HA

RD

WA

RE

SO

FT

WA

RE

HA

RD

WA

RE

SO

FT

WA

RE

ネットジャパンの「PowerX Hard

Disk Manager 7.0」（以下，Hard Disk

Manager）は，ハードディスクの総合

メンテナンスソフトだ。1つのソフト

でイメージバックアップやハードディ

スクのコピー，パーティション操作，

デフラグ，データ消去など，さまざま

な機能を備えている点が大きな特徴

である。なお，製品は6月28日発売

予定となっており，評価にはβ版を

使用した。そのため製品版とは細部

が異なる可能性がある。

差分バックアップやMBRのバックアップに対応Hard Disk Managerに用意されて

いる機能は，すべてメイン画面から

実行可能だ（写真1）。左側に表示され

るタスク一覧やショートカットメニ

ューから実行したい操作を選べば，

作業に応じたウィザードが起動する。

バックアップ機能では，パーティ

ションまたはハードディスク全体を

イメージファイルとして保存できる

（写真2）。処理はバックグラウンドで

行われ，Windowsの起動中にシステ

ムパーティションのバックアップを行

うことも可能だ。イメージファイルの

保存先には，内蔵ハードディスクや

ネットワークドライブ，USBやIEEE

1394接続の外付けドライブを指定で

きるほか，CDやDVDに直接書き込

むことも可能だ。また，内蔵ハード

ディスクに「バックアップカプセル」と

呼ばれる専用の隠しパーティション

を作成し，そこに保存することもで

きる。隠しパーティションはエクスプ

ローラからアクセスできないため，イ

メージファイルを安全に保存できる

というわけだ。

Hard Disk Managerは差分バック

アップをサポートしており，一度完

全なバックアップを行えば，次回か

らはそれ以降に変更された部分のみ

をバックアップできる。複数の世代

のバックアップをとりたい場合に有

効だ。そのほか，※1MBRのバックア

ップや修復といった，マルチブート環

境で役立つ機能も用意されている。

パーティションサイズの変更やデータの完全消去が可能パーティション操作機能では，既

存のデータを失うことなくパーティ

ションサイズの変更やパーティショ

ンの結合といった処理が可能だ（写真

3）。ファイルシステム（FAT32/NTFS）

や，パーティションの種類（基本/拡

張）の相互変換が行えるほか，NTFS

のバージョンをダウングレードすると

いった機能も備える。

パーティションのデフラグ機能や，

パーティション内のデータを完全に

消去する機能も用意されている。デ

フラグは，ファイルサイズやファイル

の更新時刻順に再配置したり，※2MFT

の最適化が行えるなど，Windows標

準のディスクデフラグよりも高機能

である。データ消去機能は，パーテ

ィション内のすべてのセクタに固定

値や乱数を複数回書き込むことで，

ハードディスク上のデータを復元で

きない状態にするというものだ（写真

4）。単にファイルを削除したりハー

ドディスクをフォーマットしただけで

は，データ復元ツールによってデータ

を復元される可能性があるが，これ

を防止できるのである。ハードディス

クやパソコンを破棄する場合に重宝

するだろう。

Hard Disk Managerは非常に多機

能で，ハードディスクに関するメンテ

ナンス作業のほとんどはこれ1本でこ

なせるだろう。別のハードディスクへ

の環境移行や，トラブル発生時のデ

ータレスキューなど何かと活用でき

るので，バックアップソフトやパーテ

ィション管理ソフトを持っていない

人には特におすすめしたい製品だ。#

（ライター/田中俊光）

ユーザビリティ

価格

機能

総合評価1本でバックアップやパーティション操作などに対応

多機能な半面，操作がやや分かりにくい

PRODUCT CHECK

イメージバックアップやパーティション操作が可能なハードディスク総合メンテナンスソフト

対応OS Windows2000 Professional/XP

対応CPU 300MHz以上のPentiumまたは互換CPU

メモリ 128MB以上（256MB以上推奨）

ハードディスク空き容量 40MB以上

PRODUCT SPEC

S O F T W A R E

ネットジャパン●価格：11,760円●問い合わせ先：103-5256-0855 shttp://www.powerx.jp/

PowerX Hard DiskManager 7.0

写真1■バックアップやコピー，パーティション操作などは，すべてこのメイン画面から実行可能だ

この記事はソフトバンククリエイティブ株式会社発行のPCJapan2006年7月号に掲載されたものです。無断転載を禁じます。Copyright©2006 SOFTBANK Creative Corp.

写真3■データを保持したままパーティションサイズを変更したり，複数のパーティションを結合できる。変更後の状態が視覚的に表示されるので分かりやすい

用語解説※1 MBRMaster Boot Recordの略。ハードディスクの先頭セクタ（512バイト）のことで，パソコンを起動すると最初にMBRが読み込まれる。何らかの要因でMBRが壊れると，そのハードディスクからOSが起動できなくなってしまう

※2 MFTMaster File Tableの略。パーティション中のすべてのファイルやフォルダの情報を記録したテーブルで，NTFSファイルシステムで使用される。小さなサイズ（約750バイト以下）のファイルであれば直接MFT内に格納される

写真2■パーティションやハードディスク全体のバックアップが可能なほか，MBRのみバックアップすることもできる

写真4■ハードディスク内のデータを削除する機能も搭載する。削除方式として2つの方式が用意されているほか，自分で削除方式を作成することも可能だ

写真5■製品のCD-ROMはブータブルCDになっており，Windowsが起動しないときでもHard Disk Managerのほとんどの機能を使用できる

169_PowerXHardDisk_広告 06.7.18 12:23 ページ 169