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至上野 至千葉 至御茶の水 中央改札口 電気街口 万世橋 神田川 靖国通り ワシントンホテル 至神田 東京メトロ日比谷線 秋葉原駅 JR秋葉原駅 蔵前橋通り 凸版印刷 三井記念病院 住友商事 神田和泉町ビル 事業戦略部 国際事業課 〒101-0024 東京都千代田区神田和泉町1-13 神田和泉町ビル9階 TEL 03-5822-7241 FAX 03-5822-7240 E-mail : [email protected] URL : http://www.tokyo-kosha.or.jp/ Facebook: https://www.facebook.com/TokyoSME Tokyo SME Support Center

海外展開支援 - tokyo-trade-center.or.jp · まで全国で15万枚以上の販売実績を持つ。 10年以上前から公社の事業を活用しており、本格的な海外販売にあ

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Page 1: 海外展開支援 - tokyo-trade-center.or.jp · まで全国で15万枚以上の販売実績を持つ。 10年以上前から公社の事業を活用しており、本格的な海外販売にあ

海 外 展 開 支 援事 例 集

至上野

ヨドバシカメラ

中央通り

至千葉

至御茶の水

中央改札口電気街口

万世橋神田川

靖国通りワシントンホテル

至神田

東京メトロ日比谷線秋葉原駅

JR秋葉原駅

蔵前橋通り

昭和通り

凸版印刷

三井記念病院

住友商事神田和泉町ビル

三共スポーツ

事業戦略部 国際事業課

〒101-0024東京都千代田区神田和泉町1-13 神田和泉町ビル9階TEL 03-5822-7241 FAX 03-5822-7240E-mail : [email protected] URL : http://www.tokyo-kosha.or.jp/Facebook: https://www.facebook.com/TokyoSME

