34
JAPAN COAST GUARD Spring Report 2017 平成29年3⽉9⽇ 交通部安全対策課 春季期間(3〜5⽉)における海難の傾向分析

Spring Report 2017 - MLIT2017/03/09  · Spring Report 2017 平成29年3 9 交通部安全対策課 春季期間(3〜5 )における海難の傾向分析 レポートの概要

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JAPAN COAST GUARD

Spring Report 2017

平 成 2 9 年 3 ⽉ 9 ⽇交 通 部 安 全 対 策 課

春季期間(3〜5⽉)における海難の傾向分析

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レポートの概要

本レポートは、春季期間(3⽉から5⽉)における海難防⽌に資することを⽬的として、平成24年から平成28年までの5年間に発⽣した事故状況から、春季に発⽣する海難の傾向分析を⾏い、船舶事故や⼈⾝事故の両⾯から事故の特徴や注意点、事故事例を整理したもので、本結果を基に海難防⽌啓発活動を推進すると共に、船舶操船者やマリンレジャー活動者の安全意識の向上を⽬指すものです。

春季は、冬から春へと季節が移り変わり、気温も徐々に上昇することから、マリンレジャーの活動も活発となる時期にあり、特にGW期間においては、マリンレジャーに係る海難が多発する傾向にあります。また、春⼀番をはじめ、気象・海象の急変などに起因する死者・⾏⽅不明者を伴う海難の割合が増加する傾向にあり、同期間の安全活動と⼀助となれば幸いです。

レポートの⽬次レポートの概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1船舶事故 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2〜17

1 春季期間における船舶事故発⽣状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32 プレジャーボートにおける事故発⽣状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 43 ミニボートにおける事故発⽣状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・114 まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15参考資料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16

◆ ⼈⾝事故 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18〜311 春季期間における釣り中の事故発⽣状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・192 釣り中の海浜事故発⽣状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・203 磯場、防波堤における釣り中の事故発⽣状況 ・・・・・・・・・・・・・・・264 釣り中の事故時における飲酒、ライフジャケットの着⽤状況 ・・・・・・・295 まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31

◇ 参考 海の安全情報の紹介 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32◇ミニボート等に乗船する際の注意点について! 〜アンケートのお願い〜 ・・・33

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JAPAN COAST GUARD

船 舶 事 故

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1 春季期間における船舶事故発⽣状況

船舶種類別事故の⽉別推移(過去5年(H24〜H28)累計)

死者・⾏⽅不明者数の⽉別推移(過去5年(H24〜H28)累計)

春季はマリンレジャーへのシーズンインの時期となることから、プレジャーボートの事故が急増

プレジャーボートの死者・⾏⽅不明者数は、ゴールデンウィークのある5⽉に増加

(隻) (人)

199

145

191

312

547

369

636

750

471 445

371

284 258

205 225

253 224 237

317 278 271 267

300

288

0

100

200

300

400

500

600

700

800

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

プレジャーボート 漁船 貨物船タンカー 遊漁船 旅客船その他

6 7

6 5

12

7 6

9

2 4

8 8

25

18

26

13

5

19

12

18

35

7 6

35

0

5

10

15

20

25

30

35

40

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

プレジャーボート 漁船 貨物船タンカー 遊漁船 旅客船その他 3

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2-1 プレジャーボートにおける事故種類別発⽣状況

37

27

43

70

128

105

145154

129

9790

63

4328

31

54

87

53

98

108

72

83

46

31

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月12月

機関故障 運航阻害 衝突乗揚 推進器障害 転覆浸水 安全阻害 その他

事故種類別発⽣状況の推移(過去5年(H24〜H28)累計)

事故種類別では、機関故障(23%)が最も多く、次いで運航阻害(16%)、衝突(15%)の順

春季において機関故障や運航阻害が急激に増加

機関故障

1088隻

23%

運航阻害

734隻

16%

衝突

725隻

15%

乗揚

584隻

12%

推進器障害

394隻

8%

転覆

271隻

6%

浸水

258隻

5%

安全阻害

171隻

4%

その他

495隻

11%

事故種類別発⽣状況の割合(過去5年(H24〜H28)累計)

H24~H284,720隻

※運航阻害:バッテリー過放電、燃料⽋乏、ろ・かい喪失及び無⼈漂流をいう。安全阻害:転覆に⾄らない船体傾斜、⾛錨及び荒天難航をいう。

(隻)

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事故原因別発⽣状況の推移(過去5年(H24〜H28)累計)

事故原因別では、機関故障の要因となる機関取扱不良(17%)が最も多く、次いで衝突や乗揚の要因となる⾒張り不⼗分(15%)、バッテリー過放電や燃料⽋乏などの要因となる船体機器整備不良(14%)の順

