10
http://www.nedo.go.jp 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 212-8554 神奈川県川崎市幸区大宮町1310番 ミューザ川崎セントラルタワー19F 材料・ナノテクノロジー部 Tel:044-520-5220 Fax:044-520-5223 Energy Conservation 2018214日(水)~216日(金) 10 0017 00 東京ビッグサイト東4ホール ブース番号: 4B-04 日時 会場 省エネルギー分野 事業紹介パンフレット Energy Conservation Energy Conservation 省エネルギー 省エネルギー

Energy ConservationEnergy Conservation 2018 年2月14日(水)~2月16日(金) 10:00~17:00 東京ビッグサイト東4ホール ブース番号:4B-04 日時 会場

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Page 1: Energy ConservationEnergy Conservation 2018 年2月14日(水)~2月16日(金) 10:00~17:00 東京ビッグサイト東4ホール ブース番号:4B-04 日時 会場

http://www.nedo.go.jp

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構〒212-8554 神奈川県川崎市幸区大宮町1310番 ミューザ川崎セントラルタワー19F

材料・ナノテクノロジー部Tel:044-520-5220 Fax:044-520-5223

Energy Conservation

2018年2月14日(水)~2月16日(金) 10:00~17:00

東京ビッグサイト東4ホール ブース番号:4B-04

日時 会場

省エネルギー分野 事業紹介パンフレット

EnergyConservationEnergyConservation

省エネルギー

省エネルギー

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日本には、技術力という資源がある。

NEDOのミッション

1970年代に世界を襲った二度のオイルショック。エネルギーの多様化が求められる中、 新たなエネルギー開発の先導役として1980年にNEDOが誕生しました。

のちに産業技術に関する研究開発業務が追加され、今、NEDOは、二つのミッションを持つ日本最大級の公的研究開発マネジメント機関として、さまざまな場面で活躍しています。

NEDOの位置付け

主な事業平成29年度予算1397億円

ナショナルプロジェクト(1287億円)

国際展開支援(166億円)

実用化促進事業関連技術シーズの発掘

● 新エネルギー分野〈419億円〉● 省エネルギー分野〈101億円〉● 蓄電池・エネルギーシステム分野〈33億円〉● クリーンコールテクノロジー(CCT)分野〈153億円〉● 環境・省資源分野〈26億円〉● 電子・情報通信分野〈123億円〉● 材料・ナノテクノロジー分野〈125億円〉● ロボット技術分野〈109億円〉● 新製造技術分野〈32億円〉● 境界・融合分野〈1億円〉

※主な事業を掲載しているため、予算総額と内訳の合計は一致しません。

日本最大級の公的研究開発マネジメント機関として、経済産業行政の一翼を担い、「エネルギー・地球環境問題の解決」 および「 産業技術力の強化」 の二つのミッションに取り組む、国立研究開発法人です。 技術シーズの発掘から中長期的プロジェクトの

推進、実用化開発の支援まで、一貫した技術開発マネジメントにより、日本の技術力強化・エネルギー問題の解決を目指します。

エネルギー・地球環境問題の解決

産業技術力の強化

新エネルギーおよび省エネルギー技術の開発と実証試験等を積極的に展開し、新エネルギーの利用拡大とさらなる省エネルギーを推進します。さらに、国内事業で得られた知見を基に、海外における技術の実証等を推進し、エネルギーの安定供給と地球環境問題の解決に貢献します。

産業技術力の強化を目指し、将来の産業において核となる技術シーズの発掘、産業競争力の基盤となるような中長期的プロジェクトおよび実用化開発における各段階の技術開発を、産学官の英知を結集して高度なマネジメント能力を発揮しつつ実施することにより、新技術の市場化を図ります。

企業単独ではリスクが高く実用化に至らない重要技術の開発(技術の実証を含む)を推進します。自らは研究者を雇わず、各企業等が強みを有する技術力に加え、大学等が有する研究力を最適に組み合わせて、ナショナルプロジェクトとして技術開発を推進します。

日本として早急に解決すべき喫緊の経済社会的課題について、その解決に資する技術開発テーマを広く提案により募り、支援・推進します。

二国間クレジット制度(JCM)に係る地球温暖化対策技術の普及等推進事業を含む。

グローバルマーケット

国・経済産業省

政策立案(予算、人材、etc.)

課題解決・貢献(エネルギー、環境、etc.)

