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製品情報概要 薬価基準収載 日本標準商品分類番号 873119 劇薬、処方箋医薬品 注) 角化症治療剤 注)注意―医師等の処方箋により使用すること エトレチナートカプセル TIGASON チガソン カプセル 10 チガソン カプセル25 【警告】 本剤には催奇形性があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない こと。また、妊娠する可能性のある婦人には投与しないことを原則とするが、やむを得ず 投与する場合には使用上の注意を厳守すること(「重要な基本的注意」及び「妊婦、産婦、 授乳婦等への投与」の項参照) 【禁忌(次の患者には投与しないこと)】 1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照) 2.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 3.肝障害のある患者[肝障害が悪化するおそれがある。] 4.腎障害のある患者[本剤の作用が増強するおそれがある。] 5.ビタミンA製剤を投与中の患者(「相互作用」の項参照) 6.ビタミンA過剰症の患者[ビタミンA過剰症状が悪化するおそれがある。] 【原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重 に投与すること)】 妊娠する可能性のある婦人(「重要な基本的注意」及び「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の 項参照)

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製品情報概要

薬価基準収載

日本標準商品分類番号 873119

劇薬、処方箋医薬品注)角化症治療剤

製造販売元東京都千代田区丸の内 1‒6‒5

[資料請求先]お客様相談室TEL:0120‒533‒030

注)注意―医師等の処方箋により使用すること エトレチナートカプセルTIGASON

チガソンカプセル10チガソンカプセル25

【警告】本剤には催奇形性があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、妊娠する可能性のある婦人には投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には使用上の注意を厳守すること(「重要な基本的注意」及び「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)2.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者3.肝障害のある患者[肝障害が悪化するおそれがある。]4.腎障害のある患者[本剤の作用が増強するおそれがある。]5.ビタミンA製剤を投与中の患者(「相互作用」の項参照)6.ビタミンA過剰症の患者[ビタミンA過剰症状が悪化するおそれがある。]

【原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)】妊娠する可能性のある婦人(「重要な基本的注意」及び「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

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目 次

開発の経緯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2製品特性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3Drug Information・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4・ 1.警告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4・ 2.禁忌・原則禁忌・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4・ 3.組成・性状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5・ 4.有効成分に関する理化学的知見・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5・ 5.効能・効果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6・ 6.用法・用量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6・ 7.使用上の注意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7臨床成績・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10・ 1.一般臨床試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10・ 2.副作用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23・ 3.臨床薬理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30薬物動態・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33薬効薬理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38安全性薬理試験及び毒性試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40・ 1.安全性薬理試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40・ 2.毒性試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41製剤学的事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43取扱い上の注意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43包装・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43関連情報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43主要文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44製造販売業者の氏名または名称及び住所・・・・・・・・・・・・・46

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開発の経緯

ビタミンAが皮膚・粘膜の正常保持作用を有することは以前から知られていたが、病巣

への移行が悪いため、大量投与を必要とし、肝臓に蓄積されやすく、神経毒性や全身に高度

の副作用が発現するため、臨床応用には限界があった。

F.Hoffmann-La Roche社は、かねてよりビタミンAの有する抗角化作用に注目し、毒性が

少なく治療効果の大きいレチノイド(ビタミンAと類似の構造を有する化合物の総称)

として、1500に及ぶ合成レチノイドのスクリーニングを実施して、エトレチナート製剤

チガソンを開発した。

1925年 Wolbachら;動物実験でビタミンA欠損による皮膚過角化性変化を観察1947年 ビタミンAの合成法を開発1960〜1970年代 ビタミンA、ビタミンA酸による角化異常症の治療の試み 約1500のレチノイドを合成し、スクリ−ニングの実施1974年 チガソンを開発1981年 海外でのチガソン承認1985年 日本でのチガソン承認

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製品特性

1 諸治療が無効かつ重症の皮膚角化異常症に効果を発揮した。(P.10)

従来より適切な治療法がなく、肉体的、精神的苦痛の極めて大きい重症乾癬患者や 魚鱗癬患者などに効果を発揮した。

2 諸治療が無効かつ重症の口腔白板症、口腔乳頭腫及び口腔扁平苔癬に効果を発揮した。(P.19)

癌化の可能性の高い口腔白板症、並びに外科的切除の困難な口腔乳頭腫及び口腔 扁平苔癬に効果を発揮した。

3 経口の難治性角化症治療剤である。(P.6)

4 承認時迄の調査及び使用成績調査2,779例において、副作用は1,974例(71.0%)に認められた。主な副作用は口唇炎1,430件

(51.5%)、落屑771件(27.7%)、口内乾燥688件(24.8%)、皮膚菲薄化380件(13.7%)、瘙痒344件(12.4%)等であった。

(再審査終了時)(P.23〜29)

なお重大な副作用としては中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、多形 紅斑、血管炎があらわれることがある。

本剤の使用に際しては、別途作成の「チガソン安全対策のお願い及び安全性情報の お知らせ」をご参照ください。

3

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Drug Information

1. 警告

2. 禁忌 ・原則禁忌

【警告】本剤には催奇形性があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、妊娠する可能性のある婦人には投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には使用上の注意を厳守すること(「重要な基本的注意」及び「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)2.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者3.肝障害のある患者[肝障害が悪化するおそれがある。]4.腎障害のある患者[本剤の作用が増強するおそれがある。]5.ビタミンA製剤を投与中の患者(「相互作用」の項参照)6.ビタミンA過剰症の患者[ビタミンA過剰症状が悪化するおそれがある。]

【原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与 すること)】妊娠する可能性のある婦人(「重要な基本的注意」及び「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

「警告・禁忌を含む使用上の注意」等の改訂には十分ご留意ください。https://www.taiyo-pharma.co.jp

*2014年7月改訂(第9版)

4

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Drug Information

3. 組成・性状

4. 有効成分に関する理化学的知見

販 売 名 チガソンカプセル10 チガソンカプセル25

成 分 (1カプセル中)

有効成分・含有量 エトレチナート10mg エトレチナート25mg

添加物

内容物:結晶セルロース、トコフェロール、ゼラチン、デキストリンカプセル:ゼラチン、酸化チタン、三二酸化鉄、ラウリル硫酸ナトリウム

内容物:結晶セルロース、ポビドン、トコフェロール、ゼラチン、デキストリンカプセル:ゼラチン、酸化チタン、三二酸化鉄、ラウリル硫酸ナトリウム

色キャップ 淡赤褐色 淡赤褐色

ボディー 淡赤白色 淡赤褐色

剤 形 硬カプセル(4号) 硬カプセル(2号)

外 形

質 量 約103.0mg 約209.0mg

一般名: エトレチナート(Etretinate)(JAN)化学名: Ethyl(2E ,4E ,6E ,8E )-9-(4-methoxy-2,3,6-trimethylphenyl)-3,7-

dimethyl-2,4,6,8-nonatetraenoate構造式:

分子式: C23H30O3 分子量: 354.48

*性 状: 黄色の粉末である。酢酸エチル、1,4-ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム に溶けやすく、アセトン又はジエチルエーテルにやや溶けやすく、ヘキサンに やや溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど 溶けない。融 点: 104〜108℃

TIGASON25 T Y P

TIGASON10 T Y P TIGASON

25 T Y P

TIGASON10 T Y P

CH3 CH3

CH3

CH3 CH3 O C-OCH2CH3

CH3O

5

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5. 効能・効果

6. 用法・用量

○諸治療が無効かつ重症な下記疾患乾癬群(尋常性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、関節症性乾癬)、魚鱗癬群(尋常性魚鱗癬、水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症、非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症)、掌蹠角化症、ダリエー病、掌蹠膿疱症、毛孔性紅色粃糠疹及び紅斑性角化症、口腔白板症、口腔乳頭腫及び口腔扁平苔癬

通常成人は寛解導入量エトレチナートとして1日40〜50mgを2〜3回に分けて2〜4週間経口投与する。1日最高用量は75mgまでとする。その後、症状に応じて寛解維持量 エトレチナートとして1日10〜30mgを1〜3回に分けて経口投与する。幼・小児では寛解導入量エトレチナートとして1日体重1kgあたり1.0mgを1〜3回に 分けて2〜4週間経口投与する。その後、症状に応じて寛解維持量エトレチナートとして 1日体重1kgあたり0.6〜0.8mgを1〜3回に分けて経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

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Drug Information

7. 使用上の注意

1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) (1) 25歳以下の患者、特に幼児、小児(「小児等への投与」の項参照) (2) 低出生体重児、新生児、乳児(「小児等への投与」の項参照) (3) 糖尿病患者、肥満者、アルコール中毒症患者、脂質代謝異常患者など高中性脂肪血症の素因が

ある患者[脂質代謝異常が起こるおそれがある。] (4) 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

2. 重要な基本的注意 (1) 本剤には催奇形性があり、また副作用の発現頻度が高いので、諸治療が無効な重症の場合に

のみ、使用上の注意を考慮して使用すること。 なお、使用に際して患者に以下の副作用についてよく説明すること。 (2) 本剤の使用に際しては、患者又はそれに代わり得る適切な者に次の注意事項についてよく説明

し、理解させた後、同意を書面で得てから使用すること。1) 妊娠する可能性のある婦人への投与に際しては、次の正常な生理周期の2日又は3日目まで

投与を開始しないこと。また、本剤の投与開始前2週間以内の妊娠検査を行うなど、妊娠していないことを確認すること。

2) 本剤には催奇形性があるので、妊娠する可能性のある婦人で他に代わるべき治療法がない重症な患者にやむを得ず投与する場合には、投与中及び投与中止後少なくとも2年間は避妊させること。

3) 本剤はモルモットを用いた動物実験で、精子形成能に異常を起こすことが報告されている ので男性に投与する場合には、投与中及び投与中止後少なくとも6ヵ月間は避妊させること。

4) 本剤には催奇形性があり、また副作用の発現頻度が高いので、投与中及び投与中止後少なくとも2年間は献血を行わないよう指導すること。

(3) 本剤の長期投与を受けた患者で過骨症及び骨端の早期閉鎖を起こすことがある。したがって 投与中に関節痛・骨痛等の症状があらわれた場合には速やかに主治医に連絡するよう指示すること。また、本剤の長期投与に際しては、定期的な問診(骨・筋等の痛みや運動障害)、X線検査、 Al-P、Ca、P、Mg等の臨床生化学的検査を行うことが望ましい。なお、骨の成長が終了して いない25歳以下の患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ観察

(定期的なX線検査、Al-P、Ca、P、Mg等の臨床生化学的検査)を十分に行いながら慎重に投与 すること。

(4) 本剤は肝障害を起こすことがあるので肝機能検査は投与前、投与開始1ヵ月後及び投与中は 3ヵ月ごとに行うべきであり、肝障害が疑われるときは直ちに投与を中止すること。

