2010 では、共有サービスプロバイダが廃止され、各々のサービスが独立した形で提供されま

す。そのため、これまで冗長化することができなかったサービスも複数のサーバーで冗長化を行うことができます。

「シングルポイント」と呼ばれる冗長化が行えない場所はなくなりました。

さらに、障害にも強くなり、SQL Server 2008 が提供する「ミラーリング」に標準対応します。これにより比較的安価

に構築できるソリューションを用いつつ、かつ障害時のダウンタイムを極力減らすことが可能です。

またディスクの肥大化を防ぐ一つの方法として BLOB の使用など、より高度なキャパシティー制御をおこなったり、ストレ

ージ周りの他社製品アプリケーションとの高い連携を見せます。

・Office 2010 Client製品との高い親和性

SharePoint Server 2010は Office 2010 Client と高い親和性を保ちます。Office 2010 では、新たに

SharePoint Workspace 2010 が準備され、SharePoint Server 2010 内のコンテンツをセキュアに、効果的に

オフラインで使用することができます。


12

また無償で「SharePoint Designer 2010」が準備されています。

SharePoint Designer 2010は、サイトの見た目デザインだけにとどまらず、ユーザー独自のワークフロー作成やサイト、

ユーザーの効果的な管理など、SharePoint Server 2010 を一元管理することのできる高度な管理ツール機能を

兼ね備えています。外部リストとの連携コネクタ作成なども行うことができ、データベース連携がより簡単に行えるように

なっています。

モバイルディバイスとの親和性もより高くなっています。モバイルディバイス専用のビューを提供し、カスタマイズすることも

可能です。

SharePoint Serverは主にエンドユーザーが多くの時間業務で利用します。SharePoint Server 2010 で向上さ

れたユーザービリティはよりユーザーの生産性を高め、気持ちよく使用していただくことができるでしょう。

アップグレードを考慮すべき理由はまだ多くあります。是非実際に環境を作成しSharePoint Server 2010を評価し

てみてください。


13

1.3 トレードオフ

アップグレードを行うことによって IT管理者、開発者、エンドユーザー、すべての立場の人が最新のテクノロジを使用する

ことができ、生産性を高めることが可能です。しかし、アップグレードは慎重、かつ計画的に行われるべきです。アップグレ

ードすることによって発生する可能性のあるトレードオフ事項も考慮する必要があります。

SharePoint Server 2010 へアップグレードをする前に、下記の案件を考慮してください。

・64 ビット版のみの提供

SharePoint Server 2007 では 32 ビット版と 64 ビット版が提供されていますが、SharePoint Server 2010 で

は、64 ビット版のみの提供です。現在 32 ビット版を活用している場合は、新たにファームを（一時的にでも）用意す

る必要があります。

・新しいバージョンに伴う、拡張機能の再開発

32 ビット版で開発されている組織独自の機能は、場合によっては 64 ビット版に対応できるよう少しの変更が求められ

る場合があります。また、ファーム全体を通して、32 ビット環境を 64 ビット環境にする際に、既存のソリューションが正し

く動作するか、検証テストに多くの時間が必要となるかもしれません。

・ダウンタイムの発生

インプレースアップグレードを行う場合も、データベース移行も、ある程度のダウンタイムが発生します。SharePoint上

でクリティカルな業務が行われている場合は、アップグレードを行う時期、タイミング等、綿密な計画が必要となります。

・Internet Explorer 6 のサポート終了

多くの組織は Internet Explorer 6 を使用しています。 SharePoint Server 2010では Internet Explorer 6

はサポートされておらず、表示させようとした場合、警告と共にレイアウトが崩れてしまい、リボン UIなども正しく表示され

ません。

Internet Explorer 6は組織内の他のアプリケーションでも使用されている可能性があるため、簡単にアップグレード

することが難しいかもしれません。

ただし、SharePointテクノロジに非常に精通している「マイクロソフト認定パートナー」企業は、Internet Explorer 6

でも SharePoint Server 2010 の描画を正しく行うことができるようなソリューションを提供している場合があります。


14

第2章インプレースアップグレードを行う


15

2.1 インプレースアップグレードの手順の確認

インプレースアップグレードは、現在のSharePoint Server 2007の環境内容を、基本的にすべて新環境に引き継ぐ

ことができるため、既存のサーバーファームが SharePoint Server 2010 のインストール条件を満たしているのであれ

ば非常にスムーズに、かつユーザーにとっても違和感なく新しい環境に移行することができる最良の方法です。

インプレースアップグレードを行う前に、現在のファームの環境がインプレースアップグレード対象か、確認してみましょう。

確認事項チェック✔

・ファーム内のすべてのサーバーがWindows Server 2003 もしくは 2008の 64 ビット OS

であり、64 ビット版の SharePoint Server 2007 が稼働している

・SQL Server 2005、もしくは 2008 の 64 ビット版を SharePoint Server 2007用デー

タベースサーバーとして使用している

現在 SharePoint Server 2007 が稼働しているファーム内のすべてのサーバーが

SharePoint Server 2010、また SQL Server 2008で要求されているハードウェアスペッ

クを満たしている

アップグレードを一括で行うために必要な作業時間を確保することができる

全てのデータのバックアップを保持している

上記の条件が満たされている場合、インプレースアップグレードが可能です。

1. まずインプレースアップグレードの作業手順の確認をしましょう。なお、下記の手順は現在の環境がWindows

Server 2003(64 ビット)で構成されており、かつ SQL Server 2005（64 ビット）を使用していることを想定して

います。すでにWindows Server 2008、SQL Server 2008などを使用して SharePoint Server 2007環

境を構築されている場合は、SharePoint Server 2007 に SP2 を提供するところから始めます。

Windows Server 2003 からWindows Server 2008 へ

SQL Server 2005 の環境を整える（SP3、CU2の適用）

SharePoint Server 2007 に SP2 を適用する


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アップグレードチェックの実行

アップグレードを阻害する機能、プラグインの一時削除（オプション）

SharePoint Server 2010 インストーラーの起動 (splash.hta)

