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「飛行機」産業の発展

・実用化に先んじたのはフランスとドイツ。・第一次大戦で，飛行機の戦略性に気付く。

・前史＝滑空機（グライダー）時代 … イギリスのGeorge Cayleyが1853年に初滑空。… 推力，揚力，抗力，重力の4力を"発見"

・ Wright兄弟 … 自転車工。グライダー操縦から，動力飛行の実証研究に没頭。・1903.12， North Carolina州 Kitty Hawkの海岸で，12馬力エンジンによる動力飛行に成功。立会人5人。・その後，特許紛争に巻き込まれる。

・あわてたアメリカでは，1917年，Aircraft Manufacturers Association を結成。

・政府の軍事戦略と一体となり，各社の特許の自由使用など，業界あげた協力体制を整備⇒航空機製造が民間産業として大発展

・そうした1人が，1881年 Detroit生まれのWilliam Boeing

・当初は，人を乗せられるようなものではなく，郵便輸送から実用化。 あとは，「見世物飛行」（飛行ショー）のアトラクション用。・そうした見世物で蓄財し，自らLAに飛行機工場を作っていたのがGlenn Martin

・彼をはじめとする著名な飛行家には各地から弟子が集まって技術を習得。・怖いもの知らずのパイオニアたちが，操縦法を習得 …まさに「ベンチャー精神」の極め付け

・そこで海軍の造船技師Westerveltと知り合う。・互いに新分野の飛行機への関心を深め，操縦の習得や技術学習を開始。・それでは飽き足らず，飛行機製造ビジネスに着手。

・父は，メサビ鉱山メサビ鉱山メサビ鉱山メサビ鉱山の鉱石取引で蓄財した人。・Williamは，Yale大学で工学を学ぶが，発展する西部に夢を抱いて，1903年，木材取引木材取引木材取引木材取引のため Seattleへ。

Boeing社の創業と発展

・1915年，BoeingとWesterveltは「B&W」という会社を作り，Seattle港南端の造船所を借りて，Glenn Martinから買い取った双発水上飛行機を手本に，飛行機製造に着手。

★このBoeingの発展パターンは，アメリカそのものの発展，現代のITベンチャーのパターンと同じ。＝ 未知の分野への「チャレンジ精神」，自ら起業する「ベンチャー精神」，移民の力（新技術分野ではアジア移民），政府需要，投資家

・しかし直後，Westerveltは徴兵されたため，M.I.T.出身の若い中国人T. Wongを雇い入れる。Wongは性能の改良に天才を発揮。

※M.I.T.＝マサチューセッツ工科大学。航空工学の研究拠点。

・1916年，社名を「Boeing飛行機会社」に変えて，連邦政府に売り込み攻勢をかけた結果，・厳しいテスト飛行をパスして，50機の受注に成功 … これが Boeing社発展の基礎に。

創業時の様子

2001年8月訪問時Boeing Museum

Boeing ととととSeattle

・Boeing工場はSeattle都市圏に集中。・その雇用者数は8万人（2001年8月）・関連企業を含めると20万人とも。 本社工場

技術センター試験飛行場

創業地（博物館）

・1990年代，Airbus社との競争激化で，軍事・宇宙部門の拡張へ・1997，McDonnell Douglas社を吸収合併。・2001年，本社をChicago移転。政府機関との連絡の便のため。

世界最大の1棟建造物787, Jumbo機など製造

Seattle中心部

主工場外観

内部

2 km

本社・主力工場（Everett）

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Why Seattle ?

④需要 … 飛行機の大需要は太平洋戦争による。海上航空戦，陸上空爆。太平洋沿岸という立地は，Seattleへの航空産業定着の条件の1つといえる。

… 航空機製造工業の立地条件

③材料・技術 … 飛行機の機体はもともと木製で，造船技術の応用。木材資源と造船技術は，Boeing社がSeattleに定着した条件といえる。

※飛行機は当初，海軍が水上飛行機として利用。

・しかし，造船，木材の点では，New Englandのほうがふさわしいともいえる。

⑥居住環境 … Seattleに住んだ技術者は，居心地の良さから動きたがらないという。

・海洋性で，夏・冬とも温和。

・市域全体が氷食性のうねった地形にあり，丘と内湾が南北に並んで，どこの住宅地からも風光明媚な光景が眺められる。

⑤第二次大戦後の拠点性 … Seattleは米国本土の北西端にあるが，戦後，HawaiiとAlaskaの戦略的重要性が高まるとともに，それらを含めたアメリカ国土の中央にあるSeattleは，新たな戦略的拠点性を持つように。