(5) 本剤の高中性脂肪血症の患者への投与は、脂質代謝障害の危険性が高いので、その素因のある 患者には血中トリグリセライドの検査を行うこと。

(6) 本剤の投与により脱毛が起こることがある。 (7) 本剤は臨床試験で落屑、口唇炎の副作用発現率が高いので十分な経過観察を行い、投与量の増減

又は投与の継続を慎重に判断すること。口唇炎の対症療法には、ワセリンやコルチコイド外用剤が用いられている。

3. 相互作用 (1)併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

ビタミン A 製剤(チョコラ A 等)

ビタミン A の正常血中濃度には影響を及ぼさないがビタミン A 過剰症と類似した副作用症状があらわれることがある。

本剤はビタミン A 様作用を示すため、ビタミン A 様作用が増強される。

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(2)併用注意(併用に注意すること)薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

フェニトインフェニトインの血中濃度が上昇し、フェニト インの作用が増強するおそれがある。

フェニトインの蛋白結合能を 低下させることがある。

4. 副作用 承認時迄の調査及び使用成績調査2,779例において、副作用は1,974例(71.0%)に認められた。 主な副作用は口唇炎1,430件(51.5%)、落屑771件(27.7%)、口内乾燥688件(24.8%)、皮膚

菲薄化380件(13.7%)、瘙痒344件(12.4%)等であった。(再審査終了時) (1)重大な副作用(頻度不明) 中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、多形紅斑、血管炎があらわれることがあるので観察を十分に

行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 (2)その他の副作用 次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。 (頻度不明は※)

5%以上又は頻度不明 1〜5%未満 1%未満皮膚 落屑(27.7%)、皮膚菲薄化(13.7%)、

瘙痒(12.4%)、脱毛(6.6%)、爪囲炎(5.5%)、毛髪異常(縮れ、変色等)※

爪脆弱化、皮下出血、紅斑、色素沈着、発汗、皮膚乾燥

亀裂、痤瘡、水疱、発疹

粘膜 口唇炎(51.5%)、口内乾燥(24.8%)、鼻腔乾燥(6.3%)、口角炎(7.9%)

口内炎 口腔内びらん、舌痛、咽頭痛

肝臓 黄疸※ AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDHの上昇

骨・関節 骨異常(過骨症、骨端の早期閉鎖、骨痛等)※ 関節痛脂質代謝 トリグリセライド値、

血清コレステロール値の上昇

腎臓 クレアチニン値上昇※ 頻尿、BUN上昇血液 貧血、白血球減少、

白血球増多眼 夜間視力低下※ 結膜炎 眼脂、眼痛、眼精疲

労、眼瞼腫脹(乾燥、瘙痒)、目のかすみ

消化器 食欲不振、嘔気、嘔吐 腹痛、下痢精神神経系 頭蓋内圧亢進(初期症状:うっ血乳頭、

頭痛、悪心、嘔吐、視覚異常)※ 注2)頭痛、頭重 めまい、しびれ感、

不眠その他 肉芽腫※、筋肉痛※ ほてり、

倦怠感(脱力感)悪寒、発熱、体重減少、浮腫、中耳炎(耳漏 )、耳 鳴、味 覚 異常、耐糖能異常

注2)観察を十分に行い異常が認められた場合には、投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。

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Drug Information

5. 高齢者への投与 一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。

6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与 (1) 催奇形性の症例報告があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。

[本剤投与中又は投与中止後2年以内に妊娠した患者で、胎児、新生児の頭蓋顔面欠損、脊椎欠損、四肢欠損、骨格異常等があらわれたとの報告がある。]

(2) 授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で、乳汁中へ移行することが報告されている。]

7. 小児等への投与 (1) 低出生体重児、新生児、乳児に対する安全性は確立していない。 (2) 幼児、小児に投与する場合には観察を十分に行い慎重に投与すること。[過骨症及び骨端の早期

閉鎖を起こすことがある。]

8. 適用上の注意 薬剤交付時: PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲に

より、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発する事が報告されている。]

9. その他の注意 (1) メトトレキサートとの併用により、肝炎の危険性を上昇させたとの報告がある。 (2) 牛乳又は高脂肪食により、本剤の吸収が増加するとの報告がある。(【薬物動態】の項参照)

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「警告・禁忌を含む使用上の注意」等についてはP.4〜9をご参照ください。

臨床成績

1. 一般臨床試験

❶ 皮膚科領域

❷ 口腔外科領域1)

エトレチナート臨床研究班を中心とした国内64の研究施設において、難治性重症角化 異常症患者539例を対象にチガソンの臨床効果が検討された。1. 疾患別全般改善率1)

1)承認時評価資料

539例中、チガソンの承認された効能・効果疾患461例(単独投与例)における全般 改善率(改善以上)は67〜100%であった。

1)承認時評価資料

疾 患 名 例  数 有効率(%)(有効以上)口 腔 白 板 症 60 60.0口 腔 乳 頭 腫 10 80.0口腔扁平苔癬 74 71.6

※治癒、著効、有効、やや有効、無効、悪化の6段階で効果判定

承認時までに実施された683例を対象とした一般臨床試験における有効率は以下の通りであった。

9096

9396

100

50

0

75 75

94

56

16 26

73

96

284

54

82

35

9

63

8994

46

48

67

93

37

16

46

70

81

10

10

70

90

461

5

52

78

92

44

166

81

7

27

75

14

28

73

39

3186

合   計

紅斑性角化症

毛孔性紅色粃糠疹

ダ リ エ ー 病

魚鱗癬様紅皮症

非水疱型先天性

魚鱗癬様紅皮症

水疱型先天性

尋常性魚鱗癬

関節症性乾癬

乾癬性紅皮症

膿疱性乾癬

尋常性乾癬

乾  癬  群 魚鱗癬群

率(%)

例 数

疾 

患 

有効1例・著効5例

治 癒 著 効 有 効 やや有効

10

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臨床成績

2. 角化性皮膚疾患に対する効果 2)

2) 承認時評価資料:Etretinate臨床研究班: Open StudyによるRetinoid(Etretinate)の 臨床効果の検討.西日本皮膚科44:988,1982.

(1) 試験デザイン * この研究に使用した薬剤は日本ロシュが提供し、エトレチナートが効果を示すと思われる疾患も試験に含めた

ため、適応外の疾患、用法・用量が含まれています。

目  的 難治性の重症皮膚疾患に対する、チガソンの有用性を検討するために、国内多施設共同の非盲検臨床試験を行った。

対  象 下記疾患に罹患している患者369例 疾患群(Ⅰ): 魚鱗癬33例(尋常性魚鱗癬11例、水疱性先天性魚鱗癬様紅皮症8例、

非水疱性先天性魚鱗癬様紅皮症14例)、ダリエー病26例、掌蹠角化症22例、汗孔角化症8例

疾患群(Ⅱ): 乾癬176例(尋常性乾癬139例、膿疱性乾癬19例、乾癬性紅皮症16例、

関節症性乾癬3例)毛孔性紅色粃糠疹20例、扁平苔癬3例、掌蹠膿疱症36例、角層下膿疱症3例

疾患群(Ⅲ): その他、ロイコプラキー、疣贅類、表皮母斑、oral florid papillomatosis、

類乾癬など、上記2群以外でチガソン適応可能と思われる疾患、合計42例 投与方法 チガソン投与は寛解導入期と寛解維持期の2期に分けた。 寛解導入期:チガソン単独投与で、原則1日1mg/kgで1〜3回に分け

て服用し、適宜増減した。 寛解維持期:寛解導入が終わった後、原則1日0.3〜0.5mg/kgで1〜3

回に分けて服用し、適宜増減した。維持期においては、外用剤等の併用治療を可としたが、チガソン単独の効果を検討するために、一部に非塗布部位を残した。

評価項目 ● 全般改善度:投与前後の皮疹の程度を比較し、その改善度を、治癒、 著しく軽快、軽快、やや軽快、不変、増悪の6段階で評価した。

● 総合評価:試験期間終了時、治療効果と副作用の両面から有用性の 評価を、極めて有用、有用、やや有用、無用の4段階で評価した。

   前治療との比較:試験期間終了後、チガソン投与前に他の治療法を 実施したことのある症例に関して、その治療法との比較印象を、 治療効果、副作用、有用性の3点について行った。

● 皮膚所見:それぞれの病変の程度に応じて高度、中等度、軽度、軽微、皮疹のみられないものの5段階で評価した。

●投与量及び投与期間

11

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(2) 臨床成績

■全般改善度

投与5週間以内に軽快以上の症例は70%まで達し、以後は緩徐に漸増した。

用法・用量:通常成人は寛解導入量エトレチナートとして1日40〜50mgを2〜3回に分けて2〜4週間経口投与する。1日最高用量は75mgまでとする。その後、症状に応じて寛解維持量エトレチナートとして1日10〜30mgを1〜3回に分けて経口投与する。幼・小児では寛解導入量エトレチナートとして1日体重1kgあたり1.0mgを1〜3回に分けて 2〜4週間経口投与する。その後、症状に応じて寛解維持量エトレチナートとして1日体重1kg あたり0.6〜0.8mgを1〜3回に分けて経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

投 与 期 間(週)

改善患者割合

0

100(%)

50

2 4 6 8 10 12 16 20 30

(n=369)

: 軽快以上: 著しく軽快以上

12

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■総合評価 試験終了時に、治療効果と副作用の両面から総合評価を行った。 軽快以上74%に対して、副作用発現率は97%と高かったが、有用率は69%であった。

臨床成績

以上のことより、これまでほとんど治療法のなかった遺伝性の角化異常症である魚鱗癬、及び乾癬のなかでも特に難治とされている膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症など重症例に高い治療効果を示したと考えられた。

●前治療との比較 エトレチナート臨床研究班では、チガソン投与前に他の治療法を実施したことのある

症例に関して、その治療法との比較印象を記録した。

100

74%

97%

69%

33%

46%

50

0

症 例(%)

軽 快

副作用発現率

有 用

極めて有用

治癒または著しく軽快

全般改善度(有効性)

副作用発現率(安全性)

有 用 度(有用性)

(n=369)

245

比較件数(重複あり)

21

67

28

26

45

69

19

144

10

51

26

16

36

57

11

48

7

7

1

6

5

6

4

53

優る

チガソンの有用性

同等 劣る

4

9

1

4

4

6

4

前  治  療  法(重複あり)