SharePoint Server 2010 インストール前の必要コンポーネント準備

SharePoint Server 2010 のインストール

SharePoint Server 2007各種サービスの停止

内部アップグレードの開始

ビジュアルアップグレード

全体的なアップグレード後の確認

必要な個所の再設定

SharePoint Server 2010 アップグレード完了


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2.2 アップグレードを開始する

インプレースアップグレードを実行する前に、既存の SharePoint環境を最新にします。インプレースアップグレードを行うた

めには、最新の SharePoint Server 2007、SQL Server の修正モジュールが適用されている必要があります。

具体的には以下の条件を満たしている必要があります。

Windows Server 2003 SP2の適用

SharePoint Server 2007 SP2の適用

SQL Server SQL Server 2005 SP3 の適用と CU2 の適用

本自習書では、Windows Server 2003 SP2 x64 版サーバーOS と SQL Server 2005 SP3 x64 に

SharePoint Server 2007 SP2版がインストールされている状態を前提にインプレースアップグレードを紹介いたしま

す。もし現在の SharePoint環境に SP2 が適用されていないのであれば、必ず OS をアップグレードする前に

SharePoint Server 2007 SP2 を適用してください。SP2 を適用する方法については

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc263467(office.12).aspx を参照してください。

アップグレード前の SharePoint Server 2007 は下記のようなサイトを持っています。

トップサイト： http://moss2007

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc263467(office.12).aspx

http://moss2007/


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人事部ポータル： http://moss2007/hr

コンテンツとして、「お知らせ」、「リンク」、「共有ドキュメント」、「経費精算ライブラリ」などがあります。

例：共有ドキュメントの中

http://moss2007/hr


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2. Windows Server 2003 SP2 x64 をWindows Server 2008 R2 にアップグレードします。

Tips：OSの選択をする際、Windows Server 2008 x64 かWindows Server 2008 R2 を使用するかを

考慮しますが、可能な限りWindows Server 2008 R2 を使用すべきです。

（KB962935 を参照してください。 http://support.microsoft.com/kb/962935/ja）

アップグレード中、SharePoint Serverの検索サービスは停止している必要があります。SharePoint

Server 2007 の場合、検索サービスは 2種類あります。どちらも停止します。

[スタート] から [管理ツール] を選択します。 [サービス] をクリックします。

サービスの一覧から [Windows SharePoint Services Search] と [Office SharePoint Server Search]

を停止し、無効にします。

http://support.microsoft.com/kb/962935/ja


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検索サービスは、 [スタートアップの種類] が「自動」になっているため、一時的に「無効」にし、 [適用] をクリック

してから [停止] します。

3. Windows Server 2008 R2 のメディアを挿入します。 [今すぐインストール] をクリックします。


21

Tips：Windows のエディションに注意してください。

Windowsのエディションは同一エディションでのみアップグレード可能です。

2003 Standard エディションを 2008 Enterprise といった異なるライセンスエディションへアップグレードインスト

ールすることはできず、インストーラーがエディションを判別した時点でアップグレード作業が停止します。エディションを

変更する場合は、新規インストールとなります。

[インストールの種類] で [アップグレード] を選択します。

[互換性のレポート] で Office SharePoint Server 2007 の機能を無効になることを確認し、 [次へ] をクリッ

クします。


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OS アップグレード中何度か再起動し、アップグレードが完了します。

4. OS のアップグレードが成功したことを確認します。


23

5. SharePoint Server 2007 を再度有効にします。

OS のアップグレードによって無効になった SharePoint Server 2007 を修復します。

[スタート] から [コントロールパネル] を選択します。 [プログラムと機能] をクリックします。

[プログラムのアンインストールまたは変更] から Microsoft Office SharePoint Server 2007 を選択し、 [変

更] をクリックします。


24

[修復] を選択し、[次へ] をクリックします。

修復完了後、[閉じる] をクリックします。


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6. 再起動します。 [はい] を選択し、今すぐ再起動します。

7. SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを起動し、[次へ] をクリックします。


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8. [サーバーファームの設定の変更] で [このサーバーファームとの接続を維持する] を選択し、 [次へ] をクリックしま

す。

SharePoint サーバーの全体管理Web アプリケーションの設定を確認します。

[このコンピュータで引き続きWeb サイトをホストする] を選択し、[次へ] をクリックします。


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[構成成功] で [完了] をクリックします。

9. [完了] をクリック後、SharePoint の全体管理ページが開きます。


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10. SharePoint Server 2007 のサイトが正常に立ち上がることを確認します。

ここまでで、OSがWindows Server 2008 R2 にアップグレードされ、アップグレード中に停止していた

SharePoint Server 2007 の再構成が完了しました。

Tips：OS をアップグレードする上での注意点をまとめます。

・アップグレード前のWindows エディションとアップグレード後のエディションを一致させる

・必ず SharePoint Server 2007 に SP2 を適用しておく

※SharePoint Server 2007はSP1からWindows Server 2008、SP2からWindows Server 2008 R2

に対応します。

※SharePoint Server 2010 へのアップグレードは、Windows Server 2008 を選択してもWindows

Server 2008 R2 を選択しても、どちらの OS でも SharePoint Server 2007 の SP2 が適用されていなけれ

ばなりません。


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11. SQL Server 2005 SP3 に修正モジュールを適用します。