春季は機関取扱不良、船体機器整備不良のほか、転覆の原因となる気象海象不注意も増加

事故原因別発⽣状況の割合(過去5年(H24〜H28)累計)

2-2 プレジャーボートにおける事故原因別発⽣状況

機関取扱

806隻

17%

見張り不十分

726隻

15%

船体機器整備不良

684隻

14%操船不適切

482隻

10%気象海象不注意

382隻

8%

水路調査不十分

181隻

4%

船位不確認

124隻

3%

その他の人

為的要因

412隻

9%

不可抗力等

923隻

20%

H24~H284,720隻

22 2432

56

93

82

106 110102

7063

46

26 26 32 33

70

53

99

133

61

64

6960

4728 30

46

72

55

91

99

66 71

47

32

0

20

40

60

80

100

120

140

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

機関取扱 見張り不十分 船体機器整備不良

操船不適切 気象海象不注意 水路調査不十分

船位不確認 その他の人為的要因

※不可抗⼒等を除いている

(隻)

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2-3 プレジャーボートにおける機関故障等の発⽣状況

春先は冬場使⽤(点検)していない船の多くが出港し、桜前線の北上を追いかける様に機関故障する事例が増えています。

⽇ 付 :3⽉29⽇場 所 :佐世保沖⽬ 的 :釣り故障内容:エンジンが突然停⽌原 因 :潤滑油⽋乏

⽇ 付 :5⽉15⽇場 所 :宮津沖⽬ 的 :遊⾛故障内容:エンジンが起動しない原 因 :バッテリー端⼦の緩み

⽇ 付 :4⽉11⽇場 所 :広島沖⽬ 的 :釣り故障内容:エンジンが突然停⽌原 因 :Vベルト切断

⽇ 付 :3⽉8⽇場 所 :浦之前港⽬ 的 :釣り故障内容:エンジンが起動しない原 因:⻑期間保管されていた

燃料に⽔分が混⼊

春季を迎えプレジャーボートの機関故障、バッテリー過放電、燃料⽋乏が増加傾向 ※これらは発航前の点検で防⽌できた可能性

冬場使⽤(点検)していない船舶が、シーズンイン時の初出港で機関故障等の事故を起こす状況は、桜前線の北上を追いかける様に発⽣

⽇ 付 :6⽉7⽇場 所 :常呂漁港沖⽬ 的 :釣り故障内容:機関再起動しない原 因 :バッテリー充電不⾜の為、

バッテリー過放電

(機関故障(隻)) (過放電(隻))

37 27

43

70

128

105

145 154

129

97 90

63 20

7

12

13

23

13

43

22

18 19

14

108

3 0

6

13

5

17

24

15 15

11

7

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月

11月

12月

機関故障 過放電 燃料欠乏

事故原因別発⽣状況の推移(過去5年(H24〜H28)累計)

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過放電

214隻

29%

燃料欠乏

121隻

17%

無人漂流

384隻

52%

ろ・かい喪失

15隻

2%

燃料系

303隻

28%

電気系

238隻

22%

冷却水系

187隻

17%

軸系

163隻

15%

シリンダ

52隻

5%

空気系

21隻

2%

補機系

12隻

1%

その他

95隻

9%

不明

17隻

1%

H24~H28機関故障1,088隻

2-4 プレジャーボートにおける機関故障等の事故の詳細

H24~H28運航阻害734隻

機関故障における箇所別発⽣状況の割合(過去5年(H24〜H28)累計)

故障箇所 故障の原因

機関故障

燃料系燃料フィルタの汚れを確認せず出港し、フィルタが詰まったもの

電気系点火プラグやセルモータの不具合を放置し、沖合で機関が始動できなくなったもの

軸系クラッチオイルの量を確認せず機関を始動し焼きついたもの

冷却水系海水ポンプインペラを長時間交換せず使用し、インペラが破損、機関停止したもの

機関故障の故障箇所別では、燃料系(28%)が最も多く、次いで電気系(22%)、冷却⽔系(17%)の順

運航阻害の事象別では、バッテリー過放電(29%)や燃料⽋乏(17%)のほか、係留中の船舶の流出(無⼈漂流)も多発(52%)しており定期的な点検整備が求められる

事象 故障の原因

運航阻害

過放電長期間のメンテナンスせずに発航したり、エンジンを止めたまま沖合いで魚群探知機やレーダー使用し続けたもの

燃料欠乏燃料残量を確認せずに出港し、燃料切れとなり漂流したもの

無人漂流係留不備や係留用のロープの劣化よる切断により漂流したもの

運航阻害の事象別発⽣状況の割合(過去5年(H24〜H28)累計)

