48
SURVEYING INSTRUMENTS 取扱説明書 GIR1600 ディファレンシャル GPS 受信機

GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

SURVEYING INSTRUMENTS

取扱説明書

GIR1600ディファレンシャル GPS 受信機

Page 2: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

不要になったリチウムイオン電池は、貴重な資源を守るために廃棄しないでリチウムイオン電池リサイクル協力店へお持ちください。

Li-ion

このマークは日本測量機器工業会のシンボルマークです。

Page 3: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

SURVEYING INSTRUMENTS

GIR1600ディファレンシャル GPS 受信機

このたびはディファレンシャル GPS 受信機 GIR1600 をお買い上げいただき、ありがとうございます。● この取扱説明書は、実際に機械を操作しながらお読みください。常に適切な取り扱いと、

正しい操作でご使用くださいますようお願いいたします。

● ご使用前には、標準付属品が全てそろっているかご確認ください。 32 ページの「 10.1 標準付属品一式」

● 扱いやすく、高精度の製品をお届けするため、常に研究・開発を行っております。製品の外観および仕様は、改良のため、予告なく変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

● 掲載のイラストは、説明を分かりやすくするために、実際とは多少異なる表現がされている場合があります。あらかじめご了承ください。

取扱説明書

Page 4: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

ii

本書の読み方

取扱説明書の構成

この製品の説明は、目的ごとに次のように分かれています。それぞれの取扱説明書と併せてご覧ください。(2) はパソコンの画面で見るマニュアルとして、CD-ROM 内に PDF データで入っています。閲覧には、Adobe Reader が必要です。Adobe Reader は、アドビシステムズ株式会社のホームページからダウンロードできます。

(1) GIR1600 取扱説明書(本取扱説明書) : GIR1600 の基本的な機能や使い方を説明しています。

(2) GIR1600 クイックマニュアル : 観測をすぐに行う場合に役立つ情報が掲載されています。本書をお読みになった後に現場に携帯してご覧ください。

(3) GIR1600 設定ソフトウェアプログラム解説書 : 設定ソフトウェアによるGIR1600の設定方法を説明しています。

(4) CDC68 取扱説明書 :バッテリー BDC46B の充電方法を説明しています。

● GIR1600 を位置情報取得プログラム SDR Image Pocket と組み合わせて使用する場合には、それぞれのプログラム解説書と併せてご覧ください。

は、テクニカルコミュニケーター協会が定める「電子マニュアル標準マーク」です。

記号について

本書では、説明の中で次のような記号を使っています。

<ウィンドウ>など : ウィンドウ・ダイアログボックスのタイトルを示します。

[ メニュー ] -[コマンド]など

:メニューの中からコマンドを選択する場合の、[メニュー]をクリックしてから[コマンド]をクリックするという操作を示します。

【接続】など :各ウィンドウ・ダイアログボックスに表示されているボタンを示します。

「COMポート」など :各ウィンドウ・ダイアログボックスに表示されている内容を示します。

:使用上の注意事項や、作業前に読んでいただきたい重要事項を示します。

:関連する章(節、項)や参照していただきたい章(節、項)とそのページを示します。

: 補足事項を示します。

: 用語や測定方法の解説を示します。

Page 5: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

iii

本書の読み方

本書の記述について

本書で使用している用語の定義や記載内容のルールは以下のとおりです。

・ GPS 受信機 GIR1600 とアンテナ GSA3 を合わせて、以下「GIR1600」と表記します。

・ GPS 受信機 GIR1600 のみを指す場合は、以下「受信機」と表記します。

・ アンテナ GSA3 のみを指す場合は、以下「アンテナ」と表記します。

・ 位置情報取得プログラム SDR Image Pocket に対応するコンピュータを、以下「ハンディターミナル」と表記します。

・ Bluetoothは Bluetooth SIG. INC. の登録商標です。

・ Windowsは米国 Microsoft Corporation の登録商標です。

・ Adobe Reader はアドビシステムズ株式会社の登録商標です。

・ その他、本書中の社名や商品名は各社の商標または登録商標です。

Page 6: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

iv

目次

1. 安全にお使いいただくために.................... 1

2. 使用上の注意.................................. 4

3. 製品概要...................................... 7

4. 各部の名称と機能.............................. 84.1 各部の名称 ....................................... 84.2 電源ボタン ....................................... 84.3 ステータスランプの機能 ........................... 94.4 通信/電源ポートの機能 .......................... 10

4.4.1 通信/電源ポートのピン配置 ............... 114.5 アンテナ/アンテナキャップの着脱 ................ 11

5. バッテリー/外部電源の準備................... 135.1 バッテリーの装着 / 取りはずし .................... 135.2 AC アダプタの接続................................ 14

6. 観測スタイルと準備 ........................... 166.1 トレッキングスタイル ............................ 176.2 サーベイスタイル ................................ 206.3 バックパックスタイル ............................ 22

7. 観測の流れ ................................... 24

8. 設定ソフトウェア............................. 258.1 動作環境 ........................................ 258.2 設定ソフトウェアのインストール ................... 268.3 設定ソフトウェア(「簡単設定」)の使い方 ......... 268.4 「簡単設定」の画面 ............................... 28

9. 困ったときは ................................. 31

10.付属品について ............................... 3210.1 標準付属品一式 ................................... 3210.2 特別付属品 ...................................... 33

11.用語解説..................................... 36

12.仕様 ......................................... 39

Page 7: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

1

1. 安全にお使いいただくために

本取扱説明書および製品には、製品を安全にお使いいただき、お使いになる人や他の人への危害、財産への損害を未然に防ぐために、必ずお守りいただきたいことが表示されています。その内容と図記号の意味は次のようになっています。内容をよく理解してから本文をお読みください。

