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キャリア・パスポートの根拠 文部科学省初等中等教育局教育課程課学校教育官 降籏 友宏 0

キャリア・パスポートの根拠 - NIERキャリア・パスポートの根拠 文部科学省初等中等教育局教育課程課学校教育官 降籏友宏 0 学習指導要領改訂の背景

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Page 1: キャリア・パスポートの根拠 - NIERキャリア・パスポートの根拠 文部科学省初等中等教育局教育課程課学校教育官 降籏友宏 0 学習指導要領改訂の背景

キャリア・パスポートの根拠

文部科学省初等中等教育局教育課程課学校教育官降籏 友宏

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学習指導要領改訂の背景

よりよい学校教育を通じて、よりよい社会を作るという目標を学校と社会が共有して実現

社会や産業の構造が変化し、質的な豊かさが成長を支える成熟社会に移行していく中で、私たち人間に求められる

のは、定められた手続を効率的にこなしていくにとどまらず、感性を豊かに働かせながら、どのような未来を創っていくのか、どのように社会や人生をよりよいものにしていくのかを考え、主体的に学び続けて自らの能力を引き出し、自分なりに試行錯誤したり、多様な他者と協働したりして、新たな価値を生み出していくことであるということ、そのためには生きて働く知識を含む、これからの時代に求められる資質・能力を学校教育で育成していくことが重要であるということを、学校と社会とが共通の認識として持つことができる好機にある。

人工知能が進化して、人間が活躍できる職業はなくなるのではないか。

今学校で教えていることは、時代が変化したら

通用しなくなるのではないか。

学校教育のよさをさらに進化させるため、学校教育を通じて子供たちが身に付けるべき資質・能力や学ぶべき内容などの全体像を分かりやすく見渡せる「学びの地図」として、学習指導要領を示し、幅広く共有

・これからの時代に求められる知識や力とは何かを明確にし、教育目標に盛り込む。これにより、子供が学びの意義や成果を自覚して次の学びにつなげたり、学校と地域・家庭とが教育目標を共有してカリキュラム・マネジメントが実現しやすくなる。

・生きて働く知識や力を育む質の高い学習過程を実現するため、各教科における学びの特質を明確にするとともに、授業改善の視点(「アクティブ・ラーニングの視点」)を明確にする。これにより、教科の特質に応じた深い学びと、我が国の強みである「授業研究」を通じたさらなる授業改善が実現する。

子供たちに、情報化やグローバル化など急激な社会的変化の中でも、未来の創り手となるために必要な資質・能力を確実に備えることのできる学校教育を実現する。

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教員の年齢構成の変化

平成16年度学校教員統計調査 平成28年度学校教員統計調査

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中央教育審議会総会「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について」諮問

平成26年11月

平成26年12月 教育課程部会・教育課程企画特別部会を設置

平成27年1月 教育課程企画特別部会(第1回)

平成27年8月 教育課程企画特別部会(第14回)教育課程部会・「論点整理」をとりまとめ

新しい時代にふさわしい学習指導要領の基本的な考え方や、教科・科目等の在り方、学習・指導方法及び評価方法の在り方等に関する基本的な方向性について、計14回審議

論点整理の方向に沿って教科等別・学校種別に専門的に検討平成27年秋以降

平成28年8月 「次期学習指導要領等へ向けたこれまでの審議のまとめ」を取りまとめ

平成28年12月 中央教育審議会答申

(小学校は32年度から、中学は33年度から全面実施予定。高校は34年度から年次進行により実施予定。)

中教審の議論の経過

3平成29年3月 新指導要領告示

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次期学習指導要領改訂に向けた検討体制

中央教育審議会教育課程部会

考える道徳への転換に向けたワーキンググループ

生活・総合的な学習の時間ワーキンググループ

産業教育ワーキンググループ

小学校部会

中学校部会

高等学校部会

特別活動ワーキンググループ

教育課程企画特別部会

幼児教育部会

特別支援教育部会

高等学校の地歴・公民科科目

在り方に関する特別チーム

体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループ

情報ワーキンググループ

芸術ワーキンググループ

算数・数学ワーキンググループ

理科ワーキンググループ

家庭、技術・家庭ワーキンググループ

高等学校の数学・理科にわたる

探究的科目の在り方に関する特別チーム

言語能力の向上に関する特別チーム

国語ワーキンググループ

外国語ワーキンググループ

社会・地理歴史・公民ワーキンググループ

総則・評価特別部会

平成27年8月26日教育課程部会了承

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主体的・対話的で深い学び(「アクティブ・ラーニング」)の視点からの学習過程の改善

