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財 政 市 民 委 員 会 (平成 28 年) 7月 19 日~7月 21 日(3日間) 調査都市 委 員 長 副委員長 村 上 ゆうこ 小 竹 ともこ 宮 村 素 子 細 川 正 人 松 井 隆 文 ふじわら広 昭 中 村 たけし 本 郷 俊 史 竹 内 孝 代 小 形 香 織 随行書記 佐 藤 真 広 高 野 光 雅 調査項目 1 区役所の機能強化について 2 犯罪被害者への支援について 3 複合施設型区役所について 4 文化振興施策について 5 三重県総合博物館について 1

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財 政 市 民 委 員 会

日 程

(平成 28年) 7月 19日~7月21日(3日間)

調 査 都 市

堺 市

大 阪 市

三 重 県

察 参

委 員 長

副委員長

委 員

村 上 ゆうこ

小 竹 ともこ

宮 村 素 子

細 川 正 人

松 井 隆 文

ふじわら広 昭

中 村 たけし

本 郷 俊 史

竹 内 孝 代

小 形 香 織

随 行 書 記 佐 藤 真 広

高 野 光 雅

調 査 項 目

1 区役所の機能強化について

2 犯罪被害者への支援について

3 複合施設型区役所について

4 文化振興施策について

5 三重県総合博物館について

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財政市民委員会

堺 市【区役所の機能強化について】

1 組織体制について

区役所組織について

市長調整監について(各区長が兼務)

市民の意向と市政の方向性などを相互に繋ぐ役割を担う分

権型の地域ネットワーク構築のかなめとして市長調整監を配

置。

ア 市長報告書の提出

市政に対する声、区内の状況などについて、市長調整監

から市長に対し、毎週、報告書を提出。

イ 市長調整監会議への出席

市長、市長調整監で構成し、市長調整監の所掌事務の円

滑な推進を図るため、市長と市長調整監の情報共有、市長

による対応方針の伝達等を行う毎月開催の会議に出席。

2 区の独自性を生かすため・地域ニーズに対応するための取り組みについて

区民評議会

区の特性に応じた施策、事業の方向性等について

調査審議を行う附属機関。委員は 15 人以内で任期は

2年。委員構成は、区域内において公益的な活動に

従事する者、学識経験者、公募委員など。

区教育・健全育成会議

区役所と教育委員会事務局の連携により、学校教

育を取り巻く環境の整備を推進し、地域全体で子ど

もの成長を支え、区域の教育力の向上及び健全育成

の充実を図るため設置。委員は5人以内で任期は2年。委員構成は、有識者、教育・健全

育成に関し識見を有する者(スクールソーシャルワーカー、教員OBなど)。

区域まちづくり事業

区域課題の解決、区域の特色を生かした魅力あるまちづくりの推進のため、ソフト事業

からハード事業まで各区の判断で実施できる事業。区の予算だった「区民まちづくり基金

事業」及び「区域環境整備事業」と本庁の予算だった「区局連携事業」を、平成 28 年度か

ら「区域まちづくり事業」として統合し、区役所が予算を一体的に管理できるようにした。

企画総務課 総務係、企画係

自治推進課 自治協働係、地域美化係

市 民 課 住民登録係、証明係、戸籍係

保険年金課 保険係、年金係、医療給付係

生活援護課 給付係、援護係

地域福祉課 地域福祉係、介護保険係

子育て支援課 子育て給付係、相談支援係

保健センター 保健係、健康推進係

区役所

保健福祉

総合センター

局相当組織 部相当組織 課相当組織 係相当組織

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財政市民委員会

堺 市地域まちづくり支援事業

地域住民が身近な課題を自ら主体的・自己完結的

に解決する校区レベルでの活動に対して補助金を交

付し、市民協働・市民参加による地域のまちづくり

を推進する事業。

補助対象は、自治会等で構成される「校区まちづ

くり協議会」。平成 27 年度から、応募型(地域課

題の解決のため、新規に申請する事業に対する補助)