表示の意味

全体について

警告この表示を無視して、誤った取り扱いをすると、使用者が死亡または重傷を負う可能性が規定される内容を示しています。

注意この表示を無視して、誤った取り扱いをすると、使用者が傷害を負う可能性が規定される内容および物的損害のみの発生が予想される内容を示しています。

この図記号は注意(警告を含む)を促す事項があることを示しています。この図の中や近くに、具体的な注意内容が書かれています。

この図記号は禁止事項があることを示しています。この図の中や近くに、具体的な禁止内容が書かれています。

この図記号は必ず行っていただきたい事項があることを示しています。この中や近くに、具体的な指示内容が書かれています。

警告

炭坑や炭塵の漂う場所、引火物の近くで使わないでください。爆発のおそれがあります。

分解・改造をしないでください。火災・感電・ヤケドのおそれがあります。

雷が発生する天候下では使わないでください。本製品は導電体ですので、落雷を受けて死傷するおそれがあります。

高圧線・変電設備の近くで使用する際は、取り扱いに十分注意してください。本製品は導電体ですので、接触すると感電のおそれがあります。

注意

受信機やアンテナをポールに止めるときは、受信機とポールを確実に固定してください。不確実だと受信機やアンテナが落下して、ケガをするおそれがあります。

受信機やアンテナを載せたポールは確実に地面に立ててください。不確実だと、ポールが倒れてケガをするおそれがあります。

Page 8: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

1. 安全にお使いいただくために

2

電源について

Bluetooth 無線技術について

ポールの石突きを人に向けて持ち運ばないでください。人に当たると、ケガをするおそれがあります。

ポールを立てるときは、脚もとに人の手・足がないことを確認してください。手・足を突き刺して、ケガをするおそれがあります。

警告

端子をショートさせないでください。大電流による発熱や発火のおそれがあります。

充電器および AC アダプタに衣服などを掛けて充電しないでください。発火を誘発し、火災のおそれがあります。

表示された電源電圧以外の電圧で使用しないでください。火災・感電の原因となります。

傷んだケーブル・プラグ・ゆるんだコンセントは使わないでください。火災・感電のおそれがあります。

バッテリーの充電には、専用の充電器を使ってください。他の充電器を使うと、電圧や+-の極性が異なることがあるため、発火による火災・ヤケドのおそれがあります。

バッテリーを火中に投げ込んだり、加熱したりしないでください。破裂してケガをするおそれがあります。

バッテリーや充電器を他の用途に使用しないでください。発熱・発火による火災・ヤケドのおそれがあります。

バッテリーを保管する場合は、ショート防止のために、端子に絶縁テープを貼るなどの対策をしてください。そのままの状態で保管すると、ショートによる火災やヤケドのおそれがあります。

水にぬれたバッテリー、充電器および AC アダプタを使わないでください。ショートによる火災・ヤケドのおそれがあります。

ぬれた手で電源プラグを抜き差ししないでください。感電のおそれがあります。

注意

バッテリーからもれた液に触らないでください。薬害によるヤケド・カブレのおそれがあります。

警告

病院内で使用しないでください。医療機器の誤動作の原因になるおそれがあります。

Page 9: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

3

1. 安全にお使いいただくために

心臓ペースメーカーの装着部位から 22cm以上離して使用してください。電波によりペースメーカーの動作に影響を与えるおそれがあります。

飛行機の中で使用しないでください。飛行機の計器などの誤動作の原因になるおそれがあります。

自動ドア、火災報知器等の自動制御機器の近くで使用しないでください。電波が自動制御機器の動作に影響を与え、誤動作による事故の原因になるおそれがあります。

Page 10: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

4

2. 使用上の注意

GIR1600 の取り扱い上の注意、および、衛星からの電波を正確に受信するための注意について説明します。 注意事項に関連する各部の名称について:「 4. 各部の名称と機能」(8 ページ)

衛星からの電波を確実に受信するために

衛星からの電波を確実に受信し、ロックオフやマルチパスを避けるために、以下のことにご注意ください。

・ アンテナの上に物をのせたり、強く押さえつけたりしないでください。

・ 受信機の近くに、発電器など電波を発生する物を近づけないでください。正常に受信できなくなることがあります。

・ 観測中は、アンテナ上部に手を出したり、触れたりしないでください。

・ 観測する場所の周囲に山や建物・送電線・木の枝など、衛星からの電波をさえぎる物がないことをご確認ください。

・ 受信機には静電気保護回路が組み込まれていますが、強い静電気は受信機の誤動作を引き起こす恐れがありますのでご注意ください。

防塵・防水について

防塵、防水性能は、受信機は IP55 に、アンテナは IP57 に、それぞれ適合しています。使用にあたっては以下のことにご注意ください。

・ アンテナの防水性能は「7」です。これは水中で使用または放置することを保証するものではありません。

・ バッテリーカバーとポートカバーはきちんと閉め、アンテナはきちんと装着してください。これらを閉めた(装着した)状態でのみ、保証する性能を発揮します。

・ アンテナコネクタと通信/電源ポートに水分や塵がつかないように十分注意してください。これらの部分から機械内部に水分や塵が侵入すると、故障の原因となります。汚れたり水がついた場合は、乾いたやわらかい布等でふいてください。

・ 使用しないときは、本体(特にコネクタ)が乾いていることを確認してください。ぬれたまま放置すると、故障の原因となることがあります。

バッテリーについて

・ ご使用の前には、必ずバッテリーを満充電してください。

「CDC68 取扱説明書」

Bluetooth 無線技術を使ったワイヤレス通信

GIR1600 は、Bluetooth 無線技術により、他の Bluetooth 機器とワイヤレスで通信することができます。

・ 海外で使用する場合は、その国の電波法の認証が必要になります。ご使用の際は、あらか

じめ 寄りの営業担当にご相談ください。

・ 無線局の免許は必要ありません

Page 11: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

5

2. 使用上の注意

・ 通信内容および通信に付随する内容の補償はできません。重要な通信を行う場合は事前に問題なく通信ができるかどうか十分なテストを行ってください。

・ 他人の通信内容を、第三者にもらしたりしないでください。

・ GIR1600 を使用する前に、近くで移動体識別用の構内無線局および特定小電力無線局が運用されていないことを確認してください。

・ 万一、GIR1600 から移動体識別用の構内無線局に対して電波干渉の事例が発生した場合には、速やかに電波の発射を停止した上、混信回避のための処置等(例えば、有線による接続など)を行ってください。その他、本製品から移動体識別用の特定小電力無線局に対して電波干渉の事例が発生した場合などは、 寄りの営業担当にご相談ください。

・ 他の Bluetooth 対応機との通信時、途中に障害物がある場合には、通信距離が短くなります。特にコンクリートや鉄筋コンクリート、金属がある場合は通信できません。木材やガラス、プラスチックなどは通過しますので、通信はできます。ただし、内部に鉄骨や鉄板、アルミ箔を使用した断熱材等使用されている場合や、金属粉を混ぜた塗料で塗装してある場合も通信できないことがあります。

・ 通信時は電子レンジから 3m 以上離してください。強い電波の干渉により正常に通信できない場合があります。また、テレビ、ラジオなどの付近では通信に影響はありませんが、これらの音響機器の受信障害になる場合があります。

・ 無線機や放送局の近くで正常に通信ができない場合は、通信場所を変更してください。

・ 無線 LAN 機器との電波障害についてIEEE802.11b または IEEE802.11g の無線 LAN 機器と本製品は同一周波数帯(2.4GHz)を使用するため、お互いを近くで使用すると、電波障害が発生し、通信速度の低下や接続不能になる場合があります。この場合は、使用しない機器の電源を切ってください。

