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Interview対談

医療関連訴訟の現状と医療事故の概要̶刑事事件と民事事件と行政処分̶

浅香 今号から始まる新コーナー,対談の初回は,医師として,弁護士として,また獨協学園理事長としてご活躍中の寺野彰先生をゲストにお招きし,「消化器病医が知っておかねばならない法律知識」をテーマにお話を伺います。医療関連訴訟は増加・多様化しており,我々医師としては決して無関心でいられる問題ではありません。まずは,医療関連訴訟の現状についてご説明いただきます。寺野 2000年前後に医療関連訴訟としていくつかの事例がマスコミで相次いで取り上げられましたが,2004年をピークに減少傾向に転じました。その理由は,数多の医療訴訟に対するメディアの関心が幾分低下したこともありますが,むしろ

メディアの医療バッシング的報道に伴って医師不足などの医療崩壊を招くという批判が出てきたことで,メディア自らが抑制的になったことにもよります。さらに,2004年の産婦が出血性ショックで死亡に至った事例では当該医師は標準的な医療を行ったにもかかわらず業務上過失致死罪と医師法違反で起訴されたのですが,これに対して医療界全体が強く抗議したことで当該医師は刑事事件として無罪となりました。これが大きな契機となり,その後刑事事件も民事事件も減少したのですが,産科医の激減や,産婦の受け入れ困難という問題に直面することとなりました。そればかりではなく,訴訟リスクを嫌っての医師不足に加え,外科・産科・小児科などに進まない専門科偏在が強くなった状況が未だに続いています。 ただ,表面的に訴訟は減少しているようにみえるかもしれ

消化器病医が知っておかねばならない法律知識

浅香正博 寺野 彰北海道医療大学副学長 獨協学園理事長・獨協医科大学名誉学長

Vol.11 No.2 2015.12 (89)5SAMPLECopyright(c) Medical Review Co.,Ltd.

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