（SQL Server 2008 を使用している場合は SP1 と CU2以降の適用になります。）

SQL Server 2005 x64 SP3 はそのまま使用することができますが、最新の修正プログラム(CU3)を適用する必

要があります。


「SQL Server 2005 Service Pack 3 の累積的な更新プログラムパッケージ 3」は 3 つの修正プログラムから

成り立ちます。

修正プログラムに関する同意を行い、電子メールアドレスを入力し、リクエストを請求します。

・Windows Server 機能の追加（PowerShell、デスクトップエクスペリエンス）

・SharePoint Server 2010事前準備ツールの実行

・Windows Server 2008 R2 WCF の修正プログラムを適用



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12. SharePoint Server 2010 のインストールに事前に必要な「Preupgradecheck」の実行をします。

[スタート] から [ファイル名を指定して実行] をクリックします。[cmd] と入力しコマンドプロンプトを表示します。

STSADM.exe を実行します。

cd c:\Program Files\Common Files\Microsoft Shared\Web Server Extensions\12\BIN

stsadm.exe –o Preupgradecheck

アップグレード前チェックレポートが出力されます。レポートにエラーの記載がないことを確認します。


31

Tips：このコマンドはファーム内に複数のサーバーがある場合、ファーム全体のレポートを既定で作成しますが、一

台一台で実行し、レポートを作成することも可能です。（ローカル実行）

何らかのエラーがあるときには、下記のようにレポート内に「失敗しました」と表示されます。

その問題に対しての解決策がある場合にはリンクが提示されます。

13. SharePoint Server 2010 インストール前にすべての SharePoint サービスを停止します。

[スタート] から [管理ツール] を選択し、[サービス] をクリックします。


32

14. Windows SharePoint Services から始まる名前のサービス全てと「Office SharePoint Server Search」

を停止します。

すべての SharePoint テクノロジに関連するサービスが停止していることを確認します。


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15. SharePoint Server 2010 のインプレースアップグレードインストールを行う前に、ソフトウェア必須コンポーネントの

インストールを行います。

SharePoint Server 2010 メディアをサーバーに挿入します。

16. 「ソフトウェア必須コンポーネントのインストール」をクリックし、起動します。本ツールを使用するためには「インターネッ

トへの接続」が必要になります。


34

17. ライセンスに同意し、進めます。

IIS の構成、必要なプログラムのインストール終了後、再起動します。


35

18. ソフトウェア事前準備が完了したことを確認し、[完了]します。

19. SharePoint Server 2010 のインストールを開始する前に、現状のデータをバックアップしておきます。

※この時点では、まだ SharePoint Server 2007 に対する変更は加えられていません。

[サーバーの全体管理] から [バックアップと復元] を選択します。


36

ファーム全体を選択し、バックアップを取得します。

バックアップしたファイルは、影響の受ない別環境に移動しておきましょう。

20. SharePoint Server 2010 のインストールを始めます。インストールメディアを開き、「setup.exe」を実行します。

製品版のプロダクトキーを入力し、 [続行] します。


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ライセンス条項に同意します。 [続行] をクリックします。

[以前のバージョンからのアップグレード] が表示されます。 [今すぐインストール] をクリックします。

Tips：アップグレードの選択肢は「今すぐアップグレード」のみです。以前のバージョンでは「段階的アップグレード」が

用意されていましたが、SharePoint Server 2010ではインプレースアップグレード（一括アップグレード）のみです。

そのため、インプレースアップグレードを行う場合には、ファーム内のすべてのサーバーに対して同様のアップグレードを

行わなければならないため、大規模ファームではインプレースアップグレードを実行するのは現実的ではないかもしれま


38

せん。その場合には、データベース移行、もしくはハイブリット方式（データベースを段階的に一時的に読み取り専

用にして、アクセスだけ可能にし、その間にバックアップファイルから新ファームへのデータベース移行アップグレード続け

る）を選択することができます。

21. SharePoint Server 2010 のインストールが行われます。

22. インストール終了後、[SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを今すぐ実行する] にチェックが入っていること