・ 雨天や霧、森林の中、人ごみや地面の近くでは通信距離が短くなることがあります。GIR1600 で使用している電波は、水分に吸収され電波が弱くなることがあります。また、地面の近くでは電波が弱くなりますので、無線装置はできるだけ高いところで使用してください。

・ 弊社は、すべての Bluetooth 対応機との通信を保障するものではありません。

周波数GIR1600 の Bluetooth 無線技術の使用周波数は、2.4GHz 帯域です。この周波数帯では、電子レンジや産業・科学・医療用機器等のほか、工場の製造ライン等で使用されている移動体識別用の構内無線局(免許を要する無線局)および特定小電力無線局(免許を要しない無線局)が運用されています。上記機器の近くで GIR1600 を使用すると、電波の干渉が発生するおそれがあります。そのため、通信ができなくなったり速度が遅くなったりする場合があります。テレビ、ラジオなどは、Bluetooth 無線とは異なる電波の周波数帯を使用しています。そのため、GIR1600 の近くでこれらの機器を使用しても、GIR1600 の通信やこれらの機器の通信に影響はありません。ただし、これらの機器を Bluetooth 製品に近づけた場合は、GIR1600 を含む Bluetooth製品が発する電磁波の影響によって、音声や映像にノイズが発生する場合があります。

メンテナンスについて

・ 汚れた場合は、水または薄めた中性洗剤に浸したやわらかい布を固く絞って汚れをふきとってください。アルカリ性洗剤や有機溶剤は使用しないでください。

・ 湿気が少なく、安定した場所に保管してください。

Page 12: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

2. 使用上の注意

6

その他の注意

・ 落下や転倒など、大きな衝撃・振動を与えないでください。

・ 長期間にわたる連続使用や湿度の高い環境下など、特殊な条件でお使いになる場合は、あらかじめ 寄りの営業担当にご相談ください。ご使用の環境によっては、保証の対象外となります。

Page 13: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

7

3. 製品概要

GIR1600 は、地籍調査や深浅測量の位置決めなどの高精度なものから、GIS 調査、物流まで、様々な位置情報ソリューションに応える高性能 DGPS 受信機です。

補正情報の受信で、高精度な観測

GPS 受信機と中波ビーコン受信機の両方を内蔵しています。海上保安庁の電波灯台からのディファレンシャル補正情報と MSAS によるディファレンシャル補正情報でサブメータ(1m以下)の精度の観測を行えます。 「 10.2 用語解説」(36 ページ)

簡単!手軽!-アンテナと受信機一体型のコンパクト設計-

アンテナと受信機は一体型、超小型・超軽量です。しかも、アンテナは着脱可能です。TPOに合わせた軽快な作業スタイルが実現します。

あらゆる位置情報ソリューションに対応

当社の位置情報取得プログラム「SDR Image Pocket」などとデジタルカメラと組み合わせることにより、電気、ガス、水道などのユーティリティ、GIS データの収集、農業、森林、環境調査およびモニタリング、施設管理、海上測量などの様々な業務分野で位置データの収集と管理が効率的に行えます。

ワイヤレス通信

Bluetooth 無線技術を用いたワイヤレス通信に対応しています。ケーブルを用いずにハンディターミナルで操作をすることが可能です。わずらわしい配線が無くなり、作業効率もアップします。

Page 14: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

8

4. 各部の名称と機能

・ ポール取り付けねじ(受信機底面・アンテナ裏面)に、カメラ用三脚も取り付けることが

できます。

約 1 秒間長押しすることにより、電源を ON / OFF にします。

4.1 各部の名称

4.2 電源ボタン

Page 15: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

9

4. 各部の名称と機能

ステータスランプにより、GPS 衛星の信号や補正情報の受信状態、Bluetooth 接続の通信状態などを確認できます。

・ 電源を ON にしてから 30 分間 Bluetooth 接続を行わなかった場合/ Bluetooth 通信切断後

30 分経過した場合は、省電力のため停止状態になり、ワイヤレスランプが消灯します。Bluetooth 接続を行う際には、いったん受信機の電源を OFF にし、再度電源を ON にしてください。

4.3 ステータスランプの機能

アイコン 名称 ランプの状態 説明

電源ランプ

緑点灯電源が ON の状態「4.2 電源ボタン」

赤点滅バッテリーの残量が少ない「CDC68 取扱説明書」

GPS ランプ

オレンジ点灯 GPS 衛星の信号を受信し、測位中

消灯GPS 衛星の信号を全く受信していない、または衛星数が足りない

補正 1 ランプ

オレンジ点灯 補正情報を受信している

オレンジ点滅 補正情報が古い

消灯 補正情報を受信していない

補正 2 ランプ

緑点灯 DGPS 測位中

緑点滅 DGPS 精度を満たしていない

消灯 DGPS 状態になっていない

ワイヤレスランプ

青点灯 Bluetooth 通信中

青点滅 通信可能な Bluetooth 機器を待ち受け中

消灯

省電力停止中(電源を ON にしてから 30 分間 Bluetooth通信を行わないとき/ Bluetooth 通信切断後 30 分経過したとき)

Page 16: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

4. 各部の名称と機能

10

通信/電源ポートは、外部機器との通信や外部電源の供給に使用します。 接続に関する注意事項:「 5.2 AC アダプタの接続」(14 ページ)、

「 8.3 設定ソフトウェア(「簡単設定」)の使い方」(26 ページ)

・ ポートはカバーにより防塵・防水されます。ポートを使用しないときは、必ずカバーを

しっかりとかぶせてください。

・ ポートカバーを強く引っ張らないでください。

● 通信ポートとして使用できます

通信ポートにはコンピュータを接続します。

● 電源ポートとして使用できます

バッテリーを使用せず、特別付属品の AC アダプタ(EDC2A)を使って電源供給することもできます。

「 5.2 AC アダプタの接続」(14 ページ)

4.4 通信/電源ポートの機能

目的 接続

受信機の設定内容を変更するために設定ソフトウェアを使用する「6.3 設定ソフトウェア」

・ インターフェースケーブル(DOC120)で、パソコンを接続します。

受信機を車載して移動しながら観測する/船載して深浅測量などを行う

・ インターフェースケーブル(DOC120)で、パソコンを接続します。

・ 外部電源を使用する場合は、電源ケーブル(DOC124)を使用します。

Page 17: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

11

4. 各部の名称と機能

4.4.1 通信/電源ポートのピン配置

・「ポート A」は、ハンディターミナルやパソコンとケーブル有線で接続するときのポートで

す。

・「ポート B」は、外部補正情報を取得するときのポートです。

アンテナは、観測スタイルに合わせ、取りはずして使用することができます。 「 6.1 トレッキングスタイル」(17 ページ)