【事故例】 【事故例】

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プレジャーボートは気象海象不注意が原因で事故に⾄った割合が最も⾼い 春季は気象海象不注意が原因のプレジャーボートの事故が増加傾向(5⽉が年

間通じ最多)

2-5 プレジャーボートにおける気象海象不注意による事故発⽣状況

20

8

28

55

81

41

62

70

36

59

39

30

199

145

191

312

547

369

636

750

471 445

371

284

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

100

200

300

400

500

600

700

800

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月12月

気象海象不注意によるPBの事故 PBの事故総数

船舶種類別気象海象不注意による発⽣状況の割合(過去5年(H24〜H28)累計)

44隻

5隻

11隻382隻

135隻

4隻

41隻

1296隻

370隻

219隻4338隻

2988隻

349隻

694隻

1%

10%

100%

気象海象不注意 気象海象不注意以外

PBの気象海象不注意による発⽣状況の推移(過去5年(H24〜H28)累計)(事故総数(隻)) (気象海象不注意(隻))

主たる事故種類・荒天難航119隻・転覆78隻・浸⽔65隻

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【事故事例1】機関故障

発⽣海域 伊勢湾内

発⽣時期 平成28年7⽉

事故船舶 モーターボート(2名乗組)

概 要 漂泊状態にて、機関の起動及び停⽌を繰り返しながら釣りをしていたところ、冷却⽔温度が異常値を⽰し、冷却海⽔の吐出も確認できないことから調査するも復旧せず、当庁に救助要請した。後の調査の結果、インペラの破損が判明した。また、本船にあっては個⼈売買による中古船であった。

防⽌対策 事故を未然に防⽌するため、発航前点検だけではなく、整備⼠による燃料フィルタ、エンジンオイル、海⽔ポンプインペラ等の消耗品の定期的な交換を適切に⾏うことが必要と考えられる。

被曳航中の事故船舶

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【事故事例2】バッテリー過放電

発⽣海域 新潟県直江津港沖

発⽣時期 平成28年5⽉

事故船舶 モーターボート(1名乗組)

概 要 マリーナを出港し、⿂群探知機のみ始動させた状態で機関を停⽌し、釣りを開始した。天候が崩れることを把握していたことから、帰港しようと機関始動を試みたもののバッテリーの電圧が不⾜していたため起動せず航⾏不能となった。救助要請を受けたマリーナは荒天のため救助できず、当庁が発動し救助した。

防⽌対策 発航前検査におけるバッテリー電圧チェック、バッテリー液量のチェックのほか、アクセサリー(GPSや⿂群探知機など)専⽤のバッテリーの積載や予備のバッテリーを搭載するなどが重要。また、バッテリーをこまめに充電するなど⽇々の管理を⾏うことが事故防⽌につながるものと考えられる。

救助された乗船者と事故船舶

10

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3-1 ミニボートの事故発⽣状況

199 145

191

312

547

369

636

750

471 445

371

284

8 9 9

24

50

24 27

23

35 33 34

24

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

100

200

300

400

500

600

700

800

PB ミニボート(PBの内数)

ミニボートの保有隻数は年々増加傾向※にあるところ、これに係る事故も増加傾向

ミニボートの事故は春季の発⽣が顕著※ミニボートに係る海難実態基礎調査報告書(⽇本⼩型船舶検査機構 平成27年3⽉)による

56 58 59 59

68

65

3

6

11

0

5

1

3 3

0

5

10

15

0

10

20

30

40

50

60

70

80

H24 H25 H26 H27 H28

事故隻数 死傷者数 死者数(死傷者の内数)

事故発⽣状況の推移(過去5年(H24〜H28) )

事故発⽣状況の推移(過去5年(H24〜H28) 累計)

(隻) (PB:隻) (ミニボート:隻)(⼈)

11

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3-2 ミニボートの事故種類・原因別発⽣状況

転覆

77隻

26%

機関故障

76隻

25%

運航阻害

36隻

12%

浸水

31隻

11%

衝突

21隻

7%

安全阻害

19隻

6%

推進器障害

11隻

4%

乗揚

4隻

1%

その他

25隻

8%

事故種類別発⽣状況の割合(過去5年(H24〜H28)累計)

事故種類別では、転覆(26%)が最も多く、機関故障(25%)、運航阻害(12%)の順

事故原因別では、気象海象不注意(23%)が最も多く、次いで機関取扱不良(21%)、船体機器整備不良(11%)の順

H24~H28300隻

事故原因別発⽣状況の割合(過去5年(H24〜H28)累計)

