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デジタルビジネスを共創する体制を強化、エンジニアのビジネススキルセットの転換へ 現在、 ICT ビジネスを取り巻く環境は、新たな技術領域により大きな転換期を迎えています。富士通では、こうした環境変化に対応し ながらテクノロジーソリューションに経営資源を集中させ、デジタルビジネスとグローバルビジネスの拡大に向けた体制強化を進めて います。 私たちグローバルサービスインテグレーション部門(GSI )は、お客様とのフロントにたちサービスをインテグレートする部門であり、 メンバーは国内外含めて総勢約5万名、うち1万名以上が海外メンバーで構成されています。 2014 年から進めているグローバルマトリ クス体制のもと、世界8カ国にあるオフショア・ニアショアサービス拠点であるグローバルデリバリーセンター(GDC)にて、世界中のお 客様に対して標準化された高品質なサービスを提供しています。 Digital Co-Creation への挑戦は、お客様、そして社会に大きな価値をもたらすと確信しています。“人が豊かに暮らせる未来”。それ こそが富士通が目指す目標であり、その実現に向けて、富士通はテクノロジーをリードし、これまで以上にお客様からの期待に応えら れる存在でありたいと考えています。 2016 11月には、新しいデジタルビジネスとグローバルビジネス の拡大に向けた強い土台作りを行うため国内大手SE子会社3社を吸 収合併し、お客様に分かりやすいフロント体制を作っています。さら 2017年度末に向け「社会インフラビジネス(社会基盤・金融分野)」、 「パブリックサービスビジネス(官公 庁・自治 体・医 療 分 野)」、「エン タープライズビジネス(製 造・流 通 分野)」の3つの組織に再編を進め、 富士通グループ各社に点在していた人材を育成し、ビジネススキル セットの転換へつなげていきます。 Special Contents :役員メッセージ 古田 英範 [掲載日: 20176月]

Special Contents 古田 英範 · 変わりゆく時代に先駆けるデジタルビジネスをお客様と共創していく上 で、パートナーである私たちも変革にチャレンジしていきます。たとえば金

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Page 1: Special Contents 古田 英範 · 変わりゆく時代に先駆けるデジタルビジネスをお客様と共創していく上 で、パートナーである私たちも変革にチャレンジしていきます。たとえば金

■ デジタルビジネスを共創する体制を強化、エンジニアのビジネススキルセットの転換へ現在、ICTビジネスを取り巻く環境は、新たな技術領域により大きな転換期を迎えています。富士通では、こうした環境変化に対応しながらテクノロジーソリューションに経営資源を集中させ、デジタルビジネスとグローバルビジネスの拡大に向けた体制強化を進めています。私たちグローバルサービスインテグレーション部門(GSI)は、お客様とのフロントにたちサービスをインテグレートする部門であり、メンバーは国内外含めて総勢約5万名、うち1万名以上が海外メンバーで構成されています。 2014年から進めているグローバルマトリクス体制のもと、世界8カ国にあるオフショア・ニアショアサービス拠点であるグローバルデリバリーセンター(GDC)にて、世界中のお客様に対して標準化された高品質なサービスを提供しています。

Digital Co-Creation への挑戦は、お客様、そして社会に大きな価値をもたらすと確信しています。“人が豊かに暮らせる未来”。それこそが富士通が目指す目標であり、その実現に向けて、富士通はテクノロジーをリードし、これまで以上にお客様からの期待に応えられる存在でありたいと考えています。

2016年11月には、新しいデジタルビジネスとグローバルビジネスの拡大に向けた強い土台作りを行うため国内大手SE子会社3社を吸収合併し、お客様に分かりやすいフロント体制を作っています。さらに2017年度末に向け「社会インフラビジネス(社会基盤・金融分野)」、「パブリックサービスビジネス(官公庁・自治体・医療分野)」、「エンタープライズビジネス(製造・流通分野)」の3つの組織に再編を進め、富士通グループ各社に点在していた人材を育成し、ビジネススキルセットの転換へつなげていきます。

■ 変わりゆく時代と世界で、変革へのチャレンジをお客様と共にカタチにしていく変わりゆく時代に先駆けるデジタルビジネスをお客様と共創していく上で、パートナーである私たちも変革にチャレンジしていきます。たとえば金融業界では、堅牢性や確実性が求められることから時間をかけて基幹システムを構築してきましたが、現在ではFintechをはじめとしてお客様のビジネス自体が変化しており、変革へのスピードが求められています。一方で、お客様自身でもAI、IoT、クラウドといった新技術をベースとしたサービスのアウトプットをイメージすることが難しくなっております。そこで、富士通のエンジニアはPoC(Proof of Concept)などのアプローチを取り入れて、トライ&エラーを繰り返しながら、お客様や協業企業を巻き込み、スピーディーにサービスやビジネスを創造していくことが求められます。従来のウォーターフォール型ではなく、実践的な企画プロセスの体験を積み上げて共有し、商品・サービス開発サイクルのスピードを上げていくアジャイル型へ。まさに、ビジネスのノウハウとデジタル技術を融合させ、お客様やエコシステム・パートナーとともに価値を共創する富士通のアプローチ「Digital Co-creation」のスタイルです。

