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建築構造解析における並列処理の新たな展開 ーインターネット解析ー 大阪大学助教授 多田元英 シェル要素を用いた複合非線形有限要素法について(その 2) 【巻頭言】 【技術論文】

3GXSFIV - Nippon Steel · 2016-06-07 · ls-dynaによる強連成問題として 解法する機会が増してきました。い ずれの方法を適用するかは、解析手

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建築構造解析における並列処理の新たな展開    ーインターネット解析ー 大阪大学助教授 多田元英

シェル要素を用いた複合非線形有限要素法について(その 2)

【巻頭言】

【技術論文】

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弊社が数値解析技報を創刊してから、2年以上経過しました。この間、CAE技術の進展とともに、技術者のためのCAE懇話会の組織化や機会学会の計算力学技術者認定試験などが具体化され、着々とCAEが全国へ浸透していっております。特にCAE懇話会は全国規模で広がりをみせ、ここ九州では懇話会発足にむけ、弊社のメンバーもその準備会で活動しております。また、最近のCAE技術の解析分

野での目立った動きが、以下の3項目に現れています。第一は、陽解法ソルバーの隆盛です。これまでは、自動車産業を中心に使用されてきましたが、現在は土木建築分野など他の工学分野の動的応答問題に適用され始めました。弊社でも LS-DYNAによる解析サービスを開始し、衝撃による構造物のダメージ評価を行う設計支援解析を行っています。第二は、流体構造の連成問題の日常化です。以前はかなり難易度が高かった連成問題が、日常の解析対象になっています。たとえば、弊社では FLUENT と MSC.Nastran を 組み合わせての弱連成問題、あるいはLS-DYNA による強連成問題として解法する機会が増してきました。いずれの方法を適用するかは、解析手法の特徴と対象を考慮して切替えています。また、弊社では FLUENT とMSC.Marc の組み合わせにより、非定常 / 構造非線形問題を精度良く解析する手法を開発中です。このよう

な異種ソルバー間のコラボレーションによる弱連成解析は、各種ソルバーの特徴を引き出すことで今後とも発展する余地が十分にあると思われます。弊社はこの弱連成解析技術を今後とも発展させて、これまで解決が難しかった技術課題に挑戦したいと考えております。この方面の解析成果が出次第、技報にて紹介します。第三は、疲労や亀裂伝播といっ

た設備保全の課題がクローズアップしていることです。これらは、土木建築、機械プラント、製鉄プラント、鉄道関係などの広い分野に跨っています。これまでは、実験による亀裂伝播則と、解析結果の応力振幅とその履歴を組み合わせるハイブリッド方式が主流でした。ただし、亀裂の影響を応力振幅に反映できない欠点がありました。しかし、最近は亀裂進展自身を解析で表現する破壊力学的アプローチが開発されつつあり、破壊の評価に関する精度向上への期待が一層高くなっています。一方で、従来の評価法ではあるものの、MSC.Fatigue のように、SN線図による評価、亀裂進展予測、および寿命に関する情報の出力を行うポスト処理ツールが利用できるようになり、格段に作業効率が向上するようになりました。このようにCAE技術が進化して

いく中で、我々は顧客の皆様の課題を確実に解決できるようにエンジニアリングの質の向上を目指し、またMSC商品のパッケージ販売をテコに

して皆様のニーズの掘り起こしを行っていきたいと考えています。さらに、MSC.Patran PCL によるシステム開発やネットワークビジネスの立ち上げなど新規な取り組みへも力を入れています。ネットワークビジネスに関しては、インターネット利用による解析データベースと、顧客と弊社の担当者間の情報通信の2つを要にしたシステムを構築中であり、顧客の皆様へのサービスを向上させたいと考えています。 さて、本技報ではインターネット解析研究会の大阪大学/多田助教授に建築分野の異種ソルバー間のコラボレーションに関する巻頭言を御願いしました。コラボレーションは現在 医療、バイオ、工学などの広い範囲で盛んに試行されています。その具体例としてインターネットで既存のさまざまな高精度解析プログラムを統合し、一つの構造解析システムを構築する試み(インターネット解析)について紹介して頂きました。ぜひ御一読ください。また、技術論文 「シェル要素を用いた複合非線形有限要素法について(その2)」、 トピックスや解析事例の構成は同じですが、その中に解析支援アプリケーションNAVISTRUCT や MSC.Fatigue の事例など加えました。皆様のお役に立てればと願う次第です。

