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1 LC/MS基礎講座 ⽇本ウォーターズ株式会社 ©2015 Nihon Waters K.K. 1 JASIS 2015 新技術説明会 93⽇(⽊) 11:1011:35 概要 LC/MSについて LC/MSシステム構成 質量分析計(MS)とは 質量分析計(MS)とは イオン化法 メソッド開発 定量⽤の測定モード メソッド開発⼿順 o 移動相に関する注意点 ©2015 Nihon Waters K.K. 2

LC/MS基礎講座 - Waters Corporation1 LC/MS基礎講座 本ウォーターズ株式会社 ©2015 Nihon Waters K.K. 1 JASIS 2015 新技術説明会 9 3 ( )11:10〜11:35 概要

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  • 1

    LC/MS基礎講座

    ⽇本ウォーターズ株式会社

    ©2015 Nihon Waters K.K. 1

    JASIS 2015 新技術説明会9⽉3⽇(⽊) 11:10〜11:35

    概要

    LC/MSについて– LC/MSシステム構成– 質量分析計(MS)とは質量分析計(MS)とは– イオン化法

    メソッド開発– 定量⽤の測定モード– メソッド開発⼿順

    o 移動相に関する注意点

    ©2015 Nihon Waters K.K. 2

  • 2

    LC/MSについて

    ©2015 Nihon Waters K.K. 3

    LC/MS システム構成

    LC/MS:液体クロマトグラフィー質量分析計 ポンプ

    – 移動相をシステムに送液

    カラム:分離の場

    移動相をシステムに送液 インジェクター

    – 試料をシステム内に注⼊ カラム

    – 分離の場– 固定相が充填

    検出器– カラムから溶出した成分を検出

    インジェクター:サンプル注⼊

    MS検出器

    ©2015 Nihon Waters K.K. 4

    – カラムから溶出した成分を検出– UVやPDAなどの検出器– 質量分析計(MS)

    データ処理– 検出器の信号を記録しクロマトグラムを記録– インテグレーション・定量計算

    ポンプ:移動相送液

  • 3

    MSの利点 - UV検出器とMS検出器例:りんごジュース中のパツリンの分析

    りんごジュース中にパツリンを50ppb添加し、Oasis HLBで前処理(2.5倍濃縮)後分析ApplejuicePatulin50ppb 2-15%cn 2XAtlnts2.1*150 0.1%TFA FR0.15dslved in 10%OH 2%01MIN EtAcelute

    100patulin1068 2: Diode Array

    2549.99e4

    9.51 9.86

    10 52

    17.13 21.47

    100

    %

    0

    %

    9.27

    9.05

    10.5211.57

    11.42

    16.64

    18.31

    18.57 20.0119.48

    22.64

    24.42

    patulin1068 1: SIR of 1 Channel ES- TIC

    1.07e516.21

    10.36

    UV:254 nm

    MS:m/z 153

    Patulin

    ?

    より選択性の⾼い検出が可能

    ©2015 Nihon Waters K.K. 5

    UV検出器などのMS以外の検出器と⽐べて、以下のような利点がある。– ⾼感度に測定できることが多い– 選択性が⾼い– 前処理のステップやメソッド作成の時間が短縮できることがある

    ただし、MSで測定を⾏うためには、モニターイオン(イオン化条件)の設定が必要。

    2.00 4.00 6.00 8.00 10.00 12.00 14.00 16.00 18.00 20.00 22.00 24.00Time3

    より選択性 ⾼ 検出が可能

    質量分析(MS)とは

    質量分析、マススペクトロメトリー(Mass Spectrometry):原⼦や分⼦から⽣じたイオンを真空下で運動させ、電場や磁場を⽤いてそのイオンの質量電荷⽐(m/z )に従って分離 検出する分析⽅法の質量電荷⽐(m/z )に従って分離、検出する分析⽅法。