を確認し、[閉じる] をクリックします。


39

23. SharePoint Server 2007 から SharePoint Server 2010 へのアップグレード用の製品構成ウィザードが起動

します。

24. ファームのセキュリティ用にパスフレーズを入力します。

本自習書では「P@ssw0rd」と入力します。


40

25. ビジュアルアップグレードの選択を行います。SharePoint Server 2007 からアップグレードの際、新しい

SharePoint Server 2010 のフルーエント UI（リボン）を使用するか、既存の SharePoint Server 2007 の

UI を維持するかを選択することができます。なお、この設定は後からでも変更可能です。

[既存の SharePointサイトの外観を維持したまま、エンドユーザーがユーザーエクスペリエンスを更新できます] を

選択し、[次へ] をクリックします。

すべてが完了したことを確認します。

この後、SharePoint タイマージョブによりアップグレード処理が継続されます。


41

26. SharePoint Server 2010 のサーバーの全体管理サイトが開きます。

アップグレード用の構成ウィザードが終了したことにより、各種新機能のインストール、サービスのインストールが行われ、

同時に構成データベースが持つ各種情報を基にデータベースアップグレード用のスクリプトが背後で作成されます。

それをもとに、各コンテンツデータベースやサービス用のデータベースがアップグレードされていきます。

これらのアップグレード処理はタイマージョブを通して行われます。

タイマージョブによるアップグレードの進行状況が表示されます。進行状況は 1分おきに自動的にアップデートされ、

最終的には「成功」が表示されます。


42

注意：

アップグレード作業はファームの規模、データベースの大きさによって変わりますが、数十分から数時間かかること

があります。アップグレード実行中は SharePoint Server 2010の操作はしないでください。

「成功」が表示されるまで、完了していません。

27. 全てのアップグレードジョブが終了したことを確認します。

Tips：

アップグレードのタイマージョブが「失敗」と赤字で表示されることがあります。

失敗している場合は、ログを確認します。問題となる部分を修正した後、再度構成ウィザードを実行します。

また、アップグレード用タイマージョブは、SharePoint Server 2010 では廃止された共有サービスプロバイダに基づ

いてサービスの構成をしようとするため、環境によっては一部のサービスが正常に起動せず、「失敗」で終了してしまう

ことがあります。

その場合、どこまで新しい SharePoint Server 2010 が構成されている状態でエラーになっているのかにもよります

が、手動で残りを構成することも選択肢の一つになるでしょう。


43

28. すべてのアップデートプロセスが完了後、サイトを立ち上げ確認します。

右上の [サイトの操作] をクリックすると、SharePoint Server 2010 にアップグレードされていることが確認できま

す。

29. ビジュアルアップグレードで UIの変更を行います。

[サイトの操作] から [ビジュアルアップグレード] をクリックします。


44

30. [タイトル説明アイコン] ウィンドウが開き、ビジュアルアップグレードの選択をします。

[新しいSharePoint ユーザーインターフェイスをプレビューするが、問題がある場合は、以前のユーザーインターフェイ

スに戻す] を選択し、 [OK] をクリックします。

31. SharePoint Server 2010 の UIで表示されることを確認します。

上部に「黄色い帯」でUIに関する警告が表示されます。正常に表示されている場合は、これ以上警告を出す必要

がないため、「黄色い帯」の[このサイトのビジュアルアップグレード設定を表示] をクリックし、「今後このメッセージを表

示しないようにする」を選択します。


45

Tips：ビュジュアルアップグレードの意義

ビジュアルアップグレードの機能は SharePoint Server 2007、もしくはそれ以前のバージョンの SharePoint

Serverからアップグレードした場合しか利用することができません。SharePoint Server 2010の新規インストール

でも「ビジュアルアップグレード」メニューは表示されていますが、使用することはできません。

ビジュアルアップグレードが準備された理由は、過去のUIを使い続けるためではなく、新環境での既存UI検証終了

までの間、業務が滞りなく行えるようにするため準備されました。レイアウトが大幅に崩れてしまった画面では

SharePoint上で業務を継続することは難しくなるからです。

ビジュアルアップグレード機能を使用することにより、組織が 2010用の UIにマスターページや CSS、機能を修正す

る時間が提供されます。

組織は、ビジュアルアップグレードを使用して2007のUIを将来にわたって継続的に使い続けることは可能でしょうか。

いいえ、新しいUIでなければ行えないこと、使用できない機能は多くあります。特にページの編集に関連する機能は

新しい UI に変更しなければ十分に行うことはできません。あくまで一時的な使用のためにビジュアルアップグレードを

利用します。

32. 全ての設定を再確認します。下記は、確認すべき事項の一例です。

・送信メールサーバー、受信メールサーバーの設定は正しく引き継がれているか。

・ユーザープロファイルは移行されているか。

・検索は正常に行えるか。

・全てのサイトにアクセスできるか。

・アクセス権は正しく反映されているか。


46

第3章データベース移行によるアップグレード


47

3.1 データベースの移行によるアップグレードを計画する

SharePoint テクノロジでは、全てのコンテンツデータを SQL Server のデータベースに格納します。

そのため、データベースのバックアップを取り、それを復元することによって SharePoint Server 2010へアップグレードを行

うことが可能です。コンテンツデータベースが複数ある場合にも対応します。

この手法は 32 ビット環境から 64 ビット環境へ移行する際にも活用することができる手法です。

しかし、データベース移行を始める前に、考慮すべき点もいくつかあります。

