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  • 第67回こんぼ亭月例会 2020/10/24(土)

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    第第第第67回こん回こん回こん回こんぼぼぼぼ亭亭亭亭

    トラウマインフォームドトラウマインフォームドトラウマインフォームドトラウマインフォームド

    アプローチ(TIA)アプローチ(TIA)アプローチ(TIA)アプローチ(TIA)

    Trauma Informed Approach

    21世紀の支援の21世紀の支援の21世紀の支援の21世紀の支援の

    統合的動向?統合的動向?統合的動向?統合的動向?

    トラウマ・インフォームドとは

    • トラウマ・インフォームド・ケア(TIC)

    –メンタルヘルス、医療、福祉等のケアケアケアケアサービスでサービスの質や効果を向上するために、トラウマの

    理解を組み込んで実践すること。

    • トラウマ・インフォームド・アプローチ(TIA)

    – 基本的にTICと同じだが、ケアに限らない

    • 学校、コミュニティなど(米国連邦薬物乱用MHS局)

    – サービスを提供する立場の組織だけでなく、自助グループ自助グループ自助グループ自助グループ、家族家族家族家族、仲間、職場、仲間、職場、仲間、職場、仲間、職場、(個人個人個人個人)など誰でも活用できるのでは

    2

    ーメンタルヘルス 医療、

    日本では日本では日本では日本では2018年~年~年~年~

    SAMHSA (サムサ)(サムサ)(サムサ)(サムサ)Substance Abuse Mental Health Services Administration

    自助グループ 個人家族

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    • プログラム、組織、またはシステム

    – 医療、メンタルヘルス(精神科、心療内科、カウンセリングなど)、福祉(児相、DVなど)などのを提供するシステム、組織が

    • 利用者、家族、職員等の関係者のためにのためにのためにのために

    – 学校などのプログラム、組織、システムが

    • 生徒、家族、教師などの関係者のためにのためにのためにのために

    – コミュニティ、自助グループ、家族、仲間、職場、コミュニティ、自助グループ、家族、仲間、職場、コミュニティ、自助グループ、家族、仲間、職場、コミュニティ、自助グループ、家族、仲間、職場、個人などが個人などが個人などが個人などが

    • 自分と関係者(家族、仲間、など)のためにのためにのためにのために

    3

    TIA:誰が誰のために?

    どんなことを考え、するの?

    TIAのののの歴史的背景:1、PTSD

    • PTSDメカニズム研究の発展– 1980 DSM-III 不安障害のサブカテゴリ―

    – 2013 DSM-5 心的外傷およびストレス因関連障害群

    のサブカテゴリ―

    • トラウマに特化した治療法の発展– 治療・支援の際の心理教育、本人の能動的な治療参加の重要性の再認識

    • 脳科学の発達

    – fMRIなどで脳の構造に加え機能の見える化

    – 対人関係神経生物学などの発展 Cf2

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    トラウマとは

    DSMDSMDSMDSM----5のPTSDでのトラウマ(5のPTSDでのトラウマ(5のPTSDでのトラウマ(5のPTSDでのトラウマ(2013201320132013))))

    • 実際に又は危うく死ぬ、深刻な怪我を負う、実際に又は危うく死ぬ、深刻な怪我を負う、実際に又は危うく死ぬ、深刻な怪我を負う、実際に又は危うく死ぬ、深刻な怪我を負う、性的暴力など、精神的衝撃を受けるトラウマ性的暴力など、精神的衝撃を受けるトラウマ性的暴力など、精神的衝撃を受けるトラウマ性的暴力など、精神的衝撃を受けるトラウマ(心的外傷)(心的外傷)(心的外傷)(心的外傷)体験にさらされたことで体験にさらされたことで体験にさらされたことで体験にさらされたことで生じる生じる生じる生じる• 災害、暴力、深刻な性被害、重度事故、戦闘、災害、暴力、深刻な性被害、重度事故、戦闘、災害、暴力、深刻な性被害、重度事故、戦闘、災害、暴力、深刻な性被害、重度事故、戦闘、虐待等虐待等虐待等虐待等• 周囲の不幸、命に関わる病気、大切な人の周囲の不幸、命に関わる病気、大切な人の周囲の不幸、命に関わる病気、大切な人の周囲の不幸、命に関わる病気、大切な人の不慮の死、他害の経験等不慮の死、他害の経験等不慮の死、他害の経験等不慮の死、他害の経験等