制度設計(規制、標準、etc.)

競争力強化・イノベーション創出(国際基準、etc.)

技術開発 実証事業

大学 研究機関

産業界

Energy ConservationCONTENTS

次世代自動車向け高効率モーター用磁性材料技術開発

次世代化学材料の評価技術を開発次世代化学材料評価技術研究組合(CEREBA)

次世代自動車に向けた高効率モーター用の磁性材料開発高効率モーター用磁性材料技術研究組合(MagHEM)

アルミ合金3D積層造形技術の活用により、軽量で高効な蓄熱ユニットを実現(有)オービタルエンジニアリング、富山県工業技術センター、(国研)宇宙航空研究開発機構

3-6

7-8

9-12

13-16

17-18

D1

未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発

D2

D3

D4

D5

次世代材料評価基盤技術開発 

有機ケイ素機能性化学品製造プロセス技術開発

ベンチャー企業等による新エネルギー技術革新支援事業

有機ケイ素機能性化学品製造プロセス技術開発(国研)産業技術総合研究所、大阪市立大学、早稲田大学、群馬大学、関西大学、昭和電工(株)、コルコート(株)、信越化学工業(株)

リチウムイオン電池向けシリコン系負極材料テックワン(株)、信州大学

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nano tech2018

熱処理

FeNiN

10億年以上

FeNiランダム合金 FeNi超格子

(1) 特許調査・技術動向調査・特許戦略策定(一財)金属系材料研究開発センター(JRCM)場所: 東京 JRCM

高効率モーター用磁性材料技術研究組合

プロジェクトリーダー産総研 磁性粉末冶金研究センター長 尾崎 公洋

磁性材料研究開発センター

(国研)産業技術総合研究所場所: 中部センター

(一財)金属系材料研究センター場所:霞が関分室

共同実施先

新規高性能磁石の開発

基盤技術の開発

NEDO

委託

モーターアドバイザー(自動車・モーターメーカー)

静岡理工科大学、東北大学、同志社大学、筑波大学、大阪府立大学、名古屋工業大学、九州工業大学、名古屋大学、高エネルギー加速器研究機構、物質・材料研究機構、愛知製鋼(株)、東英工業(株)、日亜化学工業(株)

ダイキン工業(株)場所:大阪分室

三菱電機(株)場所:尼崎分室

トヨタ自動車(株)場所:東富士分室

(株)デンソー場所:日進分室

①最適構造・最適組織の探索・開発②ナノ組織制御技術開発③粒子合成プロセス開発

①磁石製造のための要素技術開発 ④実装評価技術開発②磁気特性評価技術開発 ⑤特許・技術動向調査③先端解析技術開発

インターメタリックス(株)、愛知製鋼(株)、(株)T&Tイノベーションズ、トーキン(株)、JFEスチール(株)

技術開発協力先連携

ESICMM(元素戦略磁性材料研究拠点)

(株)明電舎場所:甲府分室

■ 1-12系磁石材料の開発• まだ【物性値】の段階ですが、成果①として室温での磁化の優位性、成果②として、温度特性の向上を検討した結果、現行材を上回る可能性を有する物質を見出しました。加えて、成果③として、バルク化固化成形時の懸念である窒素(N)を用いず、同様の結晶構造系を有する高特性の物質についても見出すことに成功しました。

■ FeNi超格子ナノ磁粉の開発• 鉄とニッケルのランダム合金である原料粉末を窒化することで規則配列した窒化物(FeNiN)にし、規則配列を維持した状態で脱窒素することにより、FeNi超格子構造を持った粉末を合成することができました。脱窒素後のTEM/EDXにより、原子レベルでFeとNiが規則配列していることを確認しました。また、磁気特性評価より、磁石としての特性向上が確認できました。

D1

プロジェクトの目的

技術開発内容と成果

ネオジム磁石を超える高性能磁石の可能性

本プロジェクトでは、180℃における最大エネルギー積50MGOeの磁石を目指しています。これは現行の最強磁石であるネオジム磁石を超える特性を要求しており、この高い目標に向けて材料開発を続けています。この取り組みは、希土類元素フリーや希土類元素ネオジム(Nd)量約半減の可能性があり、今後の自動車の急激なEVシフトによるNd需要の高まりに対応する資源リスクの低減にも期待されます。