外用コルチコステロイド剤

ゲ ッ ケ ル マ ン 療 法

PUVA

ビ タ ミ ン A 内 服

メ ト ト レ キ サ ー ト

サ リ チ ル 酸 軟 膏

尿 素 軟 膏

そ の 他

13

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■皮膚所見

各項目とも全般改善度と一致した推移が認められたが、紅斑は他の所見と比べて改善がやや遅れた。

■投与量及び投与期間

寛解導入期の平均投与量は46.2mg/日、平均投与期間は約20日間で、寛解維持期の 平均投与量は26.4mg/日であった。

(3) 副作用 調査症例数369例中359例(97.3%)に副作用がみられた。 主な副作用として、口唇炎(88.6%)、落屑(70.5%)、口腔内乾燥(48.8%)、皮膚

菲薄化(39.0%)、瘙痒(35.5%)などが健常皮膚・粘膜にみられた。 一時投与中止に至った症例は61例(16.5%)であったが、重篤な副作用はなかった。

0 2

3

2

1

4 6 8 1012 16 21 30

皮膚所見の程度

投 与 期 間(週)

0 2

3

2

1

4 6 8 1012 16 21 30

投 与 期 間(週)

疾患群(Ⅰ)

尋 常 性 魚 鱗 癬水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症非水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症ダ リ エ ー 病掌 蹠 角 化 症 等

疾患群(Ⅱ)

尋 常 性 乾 癬膿 疱 性 乾 癬乾 癬 性 紅 皮 症関 節 症 性 乾 癬毛 孔 性 紅 色 粃 糠 疹掌 蹠 膿 疱 症等

4 : 高 度3 : 中程度2 : 軽 度1 : 軽 微0 : 皮疹のみられないもの

: 鱗  屑: 角質増殖: 亀  裂: 紅  斑

: 鱗 屑: 紅 斑: 浸 潤

平均投与量(mg

/日)

75

0 2 6 8 10 12 16 20 304

50

25

投 与 期 間(週)

平均投与量

寛解導入期

寛解維持期

46.2mg/日

26.4mg/日

(n=369)

14

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❷ 皮膚科領域 二重盲検比較試験3)

3) 承認時評価資料:Etretinate臨床研究班: Etretinate経口剤の乾癬に対する二重盲検法による臨床評価.臨床評価11:489,1983.

1. 試験デザイン 目  的 乾癬に対するチガソンの治療効果と有用性、及びコルチコステロイド

外用剤との併用効果を検討するために、国内多施設共同のプラセボを 対象とした二重盲検、クロスオーバー法の臨床試験を行った。

対  象 広範囲皮疹を有する尋常性乾癬51例、膿疱性乾癬3例、乾癬性紅皮症 7例の計61例。

方  法 チガソン50mg/日を分2(朝30mg、夜20mg)での投与を開始し、 第2週目以降は適宜増減した。

試験期間を通じてコルチコステロイド外用剤(0.1%酪酸ヒドロコルチゾン軟膏)を塗布した。ただし、塗布に関しては必ず非塗布部位を設けるようにした。

試験期間は大きく2期に分け、第1治療、第2治療ともに4週間とした。 ただし、第1治療の第2週目以降で投与継続が不可能と判定された場合

は、ただちに第2治療へ移行した。

評価項目 ● 最終全般改善度:第1治療、第2治療の終了時にそれぞれの治療の経過を総合的に判断し、最終全般改善度を判定した。すなわち併用コルチコステロイドの非塗布部位、塗布部位それぞれについて、治癒、著しく軽快、軽快、やや軽快、不変、悪化の6段階で評価した。

● 全般改善率は全般改善度が軽快以上の割合とし、第1治療,第2治療の最終全般改善率を併用コルチコステロイド外用剤塗布部位と非塗布部位のそれぞれでプラセボと比較した。群間比較にはU検定を用い、 第1治療、第2治療、コルチコステロイド外用剤塗布部位、非塗布部位のそれぞれの比較では多重性は調整しなかった。改善度は治癒、著しく軽快、軽快、やや軽快、不変、悪化の6段階で評価した。

臨床成績

第1群(30例)第1治療

0 1 2 3 4週 4’週1’ 2’ 3’

第2治療

チガソン

適 宜 増 減 適 宜 増 減5カプセル/日(50mg/日) 5カプセル/日

0.1%酪酸ヒドロコルチゾン軟膏単純塗布。ただしチガソン単独効果を観察するために必ず非塗布部位を設けた。

プラセボ

第2群(31例)第1治療

0 1 2 3 4週 4’週1’ 2’ 3’

第2治療

チガソン

適 宜 増 減 適 宜 増 減5カプセル/日(50mg/日)5カプセル/日

0.1%酪酸ヒドロコルチゾン軟膏単純塗布。ただしチガソン単独効果を観察するために必ず非塗布部位を設けた。

プラセボ

対象患者をランダム化

15

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2. 結果 ■最終全般改善度 第1治療と第2治療終了時における、エトレチナートとプラセボの薬剤別群間比較とで

の薬剤別比較(患者内薬剤比較)を行い、各治療における軽快以上の改善が得られた症例の割合は次の通りであった。

ステロイド外用剤非塗布部位 第1治療:エトレチナート服用治療60% プラセボ服用治療3% 第2治療:エトレチナート服用治療79% プラセボ服用治療30% 患者内薬剤比較 エトレチナート治療を優れるとする症例は39例、67% ステロイド外用剤塗布部位 第1治療:エトレチナート服用治療79% プラセボ服用治療20% 第2治療:エトレチナート服用治療88% プラセボ服用治療52% 患者内薬剤比較 エトレチナート治療を優れるとする症例は35例、63% ■プラセボとの比較 第1治療においてチガソン投与群はプラセボ投与群に比し、ステロイド外用剤は非塗布

部位では1週目から、塗布部位でも2週目から改善が見られた。 (p<0.05、χ2-test)

● コルチコステロイド併用による優劣比較:コルチコステロイド外用剤塗布部位と非塗布部位それぞれの有用度について、優劣比較を行った。

● 臨床検査

###

###

##

00

50

100

1 2 3 4 1’ 2’ 3’ 4’

00

50

100

1 2 3 4 1’ 2’ 3’ 4’

チガソン

ステロイド外用剤非塗布部位

ステロイド外用剤塗布部位

プラセボ

第1治療 第2治療

全 般 改 善 率(%)

#P<0.05、##P<0.01、###P<0.001(χ2ーtest)

(n=61)

16

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■ステロイド外用剤の併用効果 チガソン投与中の同一患者内においてステロイド外用剤塗布部位と非塗布部位の皮疹

改善度優劣比較を行ったところ、以下の結果となった。

●ステロイド外用剤塗布部位と非塗布部位の優劣比較

チガソン投与群において、ステロイド外用剤を塗布した部位は、非塗布部位より約20%高い全般改善率を示し、チガソンとステロイド外用剤の併用効果が認められた。

■持ち越し効果 第1治療チガソン投与群(第1群)では第2治療期間(プラセボ投与)においても高い

全般改善率を維持し、これは最初に投与されたチガソンの効果が、次の第2治療期間へ ずれこむ、持ち越し効果によるものと考えられた。

3. 副作用 主な副作用は、以下の通りであった。 治療中止に至った症例は3例であった。 <第一治療>

主な副作用の種類 エトレチナート群 プラセボ群

口 唇 炎 63% 6%

落 屑 47% 7%

皮膚菲薄化 17% 0%

爪 周 囲 炎 20% 3%

<第二治療>主な副作用の種類 エトレチナート群 プラセボ群

口 唇 炎 71% 50%

落 屑 39% 27%

皮膚菲薄化 29% 13%

爪 周 囲 炎 21% 10%

臨床成績

41%1週目(56例)

2週目(56例)

3週目(56例)

4週目(56例)

38% 58%

50% 46%

45% 51%

57% 2%

4%

4%

4%

塗布部位が優れる(併用効果あり) 塗布部位と非塗布部位で効果同様 非塗布部位が優る

17

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❸ 口腔外科領域 一般臨床試験4)

4) 松浦正朗、他:ビタミンA酸誘導体Etretinate(Ro 10-9359)の口腔白板症、扁平苔鱗および乳頭腫に対する治療効果ー多施設における臨床的検討ー. 日本口腔外科学会雑誌29:379,1983.

1. 試験デザイン 目  的 口腔外科領域におけるチガソンの治療効果と有用性を検討するために、

国内多施設共同の非盲検臨床試験を行った。 対  象 白板症46例、扁平苔癬63例、乳頭腫3例の計112例 投与方法 チガソン10〜60mg/日を経口投与 投与期間 平均14週(1週間以内〜71週) 評価項目 ● 総合評価:病変の効果判定を以下の判定基準に従って行い、総合的な

評価を、著効、有効、やや有効、無効の4段階で評価した。  効果判定基準 病変の改善度については「大きさ」、「色」、「硬さ」、「痛

み」の4点から総合的に判断     大きさ (消失:完全寛解、縮小:50%以上の縮小、やや縮小:

50%以下の縮小、不変、悪化)     色 (消失:完全寛解、縮小:明らかな褪色、やや褪色:わ

ずかな褪色、不変、悪化)     硬さ (普通、やや硬い、硬い)     痛み (なし、軽度、中等度、高度) ● 持ち越し効果:投与終了後から1〜2ヵ月後に経過観察を行った症例

を対象に、最終効果判定を行った。 ● 臨床検査

用法・用量:通常成人は寛解導入量エトレチナートとして1日40〜50mgを2〜3回に分けて2〜4週間経口投与する。1日最高用量は75mgまでとする。その後、症状に応じて寛解維持量エトレチナートとして1日10〜30mgを1〜3回に分けて経口投与する。幼・小児では寛解導入量エトレチナートとして1日体重1kgあたり1.0mgを1〜3回に分けて 2〜4週間経口投与する。その後、症状に応じて寛解維持量エトレチナートとして1日体重1kg あたり0.6〜0.8mgを1〜3回に分けて経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

18

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(2)口腔白板症の発症様式別、臨床型別の総合効果 〔発症様式別効果〕 単発性白板症に比べ、多発性白板症に高い有効率が得られた。

2. 臨床成績 (1)疾患別総合効果(投与終了時) チガソンの承認された効能・効果疾患112例(単独投与例)における有効率

同一口腔内に別の臨床型に分類される病巣が同時に存在した場合には、それぞれ 1つずつ数えた。

〔臨床型別効果〕

臨床成績

症 患 名 例数 有 効 率(%)

著  効

10050

15 37 31

30 43 13

著効2例、 有効1例

0

有  効 やや有効

 

46

63

112

3

口 腔 白 板 症

口腔扁平苔 癬

口 腔 乳 頭 腫

合 計

著効2例、 やや有効1例

症 患 名 例数 有 効 率(%)