T o k y o S M E S u p p o r t C e n t e r

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interview

縮小する国内市場への対応

 秀和工業は60年以上にわ

たりガラスや半導体ウエハな

どの研削・研磨装置の製造販

売を手がける精密機械メー

カー。半導体製造の前工程

ワークに対応した製造装置の

設計・製造から、加工ノウハウまでワンストップで提供できる強みを持つ。

近年、国内大手半導体メーカーの事業縮小に伴い売り上げが伸び悩み、

中国やASEANなど成長が期待できる海外マーケットに活路を見いだそ

うと海外展開プラン策定支援の利用を決めた。

方向性の明確化

 海外展開に当たり最大の課題は社内に海外販売のノウハウがないこ

と。販路や支払いなどの商慣習、輸出方法、行政手続きなど具体的な

手法が分からず手探りの状態だったため、大手商社で海外駐在を経験し

たプランマネージャーから、実体験に基づくアドバイスを受けたことは心

強かったという。小口社長は「プラン策定を通して、自社の方向性を再

確認することができた。海外展開に当たり、製品改良など取り組むべき

事を検討するきっかけになった」と振り返る。

市場動向の検討とアクションプランの策定

 プラン策定の過程では、売るべき商材を明確にし、ターゲットを決め、

プランシートを使って課題を整理する。市場動向を見極めるためのアド

バイスもプランマネージャーの役割だ。

 同社の場合、中国の半導体産業における大型投資情報をキャッチし、

需要増が見込める中国の化合物半導体ウエハ、デバイス、LEDの各メー

カー等をターゲットとして、半導体を扱う日系商社を通じて販売チャネ

ルを構築することとした。2年後の売り上げ目標とスケジュールも定まり、

2017年度は海外展示会への出展や商社とのマッチングを通じてプラン

の内容を具現化していく。

(公財)東京都中小企業振興公社では、都内中小企業の皆様を対象に、海外展開のステップに応じてノウハウの提供や、海

外販路開拓支援、タイ事務所との連携による ASEAN での現地支援、社内人材の育成など、丁寧なサポートを行っています。

海外展開チャレンジ支援【海外展開プラン策定】

代表取締役社長 小口 純利 氏

プラン策定で自社の方向性を明確化

秀和工業株式会社所在地/東京都足立区竹の塚2-32-16代表者/小口 純利 社長 資本金/3,000万円 従業員数/26名

会 社案 内

東京都中小企業振興公社の海外展開支援について事例集掲載企業

海外展開の相談・助言および人材育成

●規制や契約書等、海外取引に関する相談受付・助言や海外展開に必要な社内人材の育成支援を行います。

タイ事務所による現地支援

●現地でのビジネスマッチング、セミナーの開催や経営相談、情報提供、商談スペースの提供等、ASEAN 地域 における商談、進出フォローを行います。

海外販路開拓支援

●海外販路ナビゲータ(海外販促経験の豊富なメーカーや商社 OB)が、海外展示会出展等を活用し、ビジネス マッチングにより、海外への販売ルートを開拓します。

海外展開チャレンジ支援

< 海外展開支援のイメージ>

●新たに海外展開に挑む中小企業にノウハウを提供するとともに、海外展開プランの策定をサポートします。

海外展開プランの主な 3 つの要素

海外展開チャレンジセミナー体験談や知識、ノウハウを提供

海外展開プラン策定支援企業に訪問し、プランマネージャーがプランシートの策定をサポート

個別相談会貴社の「強み」を理解し、海外展開の可能性を検討、目的等を検証

1 2

企 業 名利 用 支 援

海 外 展 開チ ャ レ ン ジ

支 援

海 外 販 路開 拓 支 援

相 談 ・人 材 育 成

タイ 事 務 所 支 援

テ ー マ

秀和工業株式会社(足立区)資本金 3,000 万円、従業員 26 名 プラン策定で自社の方向性を明確化

セミナーから約 3 ヶ月のスピードビジネスマッチング実現へ

海外販路ナビゲータと二人三脚で海外挑戦

海外展示会の入念な準備とフォローで成約へ

海外販路ナビゲータの提案からターゲット市場を選定

ASEAN 展開に公社タイ事務所を活用

海外展開に挑む企業として広い視野と自信を養成

ビジネスプラン完成から海外展示会出展まで一気に実現

専門相談員の助言を効率的な海外展開に活用

株式会社デジタル・ナレッジ(台東区)資本金 4,045 万円、従業員 120 名

ベアトリックス株式会社(武蔵野市)資本金 2,000 万円、従業員 5 名

医建エンジニアリング株式会社(墨田区)資本金 1,680 万円、従業員 37 名

株式会社 SPEC(八王子市)資本金 1,000 万円、従業員 3 名

ゼットエンジニアリング株式会社(江戸川区)資本金 5,000 万円、従業員 16 名

テスナエナジー株式会社(千代田区)資本金 4,000 万円、従業員 10 名

精和産業株式会社(江東区)資本金 1,000 万円、従業員 90 名

株式会社大和テクノシステムズ(町田市)資本金 5,010 万円、従業員 37 名

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都内中小企業

商材の選定何を売るか

ターゲットの決定・変更対象国・対象市場、顧客

海外展開方法の決定輸出(直接・間接)/進出

申込み ハンズオン支援 販売、与信リスク、代金回収など

(ODAスキームの活用による参入も支援)