デジタルビジネスの共創では、国や業種を超えて他社とパートナーシップを組んでいくことも必要となります。そうした中で富士通の大きな強みとなるのがSIerとしての実績とグローバルでの導入経験です。あらゆる業種のシステムを経験し、国内最大級の幅広い知見とノウハウを積み重ねてきた富士通だからこそ、強みを持った様々な企業とコラボレーションし共創していくことができます。また、富士通ではより新しい価値を生み出すために、ナレッジやノウハウをすぐに活用できるプラットフォームも構築しています。

■ 働き方改革による生産性の向上で、富士通の強みがより発揮されるビジネスの変化とともに、価値を提供する人材の働き方改革も重要です。富士通では2010年にグローバルコミュニケーション基盤を構築しました。これにより富士通では、WEB会議を積極的に利用したり、社内コミュニティを充実させることにより、高い生産性を実現してきました。さらに、2017年4月からは自宅やサテライトオフィス、出張先や移動中など、場所に捉われないフレキシブルな働き方を可能とするテレワーク勤務制度を導入し、生産性向上につながる働き方改革を加速させています。私は、これまでにSI事業のSEとして国内外で製造業のシステム構築を行い、国内、海外のエンジニアと仕事をする機会が数多くありました。その経験から、欧米のエンジニアは業務を標準化することで生産性を確保し、イノベーションを起こすことに長け、日本のエンジニアはお客様の業務全般を理解して統合するインテグレーションに長けていると感じます。どちらが優れているということではなく、働き方改革を通じて、日本のエンジニアの強みを活かしながらグローバルレベルで富士通の強みを発揮していくことに取り組んでいます。

■ お客様との共創を通じてエンジニアとしての変革に挑む富士通は、これまでお客様の良きビジネスパートナーとしてお客様の生産性向上、業務効率化を実現するための基幹業務システムを提供してきました。最後まであきらめず確実に実現していく、これが富士通の強みでありましたし、これからもそのDNAは受け継がれていきます。一方で、デジタルビジネスの実現に向け、エンジニアにはこれまでとは違うサービス創出というアプローチも求められています。富士通には、セキュリティマイスターや業務に精通したAPアーキテクト、安定した社会インフラを構築できるITアーキテクトなど、様々なスキルと専門性を持ったエンジニアがいます。お客様からは、富士通のエンジニアがこのような専門性を発揮し、異なる業種のビジネスをつないでいくビジネスプロデューサーの役割を担うことを期待されており、お客様の業務の深い理解に基づいた提案力が求められます。同時に、技術的にできることとできないことを明確にした上で適正な提案ができる”モノを言えるエンジニア”であることも求められます。お客様と価値を共創していき、お客様とともに私たちもエンジニアとして変革していきます。未来のサービス創出へ向けて、私たちとともに果敢に挑戦いただける方を心からお待ちしています。

Special Contents:役員メッセージ 古田 英範

[掲載日:2017年6月]

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■ デジタルビジネスを共創する体制を強化、エンジニアのビジネススキルセットの転換へ現在、ICTビジネスを取り巻く環境は、新たな技術領域により大きな転換期を迎えています。富士通では、こうした環境変化に対応しながらテクノロジーソリューションに経営資源を集中させ、デジタルビジネスとグローバルビジネスの拡大に向けた体制強化を進めています。私たちグローバルサービスインテグレーション部門(GSI)は、お客様とのフロントにたちサービスをインテグレートする部門であり、メンバーは国内外含めて総勢約5万名、うち1万名以上が海外メンバーで構成されています。 2014年から進めているグローバルマトリクス体制のもと、世界8カ国にあるオフショア・ニアショアサービス拠点であるグローバルデリバリーセンター(GDC)にて、世界中のお客様に対して標準化された高品質なサービスを提供しています。

Digital Co-Creation への挑戦は、お客様、そして社会に大きな価値をもたらすと確信しています。“人が豊かに暮らせる未来”。それこそが富士通が目指す目標であり、その実現に向けて、富士通はテクノロジーをリードし、これまで以上にお客様からの期待に応えられる存在でありたいと考えています。