・ アンテナ/アンテナキャップの着脱は、必ずアンテナ着脱用レバーを持って行ってくださ

い。誤ってアンテナを直接手で回転させると、アンテナコネクタが破損するおそれがあります。

・ アンテナを取りはずす場合は、ケーブル接続後、付属のアンテナキャップを装着してください。

ピン番号 信号名 説明

1 EXT DC in 外部電源入力 

2 SD-A (TXD-A) ポート A データ出力

3 RD-A (RXD-A) ポート A データ入力

4 NC

5 SG (GND) GND

6 SD-B (TXD-B) ポート B データ出力

7 NC

8 RD-B (RXD-B) ポート B データ入力

9 1PPS 1Hz 出力

4.5 アンテナ/アンテナキャップの着脱

Page 18: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

4. 各部の名称と機能

12

手順 取りはずし

1. 左側のアンテナ着脱用レバーを右に回す左側のアンテナ着脱用レバーを装着位置マークまで回すと、カチッと音がして、アンテナがはずれます。

手順 装着

1. 左側のアンテナ着脱用レバーが、受信機の装着位置マークまで回って固定している状態であることを確認する

2. アンテナを受信機に載せるアンテナの装着位置マークと受信機の装着位置マークを合わせて、アンテナを載せます。

3. 右側のアンテナ着脱用レバーを左に回す右側のアンテナ着脱用レバーを装着位置マークまで回すと、カチッと音がして、アンテナが装着されます。

・ アンテナキャップの着脱も同様にします。

Page 19: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

13

5. バッテリー/外部電源の準備

充電されたバッテリーを装着します。

手順 装着

1. バッテリーカバーを開ける開閉ノブを「OPEN」の位置に合わせ、バッテリーカバーを開けます。

2. バッテリー(BDC46B)を装着するバッテリーの+と-が記載されている面を上に、電極を奥に向けて、カチッと音がするまで差し込みます。

3. バッテリーカバーを閉めるバッテリーカバーを閉め、開閉ノブを

「CLOSE」の位置に合わせます。

5.1 バッテリーの装着/取りはずし

Page 20: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

5. バッテリー/外部電源の準備

14

手順 取りはずし

1. 受信機の電源を OFF にする

2. バッテリーカバーを開ける開閉ノブを「OPEN」の位置に合わせ、バッテリーカバーを開けます。

3. 取りはずしレバーを押して、バッテリーを取りはずす

4. バッテリーカバーを閉めるバッテリーカバーを閉め、開閉ノブを「CLOSE」の位置に合わせます。

バッテリーを使用せず、特別付属品の AC アダプタ(EDC2A)を使って電源供給することもできます。 通信/電源ポートに関する注意事項:「 4.4 通信/電源ポートの機能」(10 ページ)、

AC アダプタ(EDC2A)について:「 10.2 特別付属品」(33 ページ)

・ ケーブルは丁寧に取り扱ってください。ケーブルを取りはずす時は、ケーブルのコネクタ

部分をつかんでください。じかにケーブルを引っ張らないでください。

・ ケーブルを挿入する前に、使用するケーブルとコネクタが正しいか確認してください。

・ ケーブルは確実に接続してください。

・ AC アダプタは、使用中多少熱を持ちますが異常ではありません。

・ GIR1600 に 6 ~ 40V 以外の電圧を供給しないでください。使用可能範囲外の電源を接続すると、故障の原因になります。適切な電圧の電源を接続して GIR1600 を起動してください。

・ バッテリーを装着していても AC アダプタを受信機に接続している場合は、外部電源が優先されます。AC アダプタを受信機から取りはずすと、自動的に装着しているバッテリーへ切り替わります。

・ AC アダプタは外部電源供給用です。バッテリーを装着していてもバッテリーの充電は行われません。

5.2 AC アダプタの接続

Page 21: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

15

5. バッテリー/外部電源の準備

手順 AC アダプタの接続(電源供給)

1. 電源ケーブル(EDC123)と AC アダプタ(EDC2A)を接続する

2. 受信機の通信/電源ポートに電源ケーブル(EDC123)を接続する

3. 電源ケーブル(EDC113)を AC アダプタ(EDC2A)に取り付け、プラグをコンセントに差し込む

手順 AC アダプタの接続(電源供給と通信)

1. 電源ケーブル(EDC124)と AC アダプタ(EDC2A)を接続する

2. 受信機の通信/電源ポートに電源ケーブル(EDC124)を接続する

3. 電源ケーブル(EDC113)を AC アダプタ(EDC2A)に取り付け、プラグをコンセントに差し込む

4. 電源ケーブル(EDC124)の通信用コネクタとインターフェースケーブル(DOC120)を接続する

5. インターフェースケーブル(DOC120)とパソコンを接続する

Page 22: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

16

6. 観測スタイルと準備

GIR1600 は、作業の内容に応じてさまざまな観測スタイルが可能ですが、衛星からの電波を正確に受信するために、以下の推奨スタイル(トレッキングスタイル、サーベイスタイルまたはバックパックスタイル)で観測いただきますようお願いいたします。

・ 取りはずしたアンテナのみをポールに取り付けるスタイルもあります。この場合は、特別

付属品のアンテナケーブルで、受信機とアンテナを接続してください。

特別付属品:「 10.2 特別付属品」(33 ページ)・ 車載して移動しながら観測するスタイルや船載して深浅測量の正確な位置出しなどを行う

スタイルなどがあります。この場合、ハンディターミナルではなくパソコンを接続します。

Page 23: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

17

6. 観測スタイルと準備

トレッキングスタイルは、受信機をポシェットに入れ、取りはずしたアンテナを肩に取り付けたスタイルです。両手が自由になるので、ハンディターミナルを使ってのデータ収集や写真撮影などが効率的に行えます。ポシェット(SC221)やショルダーベルト・ショルダーパット(SDB4)を含むトレッキングセットとアンテナケーブル(GSC16)は特別付属品です。特別付属品:「 10.2 特別付属品」(33 ページ)

・ トレッキングスタイルでは、MSAS の補正情報を受信して観測します。

・ ケーブルは確実に接続してください。

・ アンテナとアンテナケーブルが、ショルダーベルトに確実に固定されていることをご確認の上、観測してください。

・ MSAS 衛星は赤道上空に位置します。南方向の上空(高度角 50°)から MSAS の電波を受信しますので、アンテナを載せている肩を南方向に向け、アンテナをできるだけ傾けないように観測してください。

・ 特別付属品のポシェットに入れて観測することにより、外部からの衝撃や振動に耐えるよう考慮していますが、観測時には、できるだけ落下や転倒などによる大きな衝撃や振動を与えないようにしてください。