海外販路ナビゲータ 専門商社など海外現地ローカル企業

日系企業

審査 マッチング 販路拡大

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interview

interview

単独での販路開拓に限界

 SPECは、無 機 系 の 特 殊 土

壌硬化剤「シュタイン」で海外

市場に挑戦している。この製品は、土などの未舗装道路を硬化すること

ができ、施工費はアスファルト道路の約2分の1、施工24時間後にトラッ

クなどの車両が通行可能になる特徴を持つ。

 数千件の施工実績があるが、アスファルト道路の整備により国内需要

は減退の一途。海外マーケットへのアプローチ方法を模索したが、情報

も人脈もなく限界を感じていた折、海外販路開拓支援事業を知った。

ナビゲータとともに行った市場調査

 「海外販路ナビゲータの『東南アジアに活路があるのではないか』との

ひと言が、海外市場の扉を開けてくれた。」久保社長は海外市場挑戦へ

のきっかけを振り返る。ナビゲータと共に東南アジアを中心に市場性調

査を行ったところ、カンボジアには39,000㎞の道路があるが、そのうち

27,000㎞が未舗装であることが分かった。

JICA事業の活用

 具体的な展開を始めるには現地での技術的な適合性や価格面の調査

が必要であった。調査ノウハウも費用もあてがなく悩んでいると、ナビゲー

タから国際協力機構(JICA)の「案件化調査」への応募を提案された。こ

の事業は中小企業からの提案に基づき製品・技術を途上国の開発へ活

用する可能性を検討することを目的とするもので、調査経費等をJICAが

支援する。同社の提案は2015年末に採択され、現在カンボジアでの調

査に取り組んでいる。事業化の目処がたてば現地への試験導入を通して

普及方法の検討などを行う「普及・実証事業」への応募も視野に入る。

 久保社長は「公社のサポートにより市場調査のみならず、現地キーパー

ソンの把握もでき、人脈が格段に広がった」と事業の利点を強調する。

カンボジアでビジネスモデルを確立した後、他の東南アジア諸国および

開発途上国にも市場を広げたいと考えている。

海外販路開拓支援【海外展示会の活用】

海外販路開拓支援事業との出会い

 医建エンジニアリングは1978年の創業以来、医療業界に特化した放

射線管理を中心に事業展開している。病院のX線室の放射線漏えい防

護の多くに鉛が使われていることに着目し、鉛を全く使用しない無鉛放

射線防護材「ホーシャット無鉛ボードXp」を開発。総合病院から診療所

まで全国で15万枚以上の販売実績を持つ。

 10年以上前から公社の事業を活用しており、本格的な海外販売にあ

たって「海外販路開拓支援事業」を利用することにした。

手がかりのなかった海外展開

 国内では実績を伸ばしていたが、海外への販路開拓を始めると壁に

ぶつかった。「海外展開をどこから始めようか、見当がつかなかった」と

木村社長は振り返る。

 ASEAN市場では欧米からの競合品が先行して販売されており、品質

には自信があるものの市場における差別化を打ち出しにくい状態であっ

た。海外販路ナビゲータと話したところ認識が一致。製品の優位性をき

ちんと表現した英文カタログの作成から取り組み始めた。

海外展示会からの初成約

 2014年シンガポールで開

催 され た「Medical Fair Asia」

に出展し、会期中にシンガポー

ルの専門工事業者と知り合う機会に恵まれた。翌年、海外販路ナビゲー

タが紹介した日系商社を介してこの現地企業と販売代理店契約を締結

し、現地の病院・クリニック向けに製品を納入することに成功した。

 現地企業との商談が長引く中、「海外販路ナビゲータは帰国ギリギリ

の時間まで商談をアテンドしてくれ、その粘り腰に感動した。時には叱

咤激励も受けながら、会社を良い方向に導いてくれていると実感する」と

木村社長。

 海外展示会の出展を通じて自社の強みを再確認した同社は、今後も

ASEANを中心に市場を開拓していく。

代表取締役社長 木村 純一 氏

海外展示会の入念な準備とフォローで成約へ

医建エンジニアリング株式会社所在地/東京都墨田区両国4-31-11 ヒューリック両国ビル6階代表者/木村 純一 社長 資本金/1,680万円 従業員数/37名