    致死性トラウマ致死性トラウマ致死性トラウマ致死性トラウマ客観的トラウマ客観的トラウマ客観的トラウマ客観的トラウマ狭義のトラウマ狭義のトラウマ狭義のトラウマ狭義のトラウマSAMHSAのTIAでのトラウマ(SAMHSAのTIAでのトラウマ(SAMHSAのTIAでのトラウマ(SAMHSAのTIAでのトラウマ(2014201420142014))))

    • (トラウマとなる)出来事・状況の結果(トラウマとなる)出来事・状況の結果(トラウマとなる)出来事・状況の結果(トラウマとなる)出来事・状況の結果• 身体的、感情的に傷つく身体的、感情的に傷つく身体的、感情的に傷つく身体的、感情的に傷つくorororor生命の危険があ生命の危険があ生命の危険があ生命の危険があるとるとるとると体験される体験される体験される体験される• 精神、身体、社会、感情、またはスピリチュア精神、身体、社会、感情、またはスピリチュア精神、身体、社会、感情、またはスピリチュア精神、身体、社会、感情、またはスピリチュアルな幸福に対する長期的悪影響ルな幸福に対する長期的悪影響ルな幸福に対する長期的悪影響ルな幸福に対する長期的悪影響

    非致死性トラウマ非致死性トラウマ非致死性トラウマ非致死性トラウマ発達性トラウマ発達性トラウマ発達性トラウマ発達性トラウマ主観的トラウマ主観的トラウマ主観的トラウマ主観的トラウマ広義のトラウマ広義のトラウマ広義のトラウマ広義のトラウマTIAの歴史的背景

    2、ACEssss研究

    • ACEs (逆境的小児体験研究)(逆境的小児体験研究)(逆境的小児体験研究)(逆境的小児体験研究)• AAAAdverse CCCChildhood EEEExperience

    1998~2010~• 小児期の逆境的体験(トラウマ)が子供に、そして子

    供が大人になった時に、どのような影響を与えるか

    に関する研究

    Felitti & Anda (2010). The relationship of adverse childhood experiences to adult medical disease, psychiatric disorders and sexual behavior: implications for healthcare. In Ruth Lanius, Eric Vermetten & Clare Pain (Eds.), The Impact of Early Life Trauma on Health and Disease: 77-87. Massachusettes: Cambridge University Press.

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    ACEs研究

    • 逆境的小児期体験研究

    – 1998 オリジナル研究(Felitti VJ et al)

    • 現在も全国規模で研究継続中(約40州、CDC、小児科など)

    – HMO介入者17,000人のアンケート調査

    – 予想したよりも多くの人がトラウマを体験している

    – ACEスコアが高くなるにつれて、有病率が高くなる

    • 精神疾患(気分障害、不安障害、物質乱用、衝動制御障害)

    • 身体疾患(虚血性心疾患、慢性閉塞性肺疾患、性感染症)

    • 社会適応上の問題(職場での欠勤、問題、経済的問題)