    質量分析計(Mass Spectrometer):サンプルを気相のイオンにし、真空下でイオンを質量電荷⽐ (m/z ) に従って分離、それを検出、記録する装置。

    ≪よりみち≫ 質量分析計を真空に保つ理由

    ©2015 Nihon Waters K.K. 6

    よりみち 質量分析計を真空 保 理由— イオンの開裂やイオン-分⼦間の衝突を抑える— 電気アーク(放電)を防⽌する— 汚染/化学的なノイズを低減する

  • 4

    質量分析の⽤語

    マススペクトロメトリー :分析法 マススペクトロメーター :装置 マススペクトル :スペクトル 横軸がm/z 縦軸がイオンの相対量のデ タ マススペクトル :スペクトル。横軸がm/z、縦軸がイオンの相対量のデータ MS :マススペクトロメトリーを略した表記 気をつけたいMSの読み⽅について

    – MSは「マス」とは発⾳せずに「エムエス」と発⾳する。– LC/MSは「エルシー エムエス」と発⾳する。– MS/MSは「エムエス エムエス」と発⾳する。

    ©2015 Nihon Waters K.K. 7

    質量電荷⽐とは

    質量電荷⽐ (m/z) – イオンの質量を電荷で割った値。m/z– m/z は、3⽂字からなる記号として⽤いる。イタリック体で表記する。m/z は、3⽂字からなる記号として⽤いる。イタリック体で表記する。– 例:600 Da(モノアイソトピック質量)の化合物について

    o プロトン (H+)が『1個 』付加した場合m/z 601 として検出される。(プロトンが1個付加したイオンを[M+H]+と表す。)

    o プロトン(H+)が『2個 』付加した場合m/z 301 として検出される

    H+付加で増加した質量

    価数 (1+)

    (600+1)/1 ⇒ 601

    (600+2)/2 ⇒ 301

    ©2015 Nihon Waters K.K. 8

    (プロトンが2個付加したイオンを[M+2H]2+と表す。)o 『ナトリウムイオン(Na+)』が 1個付加した場合

    m/z 623 として検出される(ナトリウム付加のイオンを[M+Na]+と表す。)

    H+付加で増加した質量

    価数 (2+)

    Na+付加で増加した質量

    価数 (1+)

    (600+23)/1 ⇒ 623

  • 5

    LC/MSの構造 -シングル四重極

    LC MS PC

    INLET ANALYSERSOURCE ION DETECTER DATA SYSTEM試料導⼊ イオンの分離

    (1箇所)イオン化 イオンの検出 データ処理

    (MassLynx/Empower)

    ©2015 Nihon Waters K.K. 9

    真空システム

    LC/MSの構造 –タンデム四重極(LC/MS/MS)

    LC MS PC

    INLET ANALYSERSOURCE ION DETECTER DATA SYSTEM試料導⼊ イオンの分離

    (2箇所)イオン化 イオンの検出 データ処理

    (MassLynx/Empower)

    ©2015 Nihon Waters K.K. 10

    真空システムコリジョンセル

  • 6

    質量分析の分析対象物

    ⾮極性 揮発性 おおむねGC/MS 熱に対して安定 しばしば誘導体化が必要 熱に対して安定 しばしば誘導体化が必要

    ⾼極性 低揮発性 おおむねLC/MS(/MS) 熱に対して不安定

    ©2015 Nihon Waters K.K. 11

    真空下におけるイオン化:non-API

    イオン化の種類ー真空下 or ⼤気圧下

    ⼤気圧下におけるイオン化:API:non API

    電⼦イオン化:EIElectron Ionization

    化学イオン化:CIChemical Ionization

    エレクトロスプレーイオン化:ESIElectroSpray Ionization

    ⼤気圧化学イオン化:APCIAtmospheric PressureChemical Ionization

    ⼤気圧光イオン化:APPIAtmospheric Pressure Photoionization

    ©2015 Nihon Waters K.K. 12

    GC/MSで⼀般的 LC/MS向きのイオン化法

    Photoionization

  • 7

    LC/MSのイオン化法

    ⼤気圧下におけるイオン化(API)法– エレクトロスプレーイオン化(ESI)– ⼤気圧化学イオン化(APCI)⼤気圧化学イオン化(APCI)– ⼤気圧光イオン化(APPI)

