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35 32 29 同奨励賞は小 おざわ 沢さかえ12 35 43 26 26 01 03 09 10 life 04 08 09 MORI YU GAL- LERY KYOTO 姿50 「ずっと泣きたかったんだ Ich wollte immer weinen.」 162.1×324.3㎝ 2009年 ©Sakae Ozawa / photo: kenryu Tanaka, mori yu gallery Courtesy of mori yu gallery ※現在、国立国際美術館「絵画の庭」展(4月4日まで開催)に展示中 73 ×91 30 小沢さかえ氏 絹谷幸二賞に大 おおたに 谷有 ゆうか 具象絵画 35 歳以下の有望新人 決まる 17

「絹谷幸二賞」の第2回の受賞者が決まり、このほど ... - KINUTANI · 2013. 4. 3. · mori yu gal-lery kyoto )がある。 推薦者は原久子氏。 「この度、奨励賞をい

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Page 1: 「絹谷幸二賞」の第2回の受賞者が決まり、このほど ... - KINUTANI · 2013. 4. 3. · mori yu gal-lery kyoto )がある。 推薦者は原久子氏。 「この度、奨励賞をい

 

35歳以下の優れた若手画家をサポートする趣旨で、昨年度新たに創設された

「絹谷幸二賞」の第2回の受賞者が決まり、このほど主催者である毎日新聞社

より発表された。本賞の絹谷幸二賞を受賞したのは大谷有花氏(1977年9

月神奈川県相模原生まれ、32歳)、同奨励賞には小沢さかえ氏(1980年9

月滋賀県大津市生まれ、29歳)が選出された。ともに女性画家、近年活躍中の

有望洋画作家の受賞となった。

同奨励賞は小おざわ

沢さかえ氏 

同賞は若手作家を応援

し、具象絵画の可能性を

拓くことを目的に画家・

絹谷幸二氏(独立美術協

会会員・日本芸術院会員)

が提案したのを受けて昨

年度創設された。絹谷氏

が資金を提供し毎日新聞

社が主催する。協賛に三

井物産株式会社が加わる。

 

賞の対象は、当該年(第

2回は2009年)12月

末現在、35歳以下の画家

で国籍は問わない。同年、

国内で開催の展覧会に出

品された具象的傾向の絵

画に限定。筆またはそれ

に準じる画材・身体を用

い、紙やキャンバスなど

に描いた絵画が基本。

 

その選考方法は、毎日

新聞社が全国の美術館学

芸員や評論家、ジャーナ

リストらに推薦を依頼し、

この第2回では43人に依

頼し26人から推薦の回答

があった。その結果、受

賞候補者は26人。選考委

員3人によるポートフォ

リオ審査や作品視察、2

度に渡る選考を経て受賞

者を決定した。選考委員

は委員長・本江邦夫(美

術評論家・多摩美術大学

教授)、中井康之(国立国

際美術館主任研究員)、

福田美蘭(画家)の3氏。

 

絹谷幸二賞を受けた大

谷有ゆ

花か

氏は、2001年

多摩美術大学美術学部絵

画科油画専攻卒業、同大

学院美術研究科絵画専攻

修了。01年第6回昭和シ

ェル石油現代美術賞展 

本江邦夫審査員賞、03年

にVOCA奨励賞受賞な

どの受賞歴がある。神奈

川県相模原市在住。現在、

同市のシティセールスサ

ポーターとしても活動す

る。今回の受賞対象は09

年10月に開催した個展

「大谷有

花展―

life

第一生命

ギャラリ

ー」(東京・千代田区日

比谷・第一生命ギャラリ

ー)。推薦者は高階秀爾

氏。

 

本賞受賞の大谷有花氏

は「今回の受賞対象とな

りました『ライフ』シリ

ーズは、私のいままでの

モチーフの集大成でもあ

り、それぞれの人の人生

や社会に対するエールの

気持ちを強く込めて描き

ました。この度の受賞は、

常日頃より、温かいご支

援をいただいている皆さ

ま方のお力添えがあって

のことと、厚く御礼申し

上げます。これを励みに、

精いっぱい、更なる絵画

表現の探求に邁進してま

いります。ありがとうご

ざいました」と受賞の喜

びをコメントした。

 

また、奨励賞を受賞し

た小沢さかえ氏は、20

03年京都造形芸術大学

芸術学部洋画コース卒業、

ドイツに渡る。04年、オ

ーストリアに移り、08年

ウィーン造形美術アカデ

ミー卒業後、帰国。現在

は京都市に在住、制作を

続ける。主な個展に、受

賞対象となった09年「珠

玉のポエジー」(京都市

左京区・MORI YU GAL-

LERY KYOTO

)がある。

推薦者は原久子氏。

 「この度、奨励賞をい

ただき、絵だけでなく、

普段一人アトリエでキャ

ンバスに向かう私の姿勢

や生活をまるごと励まさ

れたような気持ちになり

ました。がんばれよ、と

いう周囲や、見てくれる

方々の期待に応えられる

ようにこれからも制作に

励んでいきたいと思って

います。素直にうれしい

です。ありがとうござい

ます」との受賞コメント

を寄せ

た。

 

以上の

受賞者に

は賞状と

賞金(本

賞に100万円、奨励賞

に50万円)が贈られる。

 

第2回絹谷幸二賞の受

賞者2名が決定したこと

について、賞の創設者で

ある絹谷幸二氏は「今の

時代は、若い人が世の中

に出て行くこと、羽ばた

いて行くことが難しい状

況です。新人が登場しに

くいのは美術の世界ばか

りではない、どこの会社、

職場でも同じでしょう。

「ずっと泣きたかったんだ Ich wollte immer weinen.」162.1×324.3㎝ 2009年 ©Sakae Ozawa/photo:kenryu

Tanaka, mori yu gallery Courtesy of mori yu gallery※現在、国立国際美術館「絵画の庭」展(4月4日まで開催)に展示中

大谷有花氏

「黒い本―花色の対話―」

73×91㎝(F30号) 

2009年

小沢さかえ氏

絹谷幸二賞に大おおたに

谷有ゆうか

花氏具象絵画35歳以下の有望新人

第2回 決まる

若い人が賞を得ることで

一つのチャンスに恵まれ

ることが大事なんです。

今回受賞の二人が女性な

のは時代の流れでもある、

例えば東京藝術大学でも

受験者の三分の二、合格

の五分の三が女性なので

す。世の中にもっと進出

してくるでしょう。男性

も頑張らなくてはいけな

い。時代の風潮が内向き

になりつつあるのはよく

ない。この賞が若い人に

弾みをつけたり、その仕

事に光を当ててあげられ

たらと思う」と受賞者へ

のメッセージを寄せた。

 

なお、第2回絹谷幸二

賞の贈呈式は3月17日

(水曜)、東京・千代田区

の学士会館で行われる。