    • 社会・情緒・認知面の障害

    • 早期の死亡 7

    発達性トラウマ発達性トラウマ

    逆境的小児体験調査用紙逆境的小児体験調査用紙逆境的小児体験調査用紙逆境的小児体験調査用紙

    18歳になる前に、以下の経験をしていましたか?1. 親か同居している大人から頻繁に、または日常的に罵倒、侮辱、悪口、屈辱を受けていましたか?もしくは危害が及ぶかもしれないという恐怖を与えられていましたか?2. 親か同居している大人から頻繁に、または日常的に押されたり、つかまれたり、たたかれたり、何かを投げつけられていましたか?もしくはあとが残ったり傷ついたりするほど強く殴られたことはありますか?3. 大人か、少なくとも5歳以上年上の人間から性的に触られたり撫でられたりしたか、無理やり相手の体に触れらせられたことはありますか?もしくは触れられそうになったり、不適切に触れられたり、性的に虐待されたことがありますか?4. 頻繁に、または日常的に、家族の誰からも愛されていない、あるいは自分が大事で特別な存在だと思われていないと感じていましたか?もしくは家族が互いに関心がない、親しみを感じていない、助け合っていないと感じていましたか?5. 頻繁に、または日常的に、食事が十分ではない、汚れた服を着なければならない、自分を守ってくれる人がいないと感じていましたか?もしくは親のアルコールか薬物依存により、面倒を見てもらえなかったり、必要な時に病院へ連れていってもらえなかったりしたと感じていましたか?6. 離婚や別居、その他の理由によって、実の親と別れた経験がありますか?7. 母親(継母)は頻繁に、または日常的につかまれたり、たたかれたり物を投げつけられたりしていましたか?ときどき、頻繁に、または日常的に蹴られたり、噛みつかれたり、拳や物で殴られたりしていましたか?もしくは繰り返し数分間にわたって殴られたり、ナイフで脅かされたりしていましたか?8. 酒癖が悪い人、アルコール依存症者、または薬物を乱用している人と同居していましたか?9. 家族にうつ病の人、精神疾患を抱えた人、自殺未遂を起こした人がいましたか?10. 家族に刑務所に収監された人がいましたか? 8ドナ・ジャクソン・ナカザワ著ドナ・ジャクソン・ナカザワ著ドナ・ジャクソン・ナカザワ著ドナ・ジャクソン・ナカザワ著 「小児期トラウマがもたらす病」より「小児期トラウマがもたらす病」より「小児期トラウマがもたらす病」より「小児期トラウマがもたらす病」より

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    ACEsスコア:10種類(カテゴリ-)• 個人に関連するもの

    – 精神的虐待

    – 身体的虐待

    – 性的虐待

    – 感情的ネグレクト

    – 身体的ネグレクト

    • 家族との関係

    – 家族の離別

    – 家庭内暴力の目撃

    – 親のアルコール、薬物依存

    – 家族精神疾患、自殺企図

    – 家族の入獄 9

    ACEsスコアsスコアsスコアsスコア=18歳までに経験のある

    カテゴリーの数

    致死性トラウマにはならな

    いかもしれないカテゴリー

    ACEカテゴリACEカテゴリACEカテゴリACEカテゴリ 女性女性女性女性 男性男性男性男性 全体全体全体全体Percent (N = 9,367)Percent (N = 9,367)Percent (N = 9,367)Percent (N = 9,367) Percent (N = 7,970)Percent (N = 7,970)Percent (N = 7,970)Percent (N = 7,970) Percent (N = 17,337)Percent (N = 17,337)Percent (N = 17,337)Percent (N = 17,337)虐待虐待虐待虐待感情的虐待 13.1% 7.6% 10.6%身体的虐待 27% 29.9% 28.3%性的虐待 24.7% 16% 20.7%家庭内での問題家庭内での問題家庭内での問題家庭内での問題母親への暴力を目撃 13.7% 11.5% 12.7%家庭内の物質乱用 29.5% 23.8% 26.9%家庭内の精神障害 23.3% 14.8% 19.4%親の別居、離婚 24.5% 21.8% 23.3%家族の逮捕・収監 5.2% 4.1% 4.7%ネグレクトネグレクトネグレクトネグレクト感情的ネグレクト 16.7% 12.4% 14.8%身体的ネグレクト 9.2% 10.7% 9.9%10

    ACEssssカテゴリのカテゴリのカテゴリのカテゴリの体験体験体験体験%%%%

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    ACEsスコアの分布と結果

    11

    ACE

    スコアスコアスコアスコア

    %%%%

    0 36.1

    1 26.0

    2 15.9

    3 9.5

    4+ 12.5

    100.0

    0 36.1

    • 3人に2人が1つ以上

    のトラウマを報告

    ・一般市民の何%が

    生涯でトラウマを体験?