43

■ 重希土類元素に依存しない革新的高性能永久磁石の開発、低損失な高性能軟磁性材料の開発を行うと共に、これらの磁性材料の性能を最大限に生かして更なる高効率を達成できるモーター設計の開発を行うことで次世代自動車、さらには家電、産業機械の心臓部であるモーターの省エネ化を図り、産業の活性化に寄与することを目指します。

■ プロジェクトの実施にあたっては、高効率モーター用磁性材料技術研究組合(MagHEM)を中心として、全国の大学・研究機関と共に取り組んでいます。

次世代自動車に向けた高効率モーター用の磁性材料開発Development of Magne�c Materials for High-efficiency Motors

新物質1-12系の物性値 磁化の温度依存性

高効率モーター用磁性材料技術研究組合(MagHEM)による研究体制図(2017年度)脱窒素後のTEM/EDX像

原子レベルで、FeとNiの規則配列を確認

FeNi超格子の合成方法

★希土類元素Nd量約半減

●物性値 (注︓磁気特性ではない)

1.1

1.2

1.3

1.4

1.5

1.6

1.7

300 350 400 450 500

磁化

Js(T

)

Temperature (K)

[3] S. Hock. Ph. D. thesis, Universitat Stuttgart (1988).

[1] S. Suzuki et al., J. Magn. Magn. Mater., 401, 259 (2016)

Nd2Fe14B[3]

(Nd0.7Zr0.3)(Fe0.75Co0.25)11.5Ti0.5N1.3 powder [1]

[2] T.Kuno et al., AIP Advances, 6, 025221 (2016)

(Sm,Zr)(Fe,Co)11.0-11.5Ti1.0-0.5 powder [2]

既存物質︓ 従来材

↓新規物質︓ 開発材1 窒素(N)有り

窒素(N)無し

成果②

成果③

180℃

Nフリー↑新規物質︓ 開発材2

室温

成果①

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NEDOプロジェクト制度に関する問合せ先

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構材料・ナノテクノロジー部044-520-5220

現在開発を進めている、高い磁気物性を有する磁石素材の特性向上に取り組み、永久磁石としての磁気特性を明らかにします。さらに、これらの磁石をモーターに使用した際のモーターの効率化への寄与を、シミュレーションにより明らかにします。

■ モーター稼働後の永久磁石の減磁分布測定• モーターに搭載された永久磁石の三次元減磁分布を測定する手法を開発しました。具体的には、高温環境下にてモーターに通電して磁石を部分的に減磁させます。その磁石を取り出し、脱磁することなく、1.75mmキューブに細分化し、細分化した磁石を超伝導VSMにて動作点における磁束密度(減磁後)と、再度着磁した後の動作点における磁束密度(減磁前)より減磁率を算出し、減磁分布を描く技術です。これにより、新規磁石をモーターに適用したときの減磁分布を測定することができ、新規磁石の適用のスピードアップを図ることができます。

■ 永久磁石の応力下減磁状態の観測• 永久磁石材料への応力による影響を明らかにするために、応力下の磁気特性の変化を把握し、評価方式開発に向けた知見を得るため、磁区状態計測で応力印加と高温の複合条件下におけるネオジム磁石の減磁を観測(世界初)しました。また、Kerr効果顕微鏡による減磁領域の観察を行いました (着色部:減磁)(Hc = 18 kOe, ジスプロシウム添加磁石)。

技術開発内容と成果 技術開発内容と成果(昨年度終了テーマ)

今後の展望

■ 重希土類元素フリーネオジム磁石の開発• 重希土類を使用せずに、耐熱性を有するネオジム磁石を開発しました。さらなる特性の向上を目指して、微結晶化による高保磁力化に取り組みました。ガリウム(Ga)添加ネオジム磁石について、原料粉末を微細化することにより、焼結後も微細結晶組織となり、保磁力が向上しました。これにより、最大エネルギー積(BH)maxが向上し、180℃において25MGOeを達成しました。

■ ナノ結晶軟磁性材料の開発と磁気特性評価

• 高周波域において、従来の電磁鋼板より低鉄損なナノ結晶軟磁性材料(薄帯および圧粉磁心)を開発しました。さらに、応力下での磁気特性変化やインバータ励磁時の磁気特性を調べました。開発した重希土類元素を含まないネオジム磁石とで構成されたモーターの試作を行いました。

65

次世代自動車向け高効率モーター用磁性材料技術開発

高効率モーター用磁性材料技術研究組合(MagHEM)