まず、データベース移行では、既存の SharePoint Server 2007 ファームが持っている「全ての」情報を復元することが

できるのでしょうか？

TechNetでは利点と欠点を次のようにまとめています。重要なポイントは「太字」にしています。

方法説明利点欠点

一括アップ

グレード

SharePoint 2010 を同じ

ハードウェアにインストールでき

ます。同じプロセスの一環とし

て、サーバーファームのコンテン

ツと設定をアップグレードすること

もできます。

ファーム全体の設定が

保持されてアップグレ

ードされます。アップグ

レード後の環境でもカス

タマイズは有効ですが、

カスタマイズ部分をアッ

プグレードしたり再稼働

するために手動での操

作が必要になる場合が

あります。

アップグレードの進行中は、サーバー

およびファームはオフラインになりま

す。アップグレードは連続して進行しま

す。したがって、すべてのコンテンツが

順にアップグレードされるのに十分な

時間を割り当てる必要があります。

データベース

接続アップ

グレード

別のファームの環境のコンテン

ツをアップグレードできます。こ

の場合、サービスやファームの設

定はアップグレードしません。デ

ータベースを任意の順序でアッ

プグレードでき、同時に複数の

データベースをアップグレードで

きます。データベースのアップグレ

ード中は、そのコンテンツをユー

ザーが使用することはできませ

ん。

同時に複数のコンテン

ツデータベースをアップ

グレードできるので、全

体として一括アップグ

レードよりも短時間で

処理できます。データベ

ース接続アップグレード

を使用して、複数のファ

ームを 1 つのファームに

まとめることができます。

サーバーおよびファームの設定はアッ

プグレードされません。古いファーム

から新しいファームへ保持する設定

は、手動で転送する必要がありま

す。すべてのカスタマイズも手動で新し

いファームへ転送する必要があります。

転送されないカスタマイズがあると、意

図しない機能の損失や、ユーザーエ

クスペリエンスの問題が発生する場合

があります。ネットワーク経由でのデー

タベースのコピーには時間がかかり、多

くの帯域幅が使用されます。十分に

検討して計画する必要があります。デ

ータベースサーバーへの直接アクセス

が必要です。




48

データベース移行のアップグレードの特徴を下記にまとめます。

・データベースをアタッチするだけのため、コンテンツデータベースの内容は失われることなく保持される。しかし、移行先は

新環境のため、構成データベースに格納されていた種々の設定は引き継がれない。基本的にコンテンツ内容のみ。

・SharePoint Server 2007 がもつ全てのデータベースとそのデータが移行できるわけではない。

例：構成データベースなど（新ファームは別の構成情報をもつ、また各サービスが「アプリケーション化」されている）

※アーキテクチャの変更が大幅になされています。

・代替アクセスマッピングを使用して運用されていなかった環境では URL が変わる可能性がある。

新サーバーファーム（新規SharePoint Server 2010ファーム）上に復元するため、代替アクセスマッピングを使用せ

ずサーバー名をそのままアクセス URL として使用している場合は、サーバー名、Web アプリケーション URL が変わる

・データベースを直接操作するため、データベースに関する知識が必要になる。

・PowerShell によるデータベースとサービスアプリケーションの手動紐づけが必要になる。

・2007 から全く移行できないものに関しては、サービスの再設定、情報の再作成が必要になる。

移行できるデータベース、もしくはデータは次の通りです。

・コンテンツデータベース（複数のコンテンツデータベースをアタッチ可能）

・個人用サイト用に作成したコンテンツデータベース

・共有サービスプロバイダ用データベース内のデータ

（SharePoint Server 2010 には共有サービスはないので、一部の情報のみ）

・Single Sign On用データベース


49

3.2 データベース移行アップグレードの作業手順を確認する

データベース移行を始める前に、どのような手順で行うか前もって確認しておきましょう。

青い囲みは SharePoint Server 2007 の段階で行うべきタスクです。全ての作業が必須なわけではありませんが必

要に応じて行います。

赤い囲みが SharePoint Server 2010 への移行手順です。

使用するコマンド：

アップグレードチェック STSADM.EXE -o Preupgradecheck

（このコマンドは SP2が適用されていないと実行できません）

環境のクリーンアップ使用されていないサイトの削除

STSADM.EXE -o Deletesite

STSADM.EXE -o Deleteweb

不必要にたまっているバージョン管理機能によって作成された過去のファイルの削除

手作業、もしくは開発されたアプリケーションを通して実行

SharePoint Server 2007 に SP2 を適用する

アップグレード前の事前チェックを実行する

既存の環境のクリーンアップをする（DBのスリム化）

全ての Web アプリケーションと対応するコンテンツ DBの繋がりをメモする


50

SharePoint Server 2010 ファームの作成

最低限のサービス起動

SharePoint Server 2010 ファームの最低限の設定（メールの設定など）

Web アプリケーションの作成（以前の環境にあった分作成）

SharePoint Server 2007 データベースのバックアップ取得

カスタムコンポーネントの確認

コンテンツデータベースの復元（Web アプリケーションへ）

SSP データベースをアップグレードしてユーザープロファイルを構成する

個人用サイトの Web サイトをアップグレードする

残りのデータベースの復元

新しい環境での検索用インデックスの新規作成


51

3.3 2010新ファーム環境を作成する

データベース移行を行う場合は、データベース移行に適した新ファームを作成しておく必要があります。SharePoint

Server 2010 インストール作業そのものは「SharePoint Server 2010 自習書・インストール編」を参照されてください。

データベース移行に適した環境作成の詳細に関しては下記 MSDN の資料をご覧ください。