技報第4号発刊のご挨拶日鐵プラント設計株式会社

コンピュータアプリケーションGr. グループ長 大神 勝城

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巻頭言 ・・・ 建築構造解析における並列処理の新たな展開    ーインターネット解析ー 大阪大学助教授 多田元英

技術論文 ・・・ シェル要素を用いた複合非線形有限要素法について(その 2)トピックス ・・・ インターネット解析 ・・・ LS-DYNAの流体・構造連成解析への適用例 ・・・ 構造解析ナビゲーションNAVISTRUCTのご紹介 ・・・ 疲労寿命評価解析MSC.Fatigue のご紹介 ・・・ 事例紹介 ・・・ MSC.Marc、MSC.Nastran、FLUENT、LS-DYNA解析ソフトウエアーの紹介 ・・・

弊社では構造解析、流体解析などの受託解析に加え、エムエスシーソフトウェア ( 株 ) 殿、フルーエント・アジアパシフィック ( 株 ) 殿、新日鉄ソリューションズ ( 株 ) 殿(ソリッドワークスジャパン殿)、積水化学工業(株)殿と協力し、パッケージ販売を行っております。<お問合せ先>構造関係:湯本 ( [email protected] )流体関係:大木 ( [email protected] )

弊社取扱い商品

表紙写真:真野博正(マーニーズフォトグラフィー)■

※MSC.Marc,MSC.Marc.Mentat は MSC Software Corporation の商標です。※ FLUENTは Fluent,Inc. の登録商標です。※その他記載の製品名等の固有名詞は、それぞれ各社の商標または登録商標です。

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■構造解析における並列処理は文献 1), 2) などに詳しく解説され,広く利用されてきた.最近では,並列処理スーパーコンピュータの利用を前提としたADVENTURE プロジェクトが,吉村忍教授(東京大学)の下で展開され 3),目を見張る成果が上げられている.私が所属する建築工学の分野においても,並列処理に関する数編の論文が日本建築学会論文集に発表されており 4), 5),その有用性が認識されている.

■このような並列処理の主目的は,緻密なモデルを汎用性の高いプログラムで解く際の計算効率を上げることだといえよう.それに対し,同様な並列処理であるものの,解析効率を上げることに主眼をおかず別の視点に立脚したプロジェクトを,建築工学の分野で推進しているので,ここに紹介させていただきたい.

■このプロジェクトは,さまざまな研究者が独自に開発したプログラム群を,それぞれの特長を活かしながら統合することによって,より高度で高性能な構造解析システムを構築することが目的である.たとえば鋼構造建物が外力を受けて倒壊する様子を把握するには,さまざまな座屈挙動や異種材料で構成された部位の複雑な挙動を把握する必要がある.これらの挙動については,多くの先人が独自に研究に取り組み,その挙動を表現可能なプログラムも多く開発されている.しかし,それらのプログラムは研究テーマごとに単独で利用されてきたため,柱や梁

1本だけのように限定部位しか解析できない場合がほとんどであり,また単独で利用される限り,複数現象の連成効果は解析不可能であった.つまり,高度なプログラムという貴重な資産が多数あるにもかかわらず,それらを関連づける術がないため,限定的な利用しかされてこなかったといえる.

■本プロジェクトでは,複数のステーションでさまざまな構造部位を詳細に解析し,剛性行列・変位増分・復元力を,全体を制御するホストとステップ・バイ・ステップで通信することで,建物全体の倒壊挙動を解析することを目指している.従来の並列処理のコンセプトはひとつの高度な計算を手分けする「分散」であるのに対し,本プロジェクトのコンセプトは既存のさまざまな高度解析プログラムの「統合」だということができる.