を新たに実施。

【犯罪被害者への支援について】

1 堺市犯罪被害者等支援条例について

条例の概要

ア 制定理由

犯罪被害者等が再び平穏な生活を取り戻すためには、犯罪被害者等が置かれた状況を

一人一人が理解し、社会全体で支えることが大変重要であり、犯罪被害者等が受けた被

害の回復及び軽減に向けた取組の更なる推進と犯罪被害者等を支える地域社会の形成を

図ることにより、市民が安全に安心して暮らすことができる地域社会の実現を目指し、

条例の制定に至った。

イ 基本理念

○原因、状況、事情に応じて、適切に途切れる

ことなく支援を実施。

○犯罪被害者等の名誉または生活の平穏を害する

ことのないように支援を実施。

○支援は、堺市、市民、事業者及び国、大阪府、

その他の犯罪被害者等支援の関係機関が相互に

連携・協力し、推進。

【委員からの主な質問と回答】

Q: 区役所に予算要求を行う権限があるのか。

A: 法律が関わるなど一体的な管理が必要なものは本庁部局が一括で行うが、区の裁量が利くも

のは区域まちづくり事業を活用し予算要求している。

Q: 区長の権限として、予算要求の他に特徴的なことはあるか。

A: 地域課題が複数の局にまたがる案件の場合、市長からの指示を受け、区長は市長調整監とし

て調整する。この場合、局長級より上位に位置することになる。

Q: 区民評議会の男女構成比や年齢構成比はどのようになっているのか。

A: 男性が7~8割であり、年齢は 50 歳代から 60 歳代が一番多い。若い方の参加、女性の視点

導入が課題と捉えている。

Q: 区選出市議会議員と区民評議会委員にはどのような関わりがあるのか。

A: 年1回程度、区選出市議会議員と区民評議会委員が、区域の課題を持ち寄り、解決策を意見

交換し、施策提案等へ反映させている。

Q: 地域まちづくり支援事業は、具体的にどのような取組に利用されているのか。

A: 防災訓練等の安心・安全、祭りや自治会加入促進等のコミュニティ活性化に係る取組が多い。

Q: 自治会活動の支援の一つに防犯カメラ設置補助とあるが、設置はどの程度進んでいるのか。

A: 平成 26 年度末で 395 台である。

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財政市民委員会

堺 市 ウ 各主体の責務

市 の 責 務 ○基本理念にのっとり、必要な施策を総合的に推進すること。

市民の責務○犯罪被害者等の置かれている状況、支援の必要性について理解を深めること。

○犯罪被害者等の名誉、生活の平穏を害することのないよう十分配慮すること。

事業者の責務 ○犯罪被害者等が置かれている状況や支援の必要性について理解を深め、犯罪被

害者等の就労及び勤務について、十分配慮するよう努めること。

2 取り組みの概要について

犯罪被害者等支援総合相談窓口の設置

設置目的 犯罪被害者等が、日常生活、社会生活を円滑に営むことができるように、相談者の状

況に応じた各種支援制度の案内や関係機関・団体に関する情報提供、連絡調整を実施

費 用 無料

開設時間 月曜~金曜(休日・年末年始を除く)午前9時~午後5時 30 分

一時避難住宅の提供

設置目的 自宅が犯罪の現場になった、破壊されたなど、犯罪行為により従前の住宅に継続して

住めなくなった方で、当面の居住場所の確保が必要な方に対して一時避難住宅を提供

使 用 料 無料(光熱水費は自己負担)

使用期間 3か月以内(やむを得ない場合、プラス3か月まで延長可)