H24~H28300隻

12

気象海象不注意

68隻

23%

機関取扱

63隻

21%

船体機器

整備不良

32隻

11%

操船不適切

22隻

7%

見張り不十分

17隻

6%

その他の人為的要因

61隻

20%

不可抗力等

37隻

12%

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ミニボートは⼩型船舶操縦免許が不要なことから、事故者の8割が海技免状の⾮保有者

プレジャーボートのうち、ミニボート乗船中の事故者は、ミニボート以外の乗船者と⽐べ船舶の通算経験年数が浅い

有資格・無資格者別事故発生状況の割合

(過去5年(H24〜H28)累計)

3-3 ミニボート有資格・無資格者別事故発⽣状況

無資格者

248隻

83%

有資格者

48隻

16%

不明

4隻

1%

H24-H28300隻

プレジャーボートの通算経験年数別事故発生状況の割合

(過去5年(H24〜H28)累計)

1年未満

495隻

11%1年以上

3年未満

505隻

11%3年以上

6年未満

449隻

10%

6年以上

10年未満

423隻

10%10年以上

2032隻

46%

不明

516隻

12%

H24-H284,420隻

〔ミニボート以外〕

1年未満

59隻

20%

1年以上

3年未満

87隻

29%3年以上

6年未満

38隻

12%

6年以上

10年未満

28隻

9%

10年以上

53隻

18%

不明

35隻

12%

H24-H28300隻

〔ミニボート〕〔ミニボート〕

13

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【事故事例3】ミニボート(転覆:気象海象不注意)

発⽣海域 ⼭⼝県萩市沖合

発⽣時期 平成28年3⽉

事故船舶 ミニボート(2名乗組)無資格(海技免状なし)

概 要 事故船舶は、⾵が強くなったため遊漁を⽌め帰港中のところ、海⽔が船内に⼊りこんできたため排⽔作業を実施中に、船体右舷側から⼤波を受け転覆したもの。乗船者2名は海中転落し漂流中のところ、航⾏中の漁船に救助されるも、1名は搬送先の病院にて死亡が確認された。

防⽌対策 船体が転覆しやすい構造であることへの認識、必要以上に沖に出ないこと、こまめに天気情報をチェックすることが事故防⽌に繋がるものと考えられる。

事故船舶

14

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事故の特徴・ポイント春季期間における船舶事故の傾向分析

4 まとめ(船舶事故)

〔春季における船舶事故の傾向〕 春季はマリンレジャーのシーズンインとなることから、プレジャーボートの事故が急増

〔プレジャーボートの事故の傾向〕 春季におけるプレジャーボートの事故のうち、特に機関故障やバッテリー過放電の事故が顕著 冬場使⽤(点検)していない船舶が、シーズンイン時の初出港で機関故障等の事故を起こす状況は、桜

前線の北上を追いかける様に発⽣☞シーズンインの初出港に備え、整備⼠による燃料フィルタ、エンジンオイル、海⽔ポンプインペラ等

の消耗品の定期的な交換を適切に⾏うほか、発航前の点検時においては、燃料の搭載状況や燃料タンクの結露、バッテリー(予備やアクセサリー⽤も含む)電圧のチェックなど、⼊念に点検を

春季は気象海象不注意によるプレジャーボートの事故が多い☞最新の気象海象の⼊⼿、気象現況を考慮した適切な操船、早期の避難措置・適切な避難場所の確保を

〔ミニボートの事故の傾向〕 春季はミニボートの事故が顕著 ミニボートの事故は、気象海象不注意による転覆や、整備不良による機関故障やバッテリー過放電の事

故が多い☞プレジャーボートの事故防⽌同様、最新の気象海象の随時チェックや発航前の⼊念な点検を☞船体がコンパクトゆえ波の影響を受けやすく転覆しやすい構造であること、必要以上に沖に出ないこ

とに留意 ミニボートの事故者は8割が海技免状の⾮保有者であり、船舶の通算経験年数も浅い

☞海に潜む危険性を⼗分理解し、知識・技能向上に向け鍛錬を15

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参考資料

16

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参考資料

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JAPAN COAST GUARD

⼈ ⾝ 事 故

18

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0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月12月

船舶海難によらない乗船者の人身事故

マリンレジャーに伴う海浜事故

春季(3⽉〜5⽉)は釣り中の海浜事故が増加する傾向 5⽉が事故発⽣のピーク 春季における釣り中の海浜事故は海中転落、帰還不能で約9割

1 春季期間における釣り中の事故発⽣状況

釣り中の事故の⽉別推移(過去5年(H24〜H28)不可抗⼒除く。)※不可抗⼒とは、故意(⾃殺等)、病気、不可抗⼒、原因不明

釣り中の海浜事故種類の割合(過去5年(H24〜H28、3〜5⽉)累計、不可抗⼒除く。)