■情報の通信は,サーバー内のファイルにインターネットを介して数値を書き込んだり読みとったりすることで行っている.したがって,FORTRAN のOPEN, CLOSE, READ, WRITE 文だけでデータ通信を行うことができる.Cや BASIC など他のプログラム言語でも容易に記述可能である.情報工学の分野では,MPI ライブラリが一般に利用されているようだが,われわれ建築工学の技術者にとっては垣根が高い.多くの建築技術者が容易に参加できるよう,通信速度を犠牲にしてこのような方法を採用している.

多田元英 TADA Motohide■大阪大学大学院工学研究科助教授,博士(工学)■専門分野:建築鋼構造,耐震設計■日本建築学会鋼構造座屈小委員会骨組座屈の統合的評価WG主査,日本建築学会・代議員■日本建築学会■ 1994年:「応力制限機構を挿入した 2層立体トラスの載荷能力に関する研究」で日本建築学会奨励賞を受賞■ 1999 年:「通しダイアフラム形式で角形鋼管柱に接合されるH形鋼梁の塑性変形能力に関する実大実験」で共著者とともに日本鋼構造協会奨励賞(論文部門)を受賞

言頭巻

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■本システムの特徴を以下に列挙する.1) ある解析プロジェクトに対し,複数のプログラムを統合することで,各プログラムの管理者による共同作業が可能となる.また,プロジェクトに応じて柔軟にチーム編成を変えることができる.2) 互いに提供する情報は数値情報だけであり,ソースコードやライブラリなどの形式でプログラムを提供する必要がない.したがって,各プログラムの開発者の権利を確実に守ることができる.3) 基本的に既往プログラムの入出力部分を修正するだけなので,容易に参加することができる.4) 通信方法にOS標準装備のファイル共有機能とFORTRAN77 の文法だけを用いており,非常に簡単である.5) 他のプログラムで分担しているサブストラクチャー内部の状態が分からないため,解析結果の考察は各プログラム担当者による共同作業が必要となる.これは互いのプログラムをブラックボックス化させないためには有益である.

■以上のような構想の下,「インターネット解析研 究 会 」(Forum on Structural Engineering Simulation in Internet Approach)を以下に示す研究者で構成し,現在,活動中である.すなわち,多田元英(大阪大学):全体のとりまとめ,大神勝城氏(日鐵プラント設計):H断面や角形鋼管の局部座屈解析,金尾伊織氏(京都大学):H断面梁の横座屈解析,玉井宏章氏(広島工業大学):露出柱脚の弾塑性解析,安井信行氏(長崎総合科学大学):円形鋼管の局部座屈解析,Pan Peng 氏(京都大学):免震積層ゴムとのオンライン実験,桑原進氏(大阪大学):インターネット環境の整備.

■活動は緒についたばかりで,少数のプログラムを統合して簡単な構造物を解析できるまでにしか至っていない.今後の展開を楽しみにしている.活動成果の一例として 6),3階建ての筋かい付きラーメン構造を対象に弾塑性構造解析を行った際のパソコン分布とそれぞれの担当部位を図1に示す.筋かいは,曲げ座屈を考慮可能なプログラムで解析し,梁は鉄骨梁とコンクリート床の合成効果が考慮可能なプログラムで解析している.10箇所に分散された 13台のパソコンで解析を実行した.中には商用のADSL回線で結ばれた個人住宅のパソコンも含まれている.

■建築工学の分野では,自分で構造解析プログラムを作成する研究者が激減している.汎用プログラムが安価に入手できること,それを超える性能のプログラムを作成するのが容易でないことが原因であろう.その結果,プログラミングを通じて物事を考えるという有益なアプローチが閉ざされてしまった

感がある.本システムが整備されれば,さまざまな構造解析プログラムが社会資産として確実に蓄積でき,たとえ小さな構造部位の解析プログラムであっても,それを開発すれば今までの資産に上乗せすることができる.そのような土俵を整備することで,建築構造技術者がプログラム開発に戻ってくることを期待している.