    ・一般市民の63.9%が

    小児期に少なくとも1種類のトラウマ(ACEs)を体験

    ・精神科病院入院した人の

    何%がトラウマを体験?

    ACEsスコアの分布と結果

    • 4種類以上のトラウマが

    ある人が12.5%

    • ACEsスコアが高くなるに

    相応して、トラウマの負の

    影響が強くなる

    • トラウマの悪影響に精神、身体、行動の症状

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    ACEssssスコアスコアスコアスコア

    %%%%

    0 36.1

    1 26.0

    2 15.9

    3 9.5

    4+ 12.5

    100.0

    • 3人に2人が1つ以上

    のトラウマを報告

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    トラウマの健康への影響

    ACEs=4の人はACEs=0の人と較べて

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    オッズ比オッズ比オッズ比オッズ比

    心臓疾患 2.1倍

    ガン 2.3倍

    慢性閉塞性肺疾患 2.5倍

    認知症 11.2倍

    アルコール依存 5.5倍

    DVを犯すリスク 男性

    女性

    7倍

    5倍

    自殺企図 12倍

    歴史的背景-2、ACEs研究

    逆境的小児期体験ピラミッド

    14

    逆境的小児期体験

    神経発達不全

    社会的、情緒的、認知的障害

    危険な行動をとる

    疾病、傷害、

    社会的問題

    早期の死亡

    誕生

    死神経系・内分泌系・

    免疫系・循環器系・

    呼吸器系などへの

    影響

    「身体的」

    障害

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    ACEs研究の意義と限界• トラウマが異常・特異な体験ではなく誰でも体験する可能性

    があるということをデータを用いて明確にした– 特に人間関係のトラウマの影響特に人間関係のトラウマの影響特に人間関係のトラウマの影響特に人間関係のトラウマの影響((((自然災害や自然災害や自然災害や自然災害や「「「「人災人災人災人災」」」」も重要だがも重要だがも重要だがも重要だが))))• トラウマの心身への影響に関しての理解を促進した⇒心理

    教育のための情報として使える可能性を提供した

    • トラウマの影響の予防、治療,対処の可能性を広げる契機を

    提示した

    • TIC/TIC/TIC/TIC/TIAの発展に大きな影響を及ぼしたTIAの発展に大きな影響を及ぼしたTIAの発展に大きな影響を及ぼしたTIAの発展に大きな影響を及ぼした

    • 何種類何種類何種類何種類のトラウマをのトラウマをのトラウマをのトラウマを体験体験体験体験しているかにしているかにしているかにしているかに対対対対してしてしてして、、、、トラウマトラウマトラウマトラウマ体験体験体験体験のののの強強強強

    度度度度、、、、頻度頻度頻度頻度、、、、持続度持続度持続度持続度はははは扱扱扱扱っていなかったっていなかったっていなかったっていなかった

    • いじめなどいじめなどいじめなどいじめなど、、、、家庭外家庭外家庭外家庭外でででで起起起起きるトラウマきるトラウマきるトラウマきるトラウマ体験等体験等体験等体験等がががが含含含含まれていないまれていないまれていないまれていない

    • トラウマトラウマトラウマトラウマ体験体験体験体験、、、、反応反応反応反応のののの個人差個人差個人差個人差にににに関関関関してのしてのしてのしての情報情報情報情報がががが限限限限られているられているられているられている

