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岩国医療センターだより 2013.8
記 リハビリテーション科 理学療法士 古川 雄貴
『第1回 がんのリハビリテーション研修に参加して』リハビリだより
理学療法士になり、2 ヶ月が過ぎました。多くの先輩方にアドバイスを頂きながら、主にが
んや呼吸器疾患の患者さまにリハビリを行っています。特にがん患者さまに対してのリハビ
リは、学生時代にも経験したことがなく、理学療法士の考え方、患者さまとの信頼関係、リ
ハビリ内容、目標設定の難しさなど日々感じています。
【右から 2 番目が古川です!】
こうしてがんリハビリに興味を持ち、勉強したいと思い、6 月 1・2 日に東京の国立看護大学校で行われた
「がんのリハビリテーション研修」に、当院の医師・看護師・作業療法士と一緒に参加させて頂きました。
研修では、『がんリハビリテーションの概要』、『アプローチ方法』、『化学療法・放射
線療法治療中のリスク管理』などの講義を受け、様々な事を学ぶことができました。こ
の研修で自分の知識や技術の無さを痛感しました。しかし、それ以上に自分が疾患ばか
りを考えて動いていた事に気付き、患者さまやそのご家族の希望通りにリハビリができ
ているのかと考えさせられました。
がん患者さまのリハビリテーションの目的に、「余命の長さにかかわらず、患者とその
家族の要望を十分に把握した上で、その時期におけるできる限り可能な最高の日常生活活動を実現すること」
と定義されています。これまでは、疾患名・血液データ・画像所見・身体機能など、医学的な面、機能的な面
ばかりに目がいき、患者さまを理解し、把握したつもりになっていました。よく、「疾患ではなく患者をみろ」
と言われますが、この言葉の本当の難しさと重要性を理解していませんでした。今思うと、患者さまが望む適
切な目標設定やリハビリができていなかったかもしれません。
講義の中で、「がんリハビリテーションは“目標に向かって励ます”ではなく、“穏やかに過ごせるように”」
と言われていました。理学療法士にとって、知識と技術を確実に習得し、科学的根拠に基づいて理学療法を行
い、目標を達成することが重要です。しかし、患者さまが求めているのは、必ずしもそうではないかもしれま
せん。患者さまが求めていることは本人にしか分かりません。その本人の気持ちをしっかり傾聴し、思いを
くみ取ることは大変難しい事だと思います。“感性”という素直な気持ちに、知識と技術をしっかり身につけ、
患者さまと同じ目線で考え、他人の痒い所に手が届くような理学療法士を目指していきたいと思いました。常
に一人一人の患者さまに満足頂けるリハビリは何かを考え、理学療法の可能性を模索しながら日々成長したい
と思います。
今回、この研修を通して、がんリハビリテーション
についてとても良い勉強をさせて頂きました。また、
患者さまへの介入の方法を見直す機会にもなりました。
最後になりましたが、今回の研修会参加にご配慮頂
きました院長先生、並びに職場の先輩・同僚に感謝を
申し上げたいと思います。ありがとうございました。
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