(⼈)

海中転落

200人

64%

帰還不能

95人

30%

負傷

13人

4%

溺水

6人

2%

H24~H28314人

19

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34

25

3027

49

3228

25

39

52 51

43

38

13

2630

32

24

34

20

40

53

47

34

23

1012

20

41

10 9

15 15

46

36

31

96

4

18

25

14 14

7

16

10

18

13

0

10

20

30

40

50

60

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月12月

活動中の不注意 周辺環境に対する不注意

気象海象不注意 その他

2-1 原因別における釣り中の海浜事故発⽣状況

釣り中の海浜事故(原因別)の⽉別推移(過去5年(H24〜H28)不可抗⼒除く。)

(⼈) 気象海象不注意が増加

春季(3⽉〜5⽉)の釣り中の海浜事故の原因では気象海象不注意が増加傾向 気象海象不注意による事故は5⽉がピーク 釣り中の海浜事故では不注意にかかる原因が約9割

釣り中の海浜事故(原因別)の割合(過去5年(H24〜H28)不可抗⼒除く。)

活動中の不注意

106人

34%

周辺環境に対

する不注意

88人

28%

気象海象不注意

73人

23%

その他

47人

15%

H24~H28314人

20

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0

5

10

15

20

25

1 4 7 10 13 16 19 22 25 28 31 3 6 9 12 15 18 21 24 27 30 3 6 9 12 15 18 21 24 27 30

3月 4月 5月

釣り中の海浜事故⽉⽇毎の発⽣状況

(過去5年(H24〜H28)不可抗⼒除く。)

GWから釣り中の海浜事故が急増 ⼟、⽇曜⽇、休⽇における事故の発⽣が約6割

GW期間中に事故が急激に増加

釣り中の海浜事故曜⽇毎の発⽣状況

(過去5年(H24〜H28)不可抗⼒除く。)

2-2 時期別における釣り中の海浜事故発⽣状況

83人

26%

休日

56人

18%土

50人

16%

37人

12%

31人

10%

17人

5%

18人

6%

22人

7%

H24~H28314人

21

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2-3 時間帯別における釣り中の海浜事故発⽣状況

釣り中の事故における発⽣時間帯別は0時が最も多く発⽣ 11時、16時、21時にも多発

釣り中の海浜事故発⽣時間帯別の推移(過去5年(H24〜H28)不可抗⼒除く。)

(⼈)

29

7

2

910

8

17

9 9

6

17

28

12

15

17

9

26

10

16

1011

21

8 8

11

2

2

1

4

2

6

2

54

5

2 2

4

21

5

32

6

2

5

32

0

5

10

15

20

25

30

35

0時 1時 2時 3時 4時 5時 6時 7時 8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時 18時 19時 20時 21時 22時 23時

総計

死者・行方不明者

22

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静岡

3人

19%

京都

3人

19%愛知県

2人

12%

滋賀県

2人

13%

東京都

2人

13%

茨城県

1人

6%

外国籍

1人

6%

群馬県

1人

6%

千葉県

1人

6% 三重県

5人

33%

愛知県

3人

20%

京都府

3人

20%

大阪府

2人

13%

滋賀県

1人

7%

奈良県

1人

7%

和歌山県

7人

39%

大阪府

9人

50%

奈良県

1人

5%

愛知県

1人

6%

福井

9人

50%

愛知県

2人

11%

富山県

2人

11%

外国籍

1人

5%

京都府

1人

5%

石川県

1人

6%

大阪府

1人

6%

兵庫県

1人

6%

25

18 18 1816 16

15 1514

1312

1110

9 9 98

7 76 6 6 6 6

5 5 53 3

2 2 2 2 21 1 1

00

5

10

15

20

25

30

長崎県

和歌山

福井県

鹿児島

北海道

静岡県

三重県

石川県

兵庫県

新潟県

愛媛県

大分県

福岡県

神奈川

鳥取県

富山県

大阪府

熊本県

沖縄県

千葉県

愛知県

山口県

島根県

宮崎県

青森県

山形県

広島県

宮城県

高知県

秋田県

茨城県

徳島県

岡山県

佐賀県

岩手県

東京都

香川県

京都府

2-4 県別で⾒る釣り中の海浜事故発⽣状況 事故発⽣県別では、⻑崎県が最も多く、次いで和歌⼭県、福井県の順 事故者の居住地では、⼤阪府が最も多く、次いで⻑崎県、兵庫県の順 事故発⽣数の多い和歌⼭県などは事故者の5割以上が他都道府県居住者