    SAMHSAの

    トラウマトラウマトラウマトラウマ-インフォームドインフォームドインフォームドインフォームドアプローチ(TIA)アプローチ(TIA)アプローチ(TIA)アプローチ(TIA)

    16

    SAMHSA (米国連邦薬物乱用精神保健サービス局)(Substance Abuse and Mental Health Services Administration)

    Concept of Trauma and Guidance for a Trauma-Informed Approach

    http://www.j-hits.org/child/pdf/5samhsa.pdf#zoom=100(日本語版)(日本語版)(日本語版)(日本語版)https://store.samhsa.gov/system/files/sma14-4884.pdf(英語原版)トラウマは生涯を通して必然的に起きるもの

    トラウマに関する理解を深めて

    トラウマと効果的に付き合うために

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    SAMHSAのトラウマの定義

    • 3つのE

    –出来事(出来事(出来事(出来事(Event)

    –個人の体験(個人の体験(個人の体験(個人の体験(Experience)

    •身体的、感情的に傷つく傷つく傷つく傷つくor生命の危険があ

    るという体験

    – (ネガティブな)効果・影響((ネガティブな)効果・影響((ネガティブな)効果・影響((ネガティブな)効果・影響(Effects)

    •個人の機能

    •精神、身体、社会、感情、またはスピリチュアルな幸福に対する悪影響、脅威

    この定義から• ACEsもいじめも発達性トラウマ

    • 19歳以降の逆境的体験も

    トラウマだと考えられる

    18

    トラウマの影響

    • トラウマの脳科学、生物心理社会的理解の発達

    – コルチゾールの影響などの理解

    – 脳の統合的機能に支障をきたす(脳の変化)

    • 視床:非適応的で首尾一貫性を欠くスィッチ

    • 海馬:記憶の処理ができず、過去の記憶が現在を脅かす

    • 大脳新皮質:エネルギーの低下と不安定な反応

    • 神経系、内分泌系、免疫系に加え、循環器系、呼吸器系、消化器系、筋肉骨格系に悪影響

    • エピジェネティックスへの影響

    • 脳の可塑性

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    TIAのののの4つの前提条件つの前提条件つの前提条件つの前提条件https://www.samhsa.gov/nctic/trauma-interventions

    • トラウマインフォームドなプログラム、組織、またはシステムは、次の4つのつのつのつのRを実践している– Realize :トラウマの広範な影響を理解理解理解理解しししし、リカバリーへの可能性に進む道を理解する– Recognize :システムにかかわるクライエント、家族、職員そしてその他の人々のトラウマのサインや症状を認識認識認識認識し– Respond :組織の運営方針、手続き、そして実践にトラウマに関する知識を十分に統合させて(認識したサインや症状に)応応応応ええええるるるる– Re-Traumatization:積極的にトラウマの再体験トラウマの再体験トラウマの再体験トラウマの再体験に抵抗する

    • トラウマインフォームドアプローチは、どのようなサービス場面またはどのようなサービス場面またはどのようなサービス場面またはどのようなサービス場面または組織組織組織組織でも取り入れることができる。トラウマに特化した治療とは異なるが、スタッフのトラウマに特化した治療の理解、訓練を促進する 19

    心理教育(情報共有)の重要性心理教育(情報共有)の重要性心理教育(情報共有)の重要性心理教育(情報共有)の重要性心理教育(情報共有)の重要性

    SAMHSA のTIA

    6つの主要原則つの主要原則つの主要原則つの主要原則• TIAは決められた実践や手続きというよりは、6つの鍵となる原則を遵守することを重視する1. 安全性(物理的、心理的ー対人的)

    2. 信頼に値することと透明性

    3. ピア・サポート

    4. コラボレーションと相互性(お互いさま)

    5. エンパワーメントー意見表明と選択

    6. 文化的、歴史的そしてジェンダーの課題

    • トラウマの影響を受けた個人や家族のために、リカバリーとリカバリーとリカバリーとリカバリーとレジリエンスレジリエンスレジリエンスレジリエンスへの道筋を促進することが非常に重要である 20