2012~2021年度

NEDOプロジェクト名称

プロジェクト参画機関

実 施 期 間

モーター用永久磁石の三次元減磁分布の測定結果

応力(60MPa)と高温(100℃)印加で、高温印加のみより広範囲の減磁を確認

高温印加のみで減磁を観察

Ga添加ネオジム焼結磁石

各種汎用磁心と新開発「ナノ結晶圧粉磁心」の磁気特性比較マップ

10μm 10μm

23℃

60

100

140

18019

20

21

22

23

24

25

26

0 1 2 3 4 5

180℃

(BH)

max

(MG

Oe)

原料粉末粒径(μm)

25 MGOe at 180℃

コアBs(T)

損失

(W/k

g)at

400

Hz-

1.0T

1.81.2 1.4 1.60

10

20

30

40

2.01.0

スーパーコア

無方向性電磁鋼板

圧粉磁心

鋼板

Fe

Fe-Ni

Fe-Si

Fe-Si-Al

ナノ結晶圧粉磁心

圧粉磁心のTEM像

Z

X

Y

<実測> <解析>減磁率[%] 減磁率[%]

Y[mm]

X[m

m]

Y[mm]

X[m

m]2%以上

の減磁

全体的に減磁 ステータ側が減磁

0

12%

0

5%

0

5%

0

12%

0

5%

0

5%

Page 5: Energy ConservationEnergy Conservation 2018 年2月14日(水)~2月16日(金) 10:00~17:00 東京ビッグサイト東4ホール ブース番号:4B-04 日時 会場

NEDOプロジェクト制度に関する問合せ先

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構省エネルギー部044-520-5180

nano tech2018

お気軽にお問い合わせ下さい!

(有)オービタルエンジニアリング 齋藤

蓄熱容器の大型化を進めるとともに、実用化に向けての周辺技術の確立を進めています。大型化に伴い増加してしまう熱抵抗は、伝熱性能をさらに高度化し、先行開発品の蓄熱容器内温度差程度(高さ40㎜でΔtmax=8℃)にとどめることを目標として開発中です。製品適用先として第一候補である航空宇宙分野での利用を目指し、富山県工業技術センターおよび宇宙航空研究開発機構と研究開発を継続中です。

D2

■ アルミ合金3D積層造形技術の活用により、軽量かつ高効率な蓄熱ユニットの開発• 一次エネルギー供給量の多くは有効活用されず、熱として失われています。熱を有効活用するため、熱を貯める技術(蓄熱技術)の開発が必要とされています。蓄熱容器(内部の細密伝熱フィンを含む)を高熱伝導率のアルミ合金で一体造形することで、低熱抵抗・高蓄熱率(質量比50%程度)・軽量・高い設計自由度の高性能蓄熱ユニットを開発します。

■ 熱伝導率が高く軽量な、アルミ合金での細密構造造形を可能とする3D積層造形技術(3Dプリンタ技術)を用いることにより、従来製造方法では実現不可能であった高効率かつ軽量な熱エネルギー貯蔵容器開発を行います。蓄熱材はオクタデカンなどの潜熱の大きい相変化蓄熱材(PCM:Phase Change Material)を利用しています。

プロジェクトの目的

技術開発内容と成果

技術開発内容と成果

今後の展望

■ 3D積層造形の特徴を最大限に活かし、容器と伝熱フィンを一体造形した従来にない高性能な蓄熱ユニットを開発しました。

① 伝熱フィンの微細化と容器との一体化による伝熱性能の向上② 伝熱フィンの分散による耐圧性の向上③ 構造の最適化による軽量化と蓄熱材充填率の増加  (蓄熱材充填率増加 従来工法:約20wt% ⇒ 新方式:最大53wt%)④ ユニット形状・伝熱フィン構造や配置変更が容易であり、熱制御対象に応じた専用設計に柔軟に対応が可能

[email protected]

87

アルミ合金3D積層造形技術の活用により、軽量で高効率な蓄熱ユニットを実現Development of Highly Efficient Thermal Storage Unit