会 社案 内

海外販路開拓支援【新興国への販路開拓】

代表取締役社長 久保 祐一 氏

海外販路ナビゲータの提案からターゲット市場を選定

株式会社 SPEC所在地/東京都八王子市東浅川町539-2代表者/久保 祐一 社長 資本金/1,000万円 従業員数/3名

会 社案 内

interview

interview

海外展開チャレンジ支援【海外展開チャレンジセミナー】

海外展開のきっかけ

 デジタル・ナレッジはeラーニングシステム構築の先駆けとして1995

年に創業、同社の学習管理システム「KnowledgeDeliver(ナレッジデリ

バー)」は1500を超える導入実績を持つ。

 同社では国際協力機構(JICA)の中小企業海外展開支援事業2015

年度案件化調査に採択され、キルギス共和国向けの学習システム販

売展開を進めている。その経験を活かして他の国にも展開しようと考

えていたが、海外営業のノウハウがなく悩んでいた際に「海外展開チャ

レンジセミナー」に出会った。

海外展開プランの策定

 セミナーで海外ビジネスの実務に精通した専門家の話を聞き、海外展

開が簡単ではないことが分かったという。「正直に言うと、初めは不安も

あった」と野口取締役。しかし、セミナー終了後に参加した個別相談会

でプランマネージャーから計画作成のアドバイスを受け、自社システム

の対象ユーザーや事業のポイントの明確化など、営業活動をスムーズに

進めるための環境整備から始めることにした。

ビジネスマッチングの実現

 プラン策定後、「海外販路開

拓支援事業」を申込んだとこ

ろ、在タイ日系企業とのコネクションを持っているタイのメディアからの

引き合いがあり、公社タイ事務所のテレビ会議システムを利用して、日

本―タイ間での商談が実現した。商談後、タイを訪問し、公社タイ事務

所において現地企業と直接面談を行い、最終的には販売提携の合意に

至ることができた。

 「短期間だけど濃い内容と時間だった。代理店契約に至ることができ

たのはプランマネージャーと海外販路ナビゲータの親身な協力があった

から。期待していた以上の成果だ」と野口取締役は声を弾ませる。今後は、

現地代理店と協力してマネージャー人材の育成を目指す在タイ日系企業

を中心に営業展開してゆく。

取締役 野口 保之 氏

セミナーから約3ヶ月のスピードビジネスマッチング実現へ

株式会社デジタル・ナレッジ所在地/東京都台東区上野5-3-4 eラーニング・ラボ秋葉原代表者/はが 弘明 社長 資本金/4,045万円 従業員数/約120名

会 社案 内

海外販路開拓支援【海外販路ナビゲータによるサポート】

リーマンショックからの脱却

 ベアトリックスは、風速毎秒

0.3メートルの微風でも観測で

きるセンサーなどの独自製品

を手がける研究開発型企業

だ。主力製品である「デジセイ

バー」は、配管に巻き付けた

ケーブルが電磁波を常時発生させ、不純物の付着を防止するとともにス

ケールを除去する。国内では冷却塔用の配管やプラントに使われており、

200台弱の販売実績を持つ。

 しかし、銀川社長は国内の現状について「08年秋のリーマン・ショッ

ク以降、国内販売が頭打ちになり、販路拡大が難しくなった」と話す。

海外販路ナビゲータによる後押し

 国内環境が厳しくなる中で、海外市場に目を向けるきっかけとなった

のが、大手商社でプラント事業などの経験を持つ海外販路ナビゲータか

らの「海外で売れるのではないですか」というひと言だった。銀川社長は

「海外展開の経験がないため、ためらっていた。だが、この言葉で踏ん

切りがついた」と力強く答える。

海外販路ナビゲータの協力で代理店を発掘

 海外販路開拓支援事業では、展示会前に海外販路ナビゲータが取引

に結びつきそうな企業や信頼できる代理店などの掘り起こしを行うことで

効率的な販路開拓をサポートし、展示会出展後には契約締結に向けた

アドバイスを行う仕組みがある。

 同社は、日系企業の工場進出が多いタイとインドネシアの展示会へ出

展、海外販路ナビゲータがセッティングしたビジネスマッチングを通じて、

日本メーカーの製品を販売した経験のある現地企業との代理店契約締結

に至った。翌年の展示会ではこの代理店と一緒にエンドユーザーへの営