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    臨床サービス組織のTIA実践のために

    カギとなる10要素

    組織としての実践組織としての実践組織としての実践組織としての実践:利用者、家族、スタ:利用者、家族、スタ:利用者、家族、スタ:利用者、家族、スタッフのトラウマの可能性に対応するためにヘルッフのトラウマの可能性に対応するためにヘルッフのトラウマの可能性に対応するためにヘルッフのトラウマの可能性に対応するためにヘルスケアのあり方を再検討するスケアのあり方を再検討するスケアのあり方を再検討するスケアのあり方を再検討する 臨床実践臨床実践臨床実践臨床実践:個々の利用者へのトラウマの影:個々の利用者へのトラウマの影:個々の利用者へのトラウマの影:個々の利用者へのトラウマの影響に対応する響に対応する響に対応する響に対応する①トラウマ・インフォームドに関する情報を周知する②組織レベルのプランに利用者が参加する③臨床スタッフにも他(事務など)のスタッフにも訓練を提供する④安全な物理的そして情緒的環境を作る⑤スタッフへの二次的トラウマ的ストレスの予防をする⑥トラウマ・インフォームドな人材を育成する⑦治療プロセスに利用者も参加する⑧トラウマのスクリーニングを行う⑨職員にトラウマに特化した治療の訓練を行う⑩利用者の紹介先と関連組織にもトラウマ・インフォームド・ケアに参加するように働きかけるCHCS(Center for Health Care

    Strategies, Inc. ヘルスケア戦略センター)TIAが最近注目されている場面

    • 精神科病院・クリニック

    • (一般)病院・クリニック

    • カウンセリング/ルーム

    • 福祉サービス

    • 学校

    職場

    被災地

    地域、コミュニティ

    相互自助グループ

    家族22

    どのようなサービス場面

    または組織でも

    取り入れることができる((((SAMHSA)____________に於てもに於てもに於てもに於ても

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    23

    Infographic

    CHCSCenter for Health Care

    Strategies, Inc

    (ヘルスケア戦略センター)SAMHSASubstance Abuse and

    Mental Health Service

    Administration

    (米国連邦薬物依存精神保健サービス局)まとめ

    • トトトトラウマラウマラウマラウマ-インフォームド・アプローチ(TIA)インフォームド・アプローチ(TIA)インフォームド・アプローチ(TIA)インフォームド・アプローチ(TIA)

    • トラウマ-インフォームド・ケア(TIC)

    • トラウマ-インフォームド・サービス(TIS)

    トラウマの理解を組み込んでトラウマの理解を組み込んでトラウマの理解を組み込んでトラウマの理解を組み込んで

    理解だけでなく、改善のための工夫理解だけでなく、改善のための工夫理解だけでなく、改善のための工夫理解だけでなく、改善のための工夫

    システムズ・アプロシステムズ・アプロシステムズ・アプロシステムズ・アプローチ:みんなで協力してーチ:みんなで協力してーチ:みんなで協力してーチ:みんなで協力して

    • 医療・福祉・教育・等医療・福祉・教育・等医療・福祉・教育・等医療・福祉・教育・等

    • 当事者・家族・支援者当事者・家族・支援者当事者・家族・支援者当事者・家族・支援者

    • 生活全般・家族生活全般・家族生活全般・家族生活全般・家族

    24cf

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    参考資料

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    トラウマに関する

    個人差の理解のために(例)• 白川美也子:トラウマのことがわかる本

    • 友田明美:親の脳を癒せば子供の脳は変わる

    • 杉山登志郎:発達性トラウマ障害と複雑性PTSDの治療

    • vessel van der Kolk:身体はトラウマを記憶する身体はトラウマを記憶する身体はトラウマを記憶する身体はトラウマを記憶する

    • Daniel Siegel: 脳をみる心、心をみる脳をみる心、心をみる脳をみる心、心をみる脳をみる心、心をみる脳ー脳ー脳ー脳ーマインドサマインドサマインドサマインドサ