6.1 トレッキングスタイル

Page 24: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

6. 観測スタイルと準備

18

手順 トレッキングスタイル用アクセサリーの装着

1. アンテナ(GSA3)を取りはずす「4.5 アンテナ/アンテナキャップの着脱」

(11 ページ)

2. アンテナケーブル(GSC16)の受信機側コネクタを受信機に接続し、アンテナキャップを装着する

3. 受信機をポシェット(SC221)に入れる

4. ショルダーベルトにショルダーパットを取り付ける

Page 25: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

19

6. 観測スタイルと準備

5. アンテナケーブルをアンテナホルダーに通し、アンテナを取り付けるまず、L 字型コネクタを取り付けたアンテナケーブルをアンテナホルダーに通し、ケーブルキャップを取り付けます。

アンテナケーブルのコネクタを、アンテナのアンテナコネクタに接続します。アンテナホルダーのねじをアンテナのポール取り付けねじに差し込み、ねじを回して固定します。

6. アンテナホルダーを丸めて固定する

7. ショルダーパットにアンテナホルダーを装着する手順 5、でアンテナとアンテナケーブルを取り付けたアンテナホルダーを、ショルダーパットに装着します。

8. ポシェットを肩に掛ける

Page 26: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

6. 観測スタイルと準備

20

サーベイスタイルは、より精度を重視する、エキスパート向けのスタイルです。ポールに、受信機(アンテナを装着)とハンディターミナルを取り付けます。測高スライドポール(AP61)は特別付属品です。ハンディターミナルは別売品です。特別付属品:「 10.2 特別付属品」(33 ページ)

・ サーベイスタイルでは、MSAS の補正情報を受信して観測します。

・ 受信機、アダプタおよびポールがしっかりと取り付けられているかご確認の上、観測してください。

・ 受信機をできるだけ頭部より高く上げて観測してください。

・ MSAS 衛星は赤道上空に位置します。受信機をできるだけ傾けないように観測してください。

6.2 サーベイスタイル

Page 27: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

21

6. 観測スタイルと準備

手順 サーベイスタイル用アクセサリーの装着

1. 測高スライドポール(AP61)にポールアタッチメント(SB165)を装着し、ハンディターミナルを取り付ける 

2. 受信機の底面のポール取り付けねじにアンテナ取り付け変換アダプタ(SB181)取り付ける

3. アンテナ取り付け変換アダプタにポールを取り付ける

イラスト挿入予定

Page 28: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

6. 観測スタイルと準備

22

バックパックスタイルは、中波ビーコンアンテナを取り付けたポールと受信機をバックパックに入れて背負うスタイルです。バックパック(SC222)は特別付属品です。特別付属品:「 10.2 特別付属品」(33 ページ)

・ バックパックスタイルでは、中波ビーコンの補正情報を受信して観測します。

・ ケーブルは確実に接続してください。

・ アンテナを取り付けたポールをできるだけ頭部より高く調整して観測してください。

・ 特別付属品のバックパックに入れて観測することにより、外部からの衝撃や振動に耐えるよう考慮していますが、観測時には、できるだけ落下や転倒などによる大きな衝撃や振動を与えないようにしてください。

6.3 バックパックスタイル

Page 29: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

23

6. 観測スタイルと準備

手順 サーベイスタイル用アクセサリーの装着

1. アンテナ(R80D-AN4)を伸縮式アルミポールに取り付ける

2. アンテナケーブル(GSC26-03)をバックパックに通し、アンテナ変換ケーブル(GSC16R)をアンテナケーブルに接続し、受信機側コネクタ(L 型)を受信機に接続する

3. 受信機にアンテナキャップを装着する

4. アンテナケーブルをアンテナに接続する

5. 伸縮式アルミポールの長さを調節する

6. バックパックを背負う

Page 30: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

24

7. 観測の流れ

位置情報取得プログラム「SDR Image Pocket」や、その他のアプリケーションソフトウェアなどとデジタルカメラと組み合わせることにより、様々な業務分野で位置データの収集と管理が効率的に行えます。観測は以下の手順で行います。

● 機器を接続します

観測スタイルに合わせ、機器を接続します。

「 6. 観測スタイルと準備」(16 ページ)

● 受信機とハンディターミナルの電源を ON にします

● Bluetooth 通信の接続確立をします

Bluetooth 通信を行うためには、あらかじめハンディターミナルの設定が必要です。

その後、ハンディターミナルで Bluetooth 通信の接続確立をします。

ハンディターミナルの設定:「SDR Image Pocket スタートアップマニュアル」接続確立:「GIR1600 クイックマニュアル」または「SDR Image Pocket スタートアップマニュアル」

● ステータスランプの確認をします

ステータスランプで、観測可能な状態になったか確認します。

「 4.3 ステータスランプの機能」(9 ページ)

・状態の確認は、ハンディターミナルに搭載した SDR Image Pocket でも行えます。

● 観測を始めます

ハンディターミナルに搭載したアプリケーションソフトで位置データを取得します。

SDR Image Pocket をお使いの場合:「SDR Image Pocket(バッチ処理編)プログラム解説書」/「SDR Image Pocket(画像取込編)プログラム解説書」

● 観測で取得した位置データをコンピュータに取り込み、運用します

取得した位置データをコンピュータに取り込みます。

一括登録プログラムをお使いの場合:「一括登録プログラム解説書」

Page 31: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

25

8. 設定ソフトウェア

パソコンにインストールした設定ソフトウェアにより、受信機の設定内容の変更や、現在の設定状況および測位状況の確認ができます。ここでは「簡単設定」について説明します。簡単設定:補正情報の取得方法の設定と設定の初期化ができます。詳細設定:NMEA 出力、補正情報の取得方法、通信速度、設定の初期化やその他の設定などができます。「詳細設定」:「設定ソフトウェアプログラム解説書」

設定ソフトウェアは次の環境で動作します。

・ お使いの Windows 環境によりボタンなどの文字が画面に収まりきらない場合があります。

その場合には、タスクバーの [ スタート ] - [ コントロールパネル ] の画面アイコンを選択し、「設定」タブの「詳細設定」を押して「DPI 設定」を「通常のサイズ(96 DPI)」にしてください。