設置備品 冷蔵庫、電子レンジ、エアコン、布団、照明、テーブル、ガスコンロ、洗濯機 等

その他

ア 民間支援団体等との協働・連携

(ア) 心理カウンセリングの実施

(イ) 犯罪被害者週間街頭キャンペーンの実施

(ウ) 犯罪被害者支援研究会への参画

(エ) 性暴力被害者支援ネットワークへの参画 等

イ 犯罪被害者当事者団体との協働・連携

(ア) 「いのちの大切さを考える講演会」講師派遣

事業の実施

(イ) 堺市職員研修の実施

(ウ) 生命(いのち)のメッセージ展の開催

(エ) 犯罪被害者等支援啓発パネル展の実施

【委員からの主な質問と回答】

Q: 親告罪などで警察に届出がされていない場合、一方的な申出だけをもって犯罪被害を受けた

とみなすのか。

A: 相談は随時対応しているほか、心理カウンセリングについても、支援が必要だと判断した場

合には、対象としている。

Q: どのような場所を一時避難住宅としているのか。

A: 市営住宅を被害者支援用として担当部局から借り受けている。空いている住宅となるので、

職場や学校に通いづらいという課題がある。

Q: 条例制定から4年目となるが、相談窓口を設置した効果は出ているのか。

A: 広報誌で周知していることもあり、住民票の閲覧制限に係る相談などが増えてきている。

Q: 被害者支援の検討を進める際に、加害者の家族への支援については議論しなかったのか。

A: 議論の中ではあまり出なかった。加害者の家族への支援は難しく、今後の課題と考えている。

Q: 条例の制定は、市長の強い意志によるものなのか。

A: 議会からの要請もあり、市長も重要と判断し、制定に至った。

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大 阪 市【複合施設型区役所について】

1 大阪市城東区複合施設について

施設の概要・特徴

ア 供用開始:平成 28 年3月 14 日

※城東区民センター・城東区老人福祉センターは平成 28 年4月1日供用開始。

イ 面積

敷 地 面 積 約 6,534 ㎡建 築 面 積 約 5,367 ㎡延 床 面 積 約 15,813 ㎡

ウ 建設に係る経費

土地購入金額等 約6億 2,000 万円

工 事 金 額

建築工事 約39億1,500万円設備工事 約17億8,000万円ホール舞台工事 約1億 2,600 万円

什器等 物品購入

区役所什器等 約 1,200 万円センター什器等 約 1,500 万円

引越し経費 約 500 万円

エ 建物デザイン

(ア) 基本コンセプト

(イ) 外観デザイン

オ 施設の構成

4階 城東区老人福祉センター、城東図書館、城東区民センター(会議室等) 3階 城東区役所(総務課、市民協働課) 2階 保健福祉センター、城東区民センター(ホール) 1階 城東区役所(窓口サービス課)、保健福祉センター、駐車場・駐輪場

○利用者の立場を第一に考えた施設 ○複合することにより交流が生まれる施設

○区のシンボルとなる施設 ○市民活動の舞台となる施設

○蒲生公園と一体利用の可能な施設 ○環境と共生する施設 ○防災拠点としての施設

○公園に大きく開き、複合施設の活動が感じられるファザード(建物正面)

○エントランスピロティ、外部階段、外部テラスを公園側に配置することにより各施設に

直接アクセス可能

○山谷がリズミカルに変化する4階の屋根とピロティの柱が、公園の木々のシルエットに

呼応、建物と公園とが調和する外観

○リズミカルに横に流れる水平庇が音楽を表現(水平庇:五線譜をイメージ)

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財政市民委員会

大 阪 市カ 各施設の概要

(ア) 城東区役所・保健福祉センター(1~3階)

運営方法 一部の業務(住民票等の証明書発行業務等)を民間委託 職 員 数 職員 230 名(再任用、任期付職員含む)、委託業者 14 名※H28.7.1 時点

開庁時間

月~金曜日 午前9時~午後5時 30 分 毎週金曜日(祝日は除く)は午後7時まで(※)

毎月第4日曜日 午前9時~午後5時 30 分(※) ※一部業務について取扱いできない場合あり

(イ) 城東区民センター(2階・4階)

所 管 城東区役所 運営方法 指定管理(大阪市コミュニティ協会) 職 員 数 指定管理業者 常時2名以上 開庁時間 午前9時 30 分~午後9時 30 分(年末年始を除き無休)

(ウ) 城東図書館(4階)

所 管 教育委員会事務局 運営方法 窓口業務民間委託(シダックス大新東ヒューマンサービス株式会社) 職 員 数 職員2名、委託業者6名

開庁時間 火~金曜日 午前 10 時~午後7時(※) 土・日・祝日 午前 10 時~午後5時(※)

※第3木曜日、年末年始は除く

(エ) 城東区老人福祉センター(4階)

所 管 福祉局 運営方法 指定管理(社会福祉法人リベルタ) 職 員 数 指定管理業者 3名 開庁時間 月~土曜日 午前 10 時~午後5時(祝日、年末年始を除く)

(オ) 駐車場(1階)