    イトイトイトイトによる新しいサイコセラピー

    • Stephen Porges: ポリヴェーガル理論入門ポリヴェーガル理論入門ポリヴェーガル理論入門ポリヴェーガル理論入門

    • https://www.samhsa.gov/ SAMHSA(サムサ)サムサ)サムサ)サムサ)

    • nicabm.com (National Institute for the Clinical Application of Behavioral Medicine): Psychotherapy Infographics, ウェビナー情報ウェビナー情報ウェビナー情報ウェビナー情報

    26cf

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    Nadine Burke Harris のTIA

    TEDスピーチTEDスピーチTEDスピーチTEDスピーチ

    http://digitalcast.jp/v/22111/

    いかに子供時代のトラウマがいかに子供時代のトラウマがいかに子供時代のトラウマがいかに子供時代のトラウマが

    生涯に渡る健康に影響を生涯に渡る健康に影響を生涯に渡る健康に影響を生涯に渡る健康に影響を

    与えるのか与えるのか与えるのか与えるのか

    ナディン・バーク・ハリス

    TED日本語字幕付き

    Nadine Burke Harris のTIA• SFの貧困街で医療不均衡にチャレンジした小児科医

    • 医療不均衡の是正に成功したが、治療困難例

    – 神経系、内分泌系、免疫系、エピジェネティックの問題

    – ACEsに巡り合い、その関連に活路を見出す

    • 患者さんが良くなるための絶え間ない努力

    – ACEが高くても緩衝的な大人の存在の重要性⇒心理教育

    – 多職種チームを構成し、患者・家族のレジリエンスを育成

    – ACE改善のための早期介入⇒心理教育

    – 小児科クリニックをYouth Welness Centerに

    – 全患者さんのカルテにACEスコアを治療(TF-CBT)に反映

    – ACE-インフォームド・ケアの導入→その普及の「運動」

    – 2019年1月カリフォルニア州医療長官

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    2929

    感情調節困難支援ネットワーク

    メールアドレス : [email protected]

    研究会URL: http://www.positive-mh.org/erd/

    検索 ⇒ 『『『『 長谷川メンタルヘルス研究所長谷川メンタルヘルス研究所長谷川メンタルヘルス研究所長谷川メンタルヘルス研究所 』』』』

    件名に: 「感情調節困難の支援」資料希望の____(ご自分

    の氏名) と記入してください

    本文に

    ① 感情調節困難研究会のメーリング・リストに参加希望します。

    (または「しません」)を明記してください。

    ②参加希望の場合、住所、氏名、所属、職種、電話番号、ファッ

    クス番号も記入してください。

    資料請求資料請求資料請求資料請求参加申し込み参加申し込み参加申し込み参加申し込み

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    感情調節困難支援研修1、感情調節困難支援基礎ワークショップ1、感情調節困難支援基礎ワークショップ1、感情調節困難支援基礎ワークショップ1、感情調節困難支援基礎ワークショップ2021月年10月2~3日(土〜日)の2日間(予定)2、感情調節困難支援実践ワークショップ2、感情調節困難支援実践ワークショップ2、感情調節困難支援実践ワークショップ2、感情調節困難支援実践ワークショップB ::::感情調節スキル訓練感情調節スキル訓練感情調節スキル訓練感情調節スキル訓練2020年11月8日、12月13日、2021年1月20日、2月17日、3月14日の5日曜日、10:00~17:00 (Zoomを使ってのリモート研修)3、感情調節困難支援実践ワークショップ3、感情調節困難支援実践ワークショップ3、感情調節困難支援実践ワークショップ3、感情調節困難支援実践ワークショップA ::::臨床実践コース臨床実践コース臨床実践コース臨床実践コース2021年4月~9月の6日曜日(原則第2日曜日)11:00~18:00ロールプレイ・ヘルピングスキルを積極的に活用し、DBTを含む感情調節困難な方への様々な支援法を実習する:実践者向け4、感情調節困難支援フォローアップセミナー(振り返り、症例検討等)4、感情調節困難支援フォローアップセミナー(振り返り、症例検討等)4、感情調節困難支援フォローアップセミナー(振り返り、症例検討等)4、感情調節困難支援フォローアップセミナー(振り返り、症例検討等)ワークショップAまたはBの修了者対象 (日程調整中)メールアドレス : [email protected]研修URL: http://www.positive-mh.org/erd/検索 ⇒長谷川メンタルヘルス研究所長谷川メンタルヘルス研究所長谷川メンタルヘルス研究所長谷川メンタルヘルス研究所 』』』』