参考文献1) 矢川元基,曽根田直樹:パラレルコンピューティング,培風館,19912) 矢川元基,塩谷隆二:超並列有限要素解析,朝倉書店,19983) 日本学術振興会未来開拓推進事業:設計用大規模計算力学システム開発プロジェクト(Adventure Project)4) 村田 賢,柴田良一,新帯晃聖,望月裕之:大規模スペースフレームの動的解析に対する PCクラスタによる並列化システムの開発(その1),日本建築学会構造系論文集,No.542,pp.115-122,2001.45) 宮村倫司,吉村 忍:PCクラスタによる古代建築パンテオンの並列応力解析,日本建築学会構造系論文集,No.550,pp.95-102,2001.126) 多田元英,桑原 進:インターネットで異種プログラムを統合した構造解析システムの基本考察,日本建築学会構造系論文集,No.580,pp.113-120,2004.6

図 1:3階建て建物解析時のパソコン分布

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技術論文

前号では , 要素の定式化から増分形式の剛性方程式の導出までを掲載した。ここでは , 塑性則の導入と解析事例について紹介する。なお、本論文で紹介した解析プログラムは、巻頭言の多田助教授(阪大)が推進している「インターネット数値解析研究会」で使用している。その役割は、鋼部材(BOX型鋼管、H型鋼管)の局部座屈解析の担当である。なお、本号のトピックスにその研究会の成果を掲載しているので参照いただければ幸いである。

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技術論文

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技術論文

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技術論文

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技術論文

12.

13.

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技術論文

15.

14.

a) BOX b) H

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Collaborated Combined Non-linear Analysis for a Portal Frame including Local Buckling

OHGAMI Katsuki, TADA Motohide

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N= 0.3 N

=200 mmN=1581.9 N

インターネット解析

 インターネット解析は、大阪大学 /多田助教授(建築学専攻)を中心に推進されている。当社では、その研究会に参画して、局部座屈を担当している。その成果はH16年度建築学会の大会の梗概集に掲載されている。ここでは、その掲載内容に補足説明を加えて以下に示す。

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LS-DYNA ALE SPH 2-1-1

2-1-1

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+Eulerian

Eulerian

SPH

2.1 ALE

ALE Lagrangian

Lagrangian

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0.4Hz 1m

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SPH

1) ALE

SPH

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1.はじめに 近年においては有限要素法(FEM)解析機能の進展やコンピュータ性能の向上により、流体力学、構造力学を連成して解こうとする動向が見受けられるようになった。流体・構造連成解析においては、未知変数を流体と構造で別々に解いて、互いの情報をやりとりする弱連成法と、同時に解く強連成法が存在する。弊社では過去に 、FLUENT と NASTRAN を用いて弱連成解析を実施した実績を持っているが、LS-DYNA の様に強連成法による解析機能を持つソルバーも所有している。そこで今回は、その LS-DYNA における流体・構造連成解析機能について、流体・構造連成解析の活用例を提案・考察する。

(是枝 源一)

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2-3-2 X

2-3-3 X

3

LS-DYNA ALE SPH

1) 67

662

2) SPH

3) CMD Newsletter No.30

4) 2 SPH Vol.7

5.0 sec2.5 sec

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 弊社は積水化学工業株式会社殿の代理店として「NAVISTRUCT」の販売を行っております。NAVISTRUCT は、解析結果のデータベースの構築、標準化、体験学習を目的として作成されており、設計者が使いやすいことが最も大きな特徴です。NAVISTRUCT には大きく2つの機能があります。ひとつは体験学習システムで、有限要素法をご存知ない方が独習できます。もう一つはナビゲーションを備えた解析システムです。非常に使い易いため、大学や工業技術センターなどの公的機関で広く活用されています。 今回は、解析システムについてご紹介します。このシステムは解析非専任者でも解析が可能なように、ナビゲーションに沿って解析が可能になります(図 1)。また、解析結果についてはレポート出力機能があり html 形式で保存することができ、レポート作成が容易になります(図2)。