釣り中の海浜事故の事故者居住地別(過去5年(H24〜H28、3〜5⽉)累計、不可抗⼒除く。)

釣り中の海浜事故の事故発⽣場所別(過去5年(H24〜H28、3〜5⽉)累計、不可抗⼒除く。)

(⼈) (⼈)

釣り中の海浜事故者の居住地別割合

和歌⼭県、福井県、静岡県、三重県では事故者の5割以上が他都道府県居住者

県内者

221人

70%

県外者

93人

30% 全国314⼈

191817161515

14131313

119 9

8 8 87 7 7 7 7 7

65 5 5

4 4 43 3 3 3 3 3

2 2 2 2 2 21 1 1

0

5

10

15

20

25

30

大阪府

長崎県

兵庫県

福岡県

北海道

鹿児島

愛知県

富山県

石川県

広島県

愛媛県

福井県

宮崎県

和歌山

鳥取県

熊本県

長野県

大分県

神奈川

新潟県

京都府

沖縄県

東京都

千葉県

秋田県

三重県

山形県

岡山県

茨城県

島根県

静岡県

滋賀県

山口県

宮城県

外国籍

奈良県

徳島県

青森県

埼玉県

佐賀県

高知県

香川県

群馬県

岩手県

静岡県16⼈

三重県15⼈

和歌⼭県18⼈

福井県18⼈

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事故の発⽣海域は、港内及び1海⾥未満での事故が⼤半 春季における釣り中の事故の発⽣場所は防波堤、磯場で約7割

2-5 場所別における釣り中の海浜事故発⽣状況

釣り中の海浜事故の発⽣海域別の割合(過去5年(H24〜H28、3〜5⽉)累計、不可抗⼒除く。)

釣り中の海浜事故の発⽣場所別の割合(過去5年(H24〜H28、3〜5⽉)累計、不可抗⼒除く。)

防波堤、磯場で約7割

港内

161人

51%

1海里未

142人

45%

1海里以上

11人

4%

防波堤

106人

34%

磯場

102人

32%

岸壁

58人

18%

消波ブロック

21人

7%

その他

27人

9%

H24~H28314人

H24~H28314人

24

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10歳未満

10人

3%

10代

13人

4%20代

29人

9%

30代

45人

14%

40代

58人

19%

50代

40人

13%

60歳以上

119人

38%

2-6 年代別における釣り中の海浜事故発⽣状況

釣り中の事故者の年代別は60歳代以上が約4割以上 年齢が⾼くなるにしたがって重症化する傾向

釣り中の海浜事故の年齢別の割合(過去5年(H24〜H28)不可抗⼒除く。)

釣り中の海浜事故の年齢・負傷等程度別の割合(過去5年(H24〜H28)不可抗⼒除く。)

60歳以上が約4割

5人5人

10人

15人 48人

2人

7人8人 17人 15人

11人35人

8人

6人16人 23人

33人

14人 36人

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

10歳未満 10代 20代 30代 40代 50代 60歳以上

死亡・行方不明 負傷あり 負傷なし

H24~H28314人

25

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3-1 磯場における釣り中の海浜事故発⽣状況

磯場での事故は、海中転落が約5割で最も多く、次いで帰還不能約4割の順 海中転落の事故形態のほとんどが、波に引き込まれたり転倒による

⇒原因:活動中の不注意や気象・海象への判断の誤りなど(慣れによる油断、滑りやすい斜⾯、気象の未⼊⼿)

帰還不能の事故形態は、すべてが孤⽴⇒原因:気象・海象への判断の誤り、知識技能不⾜など

(慣れによる油断、気象の未⼊⼿、潮位上昇、⾼波)

磯場における釣り中の事故発⽣時刻(過去5年(H24〜H28、3〜5⽉)累計、不可抗⼒除く。)

磯場における釣り中の事故種類の割合(過去5年(H24〜H28、3〜5⽉)累計、不可抗⼒除く。)

(⼈)

海中転落

53人

52%

帰還不能

43人

42%

負傷

5人

5%

溺水

1人

1%

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0時 1時 2時 3時 4時 5時 6時 7時 8時 9時 10時

11時

12時

13時

14時

15時

16時

17時

18時

19時

20時

21時

22時

23時

磯場における海中転落事故の原因の割合(過去5年(H24〜H28、3〜5⽉)累計、

不可抗⼒除く。)

磯場における帰還不能事故の原因の割合(過去5年(H24〜H28、3〜5⽉)累計、

不可抗⼒除く。)