主体的な学び

深い学び

対話的な学び

新しい時代に必要となる資質・能力の育成と、学習評価の充実

新しい時代に必要となる資質・能力を踏まえた教科・科目等の新設や目標・内容の見直し

何を学ぶか どのように学ぶか

よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を共有し、社会と連携・協働しながら、未来の創り手となるために必要な資質・能力を育む

「社会に開かれた教育課程」の実現

学習指導要領改訂の方向性

何ができるようになるか

生きて働く知識・技能の習得など、新しい時代に求められる資質・能力を育成

知識の量を削減せず、質の高い理解を図るための学習過程の質的改善

小学校の外国語教育の教科化、高校の新科目「公共(仮称)」の新設など

各教科等で育む資質・能力を明確化し、目標や内容を構造的に示す

学習内容の削減は行わない※

各学校における「カリキュラム・マネジメント」の実現

※高校教育については、些末な事実的知識の暗記が大学入学者選抜で問われることが課題になっており、そうした点を克服するため、重要用語の整理等を含めた高大接続改革等を進める。

未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成

生きて働く知識・技能の習得

学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性等の涵養

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育成を目指す資質・能力の三つの柱

どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか

何を理解しているか何ができるか

知識・技能

理解していること・できることをどう使うか

思考力・判断力・表現力等

学びに向かう力人間性等

「確かな学力」「健やかな体」「豊かな心」を総合的にとらえて構造化

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小学校学習指導要領 <改訂後>第2章 各 教 科第1節 国 語第1 目 標言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 日常生活に必要な国語について,その特質を理解し適切に使うことができるようにする。 【知識及び技能】

(2) 日常生活における人との関わりの中で伝え合う力を高め,思考力や想像力を養う。 【思考力,判断力,表現力等】

(3) 言葉がもつよさを認識するとともに,言語感覚を養い,国語の大切さを自覚し,国語を尊重してその能力の向上を図る態度を養う。【学びに向かう力,人間性等】

学習指導要領(平成29年3月31日公示)における「目標」及び「内容」の構成

小学校学習指導要領 <現行>第2章 各 教 科第1節 国 語第1 目 標国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力や想像力及び言語感覚を養い,国語に対する関心を深め国語を尊重する態度を育てる。

目 標

内 容

中学校学習指導要領 <改訂後>第3節 数 学第2 各学年の目標及び内容〔第1学年〕

2 内 容A 数と式

(1) 正の数と負の数について,数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。ア 次のような知識及び技能を身に付けること。【知識及び技能】

(ア) 正の数と負の数の必要性と意味を理解すること。(イ) 正の数と負の数の四則計算をすること。(ウ) 具体的な場面で正の数と負の数を用いて表したり処理したりすること。イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。

【思考力,判断力,表現力等】(ア) 算数で学習した数の四則計算と関連付けて,正の数と負の数の四則計算の方法を考察し表現すること。

(イ) 正の数と負の数を具体的な場面で活用すること。

中学校学習指導要領 <現行>第3節 数 学第2 各学年の目標及び内容〔第1学年〕

2 内 容A 数と式(1) 具体的な場面を通して正の数と負の数について理解し,その四則計算ができるようにするとともに,正の数と負の数を用いて表現し考察することができるようにする。ア 正の数と負の数の必要性と意味を理解すること。イ 小学校で学習した数の四則計算と関連付けて,正の数と負の数の四則計算の意味を理解すること。ウ 正の数と負の数の四則計算をすること。エ 具体的な場面で正の数と負の数を用いて表したり処理したりすること。

各教科等の「目標」「内容」の記述を、「知識及び技能」「思考力,判断力,表現力等」「学びに向かう力,人間性等」の資質・能力の3つの柱で再整理

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家庭や地域との連携・協働策の具体化

教育活動を支える学校運営の充実

教科等間の関連付け 総合的な学習の時間の目標や内容

年間指導計画単元や授業ごとの指導案

児童生徒や地域の実態の把握

目標や基本方針の地域や家庭との共有

グランドデザイン学校経営計画

など

学校の教育目標

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何を学ぶか(教科等を学ぶ意義と、教科等間・学校段階間のつながりを踏まえた教育課程の編成)