①天候（晴天の多さ） … Seattleはケッペン気候区分では「Cs」で，夏少雨。 しかし偏西風帯の緯度にあるため，快晴は少なく「薄曇り」が多い。「晴天」条件に合致するかどうかは微妙。

②テスト飛行空域，用地 … Boeingの創立当初は合致。自社の専用飛行場と空域を確保。

・内陸には森が広がり，先端企業の「campus」が点在。

・・・・太平洋の支配には飛行機が必須

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・Microsoftの本社キャンパスも，そうした森の中に。

・ベゾスは1964年，New Mexicoで10代の母のもとに誕生。ほどなく親が離婚し，母に引き取られ，Texasの母の先祖の25,000acre（100km2）の牧場で過ごす。・幼少期から様々な科学技術的関心を示し，Floridaの高校時代にコンピュータに興味を持ち始める。・Princeton大学に進み，計算機科学と電気工学に専攻を替えて学士号を取得。

・大卒後，Wall Streetの金融会社のIT部門でトレーディング・システムの構築に従事。

・1990年，ヘッジファンドに移籍し，1992年に副社長に

Jeffrey Bezosと Amazon.com

・1994年春， World Wide Web の利用が増えていること、 「eコマース」事業が大きなビジネスチャンスになることに気付く。

・すぐ退社して，Seattleで起業することに決め，妻とともに移住の道中で事業計画を書き上げ，投資家にPRして出資を得る。

・2011年，郊外の湖畔の15万㎡の敷地に11棟からなる新本社に移転。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGN0202E_S0A700C1000000/

・Seattleでは，港地区の老朽ビルのフロアを借りて開業。 ・以後，売り上げ急拡大し，高台の旧病院（右写真）に移転。

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南California の航空機工業

④太平洋太平洋太平洋太平洋戦争戦争戦争戦争の勃発が，Californiaに地政学的意義を与える。・・・・軍事基地（海,空），軍需工業（航空機,船舶,兵器），関連産業（通信,光学）を太平洋岸に集積。

・1947年，全米の航空機産業就業者15万人，そのうち65,000人がLA都市圏南部に。・1957年，Californiaの航空機･ミサイル工業の就業者は40万人に。・1950〜60の10年間に，製造業従業者が66万人増加， その6割が航空･宇宙関連。⇒かくして，南Californiaは世界最大の航空宇宙工業の集積地に。

⇒ LA〜San Diegoの間に航空宇宙軍事関連産業が集積。

①晴天晴天晴天晴天多く，機体の組立てが露天で行える。②1903年に石油石油石油石油が発見され，燃料が豊富。③ San Diegoに海軍基地。

… LA〜San Diego間はもう1つの集積地

・代表メーカー

1）Douglas社

・Donald Douglasは，MIT出身で，Glen Martin 飛行機会社（Maryland）のエンジニア。

・1920，独立して，LA，Santa Monicaに爆撃機と旅客機の製造会社を設立。

・太平洋戦争に高性能戦闘機を大量供給して成長。

・1967，同じくMIT・Glen Martinを経て，ジェット戦闘機phantomを製造して急成長したJames McDonnellの会社（St. Louis）と合併，McDonnell Douglas社に

2） North American Aviation Inc

・1928年，Delawareで設立。当初は持ち株会社

・1934年，他社から技術者を引き抜き，晴天の多い南カリフォルニアに移って飛行機製造に着手。

・以後，小型機爆撃機でシェアを伸ばし，世界最大のメーカーに。

・1996, Boeingの傘下に

LA都市圏の工業

★これらの多くは航空宇宙関連。分布地に着

色してみよ。

矢ケ崎典隆（1987）：カリフォルニアの農業と工業．地理,32-11San Diego↓ 100km南方

アメリカ海軍基地⇒