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［ビジネストーク］頭取 高橋 祥二郎

「コロナトランス

フォーメーション（ＣＸ）

　　

with

SDGs」

01

せい

れつ

．

．

　年初めには予想だにしなかった新型コロナ

ウイルスの感染規模とスピードは、世界を恐

怖に陥れています。中国・武漢市で感染が初

めて確認されてからわずか半年間で、世界の

感染者は約１０００万人に及び、死者も50万

人を超えています。２００２〜03年に流行した

ＳＡＲＳ（重症急性呼吸器症候群）が、９カ

月間で感染者約８０００人、死者約８００

人で収束したことと比べても、その凄烈さが

分かります。コロナ禍でお亡くなりになられた

皆さま、感染拡大により被害を受けられた

皆さまに心からお見舞いを申し上げます。

　コロナ禍のようなパンデミック（世界的大流

行）は周期的に発生しています。14世紀に世

界を覆ったペストは１７２０年代にもフランス

で大流行し、１８２０年前後のコレラ、そして

１９１８〜20年に３波で襲った〝スペイン風

邪〞では、世界人口の３分の１が感染し、何

千万人もの人たちが死亡したといわれてい

ます。

　人類は、数々の技術進歩やイノベーションに

より経済発展と便利で豊かな生活の恩恵

を受けてきました。一方、今回のコロナ禍を

経験して思うのは、ウイルス対策に限らず生

命に関わる分野の研究開発や感染予防対

策が幾分おろそかになっていたのではないか

ということです。そして、私自身も「生命」や

「健康であること」の大切さを改めて思い知

り、幸福とは何かを考えさせられました。各

国が歩調を合わせ大規模な経済対策を実

施したように、世界が団結して治療薬やワ

クチンを開発し、コロナ禍に打ち勝つ日が一刻

も早く訪れることを切に願うばかりです。

　このコロナ禍をきっかけに、今後、私たちの

生活様式や働き方などが大きく変わるとい

われています。外出や営業の自粛、移動の制

限が求められた結果、テレワークやオンライン

消費が広がるなどデジタルシフトが進みまし

た。デジタルテクノロジーを駆使して経営の在

り方を再構築し変革につなげるデジタルトラ

ンスフォーメーション（ＤＸ）の重要性がますま

す高まっており、この動きはより一層加速す

ると思われます。

　さらには、こうした変化が経済発展や

豊かさ以上に、人類の生命と健康が世界

中で平等に享受できる社会の実現、換言

すれば「コロナトランスフォーメーション（Ｃ

Ｘ）」につながるものでなくてはなりませ

ん。生産性向上に向けた「働き方改革」を

さらに推し進め、仕事への意欲が高まるよ

うな「働き甲斐改革」を実践することも

その一つです。また、こうした取り組みを実践す

ることにより、SDGsの実現も可能になるで

しょう。

　コロナ禍で失われた多くの尊い命や被害

があることを忘れずに、私たちの未来につい

て、何のための経済発展なのか、イノベーショ

ンは何を目指すのか、本当の豊かさとは何か

を自問自答しつつ、持続可能な社会の実現

に取り組んでまいります。

表紙／レトロネクチン®（タカラバイオ株式会社）タカラバイオ株式会社が開発したレトロネクチン®法によって、従来技術では困難であった、造血幹細胞などの血球系細胞へ高効率で遺伝子導入することが可能となった。現在では、体外遺伝子治療におけるスタンダード技術として、世界中の遺伝子治療臨床試験や製品製造においてレトロネクチン®法が用いられており、遺伝子治療の発展に寄与している。

●本誌掲載の写真・イラスト・記事の無断複写・転載を禁じます。●本誌内情報は特に記載のない場合、2020年6月現在のものとなります。

本誌「かけはし」はhttps://www.keibun.co.jp/でもご覧いただけます。※「かけはし」の名称は、（株）しがぎん経済文化センターが商標登録しています。

ビジネストーク

「コロナトランスフォーメーション（ＣＸ）

with

SDGs」

﹇グローバルな危機に、ローカルからの挑戦﹈

タカラバイオ株式会社

代表取締役社長

仲尾

功一

氏

｜

マネジメント対談

｜

遺伝子や細胞を医薬品に

コロナ禍の先に

広がる大きな未来

注目のビジネスパーソン

桑野造船株式会社／医療法人

幸生会

琵琶湖中央病院

知の泉

滋賀の研究最前線

立命館大学

スポーツ健康科学部

追想、かくれ里

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030911

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滋賀人

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本当は大切なお金の話。

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2020 Summer V o l . 295

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