    MW

    1,000

    10,000ESI

    APPI

    ©2015 Nihon Waters K.K. 13

    Analyte polarity

    100

    10

    APCI

    ionicnonpolar

    ESI法におけるイオン化の過程

    イオン蒸発++ 溶媒の蒸発

    ③気相イオンの⽣成②溶媒蒸発と液滴の分裂①帯電液滴の形成

    イオン蒸発

    ⾼温のガス(DesolvationGas)

    半径≦10nmの液滴では、液

    ステンレスキャピラリー(Capillary)

    + ++

    +++++

    + ++

    +2〜3.2kV

    溶媒の蒸発

    不均⼀な液滴の分裂

    LCからの溶離液

    プラス(またはマイナス)の⾼電圧をかけ、酸化還元反応を起こさせる

    ++ + ++ + ++ +

    +++

    +++

    ++

    +

    +

    ©2015 Nihon Waters K.K. 14

    滴の分裂よりも、静電斥⼒による液滴表⾯からのイオン蒸発が起こる。

    イオンは液相から気相に変わる。

  • 8

    プローブ①LCからの溶離液

    ②DesolvationGas② ②③サンプルコーン ⑥ヘキサポール

    ESI法におけるイオン化の過程

    プローブ

    ④コーンガス

    ©2015 Nihon Waters K.K. 15

    ③サンプルコーン④コーンガス ⑤エクストラクターコーン

    イオン導⼊:③サンプルコーンと⑤エクストラクターコーンを通過することにより、中性分⼦が徐々に除かれ、イオンの割合が⾼められていく。⑥ヘキサポールでRF電圧のみが印加されて、全てのイオンを通過させる。イオンビームを収束させる。

    ①LCからの溶離液

    ② ②②DesolvationGas

    ⑥10 6 eVIonSABREIonSABREAPCIAPCIプローブプローブ

    APCI法におけるイオン化の過程(APCI/APPI)

    ネブライザーガス② ②

    IonSABREIonSABRETMTMAPCIAPCIプローブプローブ

    ⑥10.6 eVクリプトンランプ APCIAPCIプローブプローブ

    ©2015 Nihon Waters K.K. 16

    ③サンプルコーン④コーンガス ④コーンガス

    ⑤コロナピン

    ⑥10.6 eVクリプトンランプ

  • 9

    ESI法とAPCI 法、APPI法の⽐較

    API ESI APCI APPI

    プローブ 標準(専⽤) 専⽤ 専⽤プローブ 標準(専⽤) 専⽤ 専⽤

    イオン化 液相キャピラリー

    気相コロナピン

    気相UV光

    分離モード 逆相(順相) 逆相及び順相

    対象物 極性化合物・⾼分⼦熱に不安定な化合物

    ⾮極性化合物・揮発性物質熱分解しない化合物

    ©2015 Nihon Waters K.K. 17

    イオン化モードの選択

    測定を⾏う際は、複数のイオン化モード(ESI、APCI、APPI)から適したモードを選択する。– ファーストチョイスはESI、それでだめならAPCIファ ストチョイスはESI、それでだめならAPCI– [M+H]+が確認できない時ときも、すぐにはあきらめず[M+NH4]+、 [M+CH3COO]-