先行開発品仕様

宇宙機などの特殊環境でも利用が可能な高密度蓄熱容器の実現を目指して開発を行っています。

蓄熱ユニットの外観と内部構造 大気圏再突入カプセルへの活用例

40㎜

80㎜

2倍に拡大

再突入カプセルは放熱面が設けられないため、内部機器発熱および断熱材裏面からの侵入熱を蓄熱ユニットで吸熱し温度上昇を抑制する。

未利用熱エネルギーの革新的活用技術研究開発/技術シーズ発掘のための小規模研究開発(蓄熱)/3D積層造形技術を用いた蓄熱ユニットの研究開発(有)オービタルエンジニアリング、富山県工業技術センター、(国研)宇宙航空研究開発機構2016~2017年度

NEDOプロジェクト名称

プロジェクト参画機関

実 施 期 間

熱I/F容器高さPCM充填率耐圧

最大温度差

50㎜×50㎜37㎜53wt%2MPa約8[℃]

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nano tech2018

■ フレキシブル有機EL基板開発では、独自設計のRoll to Roll 連続フレキパネルの試作設備を導入し、素子作製手法のプロセスを確立しました。多段階塗布技術により塗布膜厚不均一を解決し、真空中の効果的な静電気対策による歩留まり低下を解決することで、ガラス基準素子と同等の初期発光特性を有するフレキパネルの試作と材料評価技術を確立しました。

■ 実デバイスに即した基礎物性評価、シミュレーション、機械負荷試験を連携させることにより、素子構造と材料の最適な設計指針が得られることを実証しました。この機械特性評価の知見を活かしてJEITA規格(ET-4501)策定に貢献しました。

D3

■ 次世代化学材料(有機EL、有機薄膜太陽電池)において材料メーカーとユーザー(デバイスメーカー)が共通して活用できる評価技術(“共通のものさし”)を開発・検証します。

■ 評価手法に関連する技術、ノウハウ、知的財産等の蓄積を行い、材料メーカーの材料開発加速に貢献します。

■ 開発した評価技術を含む有益な評価手法の国際標準化に寄与します。

■ 有機EL、有機薄膜太陽電池について以下の評価技術を確立しました。

• 基準素子の作製プロセスを確立し、性能評価、劣化解析、寿命評価等の技術を確立しました。

• フレキシブル化の作製プロセスを検討し、評価技術を確立しました。

• 封止構成部材の評価技術を確立しました。

• 有機EL照明における感性評価の実証を行いました。

• 国際標準化機関において、提案、規格化に貢献しました。

プロジェクトの目的

技術開発内容と成果

技術開発内容と成果

■ 有機ELにおける評価技術確立を目的に、基本性能素子および高性能単色・白色基準素子作製手順を確立しました。

■ 基準素子を用いて照度測定方法を検証し、配光測定手法の有効性を示しました。

■ 寿命予測開発では、加速試験による劣化カーブ時定数の電流/温度依存性解析および予測手法を開発し、実時間の1/40で予測可能な手法を確立しました。本技術は特許化、解析ソフトの作製を行い、商品化を図りました。

■ 劣化解析技術開発では、種々の非破壊劣化解析技術(和周波分光法、熱刺激電流測定法、インピーダンス分光法、ラマン分光法、過渡吸収分光法)を用いて、基準素子における劣化解析の有効性を示しました。

109

次世代化学材料の評価技術を開発Development of Materials Evalua�on Techniques on Organic Light-emi�ng Devices And Organic Photovoltaic Devices

有機EL素子の劣化要因を非破壊で解析

短期寿命予測手法を確立

国際標準化の提案、規格化に貢献

プロジェクトの構成

Roll to Rollシステムによるフレキシブル有機ELパネル作製プロセスを確立

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NEDOプロジェクト制度に関する問合せ先

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構材料・ナノテクノロジー部044-520-5220

お気軽にお問い合わせ下さい!

次世代化学材料評価技術研究組合(CEREBA)

■ 本開発の成果はノウハウや生データを含めて「評価基準書」「評価実務書」「作製手順書」として作成しました。これらはCEREBA組合企業(材料メーカー)に開示され、材料等の開発に活用されています。

■ 上記の公開版である、「国内向けオープン評価書」、「海外向け評価書」を作成しました。組合企業が開発した材料を国内外デバイスメーカーに売り込む際に評価データ信頼性のエビデンスとして活用されることを期待しています。