8.1 動作環境

基本ソフトウェア Windows 2000/XP

コンピュータ 基本ソフトウェア のシステム要件に対応したコンピュータが必要です。

メモリ 基本ソフトウェアのシステム要件が推奨する搭載量以上が必要です。

ハードディスクドライブ 設定ソフトウェアをインストールするために約 60MB 以上の空き領域が必要です。

ディスプレイ 基本ソフトウェアに対応している 800 × 600 以上の解像度をもつカラーディスプレイで、カラー 256 色以上を推奨します。

シリアル・ポート 受信機との通信に使用します。

その他 CD-ROM ドライブ、マウス、キーボード

Page 32: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

8. 設定ソフトウェア

26

設定ソフトウェアはコンピュータのハードディスクにインストールして使用します。設定ソフトウェアのインストールは以下の手順で行います。

手順

1. Windows2000/XP を起動する

2. CD ドライブに設定ソフトウェアの CD-ROM を挿入する

3. タスクバーのスタートボタンをクリックして[ファイル名を指定して実行(R)]を選択する<ファイル名を指定して実行>が表示されます。

4. 名前に“D:\ConfigTool\setup.exe”と入力する「D」は CD-ROM を挿入したドライブ名を表します。

5.【OK】を押す設定ソフトウェアのセットアッププログラムが起動します。画面の指示に従い、インストール作業を進めてください。

インストール作業が終了すると、タスクバーの [ スタート ]-[ プログラム ] に [Sokkia]-[GIR1600_TOOL]-[GIR1600 Setup Software] が登録され、デスクトップにショートカットが作成されます。

・ setup.exe は、Windows アプリケーションです。Windows のエクスプローラで setup.exe を

ダブルクリックしても起動します。

・ アンインストールは、コントロールパネルの「プログラムの追加と削除」から行います。

表示項目:「 8.4「簡単設定」の画面」(28 ページ)

・ ケーブルは丁寧に取り扱ってください。ケーブルを取りはずす時は、ケーブルのコネクタ

部分をつかんでください。じかにケーブルを引っ張らないでください。

・ ケーブルを挿入する前に、使用するケーブルとコネクタが正しいか確認してください。

・ ケーブルは確実に接続してください。

・ かならず、Windows を起動してから、受信機の電源を ON にしてください。

・ 中波ビーコンの補正情報を受信するためには、ここでの設定変更の他にアンテナ(R80D-AN4)やアンテナ変換ケーブルなどが必要です。

「 10.2 特別付属品」(33 ページ)

8.2 設定ソフトウェアのインストール

8.3 設定ソフトウェア(「簡単設定」)の使い方

Page 33: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

27

8. 設定ソフトウェア

手順 補正情報取得の設定を変更する

1. 受信機とパソコンをインターフェースケーブル(DOC120)で接続する

2. Windows を起動する

3. 受信機の電源を ON にする

4. ソフトウェアを起動するタスクバーの [ スタート ]-[ プログラム ]-[Sokkia]-[GIR1600_TOOL]-[GIR1600 Setup Software] を選択し、設定ソフトウェアを起動します。

または、デスクトップの をダブルクリックします。

設定ソフトウェアが起動します。

5. COM ポートを選択する接続情報の「COM ポート」で、インターフェースケーブルを接続したパソコンのポートを 1 ~ 16 から選択します。

6. 受信機と接続する【接続】を押して、受信機と接続します。「接続しました」が表示されたら受信機との接続が完了です。確認ランプが青色になります。

7. 設定タブを選択する

8. 補正情報取得の設定を変更する【ビーコン自動サーチに設定】または【MSAS自動サーチに設定】を押して設定を変更します。設定中は確認ランプが黄色になり、完了すると青色に戻ります。

・【MSAS 自動サーチに設定】を押したにもかかわらず、MSAS 補正情報が受信ができない場合は、以下に示す手順で再設定をしてください。「GIR1600 設定ソフトウェアプログラム

解説書」の「3.2 補正情報取得の設定」

Page 34: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

8. 設定ソフトウェア

28

9. 受信機との接続を切断する【切断】を押して、受信機との接続を切断します。設定保存のメッセージが表示されたら【はい】を押します。設定中は確認ランプが黄色になり、完了すると確認ランプが消えます。

・【いいえ】を押すと設定は保存されません。受信機の電源を OFF にすると、元の設定に戻ります。

10.設定ソフトウェアを終了する確認ランプが消えていることを確認し画面右上の【×】を押して設定ソフトウェアを終了します。

8.4 「簡単設定」の画面

接続情報 確認ランプ 受信機情報 1 バージョン

詳細ボタン 設定ボタン

タブ 受信機情報 2

Page 35: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

29

8. 設定ソフトウェア

項目 説明

タブ設定タブ :主に設定を行います。

測位状況モニタタブ:「設定ソフトウェアプログラム解説書」

接続情報

「COM ポート」:インターフェースケーブルを接続したパソコンのポートを 1~ 16 から選択します。

【接続】:受信機との接続を開始します。【切断】:受信機と接続中に押すと、切断処理をします。

接続処理状態がメッセージで表示されます。

確認ランプ

通信状況や受信機設定状況が色別で表示されます。消灯 :受信機と接続していません。青 :受信機と正常に接続しています。黄 :受信機に設定を送信するなどの作業をしています(正常に設定が完

了すると青色に戻ります)。黄色の間はボタン操作などを行わないでください。

赤 :エラーが発生しています。内容に応じて対処してください。 下記の各エラーの対処法を試してもエラーが消えない場合は、いったん受信機の電源を OFF にし、パソコンを再起動し、再度受信機との接続を試してください。それでも解決しない場合は 寄りの営業担当にご連絡ください。

COM ポートエラー :選択した COM ポートが間違っています。インターフェースケーブルを接続したパソコンのポートを確認して設定し、再度【接続】を押してください。

「接続情報」

接続エラー :受信機との通信でエラーが発生しています。以下の項目を確認してください。①受信機の電源が ON になっているか、②インターフェースケーブルが確実に接続されているか、③インターフェースケーブルを接続したパソコンのポートが正しいか。その後、再度【接続】を押してください。

「接続情報」

設定に失敗しました。もう一度お願いします:入力範囲外を設定しました:

設定に失敗しています。設定内容を確認し、再度設定をしてください。

High Rate エラー :ご使用の受信機が、設定した GGA 出力レートに対応していません。表示されるメッセージで【OK】を押すと元の設定に戻ります。

高出力レート:「受信機情報 2」

Page 36: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

8. 設定ソフトウェア

30

受信機情報1

受信機名、GPS ボード番号が表示されます。

現在観測に使用している補正情報が表示されます。「SBAS」 :MSAS、WAAS または EGNOS いずれかの補正情報を使用しています。「ビーコン」:中波ビーコンの補正情報を使用しています。「外部」 :外部補正情報を使用しています。

受信機のポート:「設定ソフトウェアプログラム解説書」

受信機情報2

受信機の接続ポート情報、受信機の現在の設定が工場設定と一致しているか比較した情報および受信機の 高 GGA 出力レートが表示されます(A ポート接続時のみ)。

・ 使用している補正情報に常にご注意ください。

バージョン 設定ソフトウェアのバージョンが表示されます。

設定ボタン【ビーコン自動サーチに設定】 :取得する補正情報を中波ビーコンに設定します。【MSAS 自動サーチに設定】 :取得する補正情報を MSAS に設定します。【工場出荷状態に設定】 :工場出荷時の設定に戻します。