気象・海象不注意

26人

60%

知識・技能不足

9人

21%

活動中の不注意

2人

5%

不明

6人

14%

活動中の不注意

19人

36%

気象・海象不注意

17人

32%

周辺環境への

不注意

14人

26%

その他

3人

6%

26

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0

2

4

6

8

10

12

14

16

0時 1時 2時 3時 4時 5時 6時 7時 8時 9時 10時

11時

12時

13時

14時

15時

16時

17時

18時

19時

20時

21時

22時

23時

3-2 防波堤における釣り中の海浜事故発⽣状況 防波堤での事故は、海中転落が約7割と最も多く、次いで帰還不能約3割の順 海中転落の事故形態は、夜間における転倒が⼤半

⇒原因:周辺環境に対する不注意(慣れによる油断、照明不⾜、スペースが狭い、滑りやすい)

帰還不能の事故形態は、孤⽴が⼤半⇒原因:気象海象不注意

(慣れによる油断、気象の未⼊⼿、潮位上昇、⾼波)

(⼈)

海中転落

74人

70%

帰還不能

29人

27%

負傷

3人

3%

防波堤における釣り中の事故発⽣時刻(過去5年(H24〜H28、3〜5⽉)累計、不可抗⼒除く。)

防波堤における釣り中の事故種類の割合(過去5年(H24〜H28、3〜5⽉)累計、不可抗⼒除く。)

防波堤における海中転落事故の原因の割合(過去5年(H24〜H28、3〜5⽉)累計、

不可抗⼒除く。)

防波堤における帰還不能事故の原因の割合(過去5年(H24〜H28、3〜5⽉)累計、

不可抗⼒除く。)

活動中の不注意

34人

46%周辺環境の不注意

33人

45%

気象・海象不注意

4人

5%

その他

3人

4%

気象・海象不注意

13人

45%

活動中の不注意

6人

21%

知識・技能不足

3人

10%

周辺環境の不注意

2人

7%

その他

5人

17%

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【事故事例】釣り中の海浜事故

【磯場での事故事例】 平成28年3⽉、事故者2名は瀬渡し船にて磯場に渡り釣りをしていたとこ

ろ、突然の⾼波にさらわれ海に転落した。事故者のうち1名は溺死、1名は腰を負傷した。(共にライフジャケット着⽤)

平成28年3⽉、事故者は磯場に渡り釣りに没頭していたところ、潮⾼の変化を意識しておらず、潮が満ちて帰れなくなり、磯場に孤⽴した。(ライフジャケット着⽤なし)

【防波堤での事故事例】 平成28年4⽉、事故者は導流堤(⽴⼊禁⽌措置なし)で釣りをしていたと

ころ、突然の⾼波にさらわれ、海に転落した。事故者は海⽔を誤飲し肺⽔腫の症状を認め⼊院加療となった。(ライフジャケット着⽤なし)

平成28年4⽉、事故者は防波堤で夜釣りを⾏っていたが、防波堤でスマートフォンを操作しながら(所謂歩きスマホ)移動中に、誤って⾜を踏み外し海に転落した。事故者は海⽔を誤飲し肺⽔腫の症状を認め⼊院加療となった。(ライフジャケット着⽤なし)

平成28年12⽉、事故者は友⼈と⽴⼊禁⽌柵を越えて防波堤で釣りを⾏っていたが、誤って⾜を踏み外し海に転落し溺死した。

(ライフジャケット着⽤なし)

事故発⽣場所の写真ではなく、イメージです

事故発⽣場所の写真ではなく、イメージです

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4-1 飲酒に伴う釣り中の海浜事故発⽣状況

飲酒を伴う事故の死傷率は100% 飲酒を伴う事故のうち死者・⾏⽅不明者は67%で飲酒なしの2.5倍 飲酒を伴う事故は海中転落が100%

飲酒を伴う釣り中の事故の死傷割合(過去5年(H24〜H28)不可抗⼒除く。)

飲酒を伴う釣り中の事故種類の割合(過去5年(H24〜H28)不可抗⼒除く。)

死者 ・行方

不明者

8人

死者 ・行方

不明者

75人

負傷あり

4人

負傷あり

91人

負傷なし

136人

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

飲酒あり 飲酒なし

海中転落

12人

100%

死亡率が約2.5倍に増加

12人 302人

33%

67%

45%

30%

25%

29

帰還不能など

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死者・行方

不明者

21人

死者・行方不明者

62人

生存

114人

生存

117人

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

着用 非着用

4-2 釣り中の海浜事故時におけるライフジャケットの着⽤状況

事故にあった際のライフジャケット⾮着⽤者が約6割 ライフジャケット着⽤者の事故では、死亡率が約1/2に軽減

釣り中の海浜事故におけるライフジャケット着⽤有無の割合(過去5年(H24〜H28)不可抗⼒除く。)