■ 有機ELを含む照明環境が人の生理的・心理的効果に及ぼす影響を解析するため、以下の評価技術の開発を行いました。

• 空間輝度分布測定法(L-CEPT)により、波長特性・配光特性を効果的に記述するパラメータを抽出し、検証しました。

• 照明下での対象物の視認性評価、心理的評価、生理的評価(心拍変動・脳波・眼電図解析)を行い、照明環境を特徴付ける評価手法を開発しました。

• 有機EL照明による休息効果、心拍数低減衰効果、精神運動性覚醒効果を検証しました。

■ 照明用有機ELスペクトルと材料・素子構成と相関評価手法を開発しました。

■ 有機薄膜太陽電池材料の評価基盤技術開発では、企業で新規の材料を適用する際のベンチマークとなる有機薄膜太陽電池および有機無機ハイブリッド(ペロブスカイト)太陽電池の基準素子を開発しました。

■ 基準素子について、強光照射による加速劣化試験法の開発を行いました。

■ 有機薄膜太陽電池の特長を活かした新たな市場の開拓に繋げるため、農業用途、エナジーハーベスト電源用途(電池交換不要な電子ペーパーPOP、無線センサーシステム)での実使用試験を行いました。

■ 一般財団法人電子情報技術産業協会(JEITA)における屋内光下での太陽電池の性能評価方法に関する規格化活動に対し、本事業における実測評価データを提供し、活用されました(ET-9109、WEB掲載:2016年5月)。

技術開発内容と成果 技術開発内容と成果

今後の展望

■ 封止構成部材の評価技術開発では、バリアフィルムに対して水蒸気透過度(WVTR)の下限が10-6g/m2/dayレベルで信頼性の高い評価手法を確立しました。また、測定手法の国際標準化にも貢献しました。

■ WVTR測定での基準試料およびこれを用いた水蒸気透過度測定装置の校正手法を開発し、特許を取得しました。基準試料の製品化により標準試料としての普及を目指しています。

■ 有機ELおよび有機薄膜太陽電池の素子寿命判定に必要な、バリア性能の定量評価技術を確立しました。水蒸気起因の素子劣化メカニズム・消光原因を推定し、整合性のある試験結果を示しました。

■ 本事業は、山形大学、九州先端科学技術研究所、九州大学、北陸先端科学技術大学院大学、金沢工業大学、早稲田大学、独協医科大学、東京理科大学、名古屋市立大学、大阪大学、京都大学、(国研)物質・材料研究機構と連携して共同実施しました。

[email protected]

1211

次世代材料評価基盤技術開発①「有機EL材料の評価基盤技術開発」②「有機薄膜太陽電池材料の評価基盤技術開発」

次世代化学材料評価技術研究組合(CEREBA)

①2010~2016年度 ②2013~2017年度

NEDOプロジェクト名称

プロジェクト参画機関

実 施 期 間

空間輝度分布測定法(L-CEPT)による照明環境評価

照明環境下での生理的・心理的効果を解析

基準素子(フィルムおよびガラス基板)

強光照射による加速劣化試験

LED下の性能評価

基準試料を用いた水蒸気透過度測定装置の校正手法を開発

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nano tech2018

■ ヒドロシリル化反応は各種有機ケイ素化合物の合成やシリコーン材料の硬化反応などに用いられる重要な反応です。しかし、従来用いられてきた工業用白金ヒドロシリル化触媒は、触媒被毒などの問題から、配位性のアミノ基やスルフィド基を有するオレフィン類や、アリル化合物のヒドロシリル化には適用が困難であることが知られています。

■ 本事業では、新たにイリジウム触媒を開発し、従来触媒では困難であった塩化アリルやスルフィド基を有するオレフィン類の高効率ヒドロシリル化反応を開発しました。本技術を用いることで、簡便な方法で種々のシランカップリング剤を合成することができます。

D4

■ 高い技術力を有している日本の触媒技術を活かし、有機ケイ素部材のさらなる高機能化や安価に提供するための革新的な製造プロセスを確立します。

• 地球上に豊富に存在する砂から有機ケイ素原料を直接製造します。• 化合物の構造制御やコンタミ防止など、高機能な有機ケイ素部材製造のプロセス開発により、大幅な省エネルギー化、コスト低減、および製品の性能向上を実現します。

■ テトラアルコキシシラン類(例:テトラエトキシシラン(TEOS))は、さまざまなケイ素材料の原料として幅広く利用され、機能性セラミックス・ガラス、合成石英などの光学材料、半導体や電子デバイス用の保護膜、シリコーンゴム架橋剤などの原料としてケイ素化学産業に欠かせない基幹物質となっています。一方、その生産は金属ケイ素を経由しているため、製造プロセスのエネルギー多消費・高コストが課題となっています。