詳細ボタン【詳細...】:より詳しい設定をするための「詳細設定」に切り替わります。

「設定ソフトウェアプログラム解説書」

項目 説明

Page 37: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

31

9. 困ったときは

以下の状況が発生したときには、対応する「対処方法」を実施してください。改善されないときには、 寄りの営業担当にご連絡ください。

状  況 対処方法

受信機の電源が入らない ・ バッテリーを十分に充電してください。

電源ランプ が点灯しない

・ 充電されたバッテリーを使用してください。

・ 外部電源のみ使用の場合は、AC アダプタや電源ケーブルが確実に接続されているか確認してください。

GPS ランプ が点灯しない

・ アンテナとアンテナケーブルが確実に接続されているか確認してください。

・ 上空に衛星の受信を阻害する障害物がないか確認してください。

補正1ランプ が点灯しない

・ アンテナとアンテナケーブルが確実に接続されているかを確認してください。

・ MSAS の補正情報使って観測する場合は、上空に衛星の受信を阻害する障害物がないか確認してください。

・ 中波ビーコンの補正情報を使って観測する場合は、特別付属品のアンテナ(R80D-AN4)をご使用ください。

補正2ランプ が

点灯しない

・ 補正1ランプが点灯しないと補正2は点灯しませんので、「補正 1 ランプが点灯しない」の対処方法を実施してください。

ワイヤレスランプ

が点灯しない

・ 電源を ON にしてから 30 分間 Bluetooth 接続を行わなかった場合/ Bluetooth 通信切断後 30 分経過した場合は、省電力のため停止状態になります。Bluetooth 接続を行う際には、いったん受信機の電源を OFF にし、再度電源を ON にしてください。

Bluetooth 通信ができない

・ 通信する Bluetooth 機器の設定が正しく行われているか確認してください。

・ 通信する Bluetooth 機器を受信機に近づけたり、通信の障害物を取り除いてください。

・ ワイヤレスランプが消灯しているときは、いったん受信機の電源を OFF にし、再度電源を ON にしてください。

・ 他の Bluetooth 機器と接続中でないか確認してください。接続中であれば切断してください。

シリアル通信(ケーブル接続時)ができない

・ ソフトウェアの通信設定が正しく行われているか確認してください。

・ インターフェースケーブルが正しく接続されているか確認してください。

Page 38: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

32

10.付属品について

GIR1600 の標準付属品、特別付属品および格納方法について説明します。

初めてご使用の際は、必ず以下の製品がすべてそろっていることを確認してください。

① 受信機本体(GIR1600).................................................... 1

② アンテナ(GSA3)......................................................... 1

③ アンテナキャップ ........................................................ 1

④ アンテナ取り付け変換アダプタ(SB181).................................... 1

⑤ バッテリー(BDC46B)..................................................... 2

⑥ 充電器(CDC68).......................................................... 1

⑦ 電源ケーブル(EDC113)................................................... 1

⑧ インターフェースケーブル(DOC120)....................................... 1

⑨ CD-ROM(GIR1600 設定ソフトウェア・設定ソフトウェアプログラム解説書)...... 1

⑩ GIR1600 取扱説明書....................................................... 1

⑪ GIR1600 クイックマニュアル............................................... 1

⑫ CDC68 取扱説明書......................................................... 1

10.1 標準付属品一式

Page 39: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

33

10. 付属品について

● アンテナ関係

10.2 特別付属品

製 品 名 備  考

アンテナ(R80D-AN4)中波ビーコン対応。ポールアンテナ変換アダプタ(R80D-ST3)付き。

アンテナ変換ケーブル(GSC16R)

受信機側に接続します。

アンテナ(GSA3)接続時に、アンテナケーブル(C180 /440)、アンテナ変換アダプタ(GSC26A-003)およびアンテナ変換ケーブル(GSC16A)を組み合わせて使用します。または、アンテナケーブル(GSC26-03 / 26-05 / 26-10)とアンテナ変換ケーブル(GSC16A)と組み合わせて使用します。

アンテナ(R80D-AN4)接続時に、アンテナケーブル(C180 / 440)とアンテナ変換アダプタ(GSC26A-003)を組み合わせて使用します。または、アンテナケーブル

(GSC26-03 / 26-05 / 26-10)と組み合わせて使用します。

アンテナ変換ケーブル(GSC16A)

アンテナ側に接続します。

アンテナ(GSA3)接続時に、アンテナケーブル(C180 /440)とアンテナ変換アダプタ(GSC26A-003)およびアンテナ変換ケーブル(GSC16R)を組み合わせて使用します。または、アンテナケーブル(GSC26-03 / 26-05 / 26-10)とアンテナ変換ケーブル(GSC16R)と組み合わせて使用します。

アンテナ変換ケーブル(GSC16B)

受信機側に接続します。

アンテナ(GSA3)接続時に、アンテナケーブル(R80D-AC5 / -AC10)と組み合わせて使用します。

アンテナケーブル(GSC16)アンテナ(GSA3)接続専用です。ケーブルキャップ付き。長さ:1.5m

アンテナケーブル(GSC26-03) 長さ:3.5m

アンテナケーブル(GSC26-05) 長さ:5m

アンテナケーブル(GSC26-10) 長さ:10m

アンテナケーブル(C180) 長さ:18m

アンテナケーブル(C440) 長さ:44m

Page 40: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

10. 付属品について

34

・ 深浅測量などで長いアンテナケーブル(GSC26-03 / 26-05 / 26-10)/(C180 / 440)を

使用する場合の接続方法について詳しくは、 寄りの営業担当にお問い合わせください。

● インターフェース関係

● 電源関係

アンテナ変換アダプタ(GSC26A-003)

アンテナ(GSA3)接続時に、アンテナケーブル(C180 /440)とアンテナ変換ケーブル(GSC16A)およびアンテナ変換ケーブル(GSC16R)を組み合わせて使用します。

アンテナ(R80D-AN4)接続時に、アンテナケーブル(C180 / 440)とアンテナ変換ケーブル(GSC16R)を組み合わせて使用します。

製 品 名 備  考

R80D 携帯電話用 Y ケーブル(R80D-C4)

外部補正情報の取得用です。

製 品 名 備  考

AC アダプタ(EDC2A) 下記イラスト

電源ケーブル(EDC113)、外部電源ケーブル(EDC123 /124)と組み合わせて使用します。

電源ケーブル(EDC113) AC100

外部電源ケーブル(EDC123) AC アダプタ(EDC2A)使用時に使用します。

外部電源ケーブル(EDC124)AC アダプタ(EDC2A)使用時で、外部電源供給と通信を同時に行うときに使用します。

製 品 名 備  考

Page 41: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

35

10. 付属品について

● その他

製 品 名 備  考

測高スライドポール(AP61)スチール製長さ:2m

アンテナスタンド(R80D-ST2) 受信機を車載するときに使用します。

トレッキングセット

ポシェット(SC221)、ショルダーベルト・ショルダーパット(SDB4)、アンテナホルダー(SC186)、アンテナケーブル(GSC16)および L 字型コネクタ(GSCL16)の一式です。