業活動を行い、これまでにタイやインドネシアで20台以上を販売している。

代表取締役社長 銀川 雅士 氏

海外販路ナビゲータと二人三脚で海外挑戦

ベアトリックス 株式会社所在地/東京都武蔵野市吉祥寺北町3-5-8代表者/銀川 雅士 社長 資本金/2,000万円 従業員数/5名

会 社案 内

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interview

相談・人材育成【国際化対応リーダー養成講座の活用】

国内シェア6割の企業が持つ危機感

 精和産業は1971年創業の塗装機・洗浄機の国内トップメーカー。ア

フターサービスを充実させている点が強みであり、住宅リフォーム市場

の塗装機では6割近い国内シェアを持つ。政府は住宅リフォーム市場を

2025年までに12兆円に伸ばすという目標を掲げており、2020年の東

京五輪に向けても大幅な伸びが期待されている。

 「今の追い風の内に、将来に向けて新規市場や海外市場の開拓を、

公社の力強い援助を得て積極的に推し進めたい」と経営企画室の木下室

長。先を見通して海外市場の強化を進める。

異業種企業との交流

 これまでに韓国、中国、台湾、豪州などに進出し、海外展開を進め

ている。

 「今後はASEANにも展開したい」と考えていた中、海外展開を担う幹部・

次世代リーダー育成を目的とする連続講座である「国際化対応リーダー

養成講座」に参加した。講座では、海外ビジネスプランの策定やプレゼ

ンテーション、グループ討論などを行い、海外販路開拓のノウハウを学

んだ。同じ目的を持つ異業種

の企業と共に学ぶことは、本

やネットからは得られない貴重な体験となった。

タイの展示会出展

 講座終了後、「海外販路開拓支援事業」に申請し、ASEAN最大級の製

造関連展示会「METALEX」に出展。海外販路ナビゲータから現地日系企

業とのマッチングサポートを受けた。ブース来訪者は200 ~ 300名にの

ぼり、現在、価格交渉など本格的な商談に進んでいる先もある。

 同社は、繰り返し展示会への出展を考えている。「公社の細やかなサ

ポートは心強かった。公社の支援のもとで海外展示会を経験したことで

コツがつかめた。今回集まった名刺先への招待状送付なども考えている。

次の出展にもつながるサポートを受けた。」と和田社長は語る。

代表取締役社長 和田 平 氏

ビジネスプラン完成から海外展示会出展まで一気に実現

精和産業株式会社所在地/東京都江東区大島5-12-7代表者/和田 平 社長 資本金/1,000万円 従業員数/90名

会 社案 内

interview

interview

タイ事務所による現地支援

活路を求めてタイへ展開

 ゼットエンジニアリングは、水分(ドレン)を取り除くための凝縮水排除

装置「スチーム・Z」や「ロータス・Z」の製造販売を行う。通常のスチー

ムトラップにある「作動弁」がなく、作動弁の故障や劣化による蒸気漏れ

が起こりにくいのが最大の特徴だ。

 国内では先行製品が多いため、以前から海外に目を向けていた。タ

イへの本格展開を計画し、「海外販路開拓支援事業」に申請、タイで開

催される製造関連展示会に出展することとなった。

タイ現地で受けたサポート

 タイの展示会出展にあたり1ヶ月前に現地を訪問、海外販路ナビゲー

タのアレンジにより代理店やユーザー候補企業とのマッチングなどのサ

ポートを受けた。また、公社タイ事務所が企画したタイ現地企業へのプ

レゼンテーション会に参加し、展示会の集客に向けた事前準備に取り組

んだ。

 帰国後もナビゲータと相談しながら、タイで出会った企業が展示会の

ブースを訪れてくれるよう営業活動を続け、展示会本番に臨んだ。

東京パビリオンでの出展

 「東京パビリオンの中で公社

支援企業の1社として出展す

ることにより、現地ローカル企

業に対して、高い信頼性と安

心感を与えられる」と経営企画

室の千葉室長。

 展示会終了後も千葉室長は

ほぼ毎月バンコクに出張し、展示会で知り合ったプラント関連企業など

との商談を進めている。まだ現地に拠点を持たない同社は、公社タイ事

務所の商談スペースなども活用している。

 「期待以上の手厚いサポートに感激している。この流れを生かしてタイ