著  効

10050

10 25 35

13 52 26

0

有  効 やや有効

合 計

20

23

46

3

単 発 性

多 発 性

多 中 心 性

著効3例、 有効3例、やや有効1例

著効1例、 有効1例、やや有効3例

症 患 名 例数 有 効 率(%)

著  効

10050

8 42 28

0

有  効 やや有効

合 計

36

5

48

7

白 斑 型

紅 斑 混 在 型

丘 型

19

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■持ち越し効果 共同研究を行った10施設112例で、投与終了後の効果持続性を確認するために、平均

13週(1〜90週)の経過観察後に最終効果判定を行った。 最終効果判定を成し得た77例での有効性持続率は以下の通りであった。

調査項目

疾患

投与終了時 経過観察後 (B%)(A%)

有 効 性持 続 率

例数 平 均 投 与期 間

A 著効・有効例 例数

投与終了後 の平均観察 期 間

B著効・有効例

口 腔 白 板 症 46 13週 24 (52%) 34 12週 9 (26%) 50%

口 腔 扁 平 苔 鱗 63 15週 46 (73%) 40 13週 21 (53%) 73%

口 腔 乳 頭 腫 3 11週 3 3 20週 2 67%

合 計 112 14週 73 (65%) 77 13週 32 (42%) 65%

3. 主な副作用 副作用は112例中105例(93.8%)に認められた。 副作用により治療中止となった症例は20例(18%)であった。

主な副作用の種類 発 現 件 数(%)

落 屑(皮膚) 90(80.4)

口 唇 炎 77(68.8)

瘙 痒 感(皮膚) 77(68.8)

口 角 炎 58(51.8)

発 赤(皮膚) 49(43.8)

口腔粘膜の発赤 37(33.0)

丘 疹(皮膚) 31(27.7)

20

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紹介した症例は臨床症状の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。

❹ 症例写真

1. 膿疱性乾癬5)

15歳、男性

2. 掌蹠角化症6)

63歳、女性

投与前(写真1)

投与前(写真3)

投与1ヵ月後(写真2)

投与16ヵ月後(寛解維持量投与10ヵ月後)(写真4)

初診時:軀幹及び四肢に境界明瞭な地図状の紅斑と落屑が著明で、その紅斑の周辺に帽針頭大の膿疱が散在している。(写真1)

導入時投与量:50mg/日。

初診時:両手掌、両足底に顕著なび漫性角化があるが詳細に観察すると棘状の角化物質が密集し表面粗糙な角化局面を形成している。また足底では浸軟が強く悪臭がある。(写真3)

投与前治療:硼酸亜鉛華軟膏・アクリノールソルベース・尿素軟膏・コルチコステロイド軟膏無効。角質剥削後、疼痛が出現したため歩行困難。

導入時投与量:50mg/日。

投与1週後:全身に粃糠様落屑をきたして膿疱消失。

2 週 後:落屑もほとんど消失しび漫性の紅斑を残すのみ。

1 ヵ 月 後:紅斑ほぼ消失。(写真2)副作用…口唇炎、紅斑、膜様剥離、発汗。

投与10日後:足底浸軟部の乾燥化。1 ヵ 月 後:肥厚した角質が一塊として剥離。2 ヵ 月 後:発疹はほとんど消失。投与16ヵ月後(寛解維持量投与10ヵ月後): 寛解維持量10mg/日で尿素軟膏

併用。皮疹のコントロール良好。(写真4)

副作用… 眼瞼炎、口唇炎、脱毛、爪の脆弱化、皮膚瘙痒(10mg/日投与の維持期には軽快)。

臨床成績

21

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3. 口腔乳頭腫7)

69歳、男性投与前(写真5) 投与5ヵ月後(写真6)

初診時:左軟口蓋には、表面に顆粒状の凹凸がある赤色で一部白色の不正半球型の拇指頭大の腫瘤を認めた。周囲との境界は明瞭であった。(写真5)

導入時投与量:60mg/日。導入5〜8日後:試切部止血困難のため

一時休薬。投 与 3 週 後:乳頭腫は約2/3に縮小。1 ヵ 月 後:投与量を40mg/日に減量。

7 週 後:乳頭腫は約1/3に縮小、投与量を30mg/日に減量。

3 ヵ 月 後:乳頭腫は粟粒大に縮小し投薬停止した。総投与量3,020mg(途中試切のため約10日間休薬)。

5 ヵ 月 後:肉眼的に完全に消失していた。(写真6)

副作用…試 験 切 除 部 の 止 血 困 難、下 口唇の乾燥感、手足等の皮膚の 落屑、瘙痒感。

使用上の注意:1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

(1)25歳以下の患者、特に幼児、小児(「小児等への投与」の項参照)(4)高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

5. 高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。

7. 小児等への投与(2)幼児、小児に投与する場合には観察を十分に行い慎重に投与すること。[過骨症及び骨端の早期

閉鎖を起こすことがある。]

22

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臨床成績

2. 副作用

❶ 副作用1)

承認時迄の調査及び使用成績調査2,779例において、副作用は1,974例(71.0%)に認められた。主な副作用は口唇炎1,430件(51.5%)、落屑771件(27.7%)、口内乾燥688件

(24.8%)、皮膚菲薄化380件(13.7%)、瘙痒344件(12.4%)等であった。(再審査終了時)なお重大な副作用としては中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、多形紅斑、血管炎があらわれることがある。

時期承認時迄の調査

使用成績調査の累計合計

対象 S60.1.31 〜 H3.1.30調査症例数 773 2006 2779副作用発現症例数 721 1253 1974副作用発現症例率 93.27% 62.46% 71.03%

副作用の種類 副作用発現件数(%)承認時迄の調査 使用成績調査の累計

1985.1.31〜1991.1.30 合  計皮膚・皮膚附属器障害 595( 76.97) 562( 28.02) 1157( 41.63)

落屑 491( 63.52) 280( 13.96) 771( 27.74)皮膚菲薄化 222( 28.72) 158( 7.88) 380( 13.67)瘙痒 258( 33.38) 86( 4.29) 344( 12.38)脱毛(症) 111( 14.36) 74( 3.69) 185( 6.66)爪囲炎 94( 12.16) 60( 2.99) 154( 5.54)毛嚢炎・丘疹 35( 4.53) 25( 1.25) 60( 2.16)発汗 47( 6.08) 4( 0.20) 51( 0.84)紅斑 15( 1.94) 32( 1.60) 47( 1.69)爪脆弱化 13( 1.68) 33( 1.65) 46( 1.66)皮下出血 20( 2.59) 22( 1.10) 42( 1.51)色素沈着 19( 2.46) 20( 1.00) 39( 1.40)皮膚乾燥 4( 0.52) 34( 1.69) 38( 1.37)皮膚亀裂 8( 1.03) 18( 0.90) 26( 0.94)皮膚ピリピリ感 13( 1.68) 2( 0.10) 15( 0.54)痤瘡 2( 0.26) 6( 0.30) 8( 0.29)水疱 5( 0.65) 3( 0.15) 8( 0.29)皮膚びらん 1( 0.13) 4( 0.20) 5( 0.18)発疹 4( 0.20) 4( 0.14)爪変形 1( 0.13) 2( 0.10) 3( 0.11)丘疹 3( 0.15) 3( 0.11)光線過敏症 1( 0.13) 1( 0.05) 2( 0.07)紅皮症 2( 0.10) 2( 0.07)皮膚異和感 2( 0.26) 1( 0.00) 2( 0.07)肝斑 1( 0.13) 1( 0.04)鱗屑 1( 0.05) 1( 0.04)脂漏性皮膚 1( 0.05) 1( 0.04)爪炎 1( 0.05) 1( 0.04)爪(甲)剥離症 1( 0.13) 1( 0.04)皮膚萎縮 1( 0.05) 1( 0.04)皮膚炎 1( 0.05) 1( 0.04)皮膚の粘着感 1( 0.05) 1( 0.04)爪甲下膿瘍 1( 0.13) 1( 0.04)

副作用の種類 副作用発現件数(%)承認時迄の調査 使用成績調査の累計

1985.1.31〜1991.1.30 合  計筋・骨格系障害 16( 2.07) 68( 3.39) 84( 3.02)

関節痛・骨痛 53( 2.64) 53( 1.91)関節痛・疼痛・四肢痛・手足痛 16( 2.07) 16( 0.58)関節痛 8( 0.40) 8( 0.29)骨(部)痛 5( 0.25) 5( 0.18)過骨症 4( 0.20) 4( 0.14)筋肉痛 2( 0.10) 2( 0.07)骨折 1( 0.05) 1( 0.04)腰椎・股関節の屈曲運動制限 1( 0.05) 1( 0.04)

中枢・末梢神経系障害 60( 7.76) 39( 1.94) 99( 3.56)頭痛・頭重 55( 7.12) 55( 1.98)頭痛 26( 1.30) 26( 0.94)頭重(感) 11( 0.55) 11( 0.40)めまい 5( 0.25) 5( 0.18)しびれ(感) 1( 0.13) 1( 0.05) 2( 0.07)肩こり 1( 0.13) 1( 0.04)振戦 1( 0.05) 1( 0.04)知覚過敏 1( 0.13) 1( 0.04)

視覚障害 58( 7.50) 52( 2.59) 110( 3.96)結膜炎 46( 5.95) 16( 0.80) 62( 2.23)眼瞼腫脹 8( 1.03) 12( 0.60) 20( 0.72)眼脂 1( 0.13) 11( 0.55) 12( 0.43)眼痛 3( 0.39) 7( 0.35) 10( 0.36)目がかすむ 3( 0.39) 7( 0.35) 10( 0.36)眼精疲労 3( 0.39) 6( 0.30) 9( 0.32)流涙異常 1( 0.13) 1( 0.05) 2( 0.07)

聴覚・前庭障害 1( 0.13) 4( 0.20) 5( 0.18)耳鳴 1( 0.13) 4( 0.20) 5( 0.18)

その他の特殊感覚障害 4( 0.52) 8( 0.40) 12( 0.43)味覚異常 4( 0.52) 8( 0.40) 12( 0.43)

23

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副作用の種類 副作用発現件数(%)承認時迄の調査 使用成績調査の累計

1985.1.31〜1991.1.30 合  計精神障害 1( 0.13) 7( 0.35) 8( 0.29)

不眠(症) 1( 0.13) 4( 0.20) 5( 0.18)いらいら感 1( 0.05) 1( 0.04)精力減退 1( 0.05) 1( 0.04)性欲減退 1( 0.05) 1( 0.04)性欲への影響 1( 0.05) 1( 0.04)統合失調症の悪化 1( 0.05) 1( 0.04)