運営方法 行政財産の目的外使用許可(綿半ソリューションズ株式会社) 利用時間 年中無休、24 時間

2 視察調査について

説明聴取ののち、施設内の視察を行った。

【委員からの主な質問と回答】

Q: 複合施設の建設にあたり、導入する施設や機能について、どのような要望があったのか。

A: 地域コミュニティや防災の拠点機能の分散が課題であったため、市の財政状況が非常に厳し

い中、区民の利便性向上に向け、既存の施設を複合化し、連動させていくこととした。

Q: 建設費用は約 64億円とのことだが、当初予算より増えているのか。

A: 東日本大震災の復興や東京オリンピックの開催決定に伴う資材の高騰が要因となり、当初の

予定より費用が増えてしまい、途中で契約変更を行っている。

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三 重 県【文化振興施策について】

1 新しいみえの文化振興方針について

策定主旨等

ア 策定主旨

「三重の文化振興方針」策定(平成 20 年3月)

後の社会情勢等の変化や県の文化行政を取り巻く

環境の変化を踏まえ、今後、より良い文化コンテ

ンツを継続して効率的・効果的に提供し、ふるさ

と三重に対する誇りや愛着を一層感じられるよう

にするため、10 年先を見据えた三重の文化振興

に係る新たな方針として、平成 26 年 11 月に策定。

イ 対象範囲

文化芸術や生涯学習の振興だけではなく、産業や観光の振興など文化振興の目的に沿

って幅広く捉える。

ウ 期間:平成 26 年度からおおむね 10 年(平成 35 年度まで)

みえの文化の特長・本質

施策の実施に係る留意点

ア 環境変化への対応 イ 長所の伸張 ウ 課題の解決

エ 県の役割とさまざまな主体との関係等

基本目標

ア 文化を通じて幸福実感を高めるとともに、

次代のみえを担う若い世代を育成する

イ 郷土に誇りと愛着を感じられるようにす

るとともに、みえの文化の素晴らしさを県

内外に発信する

ウ 多様な文化を受け入れ、交流・連携する

ことにより、新たなみえの文化を創造する

①文化を取り巻く環境の変化○情報手段の多様化 ○情報のグローバル化

②社会情勢の変化○国の文化政策の動向 ○経済情勢の変化 ○東日本大震災の発生

③県の文化行政を取り巻く環境の変化○みえ県民力ビジョンの策定 ○三重県総合博物館の開館と「文化交流ゾーン」の形成

新方針の策定

みえの文化の本質 ⇒ 「不易」と「流行」の文化

知識や技術が時代を超えて継承されることにより「不易」(時代を超えた不変性)を生じ、人・モノ・情報が地域を越えて行き交うことにより多様な文化を受け入れて新たな価値を生み出し、「流行」(その時々に応じた変化)を得る。このような考え方こそが、新たな文化の創造につながってきた。