http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/cc263026.aspx

3.4 データベース移行を行う（準備）

これからご紹介するデータベース移行の環境は、SharePoint Server 2007 と SQL Server 2005 がインストールさ

れ、サーバー名が「MOSS2007」というファーム構成の環境から新規の SharePoint Server 2010 への移行です。

なお、移行先の SharePoint Server 2010 ファームは、別冊「SharePoint Server 2010自習書・インストールガイ

ド」で作成された新しい SharePoint Server 2010 のファームです。

ただし、自習書で採用されている「構成ウィザード」後の「ファームの機能準備ウィザード」は「キャンセル」しています。

1. SharePoint Server 2010 のインストールに事前に必要な「Preupgradecheck」の実行をします。

[スタート] から [ファイル名を指定して実行] をクリックします。[cmd] と入力しコマンドプロンプトを表示します。

STSADM.exe を実行します。


stsadm.exe –o Preupgradecheck

http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/cc263026.aspx


52

アップグレード前チェックレポートが出力されます。レポートにエラーの記載がないことを確認します。

2. SharePoint Server 2007 のサイトに不必要なものがないかサイト一覧を確認します。

SharePoint Server 2007 で STSADM.exe コマンドを実行します。


STSADM.exe –o enumallwebs –databasename データベース名


53

上記のように“WSS_Content”データベース内のサイト一覧が表示されました。

しかし、コマンドラインでの表示では読みづらく感じるかもしれません。

サイト一覧のリストをファイルに出力してみましょう。

例：STSADM.exe –o enumallwebs –databasename wss_content >c:\SiteList.xml

出力されたファイルを Excel 2010など XML を綺麗に表示できるアプリケーションで開きます。

必要であればリストに基づき、不必要なサイトを削除します。


54

3.5 データベース移行（移行データのバックアップ）

1. コンテンツデータベースを SharePoint Server 2007 から切断します。

[サーバーの全体管理] から [アプリケーション構成の管理] で「コンテンツデータベース」を選択します。対象となる

Web アプリケーションを右側から選択し、コンテンツデータベースを確認します。

データベース名をクリックし、開きます。

[コンテンツデーターベースの削除] をチェックし、OK をクリックします。


55

警告が表示されます。OK をクリックします。コンテンツデータベースの削除は、SharePoint との関連が切断される

だけであり、SQL Server上からデータベースそのものが削除されるわけではありません。

2. 切断後、SharePoint Server 2007 で使用している SQL Server からデータベースのバックアップを行います。

[スタート] から [すべてのプログラム] を表示し、[Microsoft SQL Server 2005] にある[SQL Server

Management Studio] をクリックします。

[サーバー名] にMOSS2007 と入力し[データベースエンジン] に[接続] します。


56

3. [データベース] を展開し、目的のデータベースを選択します。

本自習書では SharePoint Server 2007 の次のデータベースをバックアップします。

※データベース名はそれぞれの環境によって異なります。下記の例は管理者がコンテンツデータベースを作成時にわかりや

すいデータベース名を付けた一例です。（既定ではWSS_Content_xxxxxxxxxxxxxx）

WSS_Content コンテンツデータベース１（サイト１つ含有）

WSS_Content_01 コンテンツデータベース１（サイト１つ含有）

WSS?Content_PersonalSites 個人用サイトコンテンツデータベース

SharedServices1_DB 共有サービスデータベース

4. データベースのバックアップを取得します。

取得対象のデータベース上で右クリックしメニューを表示します。

[タスク] から [バックアップメニュー] を選択します。


57

5. バックアップ内容と、バックアップ先を選択します。

データベース： WSS_Content（例）

バックアップの種類：完全

バックアップ先：任意のフォルダ

選択後、[OK] をクリックします。指定したフォルダにバックアップファイルが存在していることを確認します。

同様の手順で、予定している全てのコンテンツデータベースと共有サービスプロバイダのデータベースバックアップを行います。


58

3.6 データベース移行（復元）

バックアップデータを SharePoint Server 2010 で復元するため、Web アプリケーションの作成とコンテンツデータベーを

作成します。

1. [スタート] から [すべてのプログラム] を選択し、 [Microsoft Office SharePoint 2010 Products] から

[SharePoint サーバーの全体管理] を選択します。

サイドリンクバーから[アプリケーションの構成の管理] を選択します。 [Webアプリケーションの管理] を選択し、リボン

UI から [新規] をクリックします。

新しいWeb アプリケーションを作成します。

以前の SharePoint Server 2007 で使用していた時と同条件でWeb アプリケーションを構成します。

この例では、認証は「クラシックモード認証」、Web サイトのポートは 80 で作成しています。

※もし 2007 の時にフォーム認証などを使用していた場合、別途 SharePoint Server 2010 の Claim 認証の設定

が先に必要です。http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ee806890.aspx を参照してください。