消化管障害 677( 87.58) 1012( 50.45) 1689( 60.78)口唇炎 624( 80.72) 806( 40.18) 1430( 51.46)口内乾燥 475( 61.45) 213( 10.62) 688( 24.76)口角炎 72( 9.31) 1 47( 7.33) 219( 7.88)食欲不振 53( 6.86) 31( 1.55) 84( 3.02)胃不快感 7( 0.91) 50( 2.49) 57( 2.05)口腔粘膜発赤 38( 4.92) 38( 1.37)口内炎 2( 0.26) 32( 1.60) 34( 1.22)嘔気・嘔吐 30( 3.88) 30( 1.08)口唇乾燥 12( 1.55) 17( 0.85) 29( 1.04)嘔気 27( 1.35) 27( 0.97)口腔内びらん 15( 1.94) 7( 0.35) 22( 0.79)下痢 4( 0.52) 11( 0.55) 15( 0.54)舌炎 3( 0.39) 12( 0.60) 15( 0.54)口内異常感 7( 0.91) 2( 0.10) 9( 0.32)嘔吐 5( 0.25) 5( 0.18)腹痛 3( 0.15) 3( 0.11)便秘 1( 0.13) 1( 0.05) 2( 0.07)肛門不快感 1( 0.05) 1( 0.04)胸やけ 1( 0.05) 1( 0.04)胃痛 1( 0.05) 1( 0.04)頬粘膜肥厚 1( 0.13) 1( 0.04)

肝臓・胆管系障害 30( 3.88) 160( 7.98) 190( 6.84)ALT(GPT)上昇 13( 1.68) 108( 5.38) 121( 4.35)AST(GOT)上昇 15( 1.94) 86( 4.29) 101( 3.63)Al-P上昇 11( 1.42) 36( 1.79) 47( 1.69)LDH上昇 8( 1.03) 39( 1.94) 47( 1.69)血清ビリルビン上昇 1( 0.13) 6( 0.30) 7( 0.25)γ-GTP上昇 4( 0.20) 4( 0.14)AG比異常 2( 0.26) 2( 0.07)チモール混濁反応異常 2( 0.26) 2( 0.07)ZTT上昇 1( 0.13) 1( 0.04)

代謝・栄養障害 20( 2.59) 144( 7.18) 164( 5.90)高トリグリセライド血症 17( 2.20) 117( 5.83) 134( 4.82)血清コレステロール上昇 2( 0.26) 27( 1.35) 29( 1.04)β-リポ蛋白上昇 1( 0.13) 6( 0.30) 7( 0.25)高リン酸塩血症 4( 0.20) 4( 0.14)血糖値上昇 2( 0.26) 2( 0.10) 4( 0.14)血清遊離脂肪酸上昇 4( 0.52) 4( 0.14)血清カリウム低下 2( 0.10) 2( 0.07)血中コレステロール減少 2( 0.10) 2( 0.07)コリンエステラーゼ上昇 2( 0.10) 2( 0.07)血清カリウム上昇 1( 0.05) 1( 0.04)高脂血症 1( 0.05) 1( 0.04)血中カルシウム低下 1( 0.13) 1( 0.04)血清総蛋白減少 1( 0.05) 1( 0.04)血清マグネシウム低下 1( 0.05) 1( 0.04)尿糖 1( 0.05) 1( 0.04)血清アルブミン低下 1( 0.05) 1( 0.04)

副作用の種類 副作用発現件数(%)承認時迄の調査 使用成績調査の累計

1985.1.31〜1991.1.30 合  計中性脂肪増加 1( 0.05) 1( 0.04)VLDL上昇 1( 0.05) 1( 0.04)リン脂質上昇 1( 0.05) 1( 0.04)

呼吸器系障害 141( 18.24) 45( 2.24) 186( 6.69)鼻乾燥 138( 17.85) 36( 1.79) 174( 6.26)咽頭痛 2( 0.26) 6( 0.30) 8( 0.29)嗄声 1( 0.13) 1( 0.04)喘息発作 1( 0.05) 1( 0.04)去痰困難 1( 0.05) 1( 0.04)鼻粘膜充血・疼痛 1( 0.05) 1( 0.04)鼻粘膜刺激感 1( 0.13) 1( 0.04)

赤血球障害 2( 0.26) 9( 0.45) 11( 0.40)赤血球減少 2( 0.26) 6( 0.30) 8( 0.29)ヘマトクリット値減少 2( 0.26) 4( 0.20) 6( 0.22)ヘモグロビン減少 2( 0.26) 4( 0.20) 6( 0.22)貧血 1( 0.05) 1( 0.04)

白血球・網内系障害 5( 0.65) 25( 1.25) 30( 1.08)白血球増多(症) 21( 1.05) 21( 0.76)好中球減少 2( 0.26) 2( 0.07)好酸球増多(症) 2( 0.10) 2( 0.07)白血球減少(症) 1( 0.13) 1( 0.05) 2( 0.07)リンパ球増多(症) 2( 0.26) 2( 0.07)単球減少 2( 0.26) 2( 0.07)白血球分画左方移動 1( 0.05) 1( 0.04)

血小板・出血凝血障害 1( 0.13) 7( 0.35) 8( 0.29)血小板増加 5( 0.25) 5( 0.18)血小板減少(症) 1( 0.13) 2( 0.10) 3( 0.11)

泌尿器系障害 3( 0.39) 11( 0.55) 14( 0.50)BUN上昇 1( 0.13) 9( 0.45) 10( 0.36)頻尿 2( 0.26) 2( 0.10) 4( 0.14)尿蛋白陽性 1( 0.13) 1( 0.04)

女性生殖(器)障害 1( 0.05) 1( 0.04)不正性器出血 1( 0.05) 1( 0.04)

一般的全身障害 107(13.84) 60( 2.99) 167( 6.01)潮紅(フラッシング) 77( 9.96) 21( 1.05) 98( 3.53)倦怠(感) 27( 3.49) 20( 1.00) 47( 1.69)悪寒 4( 0.52) 7( 0.35) 11( 0.40)発熱 3( 0.39) 7( 0.35) 10( 0.36)体重減少 3( 0.39) 2( 0.10) 5( 0.18)浮腫 5( 0.25) 5( 0.18)顔面浮腫 3( 0.15) 3( 0.11)腹水 2( 0.10) 2( 0.07)赤血球沈降速度亢進 1( 0.13) 1( 0.04)発育障害 1( 0.05) 1( 0.04)

抵抗機構障害 2( 0.26) 1( 0.05) 3( 0.11)中耳炎 2( 0.26) 1( 0.05) 3( 0.11)

24

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臨床成績

❷ 副作用の程度1)

❸ 投与期間・投与量と副作用1)

❹ 年齢・性別1)

使用成績調査2,006例において発現した副作用及び臨床検査値異常3,068件の程度は重症132件(4.3%)、中等症942件(30.7%)、軽症1,813件(59.1%)であった。重症と判定された副作用のうち、主なものは落屑17件、口唇炎15件、瘙痒10件等の皮膚・粘膜症状であった。重症の脱毛は4件であった。

使用成績調査2,006例において投与開始から1年以内、及び総投与量10gまでに副作用のほとんどが発現した。特に多発する口唇炎、落屑でこの傾向は顕著であった。

承認時前迄の調査及び使用成績調査2,779例において年齢別では中年齢層(20〜59歳)71.1%、高年齢層(60〜94歳)71.1%及び若年齢層(0〜19歳)62.0%に副作用が報告された。性別では、男69.5%、女72.4%であった。

●減量により症状が軽減する場合が多いので、十分な経過観察と用量調節が必要である。

●1日投与量が高くなるにつれ発現率も高くなる。

使用上の注意:1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

(1)25歳以下の患者、特に幼児、小児(「小児等への投与」の項参照)(4)高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

100

50

0

全 体

口唇炎

落 屑

100

50

0

全 体

口唇炎

落 屑

〈総投与量別〉

~0.5~1.0~5.0 ~10.0 ~30.0 ~50.0 (g)50.0<~2週 ~1ヵ月~3ヵ月~6ヵ月~1年 ~2年 ~3年 3年<

〈投与期間別〉

累積発現率(%)

100

50

0

全 体

口唇炎

落 屑

〈1日最大投与量別〉

~10 ~20 ~30 ~40 ~50 50<(mg/日)

 現

 率(%)

累積発現率(%)

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❺ 副作用への対処

1. 副作用による投与中止例1)

国内臨床例2,779例(承認時迄773例、使用成績調査2,006例)において、副作用のため中止した症例は331例(承認時迄117例、使用成績調査214例)であった(一時中止後、投与を再開したものを含む)。投与を中止した症例では、性別、年齢に偏りなく、中止時の平均1日投与量は34.2mg/日#、平均総投与量は1,643.9mg、平均投与期間9.0週 であった。

2. 副作用に対する処置2)

エトレチナート臨床研究班において、以下の報告がなされている。チガソンの副作用に対する処置

副 作 用 発現例数 投与中止件数(%)口 唇 炎 1,430 86 ( 6.0%)落 屑 771 75 ( 9.7%)口 内 乾 燥 688 31 ( 4.5%)皮 膚 菲 薄 化 380 25 ( 6.6%)瘙 痒 344 34 ( 9.9%)口 角 炎 219 20 ( 9.1%)脱    毛    (症) 185 19 ( 10.3%)鼻 乾 燥 174 10 ( 5.7%)高トリグリセライド血症 134 10 ( 7.5%)A L T( G P T ) 上 昇 121 20 ( 16.5%)A S T( G O T ) 上 昇 101 18 ( 17.8%)頭 痛 ・ 頭 重 92 17 ( 18.5%)食 欲 不 振 84 14 ( 16.7%)嘔 気 ・ 嘔 吐 62 21 ( 33.9%)毛 の う 炎・ 丘 疹 60 15 ( 25.0%)胃 不 快 感 57 14 ( 24.6%)紅 斑 47 19 ( 40.4%)皮 膚 亀 裂 26 6 ( 23.1%)

薬 剤 名 投 与 理 由 治 療 効 果 (治癒・改善)口唇炎 瘙痒 その他

外 用 コ ル チ コ ス テ ロ イ ド 剤 51 5 6 90% 56/62 例白色ワセリン・硼酸サリチル酸軟膏など 58 7 68% 44/65ビ タ ミ ンB2・B6・ E 含 有 経 口 剤 23 1 21% 5/24ビ タ ミ ンA・D含 有 外 用 剤 1 100% 1/1経 口 坑 ヒ ス タ ミ ン 剤 2 19 1 64% 14/22経 口 抗 生 物 質 6 4 8 56% 10/18外 用 非 ス テ ロ イ ド 抗 炎 症 剤 8 1 67% 6/9尿 素 軟 膏 1 5 50% 3/6穏 和 精 神 安 定 剤 6 83% 5/6そ の 他 経 口 剤 1 4 7 67% 8/12