みえの文化の特長

ア 日本の精神文化の源流

イ 交流による発展

ウ 地域に根ざした多様な文化

エ 世界に誇るみえの文化

みえの「ええとこ、ええもの」を守り伝えながら、時代に応じた変化を受け入れることで、新たなみえの文化が生まれ、一層発展する可能性を秘めている。

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財政市民委員会

三 重 県2 取り組みの概要について

施策の方向性1 人材の育成

ね ら い 次代を担う人間性や「創造力・想像力」の豊かな人材、専門人材の育成によるみえの文化芸術のレベルアップ

取組方向 次代を担う若い世代(子どもたち、アーティスト)や文化振興を担う専門人材(アートマネジメント人材、舞台技術者等)の育成

施策の方向性2 歴史的資産等の継承・活用

ね ら い 文化資源の継承と活用による地域への誇りや愛着を感じられるような環境づくり

取組方向 国史跡斎宮跡などの指定文化財をはじめとした地域のさまざまな文化資源の継承、適切な保存と活用の促進

施策の方向性3 新たな価値の創出

ね ら い 文化による経済的な活力の創出、新たなみえの文化の創造、広域的な連携によるみえの文化の魅力向上

取組方向 文化資源の活用による商品開発や観光地のさらなる誘客、新たなみえの文化の創造につながるチャレンジの支援、県内外の文化施設との連携強化

施策の方向性4 情報の受発信

ね ら い みえの文化に対する好感度の向上、みえの文化の再確認、文化に対する関心の向上

取組方向 ターゲット・コンテンツの明確化とそれぞれに相応しい手段による情報発信、企画展示などを通じた文化の価値やおもしろさの伝達

施策の方向性5 文化の拠点機能の強化

ね ら い 市町等との連携強化による成果の全県域への展開、さまざまな文化に接して感性を高め、文化に新しい息吹を吹き込むことができるような場の形成

取組方向 各施設の拠点機能や事業・運営における連携の強化、市町や民間の文化施設との連携強化

【委員からの主な質問と回答】

Q: 博物館、美術館等が互いに連携しながら、集積の利点を生かし、集客などの相乗効果を図る

ため、どのように取り組んでいるのか。

A: 伊勢神宮式年遷宮などの統一的なテーマのもと連携してイベントを開催するなど、施設間の

周遊に繋がる取組を進めている。

Q: 人材の育成とあるが、大学や芸術家などとの連携について、どのように取り組んでいるのか。

A: 県内の大学と協定を結び、相互に講師派遣を行ったり、ダンスや伝統芸能に係るアーティス

トの小・中学校への派遣や、交響楽団による吹奏楽部等への指導などの取組を実施している。

Q: 伊勢や熊野をキーワードとしているが、宗教的な要素もあり、反対意見はなかったのか。

A: 平成 25 年は伊勢神宮の式年遷宮、26 年は熊野古道の世界遺産登録 10 周年に係る様々な取組

を行ったが、一部で宗教的な観点から異論があったものの、多くは肯定的な意見だった。

Q: 県は、県民の幸福実感を高めることを最重要目標として文化施策を推進することが求められ

ると、新しいみえの文化振興方針に掲げているが、取組の効果検証はどのように行うのか。

A: 仕事、住まい、文化芸術などの観点から幸福実感を測る県民意識調査を実施しており、世代、

居住地域などでクロス集計した数値について、前年と比較し、検証している。

Q: 郷土に対する誇り等は、一回触れただけでは培われないと考えるが、学校教育の中で学ぶ仕

組みはあるのか。

A: 郷土教育には以前から力を入れており、かるたを作る取組などを行ってきた。300 を超える学

校が、博物館や図書館などを利用しているので、繰り返し利用してもらえるよう、家庭利用

の促進に取り組んでいきたいと考えている。

Q: 総合博物館の来館者数について、当初の見込みと実数はどのようになっているのか。

A: 平成 27 年度は、28 万人の目標に対し、約 25 万人の来館者であった。開館1年目である平成

26 年度に比べると、来館者は約 12 万人減っている。

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財政市民委員会

三 重 県【三重県総合博物館について】

1 開館に至るまでの検討経過について 昭和28年6月 三重県立博物館開館。 昭和61年2月 三重県文化審議会、「三重県における博物館構想」答申。 平成3年3月 三重県議会、「県立中央博物館の早期建設について」請願採択。

平成5年~ 5年7月、「三重県センター博物館(仮称)基本構想」公表、6年3月、「三重県センター博物館(仮称)基本計画」策定。その後も順次基本設計等を策定。

平成10年3月 「ハコ物」建設抑制方針により計画白紙に。 平成10年8月 「新しい博物館を考える懇話会」設置。 平成12年3月 「私たちのもとめる博物館についての報告」(懇話会最終報告)。 平成14年3月 三重県議会、「三重県における自然系博物館整備を求める請願書」採択。