    などの付加イオンも探してみる。o ただし、付加分⼦のドナーとなりうる酢酸アンモニウムなどの添加剤を移動相に加えておく

    必要がある。

    ©2015 Nihon Waters K.K. 18

  • 10

    メソッド開発

    ©2015 Nihon Waters K.K. 19

    検出器

    1データポイントにかけた時間 Scan Time= 1秒のとき

    四重極の測定モードScanー短い時間で選択するイオンを次々に切り替える

    検出器

    選択するイオン 強度m/z 100

    m/z 101

    時間0.001

    0.002

    10

    20

    強度

    スキャン速度 = 1000 Da / 秒

    ©2015 Nihon Waters K.K. 20

    /

    m/z 102

    m/z 103

    m/z 1100

    0.003

    0.004

    1.000

    10

    1

    20

    ● m/zm/z 100 m/z 1100

  • 11

    TIC

    四重極の測定モードScanー短い時間で選択するイオンを次々に切り替える

    time(min)5 10

    RT 5minのピークのスペクトル

    298m/z time(min.)5

    298

    ©2015 Nihon Waters K.K. 21m/z200 400time(min)5 10

    m/z 298のマスクロマトグラム

    m/z200 400

    298

    バックグラウンドを差し引いたスペクトル バックグラウンド

    m/z200 400

    検出器

    1データポイントにかけた時間 Dwell Time= 1秒のとき

    四重極の測定モードStaticー常に1つのイオンを選択する

    検出器

    選択するイオン 強度m/z 100

    m/z 100

    時間0.001

    0.002

    10

    10

    強度

    ©2015 Nihon Waters K.K. 22

    /

    m/z 100

    m/z 100

    m/z 100

    0.003

    0.004

    1.000

    10

    10

    10

    ●m/z 100

    m/zm/z 100

  • 12

    検出器コリジョンセルStatic Static

    定量測定⽤のモード:MRMモード

    MS1 MS2

    ©2015 Nihon Waters K.K. 23

    m/z

    検出器コリジョンセルStatic Static

    定量測定⽤のモード:MRMモード

    同じm/zでイオン化する2つの化合物

    MS1 MS2

    ©2015 Nihon Waters K.K. 24

    m/z

    m/z m/z m/z m/z

  • 13

    定量分析におけるメソッド作成の⼿順

    1. 化合物のMSのイオン化条件の検討– MRMモードでの測定を⾏うためには、各化合物のイオン化条件の検討が必要– イオン化条件:4つのパラメーターイオン化条件:4つのパラメ タ

    o プリカーサーイオン(m/z )o プロダクトイオン(m/z )o コーン電圧(V)o コリジョン電圧(eV)o マニュアル操作またはソフトウェアの⾃動化機能を利⽤して確認

    2. LC条件の検討

    ©2015 Nihon Waters K.K. 25

    – 移動相となる溶媒の検討– カラム、グラジェント条件、流量、注⼊⽅式、…

    3. MSメソッドの編集– 必要に応じて、データポイントの確認など

    イオン化条件の最適化

    検討に使⽤する標準サンプルは、0.1〜1ppm(μg/mL)程度の濃度になるよう、50% メタノールなどで調製して使⽤

    最適化時の試料注⼊⽅法 最適化時の試料注⼊⽅法– インフュージョン分析

    質量分析計に直接、試料を導⼊(シリンジポンプ、リザーバーボトルを使⽤)

    – フローインジェクション分析カラムを接続せずに、LCのインジェクターから試料を導⼊

    ©2015 Nihon Waters K.K. 26

    ※ いずれの⽅法でも、Waters Masslynxソフトウェアを⽤いた場合は、IntelliStartまたはAutoTune機能、QuanOptimize(オプション)機能を使⽤すると、⾃動でイオン化条件の最適化作業を⾏い、MSメソッド(MRMモード)まで作成。

  • 14

    インフュージョン分析・フローインジェクション分析

    インフュージョン分析 ■フローインジェクション分析LC不要: カラムなし:⼀定流速で成分を導⼊し続ける 移動相でゆっくりと試料をMSへ導⼊

    プローブ

    リザーバーボトルまたは、シリンジポンプ

    ©2015 Nihon Waters K.K. 27

    例:TQD直接MSへ導⼊(LCは不要)

    例:UPLC/TQDLCインジェクタ―からMSへ導⼊

    フローインジェクション分析コーン電圧の最適化

    50Vm/z 368.1のマスクロマトグラム マススペクトル

    Anilofos

    100Anilofos(cv+) Sm (Mn, 1x1) 5: Scan ES+

    368.095 84e5

    0.67

    Anilofos

    100Anilofos(cv+) 39 (0.692) Cm (34:69) 5: Scan ES+

    1.54e7(コーン電圧が⾼くて、m/z 368.1はフラグメントしてしまったと思われる)