外 用 剤 7 3 100% 10/10注 射 剤 2 0% 0/2

なお、改善以上の効果を示すものは、234件中162件(69%)であった。

#承認用法・用量の寛解導入量は1日40〜50mgを2〜3回に分けて2〜4週間経口投与、1日最高用量は75mgまで、 寛解維持量は1日10〜30mgを1〜3回に分けて経口投与

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臨床成績

❻ 催奇形性8)

8)社内資料:チガソン安全性情報

チガソンは、動物の生殖試験で催奇形性が認められ、海外臨床例で、チガソンの服用により胎児、出生児に奇形を生じたとの報告がある。また、特にチガソンの長期投与例では、長い 体内貯留性を示す。なお、国内臨床例では、チガソン服用中または、避妊期間中における妊娠例が表4のとおり報告されている。

1. 海外臨床例(参考:海外データ) 表1. チガソン服用中または服用中止後の妊娠症例

結果 チガソン服用中の 妊娠例

チガソン服用中止後の 妊娠例a) 計

新生児

正常児 20 70 90

レチノイド特有の奇形b) 6 5 11

その他の奇形c) 3 13 16

自然流産 5 10 15

死  産 ー 4 4

人工流産

胎児の情報不明 27 55 82

正常胎児 7 9 16

レチノイド特有の奇形b) 5 3 8

その他の奇形c) 2 1 3

流産(人工/自然 特定できず) ー 3 3

計 75 173 248a) チガソンの服用期間:1週間〜10年(中央値15ヵ月)b) レチノイド特有の奇形:脳顔面頭蓋・心臓・神経・胸腺の欠損、四肢欠損等の脳顔面頭蓋以外の骨奇形c) その他の奇形:遺伝子・染色体異常、先天性鼠径部ヘルニア、異所性睾丸、一過性新生児筋緊張低下、新生児黄疸

表2. チガソン服用中の妊娠症例にみられた奇形結果 奇 形 の 詳 細

新生児 (n=6)

顔異形、合指症、指趾の欠損、股関節部・足首・前腕の奇形

頭蓋の奇形

合指症、母指短小、低位耳介、高アーチ型口蓋

母指短小

顔異形、低位耳介、指趾短小、陰茎・尿道の欠損、肛門閉塞、2日後死亡

低出生体重児(5ヵ月)、髄膜脊髄瘤、数時間で死亡

人工流産 (n=5)

脳発育障害

重篤な脳損傷、無眼球症

両側内反足、母指短小

髄膜脊髄瘤、低位耳介、小耳症、顔異形、指趾短小

クモ指症、低位耳介

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表3. チガソン服用中止後の妊娠症例にみられた奇形結果 奇 形 の 詳 細

新生児 (n=5)

両側内反足

小頭症、ファロー四微症、小顎症、外耳奇形、片側顔面神経麻痺、CHARGE症候群d)の所見あり

二分脊椎(脊椎破裂)、両側内反足、6日後死亡

ファロー四微症、心臓手術中に死亡

両前腕欠損

人工流産 (n=3)

脛骨・腓骨・足趾の片側欠損、大腿骨低形成

心房中隔の大きな欠損、左心房への大静脈排管、馬蹄鉄腎

心室中隔欠損症d) CHARGE症候群:欠損症、先天性心疾患、後鼻腔の閉鎖、知能障害、性器異常、耳介異常等の臨床症状を示す疾患

2. 国内臨床例 表4.チガソン服用中または服用中止後e)の妊娠例(1985年1月31日〜2018年1月10日現在)

調査対象

症例数

出 産 中 絶 自然流産 追跡不能 追跡中

奇形児 正常児 正常胎児 胎児死亡 確認不能 確認不能

男性服用患者の配偶者 50 0 14 0 0 9 2 24 1

 服用中 34 12 8 2 11 1

 服用中止後 9 1 8

 不明 7 1 1 5

女性服用患者 50 2 12 6 1 20 0 9 0

 服用中 21 1 5 2 1 7 5

 服用中止後 27 1 6 4 12 4

 不明 2 1 1

総計 100 2 26 6 1 29 2 33 1

e) 男性:中止後6ヵ月以内、女性:中止後2年以内

◆ 妊娠情報を入手した場合は、弊社医薬情報担当者までご連絡ください。

(警告・禁忌を含む使用上の注意P.4〜P.9参照)

●妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与禁忌である。●妊娠する可能性のある婦人で他に代わるべき治療法がない重症な患者にやむを得ず投与する時は、あらかじめ患者に対して催奇形性及び副作用について十分な説明を行い、書面で患者の同意を得たうえで投与を開始する。投与開始に際しては次の正常な生理周期の2日又は3日目まで投与を開始しないこと。また、投与開始前2週間以内に妊娠検査を行うなど妊娠していないことを確認すること。また、その場合投与中及び投与終了後少なくとも2年間は避妊させること。再発のため投与を再開する場合も同様に避妊させること。●動物実験で精子形成能に異常を起こすことが報告されているので男性に投与する場合は、投与中及び投与中止後少なくとも6ヵ月間避妊させること。●本剤には催奇形性があり、また副作用の発現頻度が高いので、投与中及び投与中止後少なくとも2年間は献血を行わないよう指導すること。

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モルモットを用いた試験において、精子形成能に異常が認められている。35)

(毒性5.精子形成能への影響P.42参照)

1. 骨に及ぼす影響 国内臨床例において過骨症、関節痛、骨痛が、また海外臨床例において過骨症、骨端の

早期閉鎖、靭帯石灰化等の報告がある。9〜12)

2. 肝に及ぼす影響 国内臨床例において肝炎が、また海外臨床例において胆汁うっ滞性黄疸、肝臓の中心

小葉壊死、慢性活動性肝炎等の報告13〜15)がある。

臨床成績

(使用上の注意 2.重要な基本的注意 P.7参照)

(使用上の注意 2.重要な基本的注意 P.7参照)

(使用上の注意 2.重要な基本的注意 P.7参照)

❼ 精子形成能への影響

❽ その他特に注意すべき事項

●男性に投与する場合は投与中及び投与終了後少なくとも6ヵ月間は避妊させること。

●長期投与の場合は定期的な問診(骨、筋等の傷みや運動障害)、X線検査、Al-P、Ca、P、Mgなどの臨床生化学的検査を行うことが望ましい。●骨の成長が終了していない25歳以下の患者には治療上の有益性が危険性を上回ると判断した場合にのみ、定期的なX線検査、Al-P、Ca、P、Mgなどの臨床生化学的検査を行いながら、慎重に投与すること。

●肝障害を有する患者には投与禁忌である。●投与に際し定期的に肝機能検査を実施し、肝障害が疑われる時は直ちに投与を中止すること。

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3. 臨床薬理

❶ 表皮形態の正常化16)

全身性尋常性乾癬患者2例にチガソンを投与して、皮疹の組織学的変化を観察した。導入期には炎症像、維持期には回復像を示し、二相性の変化が認められた。

10数年 0 3週 0 1 3 5週

50mg/日

75mg/日50mg/日

25mg/日ステロイド外用PUVA療法

数ヵ月数年

チガソン チガソンステロイド外用

ステロイド内用

症例1(38歳・男性)

 床

 経

 過

症例2(42歳・男性)

導入期(投与3週後) 維持期(投与5週後)

全身性の局面型

尋常性乾癬(難治)

鱗屑消失し、紅斑のみ残存。

口唇炎発現。

〔皮疹試切し観察〕

軽度潮紅のみの軽快状態。

〔皮疹試切し観察〕

全身性に鱗屑性紅斑局面。

膿疱を混じた鱗屑潮紅面。

(紅皮症様)

足底、手掌の厚い角化物剥離。

全身潮紅面の落屑。

口唇炎発現。

← ←

鱗屑消失。

潮紅面やや軽快。

有棘層の浮腫性部位では細胞質内に大小の空胞、液胞がみられ、また細胞間は開大し、不定形物、浸潤細胞がみられた。

有棘層上層から不全角化層下層では小型のケラトヒアリンの形成がみられたが、不全角化を示す部位が多く、一部完全角化を示していた。

有棘層の細胞は緻密に配列し、空胞、液胞や細胞間不定形物は消失していた。

顆粒層の細胞では大型のケラトヒアリンがみられ、角層は完全角化を示した。

 顕

 所

 見

 顕

 写

 真(HE染色)

表皮の肥厚がありマルピギー層の細胞は

細胞内浮腫(炎症像)を示す。比較的緻

密に配列するところと、浮腫性変化の強

いところが交錯している。

表皮の肥厚は軽く、細胞内浮腫や細胞間

浮腫はほとんど認められない。真皮は軽

度浮腫状で、毛細血管の拡張がある。

30

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臨床成績

❷ 粘膜形態の正常化17)

口腔白板症患者1例にチガソンを投与して投与前後の粘膜上皮の微細構造の変化を観察 したところチガソン投与による組織の正常化が認められた。

症 例(56歳・男性)

投 与 前

上皮脚の伸展が強度である。 角化層の菲薄化及び顆粒層の減少が認められる。

チガソン投与により角化層の菲薄化、顆粒層の減少が認められ、また棘細胞の配列も整然となり異型細胞も減少して、組織の正常化がみられた。

チガソン投与によりトノフィラメント、ケラトヒアリン顆粒が著明に減少し、細胞や核の著しい変化も消失し、正常化がみられた。

投与4週後

 床

 経

 過

光顕写真(HE染色×200)

光顕所見

電顕所見

0 4週

計420mg

右側上顎歯肉部の白斑型白板症〔試切し観察〕

チガソン

寛解傾向〔試切し観察〕

1 2

31

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❸ 角層細胞接着力の低下18)

治療前の尋常性乾癬5例の皮疹、及びチガソン50mg/日で4週間治療後の3例の皮疹を 試切して、フリーズ・フラクチャー電子顕微鏡的観察を行い、チガソンの細胞膜超微細構造に 対する影響を検討した。その結果、細胞膜上の変化として、本剤投与により著しいデスモゾームの縮小が認められたことから、チガソンの作用点の1つは、角層細胞間の接着力を低下させて落屑を促進する ことにあるものと示唆された。

※デスモゾーム:表皮細胞結合面に存在する特殊分化構造で、細胞間の結合に関与する。正常表皮では角層上層に至って縮小、消失するが、乾癬病変部では発達したまま残存している。