学習指導要領総則の構造とカリキュラム・マネジメントのイメージ

何ができるようになるか(育成を目指す資質・能力)

何が身に付いたか(学習評価の充実)

どのように学ぶか(学習・指導の改善・充実)

第1 小・中学校教育の基本と教育課程の役割

第3 学習評価

第2 教育課程の編成 第3 教育課程の実施

第5 学校運営上の留意事項

子供一人一人の発達をどのように支援するか

第4 児童生徒の発達の支援

「第6 道徳教育に関する配慮事項」は、複数の項目にかかわる。

実施するために何が必要か

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(新学習指導要領総則:小中高共通)

(児童)生徒が,学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら,社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けていくことができるよう,特別活動を要としつつ各教科(・科目)等の特質に応じて,キャリア教育の充実を図ること。その中で,生徒が自らの(在り方)生き方を考え主体的に進路を選択することができるよう,学校の教育活動全体を通じ,組織的かつ計画的な進路指導を行うこと。

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新学習指導要領におけるキャリア教育

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(28年中教審答申第一部)P230 特別活動

実生活の課題を解決するために、互いのよさや可能性を発揮できるような様々な集団活動を通して、各教科等における学びを実際の場面で総合的に活用して実践する時間であるとともに、特別活動の学びが各教科等の学習を行う上での土台となるといった各教科等と往還的な関係にあると言うことができる。

保健体育美術音楽

総合的な学習の時間

英語

理科

社会

数学

特別活動

国語

技術家庭

道徳

課外/学校外活動

特別活動を要としたキャリア教育の充実

キャリア教育は学校の教育活動全体で行う逆に指導場面を曖昧にした狭義の意味での「進路指導」と混同した

特定の取組をすればキャリア教育になるわけではない

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社会人

大学生

高校生

中学生

園児

小学生

身の回り 学級 学年 学校 地域 社会社会 地域 学校 学年 学級

学校行事

地域での活動など

地域での活動 など

クラブ活動

生徒会活動学校行事

生徒会活動

様々な者で構成される大きな集団で一つの目標に向かっていく活動

(地域の行事、催し物等)

同好の者による自主的な集団における活動(サークル、同好会等) 地域社会の自治的な活動

(自治会、議会等)

学校行事

職業生活、家庭生活を支える基盤としての集団における活動

(職場、家庭等)

各教科等の特質に応じて育まれる見方や考え方を総合的に活用して、集団や社会の形成者という視点から問題を見出し、よりよい人間関係の形成、よりよい集団生活の構築や社会への参画及び自己の実現の視点からその問題を解決するために考えること

《特別活動における「見方・考え方」》

ホームルーム活動

学級活動

学級活動

児童会活動

特別活動の特質に応じた見方や考え方の成長

「現在」及び「将来」をつなぐ特別活動

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社会参画人間関係形成

自己実現

育成すべき資質・能力の視点

集団・社会 自 己 他 者

自己実現

社会参画

・よりよい学級・学校生活づくりなど、集団や社会に参画する力及び諸問題を解決しようとする力。・集団の中において、個人が集団へ寄与する中で育まれるものと考えられる。

・集団の中で、自己の生活の課題を発見しよりよく改善する力や自己の理解を深め、自己のよさや可能性を生かす力。自己の在り方生き方を考え設計する力。・集団の中において、個々人が共通して当面する現在及び将来に関わる問題を考察する中で育まれるものと考えられる。

※発達の段階に応じて、集団や社会の範囲が拡大し、他者が多様化 し、扱う問題が高度化する。また、様々な場面において、強い意志や忍耐力、想定外のことに対応する力などが求められることとなる。

・集団の中で、よりよい人間関係を自主的、実践的に形成する力。・集団の中において、個人対個人という関係性の中で育まれるものと考えられる。

人間関係形成

特別活動の視点そのものがキャリア教育

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(特別活動 内容の取扱い:小中高共通)

学校,家庭及び地域における学習や生活の見通しを立て,学んだことを振り返りながら,新たな学習や生活への意欲につなげたり,将来の(在り方)生き方を考えたりする活動を行うこと。その際,(児童)生徒が活動を記録し蓄積する教材等を活用すること。

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特別活動を要としてキャリア教育をまとめ、つむぐ手立て

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(特別活動 内容の取扱い:中学解説)