2016年11月には、新しいデジタルビジネスとグローバルビジネスの拡大に向けた強い土台作りを行うため国内大手SE子会社3社を吸収合併し、お客様に分かりやすいフロント体制を作っています。さらに2017年度末に向け「社会インフラビジネス(社会基盤・金融分野)」、「パブリックサービスビジネス(官公庁・自治体・医療分野)」、「エンタープライズビジネス(製造・流通分野)」の3つの組織に再編を進め、富士通グループ各社に点在していた人材を育成し、ビジネススキルセットの転換へつなげていきます。

■ 変わりゆく時代と世界で、変革へのチャレンジをお客様と共にカタチにしていく変わりゆく時代に先駆けるデジタルビジネスをお客様と共創していく上で、パートナーである私たちも変革にチャレンジしていきます。たとえば金融業界では、堅牢性や確実性が求められることから時間をかけて基幹システムを構築してきましたが、現在ではFintechをはじめとしてお客様のビジネス自体が変化しており、変革へのスピードが求められています。一方で、お客様自身でもAI、IoT、クラウドといった新技術をベースとしたサービスのアウトプットをイメージすることが難しくなっております。そこで、富士通のエンジニアはPoC(Proof of Concept)などのアプローチを取り入れて、トライ&エラーを繰り返しながら、お客様や協業企業を巻き込み、スピーディーにサービスやビジネスを創造していくことが求められます。従来のウォーターフォール型ではなく、実践的な企画プロセスの体験を積み上げて共有し、商品・サービス開発サイクルのスピードを上げていくアジャイル型へ。まさに、ビジネスのノウハウとデジタル技術を融合させ、お客様やエコシステム・パートナーとともに価値を共創する富士通のアプローチ「Digital Co-creation」のスタイルです。

デジタルビジネスの共創では、国や業種を超えて他社とパートナーシップを組んでいくことも必要となります。そうした中で富士通の大きな強みとなるのがSIerとしての実績とグローバルでの導入経験です。あらゆる業種のシステムを経験し、国内最大級の幅広い知見とノウハウを積み重ねてきた富士通だからこそ、強みを持った様々な企業とコラボレーションし共創していくことができます。また、富士通ではより新しい価値を生み出すために、ナレッジやノウハウをすぐに活用できるプラットフォームも構築しています。

■ 働き方改革による生産性の向上で、富士通の強みがより発揮されるビジネスの変化とともに、価値を提供する人材の働き方改革も重要です。富士通では2010年にグローバルコミュニケーション基盤を構築しました。これにより富士通では、WEB会議を積極的に利用したり、社内コミュニティを充実させることにより、高い生産性を実現してきました。さらに、2017年4月からは自宅やサテライトオフィス、出張先や移動中など、場所に捉われないフレキシブルな働き方を可能とするテレワーク勤務制度を導入し、生産性向上につながる働き方改革を加速させています。私は、これまでにSI事業のSEとして国内外で製造業のシステム構築を行い、国内、海外のエンジニアと仕事をする機会が数多くありました。その経験から、欧米のエンジニアは業務を標準化することで生産性を確保し、イノベーションを起こすことに長け、日本のエンジニアはお客様の業務全般を理解して統合するインテグレーションに長けていると感じます。どちらが優れているということではなく、働き方改革を通じて、日本のエンジニアの強みを活かしながらグローバルレベルで富士通の強みを発揮していくことに取り組んでいます。

■ お客様との共創を通じてエンジニアとしての変革に挑む富士通は、これまでお客様の良きビジネスパートナーとしてお客様の生産性向上、業務効率化を実現するための基幹業務システムを提供してきました。最後まであきらめず確実に実現していく、これが富士通の強みでありましたし、これからもそのDNAは受け継がれていきます。一方で、デジタルビジネスの実現に向け、エンジニアにはこれまでとは違うサービス創出というアプローチも求められています。富士通には、セキュリティマイスターや業務に精通したAPアーキテクト、安定した社会インフラを構築できるITアーキテクトなど、様々なスキルと専門性を持ったエンジニアがいます。お客様からは、富士通のエンジニアがこのような専門性を発揮し、異なる業種のビジネスをつないでいくビジネスプロデューサーの役割を担うことを期待されており、お客様の業務の深い理解に基づいた提案力が求められます。同時に、技術的にできることとできないことを明確にした上で適正な提案ができる”モノを言えるエンジニア”であることも求められます。お客様と価値を共創していき、お客様とともに私たちもエンジニアとして変革していきます。未来のサービス創出へ向けて、私たちとともに果敢に挑戦いただける方を心からお待ちしています。