チガソン投与前(左)、後(右)の角層細胞膜(乾癬患者皮疹部の角層)のフリーズ・フラクチャー電顕像 D:デスモゾーム、バー:1μm

デスモゾーム※

直径 (μm)有 棘 細 胞角 層 細 胞

0.43±0.070.35±0.03

0.23±0.080.14±0.03

チガソン投与前 チガソン投与後

32

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薬物動態

❶ 吸収

1. 単回経口投与 健康成人男子5例にエトレチナートとしてチガソン25mg#1カプセルを単回経口

投与したとき、未変化体及び活性代謝物(脱エチル体)の平均血清中濃度は以下の通りで あった。19)

●血清中濃度曲線※

#承認用法・用量の寛解導入量は1日40〜50mgを2〜3回に分けて2〜4週間経口投与、1日最高用量は75mgまで、寛解維持量は1日10〜30mgを1〜3回に分けて経口投与

※チガソン25mg1カプセル単回投与時の健康成人5例の平均値。

(外国人データ)健康人空腹時における本剤の吸収率は30〜70%であった。23)

(ng/mL)100

50

00

1 2 3 4 6 8 12 24(hr)

血清中濃度(ng

/mL)

投 与 後 時 間(時間)

未変化体活性代謝物

(n=5)

薬物動態パラメータ※

パラメータ 最 高 血 清 中 濃 度成 分エトレチナート活 性 代 謝 物(脱エチル体)

Cmax(ng/mL) tmax(hr)t½(hr)

50 ± 25

85 ± 25

4 ± 1

6 ± 2

2 ± 1

4 ± 1

(mean ± SD)

33

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2. 長期投与終了後の蓄積性21)(外国人データ) チガソンの長期投与(4〜234週)を受けた197例の患者において、投与終了後の

エトレチナート及び活性代謝物(脱エチル体)の血漿中濃度を測定した。投与終了後 半年〜1年の間に50%の症例がエトレチナート4ng/mL以下となった。また2年以内 に85%の症例がエトレチナート4ng/mL以下となり、9ng/mLを超える症例は なかった。エトレチナートの排泄半減期は100日以上と考えられた。単回経口投与時に比しこのような長い排泄半減期を得る理由としては、長期投与中に脂肪組織(主に皮下脂肪)に取り込まれたエトレチナートが徐々に血中に流入してくることが考えられた。

3. 食事の影響(外国人データ) 角化症患者10例において、本剤1mg#/kgを牛乳480mLで服用したとき、本剤の血清

中濃度は水で服用した場合の約260%に増加した。22)

また、健康成人男子8例において、本剤100mg#を高脂肪食(脂肪111g)と服用した とき、本剤の血漿中濃度は絶食時服用の約450%に増加した。23)

(エトレチナートは脂溶性のため、吸収の程度を一定にするためには、食事の質を均一化させる必要がある。)

#承認用法・用量の寛解導入量は1日40〜50mgを2〜3回に分けて2〜4週間経口投与、1日最高用量は75mgまで、寛解維持量は1日10〜30mgを1〜3回に分けて経口投与

100エトレチナート

10

1

0.10 360

197例の約50%の代表症例につきプロットした。検出限界:4ng/mL投 与 終 了 後 期 間 (日)

720

血漿中濃度(ng

/mL)

100活性代謝物

(脱エチル体)

10

1

0.10 360

197例の約35%の代表症例につきプロットした。検出限界:4ng/mL投 与 終 了 後 期 間 (日)

720

血漿中濃度(ng

/mL)

34

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❷ 分布

1. 皮内、皮下分布20)(外国人データ) 8例の患者にエトレチナートとしてチガソン50mg/日を4週間連続経口投与して投与

中及び投与中止後7週目までの皮下組織、血清、真皮、表皮における未変化体と活性代謝物の合計濃度を測定した。

その結果、本剤の作用点である表皮内の濃度は血清中濃度と相関し、速やかな上昇(投与開始後)と下降(投与終了後)を示した。一方、皮下組織中濃度は投与終了後も減少せず、本剤の皮下組織(主に皮下脂肪)への貯留性が認められた。

※ エトレチナートと活性代謝物(脱エチル体)の合計濃度。検出限界:15ng/g※※生検真皮組織には脂肪細胞の混入があるため、真皮内濃度は過大評価されている可能性がある。

:チガソン投与期間

2. 胎盤通過性、乳汁中移行性24)(ラット) SD系妊娠ラットにおいて、エトレチナートの胎盤通過性、乳汁中移行性が認められて

いる。

薬物動態

10,000

5,000

1,000

500

100

50

15

0 1 4 7 11

4週連続経口投与後の未変化体と活性代謝物の合計濃度

皮下組織

時間(week)

血清

真皮※※

※エトレチナート濃度(ng

mL

またはng

/ g)

表皮

35

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❸ 代謝、排泄

健康成人男子5例にエトレチナートとしてチガソン25mg#を4日間連続経口投与した とき、投与開始後7日目までに糞便中に未変化体は投与量の約49%、活性代謝物は数%が認められたが、尿中にはいずれも認められなかった。19)

〔代謝経路、排泄過程〕(海外データ)乾癬患者2例に3H-エトレチナート(チガソンカプセル)100mg#を単回経口投与し、 48時間後の静脈血の採取及び投与5日後までの糞尿を回収、分析25)した結果、以下の代謝経路及び排泄過程が推定された。

吸収されたエトレチナートの主要代謝経路

#承認用法・用量の寛解導入量は1日40〜50mgを2〜3回に分けて2〜4週間経口投与、1日最高用量は75mgまで、寛解維持量は1日10〜30mgを1〜3回に分けて経口投与

COOC2H5

CH3Oチガソン(エトレチナート)

主に腸管及び肝臓で代謝

COOH

CH3O

COOH

HO HO

活性代謝物(脱エチル体)

非活性代謝物

00

36

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チガソンの吸収から排泄まで

薬物動態

チガソン(エトレチナート)

糞便中に未吸収の未変化体排泄

(吸収率:健康人空腹時30~70%)

小 腸 粘 膜

吸収率は食事内容(高脂肪食では吸収率増大)、アルコール中毒(胃炎合併による吸収率低下)等により変動する。乾癬患者は腸粘膜異常を有することがあり、この場合吸収率は低下する。

未変化体は主にリポ蛋白、活性代謝物は主にアルブミンと結合して肝臓に運搬(両者とも蛋白結合率は99%以上)。

未変化体(エトレチナート)

脂肪組織に貯留

エトレチナート血中半減期

活性代謝物(脱エチル体)

腸肝循環等により糞便中に

非活性代謝物として排泄※

水溶性の非活性代謝物

尿中排泄※

単回投与:2±1時間長期投与:100日以上

※吸収されたエトレチナートは代謝物として糞中及び尿中にほぼ同量ずつ排泄されると推定された。

37

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❶ 作用機序

チガソンは皮膚角化異常症及び口腔粘膜の過角化病変に対し、対症療法として奏効する。 その作用機序は以下の通りに推定されているが、詳細は明らかでない。また本剤の主要薬理作用は落屑(角層細胞の接着力の低下)とともに正常な上皮の再形成(増殖及び分化)に関与するものと考えられる。26)

〔推定されている作用機序〕経口投与されたエトレチナートは主に腸管及び肝臓のエステラーゼで活性代謝物(脱 エチル体)に加水分解された後、血清アルブミンと結合して標的細胞に運搬される。標的細胞ではレチノイン酸結合蛋白と結合して、ステロイドホルモンと類似の作用機序により核を介して細胞機能に作用すると考えられている。27)

薬効薬理

COOC2H5

CH3O

COOH

CH3O

2

3

4

5

1

十二指腸、小腸

エトレチナート主に腸、肝のエステラーゼで加水分解されて活性代謝物になる。

血清アルブミンと結合して皮膚細胞に運搬される。

細胞内のレチノイン酸結合蛋白と結合する。

核内のDNAと結合して活性核レセプター複合体を形成する。

活性核レセプター複合体の指令に基づき特定の蛋白質が合成される。この蛋白質が薬理作用を発揮する。

活性代謝物(脱エチル体)

血清アルブミン(Alb)

Alb

皮膚細胞細胞内ではステロイドホルモンと類似の機序で作用を発揮すると推定されている。

レチノイン酸結合蛋白(レセプター) 活性代謝物(脱エチル体)

DNA

RNA

蛋白質薬理作用

活性核レセプター複合体

38

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薬効薬理

❷ 生体に対する作用

❸ 治療係数28)(マウス)

ビタミンAは標的細胞において種々の活性代謝物に変化し、視覚作用、聴覚作用、表皮の 抗角化作用などを示す。一方、チガソン(エトレチナート)は選択的に抗角化作用を高めた 治療剤である。

チガソン(エトレチナート)とビタミンAの生体に対する作用

治療係数とは最大耐量/最小有効量の比のことで、数値の大きいほど治療域が広い薬剤といえる。本試験では角化症モデルとしてマウスの乳頭腫を用いた。

治療係数 = 毎日1回2週間腹腔注射して、ビタミンA過剰症を引き起こす最少の1回投与量

毎週1回2週間腹腔注射して乳頭腫を50%縮小させる1回投与量

●チガソン(エトレチナート)とビタミンA酸の治療係数

※チガソン(エトレチナート)の抗角化作用はビタミンAよりも強力である。

チガソン

抗角化作用※

など

ビタミンA 視覚作用聴覚作用など

ビタミンA過剰症

チガソン(エトレチナート) 50mg/kg 25mg/kg 50/25=2.0

80mg/kg 400mg/kg 80/400=0.2ビ タミン A 酸

乳 頭 腫 縮 小 治 療 係 数

39

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安全性薬理試験及び毒性試験29)

1. 安全性薬理試験

❶ 中枢神経、自律神経系への影響(マウス、ラット、ネコ)

❷ 呼吸器、循環器系への影響(イヌ)

❸ 腎、内分泌系等への影響(ラット、イヌ、マウス、ウサギ)

雄性ICR-SLC系マウス及び雄性SD系ラットにエトレチナート300mg/kg経口投与、またはネコにエトレチナート30mg/kgを静脈内投与して中枢神経、自律神経系への影響を調べたところ著明な作用を認めなかった。

雑種雌雄成犬にエトレチナート30mg/kgを静脈内投与して呼吸器、循環器系への影響を 調べたところ、著明な作用を認めなかった。

腎、内分泌系等に対してもエトレチナートは著明な作用を示さなかった(雑種雌雄成犬、日本白色種雌性ウサギほか)。以上の実験成績より、エトレチナートは各種実験動物において主要臓器に特記すべき一般 薬理作用を示さないと考えられた。

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安全性薬理試験及び毒性試験

2. 毒性試験

❶ 急性毒性30)(マウス、ラット)(LD50、mg/kg)

動 物 性LD50(mg/kg)