「生徒が活動を記録し蓄積する教材等を活用する」とは,こうした活動を行うに当たっては,振り返って気付いたことや考えたことなどを,生徒が記述して蓄積する,いわゆるポートフォリオ的な教材のようなものを活用することを示している。特別活動や各教科等における学習の過程に関することはもとより,学校や家庭における日々の生活や,地域における様々な活動なども含めて,教師の適切な指導の下,生徒自らが記録と蓄積を行っていく教材である。

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特別活動を要としてキャリア教育をまとめ、つむぐ手立て

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(特別活動 内容の取扱い:中学解説)抜粋

一つ目は,中学校の教育活動全体で行うキャリア教育の要としての特別活動の意義が明確になることである。

二つ目は,小学校から中学校,高等学校へと系統的なキャリア教育を進めることに資するということである。

三つ目は,生徒にとっては自己理解を深めるためのものとなり,教師にとっては生徒理解を深めるためのものとなることである。

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児童生徒が活動を記録し蓄積する教材等を活用する意義

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(特別活動 内容の取扱い:中学解説)抜粋

こうした教材については,小学校から中学校,高等学校まで,その後の進路も含め,学校段階を越えて活用できるようなものとなるよう,各地域の実情や各学校や学級における創意工夫を生かした形での活用が期待される。国や都道府県教育委員会等が提供する各種資料等を活用しつつ,各地域・各学校における実態に応じ,学校間で連携しながら,柔軟な工夫を行うことが期待される。(例えば都道府県市区町村あるいは中学校区において,連続した取組が可能となるよう教材等の工夫や活用方法を共有したりすることは大変有効である。)

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児童生徒が活動を記録し蓄積する教材等活用の留意点

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(特別活動 内容の取扱い:中学解説)抜粋

指導に当たっては,キャリア教育の趣旨や学級活動全体の目標に照らし,書いたり蓄積したりする活動に偏重した内容の取扱いにならないように配慮が求められる。なお,プライバシーや個人情報保護に関しても適切な配慮を行うことも求められる。

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児童生徒が活動を記録し蓄積する教材等活用の留意点

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(特別活動 評価:中学解説)抜粋

特別活動の評価において,最も大切なことは,生徒一人一人のよさや可能性を生徒の学習過程から積極的に認めるようにするとともに, 特別活動で育成を目指す資質・能力がどのように成長しているかということついて ,各個人の活動状況を基に,評価を進めていくということである。そのためには,生徒が自己の活動を振り返り,新たな目標や課題をもてるようにするために,活動の結果だけでなく活動の過程における生徒の努力や意欲などを積極的に認めたり,生徒のよさを多面的・総合的に評価したりすることが大切である。

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特別活動の評価

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(特別活動 評価:中学解説)抜粋

そのため,生徒一人一人が,自らの学習状況やキャリア形成を見通したり,振り返ったりできるようにすることができるようなポートフォリオ的な教材などを活用して,自己評価や相互評価するなどの工夫が求められる。なお,生徒の自己評価や相互評価は学習活動であり,それをそのまま学習評価とすることは適切ではないが,学習評価の参考資料として適切に活用することにより,生徒の学習意欲の向上につなげることができる。

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特別活動の評価

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(特別活動 評価:中学解説)抜粋

自己評価の活動としては,学習指導要領第5章第2の3の(2)において,学級活動の内容(3)について,「学校,家庭及び地域における学習や生活の見通しを立て,学んだことを振り返りながら,新たな学習や生活への意欲につなげたり,将来の生き方を考えたりする活動を行うこと。その際,生徒が活動を記録し蓄積する教材等を活用すること。」とされたことを活用することが考えられる

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特別活動の評価

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H29~H30年度の2年間実施

「学校におけるキャリア・パスポートの活用方法等に関する調査研究事業」

学習指導要領改訂

キャリア・パスポート(仮称)

告示(小・中)

H28年度 H29年度 H30年度

平成三十一年度より先行実施予定

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3

告示(高)

解説完成予定(高)

H31年度~

調査研究

答申

協力者会議

協力者会議を文科省に設置し、調査研究の成果等実証的データを踏まえ、キャリア・パスポート(例示資料)及び教員用指導資料の作成

学校に配布

解説(小・中)

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5

平成31年度以降、別途協力者会議を設置し、キャリア・パスポートの在り方や活用方法について、先行実施において現出する課題等を踏まえた検証を行う予定

キャリア・パスポート(仮称)導入に向けた工程表