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/ee806890.aspx


59

ここで作成するデータベースは後程上書きをするので、データベース名は任意でも構いませんが、わかりやすくするため

に SharePoint Server 2007 の時と同様のデータベース名を指定することをお勧めいたします。

2. [データベース] セクションの [コンテンツデータベースの管理] をクリックします。


60

3. 復元する数分だけ [コンテンツデータベースの追加]を行います。

データベース名はバックアップデータベース名と同様にすると復元の時にわかりやすくなります。

この時は、「コンテンツデータベース」のみを復元します。個人用サイトのコンテンツデータベースや共有サービスプ

ロバイダのデータベースはこの時点では復元しません。

4. [コンテンツデータベースの削除] セクションで、[コンテンツデータベースの削除] チェックボックスをオンにし、[OK] をクリッ

クします。


61

5. SharePoint Server 2010 をインストールした環境で SQL Server Management Studio を起動します。

[データベースエンジン]、[SP2010]（SharePoint Server 2010環境）に[接続] します。

6. [データベース] を右クリックし、メニューを表示します。

[データベースの復元] を選択します。


62

7. データベースの復元ウィンドウから[復元先データベース] ドロップダウンを開きます。対象データベースを選択します。

復元用のリソースとして[ディバイスから] を選択し、バックアップしたファイルを指定します。（あらかじめバックアップファ

イルは既定の SQL Server データベースバックアップフォルダに移動しておきます。）


63

8. 復元先と復元方法を確認します。

復元先データベース：（例）WSS_Content

復元する特定の時点：最新の候補

復元するバックアップセットの選択： WSS_Content 完全データベースバックアップ

左ペインから[オプション] を選択します。

[既存のデータベースを上書きする] にチェックを入れ、[OK] をクリックします。


64

9. 正常にデータベースが復元したことを確認し、[OK] をクリックします。

個人用サイト、共有サービス以外のコンテンツデータベースをすべて上書きで復元します。

Tips：もし、データベースを復元するときに「データベースは使用中なので、排他アクセスを獲得できませんでした」とエラ

ーが出て復元ができない場合は一度環境を停止します。（特に SharePoint と SQL が同一環境にある場合）

ただし、サービスの停止を行うことにより、関連する幾つかのサービスが停止するため、実行するときは十分に注意し、タイミ

ングを見計らって行ってください。

下記の２つのサービスを停止し、SharePoint実行環境を停止します。

・IIS Admin Service

・SharePoint 2010 Timer

必ずデータベース復元後は上記の停止したサービスを「開始」してください。

10. 復元したコンテンツデータベースを確認します。コンテンツデータベースに格納されているサイトコレクション、サイトの中

には、拡張された機能が必要なものがあるかもしれません。その場合は、拡張された機能も新しい SharePoint

Server 2010ファームに用意し、動作するようにしなければなりません。そのようなサイトが含まれていいないか、デー

タベースを SharePoint に接続する前に精査します。

SharePoint Server 2010 で PowerShell（SharePoint 2010 管理シェル）を起動します。


65

以下のコマンドを実行します。

Test-SPContentDatabase -Name <DatabaseName> -WebApplication <URL>

問題がなければ、何も表示せずにコマンドプロンプトに戻ります。

Tips：2007で使用していた時、拡張を一切していないのであれば、この手順はスキップすることができますが、必

ず確認のために実行されてください。このコマンドは 2007 SP2が適用されたデータベース、2010 データベース共に

使用することができる便利なコマンドです。データベースをSharePointに接続したときに、接続に失敗するリスクをあ

らかじめ軽減することができます。

11. コンテンツデータベースを新しいファームのWebアプリケーションに接続する前の注意事項（重要）

一つのWebアプリケーションに対し、複数のコンテンツデータベースが存在し、それらコンテンツデータベースを

接続するときは、接続する最初のコンテンツデータベースに、2007時のWebアプリケーションの「ルートサイト」

が含まれているものから先に接続します。この手順は絶対に間違えることができません。

必ず実行する前に、どのコンテンツデータベースにこれから戻すWebアプリケーションのルートサイトを含んでいるかあら

かじめ確認します。ルートサイトを含むデータベースを接続した後は、そのWeb アプリケーション用のその他のコンテン

ツデータベースは任意の順番で接続できます。

またデータベースを接続する前にあらかじめコンテンツを格納するサイトコレクションを作成する必要はありません。デー

タベース接続のプロセスでサイトコレクションは新しい環境に作成されます。

そのため、すべてのコンテンツデータベースを復元するまでは、新しい環境に新しいサイトコレクションの追加は絶

対に行わないでください。

12. コンテンツデータベースをWeb アプリケーションに接続します。SharePoint管理シェル（PowerShell）を起動します。

下記のコマンドを実行します。

Mount-SPContentDatabase -Name <復元したデータベース名> -DatabaseServer <データベースサーバー名>

-WebApplication <接続先のWeb アプリケーションの URL>


66

Tips：データベースをWeb アプリケーションに接続するMOUNT コマンドを実行すると、データベースコンテンツに対して

2007 から 2010形式へのアップグレードが行われます。アップグレードの進行状況は、0-100%でリアルタイムに表示されま

す。

非常に大きなサイズのデータベース接続を実行した際には、エラーで正常終了できない場合もあります。エラーの多くは処

理のタイムアウトです。タイムアウトをできるだけ防ぐために、データベース接続を行う前に、データベースを可能な限りスリム

化しておくことは重要です。

また、接続先の SQL Server との通信が問題になる場合もあります。最適な帯域を持った環境を準備し、実行することが

必要です。なお、上記のコマンドを実行するためには、サーバーローカルの Administrator権限が必要です。

また SharePoint ファームに対する管理者権限も必要です。

13. 動作確認を行います。指定した http://SP2010 をブラウザで起動し、アップグレードされたかを確認します。

http://sp2010/


67

14. 必要に応じて、ビジュアルアップグレードを設定し、SharePoint Server 2007 の UIか、SharePoint Server

2010 の UIかを選択することができます。

3.7 共有サービスデータベースの復元

ここまでで、コンテンツデータベースが戻り、ユーザーは 2007 の環境で使用していたサイトやサイト内のコンテンツを使用

することができているはずです。次に復元するのは、共有サービス内のユーザープロファイル情報に関して復元作業を行

います。この作業行う前提条件は、SharePoint Server 2010環境でまだ User Profile Service が起動してい

ないことです。ファーム事前準備ウィザードなどを使用するのであれば、User Profile Serviceはウィザードの対象外と

して除外してください。（チェックを外す）

1. User Profile Service 用のアプリケーションプールを作成します。

「SharePoint 管理シェル」（PowerShell）を起動します。

以下のコマンドを実行します。

New-SPServiceApplicationPool -Name <アプリケーションプール名> -Account <ドメイン\ユーザー名>

2. Managed Metadata Service を開始します。User Profile の中に含まれている一部の情報はManaged

Metadata Service に格納されます。

[サーバーの全体管理] を開き、「アプリケーション構成の管理」を開きます。


68

サーバーのサービスの管理を開き、サービスを選択して「開始」をクリックします。

3. 共有サービスプロバイダのデータベースを復元します。

SQL Server Management Studio を開きます。 [データベース] を右クリックし、データベースの復元を行います。

復元先データベースの欄にデータベース名を入力します。その後、バックアップファイルからデータを復元します。


69

4. 共有サービスのデータベースをアップグレードします。

「SharePoint管理シェル」を開きます。

下記のコマンドを実行します。

New-SPProfileServiceApplication -applicationpool <アプリケーションプール名> -Name <サービスアプ

リケーション名> -Profiledbname <復元した SSP データベース名> [-Profiledbserver <データベースサーバ

ー名>]