■ 本事業では、シリカ(SiO₂)とアルコールを反応させるシステム内に、副生成物である水を継続的に除去できるユニットを組み込み、高効率に目的物であるテトラアルコキシシランを合成できる反応システムの開発に成功しました。

プロジェクトの目的

技術開発内容と成果技術開発内容と成果

■ 原料として用いるシリカ(SiO₂)は試薬レベルの高純度シリカゲルにとどまらず、珪質頁岩を粉砕した『砂』、もみ殻やわら等の植物を燃焼させた『灰』、産業副産物などの安価かつ豊富に存在する資源を使うことができます。

■ シリカ(SiO₂)とアルコールというありふれた原料からケイ素化学基幹原料を一段階で高効率に合成できるため、製造プロセスの大幅な省エネルギー化・低コスト化への貢献が期待できます。

1413

有機ケイ素機能性化学品製造プロセス技術開発Development of Innova�ve Cataly�c Processes for Organosilicon Func�onal Materials

砂などを原料とするケイ素化学基幹原料の直接合成

テトラアルコキシシラン合成の反応式

開発した新しいヒドロシリル化触媒

Ir

Et2Si

IrSiEt2

SiEt3Et3SiH

H

H

H3

IrCl

Ir (cod)(cod)

1

O O

+

[IrCl2(cod)]-

cod = cyclooctadiene

IrCl

IrCl

SiEt3SiEt3

Et3SiEt3Si

H

H

H

H2

IrCl

Cl IrCl

2

4 5

開発した触媒

+ (MeO)3SiHSRcyclooctadiene

(1 equiv)

4 or 5

(MeO)3SiRT

SR

80 - 92%R = allyl, Ph, Ac, S

Cl + (MeO)3SiH (MeO)3Si Cl(0.05 mol%or 0.03 wt%)

RT> 99%

1, 2, or 3

シランカップリング剤合成の鍵中間体

硫黄含有有機ケイ素化合物の一段階合成に成功(2 - 10 mol%)

SiO2 + 4 ROH Si(OR)4 2 H2O+シリカ アルコール テトラアルコキシ

シラン水

安価で豊富に存在する様々なケイ素源

分離・回収・再利用が容易な無機脱水剤

反応系中から除去

もみ殻 燃焼灰珪質頁岩 粉砕した砂

Page 9: Energy ConservationEnergy Conservation 2018 年2月14日(水)~2月16日(金) 10:00~17:00 東京ビッグサイト東4ホール ブース番号:4B-04 日時 会場

NEDOプロジェクト制度に関する問合せ先

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構環境部044-520-5252

お気軽にお問い合わせ下さい!

(国研)新エネルギー・産業技術総合開発機構 環境部 佐藤

■ 製造プロセスをさらに最適化することにより、従来よりも安価に有機ケイ素部材を製造することが可能になり、これまで適用することができなかった製品への使用が期待されます。

■ さらなる構造制御法の開発により、高い機能や性能だけでなく、これまでに無い新しい機能を持った有機ケイ素部材の開発が期待されます。

■ ポリシロキサンは、シリコーンオイルやゴムなどに含まれる産業上重要なシリコーンです。しかしながら、これらは一般的に水を用いた加水分解によって作られ、その過程で重合と脱水縮合が同時に起こるため、ポリシロキサンを分子レベルで規則正しい配列に構造制御することは困難で、分子量分散度も広いものしかできませんでした。

■ 本事業では、水を用いないシラノールの新規な合成法を開発しました。本製造法により、シリカの最小単位であるオルトケイ酸(Si(OH)₄)とそのオリゴマーを安定に合成することができます。

■ また、一つの反応容器内にシランモノマーを順次加えて反応させるだけで、シロキサンの配列を制御することができるワンポット合成法を開発しました。

■ さらに、空気中でも分子量分散度が小さいポリシロキサンを合成できる技術を開発しました。両末端に異なる官能基を持たせた、長さのそろったポリシロキサンを合成できます。

技術開発内容と成果 技術開発内容と成果

今後の展望

■ 高耐熱性、高屈折率、高絶縁性など優れた機能を有するシロキサン化合物の開発が求められています。その中でもカゴ型シルセスキオキサン(8量体)の対面に4つずつ2種類の置換基を配置した“ヤヌスキューブ”は、次世代の材料として各国で研究が行われてきました。