構造解析ナビゲーションNAVISTRUCTのご紹介

商品紹介

図1

図 2

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疲労寿命評価解析MSC.Fatigue のご紹介

商品紹介

図 2図1

図 3 図 4

図 5

 MSC.Fatigue はMSC.Nastran、MSC.Marc の解析結果をベースに疲労寿命予測評価する統合システムです。システムの基本機能により、応力寿命、ひずみ寿命評価ができます。またオプション機能として、クラックの伸展、振動疲労、スポット溶接評価、シーム溶接評価、ホイール解析、ソフトウェア歪ゲージ、多軸疲労評価が可能です。プリポストとしてはMSC.Patran を使用するのが一般的ですが、専用の Pre &Post もあります。また、疲労を評価するためには疲労の材料データが必要となりますが、MSC.Fatigue には 200 種類以上のデータを準備しております。今回は応力寿命解析についてご紹介いたします。対象は切欠きを有する平面モデルです。下端は対称条件とし、単位荷重を右端に作用させています。まず、このモデルをNastran で解析して結果を Patran に読み込みます(図1)。次に、Patran 上で設定した荷重履歴(周期的な疲労荷重)に対する応力振幅を計算して(図2)、かつ材料物性(SN線図)を定義します(図3)。その後、Patran 上から疲労に関する Fatigue 機能を実行して、寿命予測結果を表示することができます(図4)。なお、荷重履歴は振動応答など動的なものも扱うことができます(図5)。

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低減積分シェル要素を使用した異方性深絞り解析

事例紹介

板材の深絞り解析は非線形が強く、解析的に収束が難しいとの問題がありましたが、MSC.Marc2003 では新たに低減シェル要素が開発され、また異方性物性としてBarlat モデルが導入されました。このモデルでは、圧延方向による異方性を 0,45,90 度方向の初期降伏応力とバルジテストから得られた平行2軸応力から導くことができます。たとえば、降伏応力Y0 = 192.1,Y45=187.4, Y90=181.2, YB=191.4(比 : Y45/Y0 = 0.9755, Y90/ Y0 = 0.9432, YB/ Y0 = 0.9963)で与えられた場合に、Barlat の異方性係数(C1, C2, C3,C4, C5, C6)が自動的に計算されます。今回の例題のモデルを図1に示します。材料の降伏はσ= 429.8-237.7 × EXP(-8.504 ε p) で定義します(図2)。図 3 と図 4 の違いはビードドロー(深絞りの際の滑り留め)を解析的に考慮した場合と考慮しない場合です。ビードドローは非線形ばねを使用することで簡単に考慮できます。

構造・流体・電磁場・音響 最適化・CAEシステム

MSC.Marc

図 3 深絞り最終形状(ビードドローあり)

図 1 初期形状 図 2 材料の S-S データ

図 4 深絞り最終形状(ビードドローなし)

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3次元音響解析吸音材の効果を確認するため、加振点から少し離れた場所に吸音材を配置して周波数応答解析を行い、吸音材が無い場合と比較しました。図 1に 400Hz のときの音圧分布を、図 2に点 aの音圧と周波数の関係を示しています。若干の音の漏れはあるものの吸音材を置くことで周波数全域に渡り音圧が減少しており、吸音材の効果が確認できました。

球形永久磁石の静磁場解析球形永久磁石の磁場解析を汎用構造解析ソフトMSC.Marc の静磁場解析機能を使用して実施した例です。図1の様に磁場解析では、磁束が集中する空気層を密にメッシュ化する必要があります。図2はX方向の磁束分布ですが、磁束の分布を良く表現できています。

MSC.Nastran

MSC.Marc

図 1 音圧分布(400Hz) 図 2 点 aの音圧ー周波数関係

(解析条件) 空間モデル:幅 5m、高さ 4m、奥行き 0.5m 密度:1.115kg/m3、体積弾性率:131.94 kN/m2

 上面及び側面:無限遠(吸音材)、下面:剛境界

吸音材なし

吸音材あり

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Dynamic Mesh 機能を使用した造波シミュレーションFLUENT Ver6.1 から追加された、Dynamic Mesh 機能を用いて造波シミュレーションを行いました。右側の壁を周期的に左右に移動させることで波を発生しています。計算結果は、赤色部が流体部、黄色部が空気を表わしています。波が三角波となって伝播する様子や、壁に衝突時の飛沫、およびその後の反射波と進行波との衝突など興味深い結果が得られています。アニメーションファイルをCAグループのホームページに載せていますのでご覧ください。http://www.iijnet.or.jp/npd_ca

