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姿 | 調 | 2010.5.1 2 3 5 1 市制施行5周年記念作文 市では、市制施行5周年を記念して「こんなまちになってほしい」という テーマで作文を募集しました。そして、その中から小学校と中学校の部で それぞれ最優秀賞を選定し、記念式典で発表しました。そのすばらしい作 品を紙面でご紹介します(学年は応募当時)。

市制施行5周年記念作文ホ タ ル は 、 短 い 命 な ん だ よ。」 と 、 教 え て く れ た。私 は 、 そ れ を 聞 い て 、 手 の ひ ら を 広

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Page 1: 市制施行5周年記念作文ホ タ ル は 、 短 い 命 な ん だ よ。」 と 、 教 え て く れ た。私 は 、 そ れ を 聞 い て 、 手 の ひ ら を 広

「ホタルは、短い命なんだよ。」

と、教えてくれた。私は、そ

れを聞いて、手のひらを広

げ、ホタルをにがしてやった。

そして、そのホタルがどこま

で行くのか、ホタルの光の点

めつを、分からなくなるまで

じっと見つめた。

 

私が、長門市で一番好きな

ところは、このホタルが毎年

見られるほど、豊かな自然に

囲まれているところだ。特に

私の住む向陽校区は、ホタル

が多く、ホタル見物におとず

れる観光客も多い。

 

私が、ホタルを見に行った

とき、必ずすることがある。

それは、ホタルの数を数える

ことだ。私は、なぜかホタル

を見に行くと数を数えてしま

う。

「一、二、三、四、・・・・、 

三十、三十一、三十二、あー

わからなくなった。」と、いつ

もこうなり、おじいちゃんに

笑われる。でも、その夏、お

じいちゃんが、

「川の近くに木や緑がへって、

ホタルが去年より少なくなっ

ている。」

と言った時、どきっとした。

でも私は、数をわすれてはい

けないので、

「ふーんそーなんだ。」

としか言えなかった。でも、

私は、おじいちゃんが言った

最後の言葉で、「ふーんそー

なんだ。」ではすまされない

と思った。その言葉は、

「このままだったら、ホタル

が少なくなってしまうよ。」

だった。私は、とてもびっく

「うわあ、きれい。」

と思わず声をあげた。

夏の夜、私は、おじいちゃ

んといっしょによく深川川の

音信橋にホタルを見に行く。

音信橋から、川岸のやぶを

見ると、ホタルたちの光が消

えたりついたりして、それが

まるで、イルミネーションを

見ているみたいなのだ。私は、

その風景を見るたびに作られ

たイルミネーションもいいけ

れど、ホタルが作った自然の

イルミネーションも、好きだ

なと、思う。

私が四年生の時、おじい

ちゃんとホタルを見に行った

時のことだ。私の近くにホタ

ルがとんできて、そのホタル

を手でかこんでつかまえた。

するとおじいちゃんが、

理由の一つです。また、秋の

田んぼの美しさは、言葉に表

せないものがあると思います。

その中を、すずしい風になっ

て通ることが、私のお気に入

りです。そして、その美しい

穂から生まれたお米や、取れ

たての新鮮な魚、汗水流して

育てられた輝く野菜、私はす

べて大好きです。地元の食材

の新鮮さやおいしさが、身に

しみてわかる瞬間は、やすら

ぎの時である、と言いかえる

ことが、できるほどです。

 

私が幼少の頃、楽しい遊具

のそろった「公園」というもの

はありませんでした。でも、

そのおかげで、いろいろな場

所で、たくさんの遊びがうま

れました。山や川の中にも入っ

て、日が暮れるまではしゃぎ

ました。私は、未来の長門市

でも、子供が無邪気に遊んで

いる姿が見たいです。子供だ

けでなく、大人も笑顔の絶え

ない長門市でありたいです。

だから私は、この大切な長門

市を守っていきたいと思いま

す。

 

他県や、他の市から見れば、

この長門市は田舎に見えるの

だと思います。でも、田舎だ

からこそ、私は長門市が大好

きなのです。都会にはない、

夜の黒い幕をつれ、笑うよう

に踊る星達は、いつだって、私

をくぎづけにしてしまうので

す。「おつかれ様、明日も頑張っ

て。耳をすまして、私達の声

を聞いて。」と、ささやいてい

るようで|。

 

教室の窓から外をのぞけば、

豊かな自然が、きらきらとま

ぶしい光と共に入ってきます。

「おはよう。」と、朝のあいさ

つが飛び交う、温かい長門市

が、今日も目覚めました。

朝、学校に行く途中、私は

自信をもってあいさつをする

ことができます。それは、絶

対にさらに元気なあいさつが

返ってくると、分かっているか

らです。花屋のおばさん、車

に荷物をつんでいるおにいさ

ん、散歩中のおじいさん、そ

こには、みんなみんな、忙し

い朝を楽しんでいる笑顔があ

ります。だから私も、いつの間

にか、ほほの筋肉がゆるんで

しまうのです。校舎に入ると、

減少した体力を回復させてく

れるような、やわらかな日ざ

しと、ゆれる木々が、私に笑

いかけます。そんな美しい自

然も、私が長門市にいること

ができてよかったと、思える

りした。私の大好きなホタル

がいなくなるかもしれない

んだ、と思いショックだった。

私は「そんなのはいやだ。」と

思った。そして、ためいきを

ついた。

 

その日の帰り道、私はもっ

と川の近くに木や緑を増や

して、ホタルを増やしたいと

思った。そして、川の近くだ

けじゃなく、いろんな所にも

木や緑を増やして、もっと自

然豊かな長門市になったらい

いと思った。

 

私は、ホタルのイルミネー

ションを来年も再来年も、ず

うっと残したいと思う。私が

大人になったときも、自然の

イルミネーションが残ってい

る長門市であってほしいと思

う。

家庭でも、学校でも、調理さ

れたおいしい魚や野菜が出て

きます。分からないことは、辞

書も逃げ出してしまうぐらい、

知識と知恵のつまったお年寄

りの方に尋ねれば、解決して

しまいます。私はこんなに恵

まれた長門市で育つことがで

きて、とても幸せに思います。

見わたせば、輝くものは、ど

こにでもあるのです。

 

こんなにうれしく、素晴ら

しい環境は、探してもなかな

か見つからないのではないか

と、思います。だから、私は

今の、この自然たっぷりの長

門市を、存続してほしいです。

そして、温かい笑顔とあいさ

つで始まる、最高の朝を、遠

い遠い、「未来」の長門市でも、

どうか、味わうことができま

すように|。

「私の好きな自然豊かな長門市」

2010.5.1 23

向陽小学校5年 

さん

小学生の部 

最優秀賞

「私の古里」

菱海中学校1年 

実 華 さん

中学生の部 

最優秀賞

市制施行5周年記念作文市では、市制施行5周年を記念して「こんなまちになってほしい」というテーマで作文を募集しました。そして、その中から小学校と中学校の部でそれぞれ最優秀賞を選定し、記念式典で発表しました。そのすばらしい作品を紙面でご紹介します(学年は応募当時)。