  • 第67回こんぼ亭月例会 2020/10/24(土)

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    感情調節困難支援プログラム

    **** スキルアップグループスキルアップグループスキルアップグループスキルアップグループ

    (毎週土曜日)(毎週土曜日)(毎週土曜日)(毎週土曜日) 15:00 ~ 17:00

    長谷川メンタルヘルス研究所代官山MH相談室

    • 不安や怒り、恥、恐れ、罪悪感、絶望感などの自分を

    圧倒するような感情と効果的に付き合うスキルを身に

    つけるためのグループ。

    **** 家族スキルアップグループ家族スキルアップグループ家族スキルアップグループ家族スキルアップグループ

    月1回(金曜日または土曜日)月1回(金曜日または土曜日)月1回(金曜日または土曜日)月1回(金曜日または土曜日) 18:00 ~ 20:30

    長谷川メンタルヘルス研究所代官山MH相談室

    • 感情調節困難な方(ご本人)のご家族のためのグル

    ープです。ご本人との効果的な関わり方や自分のス

    トレスとの上手な付き合い方を学び合います。

    3232

    長谷川メンタルヘルス研究所長谷川メンタルヘルス研究所長谷川メンタルヘルス研究所長谷川メンタルヘルス研究所

    http://www.positive-mh.org/

    • ポジティブメンタルヘルス:組織ぐるみのメンタルヘルスメンタルヘルスメンタルヘルスメンタルヘルス– より健康なメンタルヘルスを目指してより健康なメンタルヘルスを目指してより健康なメンタルヘルスを目指してより健康なメンタルヘルスを目指して

    • 教育・研修教育・研修教育・研修教育・研修• 早期支援(心の健康診断・フォローアップ面接・カウンセリング・コンサ早期支援(心の健康診断・フォローアップ面接・カウンセリング・コンサ早期支援(心の健康診断・フォローアップ面接・カウンセリング・コンサ早期支援(心の健康診断・フォローアップ面接・カウンセリング・コンサルテーション)ルテーション)ルテーション)ルテーション)• リカバリー・復職支援リカバリー・復職支援リカバリー・復職支援リカバリー・復職支援

    • 感情調節支援感情調節支援感情調節支援感情調節支援– 個人カウンセリング個人カウンセリング個人カウンセリング個人カウンセリング

    – 感情調節スキル訓練グループ(スキルアップグループ)感情調節スキル訓練グループ(スキルアップグループ)感情調節スキル訓練グループ(スキルアップグループ)感情調節スキル訓練グループ(スキルアップグループ)

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    – 治療関係者のための研修治療関係者のための研修治療関係者のための研修治療関係者のための研修((((感情調節困難支援)感情調節困難支援)感情調節困難支援)感情調節困難支援)

    • メンタルヘルス促進のための研修・教育– 専門家のための教育・研修・スーパービジョンプログラム専門家のための教育・研修・スーパービジョンプログラム専門家のための教育・研修・スーパービジョンプログラム専門家のための教育・研修・スーパービジョンプログラム

    – 一般の方々のための学習会一般の方々のための学習会一般の方々のための学習会一般の方々のための学習会


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