での事業をうまく軌道に乗せたい」と千葉室長は語る。

経営企画室長 千葉 了 氏

ASEAN展開に公社タイ事務所を活用

ゼットエンジニアリング株式会社所在地/東京都江戸川区西小岩2-11-7 富士ビル1F代表者/東野 博樹 社長 資本金/5,000万円 従業員数/16名

会 社案 内

相談・人材育成【貿易実務者養成講習会の活用】

製品の小型化

 テスナエナジーは木質バイ

オマスのガス化プラントを主力

事業とする。医療系廃棄物の

適切な処理が可能な「医療用

廃棄物小型焼却炉」を開発。

西アフリカやパキスタンなどの新興国で導入されている。 

2015年から海外販路開拓支援事業を活用して海外への販路開拓を推し

進めてきた。担当の海外販路ナビゲータから同社製品を「コンパクトにで

きないか」とのアドバイスを受け、従来品の小型化などにも取り組んだ。

輸出推進のための体制づくり

 同社は設立して約3年。少数精鋭で運営しているため「今後の海外へ

の事業展開の上で社員が貿易実務を身につけることが必要だった」と山

本社長。公社で実施している「貿易実務者養成講習会」に社員2名を参

加させた。同講習会では、基本的な用語から最新情報までの知識を体

系立てて学ぶことができる。

 「以前よりスムーズに書類が読めるようになり、運送会社とのやりとり

も楽になった」と講習会受講後の社員の働く様子を見た皆川事業部長は

言う。

講習会でのノウハウ吸収が従業員の自信に

 年12回開催される講習会のテーマのひとつに「三国間の貿易実務」が

あり、取引形態の基礎や契約書の作成方法を学ぶことができる。同社は

国内に自社工場を持たないため、海外に製造を依頼し、納入先も海外

ということが珍しくない。「講習で得た知識を生かすことで、自社製品の

商流を明確に把握し運用できるようになった。知識をつけて実務能力が

向上することで、視野が広がるし、自信もつく」と山本社長は太鼓判を押

す。同社の海外展開への意欲は高まる一方である。

代表取締役社長 山本 貴士 氏

海外展開に挑む企業として広い視野と自信を養成

テスナエナジー株式会社所在地/東京都千代田区神田須田町1-34-4 神田グロウビル9階代表者/山本 貴士 社長 資本金/4,000万円 従業員数/10名

会 社案 内

5 6

interview

成長に向けた海外市場の開拓

 大和テクノシステムズは、走

査型電子顕微鏡(SEM)などの

心臓部に当たるフィラメントや

アパーチャープレートの製造販

売を主力にする。汎用SEM

のフィラメントは国内のほぼすべてのメーカーに供給しているが、国内

事業が順調なこのタイミングでの海外展開を狙っている。 

 「リスク分散の観点から市場を広げる必要がある」。渡邊社長は海外展

開に踏み出した経緯をこう説明する。付加価値のある製品のため、同社

製品を利用するメーカーは多いが「既存製品の国内売り上げは横ばい」

という状態が悩みの種だった。更なる成長のためには、海外市場の開

拓が必須と考えた。

専門家のアドバイス

 すでに国内の展示会を通じて欧米などの海外企業と取引を始めていた

同社は、具体的な課題が出る都度公社の「海外ワンストップ相談」を利

用している。

 例えば、中国企業との取引で、決済を米ドルから人民元に変更するリ

スクについて相談した。海外実務を担当する神尾営業販売本部統括副

本部長は「具体的な事案だけでなく、抽象的な内容も広い視野に立って、

的確な判断をするための材料をマンツーマンで提示してくれる。実務を

担っている人にとって専門家の知識や考え方は参考になる」と有用性を

強調する。

海外売上増大に向けた展望

 同社は海外売上高比率を将来約10%に高める計画だ。これまでは引

き合いがある度に応じる受け身の海外展開だったが、計画を達成するた

めには主体的な事業展開が必要になる。

 今後は「海外販路開拓支援事業」を活用し、アジア市場を開拓してい

く予定である。

相談・人材育成【海外ワンストップ相談の活用】

代表取締役社長 渡邊 正範 氏

専門相談員の助言を効率的な海外展開に活用

株式会社 大和テクノシステムズ所在地/東京都町田市玉川学園4-24-24代表者/渡邊 正範 社長 資本金/5,010万円 従業員数/37名

会 社案 内