経 口 腹腔内 皮 下

マウス(ICR系)♂ >4,000 >1,000 >1,000

♀ >4,000 >1,000 >1,000

ラット(SD系)♂ >4,000 >1,000 >1,000

♀ >4,000 >1,000 >1,000

❷ 亜急性毒性31)(ラット)

❸ 慢性毒性32)(ラット、イヌ)

ラット(SD系)に2.5、5、10、20mg/kg/日を5週間連続経口投与したとき、10mg/kg以上で体重増加抑制、総蛋白、A/G比、Pの有意な低下、副腎の絶対・相対重量の増加、精巣及び精巣上体重量の減少が、また、5mg/kg以上の群で骨折が認められた。

ラット(SD系)に0.5、1、3mg/kg/日を18ヵ月間連続経口投与したとき、3mg/kgで骨折 の他、赤血球数及びヘモグロビン値の軽度減少、Al-Pの上昇、脾臓及び腸間膜リンパ節に おける髄外造血機能のわずかな亢進が認められた。イヌ(ビーグル)に2.5、5、15mg/kg/日 を12ヵ月間連続経口投与したとき、15mg/kgで体重増加抑制、脱毛、ヘモグロビン値と ヘマトクリット値の減少、赤血球沈降速度の上昇、GPTの軽度上昇、精巣・前立腺重量の 減少及び副腎のアミロイド沈着などが認められたが骨折例は認められなかった。

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❺ 精子形成能への影響35)(モルモット)

❹ 生殖試験

モルモットに25mg/kg/日を6週間連続経口投与したとき、精細管直径の縮小、精子小皮の粗化、組織破壊ならびに剥離、精子形成細胞数の減少が認められた。精祖細胞量は一定であったが成熟精子は認められなかった。しかし、これら所見は、回復試験ではいずれも正常に復した。

1. 妊娠前・妊娠初期投与試験33)(ラット) ラット(Albino)に1、2.5、5mg/kg/日を連続経口投与したとき、5mg/kgで生存児数の

減少、死産児数の増加が、新生児で体重増加抑制、交配率の低下が認められた。2. 器官形成期投与試験33,34)(ラット、ウサギ) ラット(Albino)に1、2、4、8mg/kg/日を連続経口投与したとき、8mg/kgで吸収胚数の

増加、生存胎児数の減少が、4mg/kg以上で胎児の外形・骨格・内臓異常が、2mg/kg 以上で新生児の骨格異常が認められた。ウサギ(Yellow-Silver)に0.5、1、2mg/kg/日を連続経口投与したとき、2mg/kgで吸収胚数の増加、胎児の骨格異常が認められた。

3. 周産期・授乳期投与試験33)(ラット) ラット(Albino)に2、4、8mg/kg/日を連続経口投与したとき、8mg/kgで死産児数の

増加、新生児の生存率及び体重増加の抑制が認められた。

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製剤学的事項

取扱い上の注意

包  装

安定性

本剤は加温、曝光の各条件下で分解物等の生成が、加湿条件で固化が認められたが、室温、 遮光、気密条件下では4年間、規格の範囲内であった。本剤は室温、開封前(遮光、気密)の条件下で、規格の範囲内であった。1)

* 規制区分: 劇薬、処方箋医薬品 注)

注)注意−医師等の処方箋により使用すること貯  法: 遮光、室温保存、吸湿注意使用期限: 4年(外箱に表示の使用期限内に使用すること)誤飲を避けるため、子供の手の届かないところで保管するよう指導してください。

関連情報

❶ 承認番号、承認年月、薬価基準収載年月、販売開始年月

❷ 再審査結果公表年月

承認番号 承認年月 薬価基準収載年月 販売開始年月

チガソンカプセル10 60AM0020 1985年1月 1985年12月 1985年12月

チガソンカプセル25 60AM0021 1985年1月 1985年12月 1985年12月

再 審 査 期 間:1985年1月31日〜1991年1月30日(終了)再審査結果通知年月:1992年6月

チガソンカプセル10:100カプセル(PTP)チガソンカプセル25:100カプセル(PTP)

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主要文献

1) 承認時評価資料

2) 承認時評価資料: Etretinate臨床研究班: Open StudyによるRetinoid(Etretinate)の臨床効果の検討. 西日本皮膚科44:988,1982.

3) 承認時評価資料: Etretinate臨床研究班: Etretinate経口剤の乾癬に対する二重盲検法による臨床評価. 臨床評価11: 489,1983.

4) 松浦正朗、他:ビタミンA酸誘導体Etretinate(Ro 10-9359)の口腔白板症、扁平苔鱗および乳頭腫に 対する治療効果ー多施設における臨床的検討ー. 日本口腔外科学会雑誌29:379,1983.

5) 倉員正俊、他: Etretinate(Ro 10-9359)による角化症の治療. 西日本皮膚科42:864,1980.

6) 武富功雄、他: Etretinate(経口レチノイド)の奏効したDarier病の2例. 皮膚科の臨床23:1649,1981.

7) 松浦正朗、他: Etretinate(Ro 10-9359)により著明に改善した過角化病変の2例. 日本口腔外科学会 雑誌26:232,1980.

8) 社内資料:チガソン安全性情報

9) Sillevis Smitt, J. H., et al. :A serious side-effect of etretinate(Tigason®). Clin. Exp. Dermatol.9:554,1984.

10) Prendiville J., et al.:Premature epiphyseal closureーa complication of etretinate therapy in children. J. Am. Acad. Dermatol. 15:1259,1986.

11) DiGiovanna J.J., et al.:Extraspinal tendon and ligament Calcification Associated with long-term therapy with etretinate. N. Engl. J. Med. 315:1177,1986.

12) 高山紀子、他: Etretinateによる副作用: Hyperostosisを生じた乾癬の一例 第2回日本乾癬研究会 1987,9,24

13) Thune, P., et al.:A case of centrolobular toxic necrosis of the liver due to aromatic retinoid-Tigason (Ro 10-9359). Dermatologica 160:405,1980.

14) Gavish D., et al.:Cholestatic jaundice, an unusual side effect of etretinate. J. Am. Acad. Dermatol. 13:669,1985.

15) Weiss V. C., et al.:Chronic active hepatitis associated with etretinate therapy. Brit. J. Dermatol. 112:591,1985.

16) 上田恵一、他:尋常性乾癬に対するRetinoidの作用に関する電子顕微鏡的研究. 京都府立医科大学雑誌89:751,1980.

17) 日高淑樹、他: Etretinate(Ro 10-9359)投与による口腔白板症の微細構造に関する研究. 日本口腔外科学会雑誌29:253,1983.

18) KITAJIMA, Y., et al.:Effects of retinoid (Ro 10-9359)on the plasma membrane of keratinocytes in patients with psoriasis:A freeze-fracture analysis. J. Invest. Dermatol. 80:174,1983.

19) 安原 一、他:健康成人におけるEtretinateの薬物動態ー単回および反復経口投与についてー. 臨床薬理13:243,1982.

20) Rollman, O., et al. Retinoid concentrations in skin, serum and adipose tissue of patients treated with etretinate. Br. J. Dermatol. 109:439,1983

21) Paravicini, U., et al.:Etretinate and isotretinoin, two retinoids with different pharmacokinetic profiles, In Retinoid therapy, ed by Cunliffe, W. J., et al. MTP Press Limited, P. 11,1984.

22) DiGiovanna, J. J., et al.:Etretinate:Effect of Milk lntake on Absorption. The Journal of Investigative Dermatology. 82:636,1984.

23) Colburn, W. A., et al.:Effect of Meals on the Kinetics of Etretinate. J. Clin. Pharmacol. 25:583,1985.

24) 立石 満、他:ラットにおけるEtretinateの薬物動態に関する研究(第2報) Etretinate投与後の乳汁中 移行および胎仔移行. 応用薬理24:489,1982.

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25) Paravicini, U., et al.:On metabolism and pharmacokinetics of an aromatic retinoid; In Modulation of cellular interactions by vitamin A and derivatives (retinoids), et by De Luca, L. M., et al. Ann. N. Y. Acad Sci. 359:54,1981.

26) 北島康雄:レチノイドの角化異常症に対する作用機序と臨床効果について. 日本皮膚科学会雑誌 91:1415,1981.

27) Chader, G. J., et al.:Retinoid-binding proteins of retina and retinoblastoma cells in culture; In Modulation of cellular interactions by vitamin A and derivatives (retinoids), ed by De Luca, L. M., et al. Ann. N. Y. Acad. Sci. 359:115,1981.

28) C.E.Orfanos:Retinoids; Advances in Basic Research and Therapy :Retinoids (Springer-Verlag) 5 1981-01-01

29) 矢島 孝、他: Etretinateの一般薬理作用. 応用薬理24:267,1982.

30) 相川万律子、他: Etretinateの毒性に関する研究(第1報)ーEtretinateのマウス、ラットに対する急性毒性試験および代謝物 Ro 10-1670, 分解物 Ro 13-7837のラットに対する経口急性毒性試験ー. 薬理と 治療 10巻 9号:5033,1982.

31) 堀井郁夫、他: Etretinateの毒性に関する研究(第2報)ーラットに対する5週間経口投与亜急性毒性試験ー. 薬理と治療 10巻 9号:5045,1982.

32) Teelmann,k., et al. Experimental : Toxicology of the Aromatic Retinoid Ro 10-9359 (Etretinate)  Springer-Verlag, P. 41,1981.

33) Hummler, H., et al.:Studies in reproductive toxicology and mutagenicity with Ro 10-9359; In Retinoids, ed by Orfanos, C. E., et al. Springer-Verlag, P. 49,1981.

34) 相川万律子、他: Etretinateの毒性に関する研究(第3報)ーラットの器官形成期投与試験ー. 薬理と治療10巻 9号:5095,1982.

35) Tsambaos, D., et al.:Reversible Spermatogenesestörung durch aromatisches Retinoid bei Meerschweinchen. Arch. Dermatol. Res. 267:153,1980.

主要文献

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製造販売業者の氏名または名称及び住所

<製造販売元>太陽ファルマ株式会社東京都千代田区丸の内1-6-5

<資料請求先>太陽ファルマ株式会社 お客様相談室TEL 0120-533-030https://www.taiyo-pharma.co.jp

本資材は「医療用医薬品製品情報概要等に関する作成要領」に則り作成しています。

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製品情報概要

薬価基準収載

日本標準商品分類番号 873119

劇薬、処方箋医薬品注)角化症治療剤

製造販売元東京都千代田区丸の内 1‒6‒5

[資料請求先]お客様相談室TEL:0120‒533‒030

注)注意―医師等の処方箋により使用すること エトレチナートカプセルTIGASON

チガソンカプセル10チガソンカプセル25

2019年1月作成TIG 020.01