■ 本事業では、フッ素原子を有する新規の環状シロキサンを用いることで、簡便にヤヌスキューブを合成し、その構造を初めて決定しました。この化合物は次世代のシランカップリング剤としても期待されています。

■ 現在ヤヌスキューブを含む多くの高機能化合物の合成にも取り組んでいます。

[email protected]

1615

有機ケイ素機能性化学品製造プロセス技術開発

(国研)産業技術総合研究所、大阪市立大学、早稲田大学、群馬大学、関西大学、昭和電工(株)、コルコート(株)、信越化学工業(株)

2012~2021年度

NEDOプロジェクト名称

プロジェクト参画機関

実 施 期 間

合成可能なシラノールとシロキサン類

高い機能が期待される構造規制シルセスキオキサン

両末端非対称官能基型ポリシロキサン

分子量分散度 1.03-1.20

R''3Si O Si O SiR'''3

R

R'n

配列制御型ポリシロキサン

Si

Si

OO

R''3Si :

SiCl

H Si Si

EtO Si

OEt

OEt

R'''3Si :

安定に合成可能なオルトケイ酸とそのオリゴマー2量体 環状3量体 環状4量体 かご型8量体オルトケイ酸

Si

OH

OHHOOH

OSi

OSiO

SiHO OH

OHOH

HOHO

OSi O Si

OSiOSiHO

HO OHOH

OHOHHO

HOSi

O

Si

O Si

O

SiOO Si

OSiO

O Si

O

O SiO

O

OH

OHOHHO

HOHO

OH

HO

Si O SiHO

HO OH

OH

HO OH

ヤヌスキューブの構造

Page 10: Energy ConservationEnergy Conservation 2018 年2月14日(水)~2月16日(金) 10:00~17:00 東京ビッグサイト東4ホール ブース番号:4B-04 日時 会場

NEDOプロジェクト制度に関する問合せ先

国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構イノベーション推進部044-520-5170

nano tech2018

お気軽にお問い合わせ下さい!

テックワン(株) 研究室 北野

■ 以下の問い合わせ先にご連絡頂ければサンプルをお送りいたします。

D5

■ リチウムイオン電池の容量向上を図るべく、サブミクロン炭素繊維を用いたシリコン系負極材を開発しました。本材料を用いることで電気自動車(EV)の航続距離向上を図ります。

■ 初期放電容量1671mAh/gと従来の黒鉛材料に比べ、4倍以上の容量とサイクル特性を両立させました。

プロジェクトの目的

技術開発内容と成果

■ シリコンと炭素の複合材料です。外観は黒色粉体です。複数のシリコン粒子が炭素材料で覆われた集合体の構造です。

サンプルの説明

想定される用途

提供方法

■ リチウムイオン電池特性

充放電曲線①

充放電曲線②

サイクル特性

充電 1,931mAh/g放電 1,671mAh/g効率 86.5 %

Coin Half Cell Test : 0.01-1.10 V, charge/discharge=0.05CProduct/AB/CNT/CMC/SBR=91.4/4/0.6/2/2 (wt%)*容量は活物質重量を基準としております

・実使用に近い組成Coin Half Cell Test : 0.01-0.60 V, 充電/放電=0.05CProduct/Graphite/AB/CNT/CMC/SBR=15/76/3/2/2/2 (wt%)*容量は活物質重量を基準としております

・高いサイクル性能を実現Coin Half Cell Test : 0.01-0.60 V, 充電/放電=0.05C(1cy),0.5C(99cy)product/Graphite/AB/CNT/CMC/SBR=15/76/3/2/2/2 (wt%)*容量は活物質重量を基準としております

090-4329-5099[email protected]

1817

リチウムイオン電池向けシリコン系負極材料Si Composite for Anode of Lithium Ion Ba�ery

ベンチャー企業等による新エネルギー技術革新支援事業/サブミクロン炭素繊維によるLIB用高容量負極材の実用化

テックワン(株)、信州大学

2016~2018年度

NEDOプロジェクト名称

プロジェクト参画機関

実 施 期 間

True density (g/ml) 2.1Surface area (BET) (m2/g) 21Si(wt%) 81D50 (µm) 1.6

SEM imageTEM image

200nm

開発品物性表

本材料単体の充放電曲線

本材料と黒鉛混合物のサイクル試験結果

本材料と黒鉛混合物の充放電曲線