伸縮式アルミポール付きバックパック(SC222)

受信機とポールに取り付けたアンテナ(R80D-AN4)を入れて背負いながら移動することができます。伸縮式アルミポール長さ:45 ~ 95cm

Page 42: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

36

11.用語解説

● DGPS(ディファレンシャル GPS)測位

DGPS 測位(ディファレンシャル GPS 測位)は、GPS 測位の中の相対測位に分類される測位方法です。

GPS 受信機は、各衛星までの距離を測定しています。しかし、GPS 衛星からの信号には様々な誤差が含まれているため、測定される衛星までの距離は、数メートルの精度でしか求められません。この距離のことを一般に「擬似距離」と呼んでいます。

この「擬似距離」を使った単独測位の精度は、数 m ~十数 m 程度です。

これに対し、DGPS 測位では、相対測位であることから「擬似距離」に含まれる誤差量が相殺され、1m 以下の高精度の位置決定が可能になります。

実際の DGPS 測位では、精密に位置測定された観測点によって誤差量を測定し、それを「補正情報」として送信する「固定局」(既知点)と、実際に測位を行う「移動局」(位置を求めたい点)の構成によって、「移動局」の受信機で得た測定値に「補正情報」を適用して位置を求めます。

現在、2つの「補正情報」サービス(海上保安庁が管理する海上中波ビーコンと国土交通省が管理する MSAS)があり、その情報を受信する機器さえあれば、「補正情報」を無料で利用することができます。

このサービスを利用すると「固定局」を設置する必要がなく、「移動局」のみで位置測定

を行うことができます。

Page 43: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

37

11. 用語解説

● MSAS(SBAS)

MSAS は、SBAS(satellite-based augmentation system)の 1 つで、国際民間航空機関(ICAO)により提唱された航空航法システム構想(FANS)に基づき、航空路需要の要請に対応し、航空路の安全を確保するために設置されたシステムです。運輸多目的衛星

(MTSAT)* 1 を利用しており、日本付近を中心とした北太平洋上空の航空機に対して情報を提供しています。

2 機の静止衛星から提供される情報のうち、「ディファレンシャル補正情報」を受信することによって、DGPS 測位が可能です。

なお、この方式のシステムは、北米およびヨーロッパにもあり、それぞれ、WAAS、EGNOSと呼ばれています。

MSAS は、国土交通省神戸航空衛星センターで管理・運営されています。詳細情報は以下をご覧ください。

http://www.kasc.go.jp/

* 1 運輸多目的衛星(MTSAT)は、主に交通管制と気象データ収集のために打ち上げられた衛星です。

EGNOS

MSAS

WAASMTSAT

Page 44: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

11. 用語解説

38

● 中波ビーコン

中波ビーコン(中波無線標識)は、海上保安庁が近海航行船舶に対して発信している電波です。

この電波に含まれる「ディファレンシャル補正情報」を受信することによって、DGPS 測位が可能です。

現在、日本では、27 局(2006 年 10 月現在)のディファレンシャル情報発信局が稼動しています。

また、このディファレンシャル情報は世界共通規格になっているため、他国で配信している中波ビーコンのディファレンシャル補正情報も受信することができます。

日本の中波ビーコンによるディファレンシャル補正情報は、海上保安庁交通部計画運用課ディファレンシャル GPS センターで管理されています。

詳細情報は以下をご覧ください。

http://www.kaiho.mlit.go.jp/syoukai/soshiki/toudai/dgps/index.htm

Page 45: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

39

12.仕様

受信周波数 L1:1575.42MHz

チャンネル数 L1:10

受信性能 コールドスタート 50 秒(代表値)

ホットスタート 30 秒(代表値)

測位精度(水平方向) DGPS 1m 以下(測位精度は衛星数・障害物・衛星配置・マルチパス・気象・電離層・基線長・観測時間などの状態に影響を受けます)

ディファレンシャル補正情報

ソース MSAS(SBAS)/中波ビーコン(選択可)

データ形式 RTCM SC-104

MSAS(SBAS) 受信周波数 L1:1575.42MHz

チャンネル数 2

中波ビーコン 受信周波数 283.5 ~ 325.0kHz

周波数間隔 500Hz

周波数オフセット ± 8Hz

選局 自動/手動(選択可)

チャンネル数 2

復調方式 MSK

データ通信 シリアル通信、Bluetooth 無線技術

データ形式 NMEA0183 /バイナリ/ RTCM SC-104

データ出力タイミング

1Hz(オプション:2Hz、10Hz、20Hz)

シリアル通信 非同期シリアル、RS232C 規格準拠

Bluetooth 無線技術 認証番号 B03489

通信方式 FHSS (Bluetooth Specification Ver. 1.2 準拠、TELEC 適合)

変調方式 GFSK

周波数 2.402 ~ 2.48GHz

対応プロファイル SPP

送信出力 クラス 1

通信距離 10m

認証機能 なし

使用温度範囲 -30 ~ 70 ℃(バッテリー BDC46B 使用時には -10 ~ 70 ℃)

保存温度範囲 -40 ~ 80 ℃

消費電力 2.2W 以下

電源 着脱式バッテリー BDC46B、外部電源 EDC2A

バッテリー BDC46B タイプ リチウムイオン電池

公称電圧 7.2V

充電時間(25 ℃) 約 2.5 時間(充電器 CDC68 使用時)

保存温度範囲(長期保存)

-20 ~ 35 ℃

外部電源入力電圧 6 ~ 40V

Page 46: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

12. 仕様

40

連続使用時間 6 時間以上(25 ℃、中波ビーコンの補正情報使用時およびBluetooth 通信時)

防塵・防水性(バッテリーカバーとポートキャップを閉めた場合)

受信機 IP55(JIS C 0920-2003)

アンテナ IP57(JIS C 0920-2003)

寸法 受信機 100(W)× 147(D)× 40(H)mm

アンテナ φ104 × 22(H)mm

質量 受信機 460g(本体のみとバッテリーを含む)

アンテナ 100g

Page 47: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと
Page 48: GIR1600...SURVEYING INSTRUMENTS GIR1600 ディファレンシャルGPS受信機 このたびはディファレンシャルGPS受信機GIR1600をお買い上げいただき、ありがと

第 4 版 05-0804 ©2006 株式会社ソキア