Dynamicmesh

FLUENT

コンクリートクラックを考慮した梁の衝突シュミレーション両端単純支持のコンクリート梁に一定の速度で重く硬い球を衝突させました。衝突によって起こるコンクリート梁の変形状態とクラック進展が分かります。

LS-DYNA

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 弊社はシミュレーションソフトウェアー分野のリーディングカンパニーであるエムエスシーソフトウェア株式会社の代理店として活動をしております。今回は弊社の取り扱いソフトウェアの一部をご紹介いたします。

■汎用構造解析プログラム MSC.Nastran 有限要素法を使用したMSC.Nastran は世界で圧倒的なシェアを持つ汎用構造解析のスタンダードです。Nastran の歴史は 1965 年当時の NASA で行われていた航空機の機体をコンピュータ上で解析することに始まります。1971 年に商用としてリリースされ、以来航空宇宙、自動車、造船、機械、建築、土木など幅広い分野で利用されております。 Nastran の基本解析機能は線形静解析、実固有値解析、線形座屈解析が可能です。オプションとして伝熱、動解析、非線形、設計最適化等が可能です。大規模モデルに対してはスーパーエレメント機能、分散パラレル解析機能により大幅な解析時間の効率が可能です。 最近の機能アップ例としてはローターダイナミックスオプション、スポット溶接オプションやMSC.Marc とのインテグレーションによる非線形解析(SOL600)があります。SOL600 機能はNastran のデータにわずかなコマンドを加えるだけでMSC.Marc の非線形解析機能が利用でき効率化の面で大きなメリットを享受できます。

■汎用非線形構造解析プログラム MSC.Marc、MSC.Marc.Mentat MSC.Marc の歴史は 1960 年代後半にロンドン大学とブラウン大学で 12 年以上にわたり研究教育に携わったペドロ・V・マサール博士によって開発されました。その後整備、拡張が行われ現在のMSC.Marc に発展しております。解析機能としては材料非線形、幾何学非線形、境界非線形はもちろん非定常熱伝導、動解析、破壊、衝突、連成等、広い範囲をカバーしております。材料に関しても線形弾性から弾塑性 , 異方性、エラストマ、クリープ、ダメージモデル等があります。使用可能な要素としては梁、トラスから平面応力、平面歪み、シェル、3次元ソリッドまでをカバーしております。また、領域分割法による並列計算処理機能による大規模解析も可能です。 産業界では航空宇宙、重工業、自動車、電気電子、医療関係まで広い範囲にご利用できるソフトウェアです。 MSC.Marc の 専 用 プ リ ポ ス ト プ ロ セ ッ サー と し て MSC.Marc.Mentat が あ り ま す。MSC.Marc.Mentat は MSC.Marc の非線形解析機能をサポートしており、GUI を使用して多数のオプション、領域分割の処理が可能です。

■CAEインテグレーションシステム MSC.Patran MSC.Patran はMSC.Nastran を補強するツールとして開発された汎用のプリ・ポストプロセッサーです。多くのCADに対応するダイレクトCADアクセス機能により中間ファイルを経由することなく解析対象の形状を直接取り込み、メッシュ生成、境界条件定義、材料定義等を含めた有限要素法モデルを作成出来ます。多くの種類の解析ソルバーへデータ変換ができるだけではなく、Patran からの解析実行、評価まで行うことが出来ます。システムのカスタマイズ機能も充実しており Patran のプログラミング言語 PCL(Patran Command Language)を使用することによりユーザー独自のメニュー、コマンドを作成出来ます。これにより設計者への解析の広がりを加速することが可能です。

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数値解析技報 NO.4    平成16年 10月 1日発行発   行 日鐵プラント設計株式会社 〒 804-0002 福岡県北九州市戸畑区大字中原 46番地の 59発行責任者 システムエンジニアリング室コンピュータアプリケーショングループ 大神勝城

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