釣り中の海浜事故におけるライフジャケット着⽤有無の⽣存割合

(過去5年(H24〜H28)不可抗⼒除く。)

死亡率が約1/2に軽減着用

135人

43%

非着用

179人

57%

H24~H28314人

84%

65%

16%

35%

30

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5 まとめ(⼈⾝事故)春季期間の釣り中の海浜事故の傾向分析ポイント GWにかけて、釣り中の事故が急激に増加する傾向

☞釣りの準備を万全に、ライフジャケットの着⽤は必須 釣り中の気象・海象の変化による事故が多い

☞気象・海象情報を把握することが重要

事故の特徴

釣り中の事故は、5⽉に急激に増加、防波堤や磯場からの海中転落の割合が⾼い 釣り中の事故の原因は、気象海象不注意が増加する 発⽣する曜⽇は⽇曜、⼟曜、休⽇の割合が⾼い 発⽣時間帯は夜間だけでなく11時、16時などの⽇中にも発⽣する割合が⾼い ⼀部の都道府県では、県外者が5割以上事故を起こしている 釣り中の事故の年代は、60歳代以上が⾼く、重症化する傾向 磯場における事故は、海中転落、帰還不能が多くを占め、気象・海象への判断の誤りが多い 防波堤における事故は、海中転落が多くを占め、夜間での不注意による転倒が多い 飲酒を伴う事故の場合は、死傷率100%、死亡率は67%で飲酒がない場合の約2.5倍 ライフジャケット⾮着⽤の事故者が約6割で、死亡率は着⽤者の約2倍

31

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海の安全情報

参考 海の安全情報の紹介

プレジャーボートや漁船などの船舶運航者、マリンレジャー愛好者の⽅々に対して、様々な事故防⽌に関する情報を提供しています。

北海道から沖縄まで地域にあわせた海の安全情報を提供しています。

32

海の安全情報

http://www.kaiho.mlit.go.jp/info/mics/海の安全情報はこちらから

海難防⽌リーフレット集 海の安全運動

⼀管区 ⼆管区 三管区 四管区 五管区 六管区

七管区 ⼋管区 九管区 ⼗管区 ⼗⼀管区

海の安全情報 海の情報 海の安全情報

漁船海難⽉報 海の安全情報 海の安全 沖縄の海洋情報

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〜アンケートのお願い〜ミニボート等に乗船する際の注意点について!(公社)⽇本海難防⽌協会においてミニボートの利⽤者に対するアンケートを実施しております。協会ホームページからアクセスいただきご回答をお願いいたします(http://www.nikkaibo.or.jp)

※スマートフォン以外の携帯電話からは表⽰出来ない場合があります。!

ボート上で急に⽴ち上がると、ボートが転覆したり、バランスを崩して海中転落することがあります。ボート上で移動する際は、慌てることなく⼗分に注意して動作をとって下さい。

ボート上で急に⽴ち上がらない!⽚側に寄らない!☞

ボートは、気象海象に左右されやすく、荒天で⾵が強くなったり、波が⾼くなると、⾃⼒で帰港できなくなることがあります。必要以上に沖合いに出ないようにしましょう。

必要以上に沖合いに出ない!☞

ボートが横波を受けると船体は左右に揺れ、転覆の危険性が⽣まれます。横波を受ける状態で⻑く⾛ることは絶対に避けましょう。

波の⽅向に⼗分注意する!☞

昼間でも、波の間に浮かぶボートは、他の船から想像以上に⾒えにくいものです。他の船がこちらを⾒ていると思うことなく、乗船中は⾒張りを確実に⾏うとともに、旗やレーダーリフレクターの装着を励⾏し、事故を防ぎましょう。

⾒張りを確実に⾏い、ボートに旗を⽴てる!☞

ボートに乗船する際に救命胴⾐を常時着⽤するのは基本中の基本です。ボートから落⽔した場合も、救命胴⾐を着⽤していれば助かる確率が⾼くなります。また、携帯電話は防⽔パックに⼊れ、万が⼀落⽔した際の海上保安庁(118番)等への連絡⼿段の確保に努めましょう。

救命胴⾐を確実に着⽤し、連絡⼿段を確保する!☞

夜間航⾏する場合は、全周灯等の法定設備を点灯しなければなりませんが、たとえ点灯していてもミニボートは他船から⾒えにくいため、夜間は航⾏しないようにしましょう。

夜間は船を出さない!☞

海の安全情報(沿岸域情報提供システム)等で気象・海象情報を確認しましょう。こまめに天気情報をチェックする!☞ ☞ スマホ⽤ 携帯⽤

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