⇒懇話会の最終報告以後、実現に向けた検討が重ねられたが結論得られず。

平成14年11月 博物館整備検討プロジェクト会議を設置し、再度、当初の基本構想を踏まえ、新たな検討をすることに。

平成16年1月 博物館整備検討プロジェクト会議、「三重県の新しい博物館のあり方について」を提言。

平成16年5月 提言を受け、自然資産・文化資産調査及び新博物館整備検討業務を実施。

平成17年3月 「三重県立博物館整備にかかる当面の方針」公表。財政事情から建設は当面見送り、現博物館の改修(暫定整備)と移動展示を先行実施することに。

平成18年10月 「暫定整備基本設計・耐震補強計画」策定。改修に多額の費用がかかることが判明。平成19年2月 知事選挙公約に新博物館構想の検討を掲載。

平成19年7月 三重県文化審議会に「三重の文化振興方針(仮称)」及び新博物館のあり方についての検討を諮問。

平成19年10月 三重県議会、「新県立博物館整備にかかる基本的考え方」を提言。 平成20年3月 審議会の答申後、「三重の文化振興方針」及び「新県立博物館基本構想」策定。 平成20年12月 「新県立博物館基本計画」策定。 平成21年3月 「新県立博物館事業実施方針」作成。 平成21年6月 「新県立博物館概略設計案(建築・展示)」公表。 平成22年2月 「新県立博物館詳細設計(建築)最終報告」公表。 平成22年10月 「新県立博物館詳細設計(展示)最終報告」公表。 平成23年1月 建築工事に着手。(25年4月、建築工事竣工。26 年2月、外構関係工事完了) 平成23年10月 展示製作・施工に着手。(26 年3月、展示製作・施工完了) 平成25年6月 三重県総合博物館条例制定。 平成26年4月 開館(18日:開館記念式典、19日:グランドオープン)。

2 施設の概要・特徴について

面積・構造

面 積 敷地面積:38,884 ㎡ 建築面積:6,889 ㎡ 延床面積:11,705 ㎡

建築構造 鉄骨鉄筋コンクリート造(一部除く)3階建 免震構造

開館時間 ※休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始等

ア エントランスエリア、交流創造エリアなど

休館日を除く全日 午前9時~午後7時

イ 展示エリア

火~金曜日 午前9時~午後5時

土・日・祝日 午前9時~午後7時

組織・人員体制(平成 28 年4月1日時点)

館長1名、学芸員 17 名(館長除く)、行政職3名、

嘱託8名、業務補助職員6名の計 35 名。

経営企画課

広報・利用者サービス課

展示・資料情報課

館長 副館長

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財政市民委員会

三 重 県 施設の構成

ア 交流創造エリア

中心となる学習交流スペースと、こども体験展示室、資料閲覧室、実習室などの諸室

の機能を連携し、県民・利用者の多様な興味や関心、目的に応える活動を展開する明る

く開放的な空間を創出。

イ 展示エリア

三重の多様で豊かな自然と歴史・文化の魅力を紹介する「基本展示」と、複数のテー

マによる組み合わせで展開する「企画展示」の2つの展示を互いに関連付けながら展開

することで、三重の特色である多様性を探求し、県内外に発信。また、県内の活動団体

や企業と協働・連携して行う「交流展示」も実施。

ウ ミュージアムフィールド

博物館の東側に広がる中庭で、自然観察会などのフィールドワークを行うとともに、

散策ルートを設けて身近な自然に親しむ憩いの場である「里山ゾーン」と、野外学習ス

ペースとしてイベントなどを行うとともに、畑地なども設けて博物館活動に活用する「交

流の広場」で構成。

エ その他

エントランスエリア、調査研究エリア、収蔵エリア 等

3 視察調査について

説明聴取ののち、施設内の視察を行った。

【委員からの主な質問と回答】

Q: 三重県の素晴らしい歴史や風土の中で豊かな人間性を培っていくことは重要であり、小学生

の頃から教科の一つとして取り入れることが大切だと考えるが、どのように認識しているか。

A: 自分たちの住む場所が素晴らしいという誇りを持って、勉強や様々なことに励めるような手

立てを講じる必要があり、教育委員会と連携していきたいと考えている。

Q: 学芸員の確保は、養成している大学の推薦によるのか。

A: 公募で学芸員の確保を行っている。研究の業績だけではなく、博物館設立の意義を理解し、

博物館を作ることができる人材という観点で採用しているが、適任者を見つけるのが難しい。

~展示内容(主なもの)~ ○三重の大地のなりたち(三重の大地のなりたちについて、時代順に紹介)○三重の多様で豊かな自然(鈴鹿山脈、伊勢湾などの多様な生態系について紹介)○三重をめぐる人・モノ・文化の交流史(交流をキーワードに三重のすごさを紹介)○くらしと自然(三重の山・盆地・平野・磯の4つの地域におけるくらしを紹介)

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