実

後ほど、Id が必要になるので、表示された Id をコピーしておきます。


70

5. サービスプロキシを作成します。

「SharePoint管理シェル」を起動し、下記のコマンドを実行します。

New-SPProfileServiceApplicationProxy -ServiceApplication <先ほどコピーした Idが入ります>

-Name <サービスプロキシ名> -DefaultProxyGroup

6. サーバーの全体管理からも確認することができます。

※サービスアプリケーション作成、プロキシ作成は GUIでも行うことができますが、共有サービスプロバイダデータベース

のアップグレードプロセスがあるため、ここまでの操作は PowerShell を使用して行うことをお勧めします。


71

7. User Profile Service に対する権限を付与します。サービスアカウントを追加した後、「フルコントロール」権を付与

します。ここでは、管理権限のある Contoso\spfarm アカウントを追加します。

8. User Profile Synchronization Service を開始します。

[アプリケーション構成の管理] から [サーバーのサービスの管理] をクリックし、サービス一覧を表示します。


72

完全に開始されるまでには、少し時間がかかります。定期的にブラウザをリフレッシュさせ（F5）、開始されたのを確

認します。

ここで、必ず「再起動」を行います。

再起動後、Forefront Identity Manager サービス（２つ）が「開始」されているかを確認します。

9. 作成した User Profile Service アプリケーションを開き、個人用サイトの設定を行います。万が一アプリケーション

を開くときにエラーが出ることがあれば、少し時間をおいてから再度試してください。


73

10. 個人用サイトを保管するサイトコレクションを作成します。

User Profile Serviceアプリケーションの項目にある「個人用サイト」の場所の指定で、個人用サイトホストのサイト

コレクションの作成をクリックすると、自動的にWeb アプリケーションがセットされます。

URL を指定し、作成します。

11. 個人用サイトのデータベースが出来上がったので、SQL Server Management Studio を開き、コンテンツデータ

ベースを復元したときと同じ手法でデータベースを上書き復元します。

これで、個人用サイト、プロファイル情報が移行されます。


74

12. 残りのデータベースを復元します。ここから先は、組織がこれまで SharePoint Server のどの機能を使用してきたか

で行わなければならないタスクが異なります。

SharePoint Server 2007 Enterprise を使用していた組織は、シングルサインオンサービス（任意）、

InfoPath Form Servicesの URL アップグレードなどを残りタスクとして行います。

TechNetの資料を参考にします。 http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc263286.aspx



75

3.8 データベース移行のしあげ

データベース移行によるファーム構成の復元は、短い時間で行うことができるため、多くの組織が取り入れる手法かもし

れません。基本的には、コンテンツが含まれるデータベースをバックアップ（コピー）し、それを新しい環境に復元するだ

けです。

コンテンツが復元された後は、何を行えばよいでしょうか。

インプレースアップグレードとは違い、データベース移行は「各種設定」を引き継ぎません。

「新規ファーム」にデータをアタッチしただけですので、新規ファームを運用可能な状態まで設定しなおす必要がありま

す。

主に、下記のような設定が必要になります。

・コンテンツがすべて戻った時点で、検索の設定を行い、インデックスを作成する。

・コンテンツクロールの範囲を決定します

・必要であれば、インデックスサーバーの冗長化を行います。

・既定のアプリケーショングループと紐づけます。

・（オプション）FAST Search Server 2010 for SharePoint をインストールする。

・BCSの設定を見直す。

・SharePoint Server 2007 では BDC（Business Data Catalog）という外部データ接続用の XML定義が

ありましたが、SharePoint Server 2010 では新たに BCS として生まれ変わりました。場合によっては BCS の再作

成が必要になります。

・ソリューションのアップグレードと、インストール、検証

・組織がカスタムソリューションを採用している場合、それが正しく新環境で稼働するかを検証します

・サイトの権限を見直す

・ケースによっては、GUI上はアクセス権が設定されているにもかかわらず、それらが反映されていない場合があります。

早急に確認し、必要であれば、アクセス権を新たに付け直します。

・代替アクセスマッピングを設定する

・これまで代替アクセスマッピングを使用していた場合、データベース移行は非常に行いやすくなります。なぜなら、ユー

ザーにとってURLの変化を最小限に抑えることができるからです。新しい環境移行後も、これまで使用してきたURLが

引き続き使用できるよう、Web アプリケーション作成時、もしくは作成後、代替アクセスマッピングの設定を行います。

・エンドユーザーに SharePoint Server 2010 へインフラが移行したことと、その影響を連絡する。

データベース以降は、PowerShell を使用したデータベースのアタッチ、アップグレード処理が多く発生します。

テスト環境で十分にアップグレード手法を確認されてから、運用環境に適用されることを強くお勧めいたします。

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SharePoint Server 2010 自習書download.microsoft.com/download/5/1/A/51AAC23A-0ED2-4C20...SharePoint Server 2010 自習書 Upgrade/Migration ステップバイステップ ガイド

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