    コーン電圧

    シングルMSスキャン 例:アニロホス

    40V

    50V

    30V

    100

    0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.00

    %

    0

    100

    0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.00

    %

    0

    100

    0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.00

    %

    0

    5.84e50.84

    1.46 1.77

    Anilofos(cv+) Sm (Mn, 1x1) 4: Scan ES+ 368.0815.31e6

    0.67

    Anilofos(cv+) Sm (Mn, 1x1) 3: Scan ES+ 368.0692.17e7

    0.67 0.78

    Anilofos(cv+) Sm (Mn, 1x1) 2: Scan ES+ 368.0672.60e7

    0.67 0.76 100

    %

    0

    100

    %

    0

    100

    %

    0

    390.0371.2 392.0

    Anilofos(cv+) 39 (0.690) Cm (33:68) 4: Scan ES+ 1.54e7

    390.0

    368.1 371.2 392.0

    Anilofos(cv+) 44 (0.777) Cm (31:66) 3: Scan ES+ 1.54e7

    368.1

    370.0390.1

    371.4 392.0

    Anilofos(cv+) 39 (0.685) Cm (33:65) 2: Scan ES+ 1.54e7368.1

    370 0

    最適な条件!!

    ©2015 Nihon Waters K.K. 28

    カラムなしのため、ピークはブロード(コーン電圧を複数変化させる場合はデータポイント数を稼ぐ必要あり)

    20V

    10VTime0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.00

    %

    0

    100

    0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.00

    %

    0

    Anilofos(cv+) Sm (Mn, 1x1) 1: Scan ES+ 368.0671.36e7

    0.68

    m/z320 330 340 350 360 370 380 390 400 410

    %

    0

    100

    %

    0

    370.0

    390.1392.0

    Anilofos(cv+) 39 (0.683) Cm (31:64) 1: Scan ES+ 1.54e7

    368.1

    370.0390.1

    イオン強度が最も⼤きい時のコーン電圧値は? m/z 368.1のイオン強度に注⽬!!

    [M+Na]+が検出されているが、Naのドナーとなりうる移動相を使⽤していないので、モニターイオンには設定しない

    [M+Na]+[M+H]+

  • 15

    マスクロマトグラム マススペクトルAnilofosAnilofos(ce+) Sm (Mn 1x1) 5: Daughters of 368ES+ Anilofos

    フローインジェクション分析コリジョンエネルギーの最適化

    プロダクトイオンスキャン 例:アニロホス

    コリジョンエネルギー

    28eV

    34eV

    22eV0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.00

    %

    0

    100

    0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.00

    %

    0

    100

    0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.00

    %

    0

    100Anilofos(ce+) Sm (Mn, 1x1) 5: Daughters of 368ES+

    124.5422.13e7

    0.71

    Anilofos(ce+) Sm (Mn, 1x1) 4: Daughters of 368ES+ 124.5511.78e7

    0.76

    Anilofos(ce+) Sm (Mn, 1x1) 3: Daughters of 368ES+ 170.4942.10e7

    0.80

    Anilofos(ce+) Sm (Mn, 1x1) 2: Daughters of 368ES+

    %

    0

    100

    %

    0

    100

    %

    0

    100Anilofos(ce+) 16 (0.818) Cm (11:23) 5: Daughters of 368ES+

    1.26e7124.5

    170.6156.7

    Anilofos(ce+) 14 (0.707) Cm (11:24) 4: Daughters of 368ES+ 1.00e7124.6

    170.6

    156.7

    Anilofos(ce+) 13 (0.648) Cm (12:22) 3: Daughters of 368ES+ 1.47e7170.5

    124.5198.6

    Anilofos(ce+) 14 (0.693) Cm (11:24) 2: Daughters of 368ES+

    ©2015 Nihon Waters K.K. 29

    16eV

    10eVTime

    0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.00

    %

    0

    100

    0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.00

    %

    0

    100o os(ce ) S ( , ) aug te s o 368 S

    198.6322.55e7

    0.850.69

    Anilofos(ce+) Sm (Mn, 1x1) 1: Daughters of 368ES+ 198.6261.67e7

    0.74

    m/z50 100 150 200 250 300 350 400

    %

    0

    100%

    0

    100( ) ( ) ( ) g

    1.40e7198.6

    170.5

    Anilofos(ce+) 14 (0.687) Cm (11:22) 1: Daughters of 368ES+ 1.34e7367.8

    198.6

    最適な条件!!

    コリジョンエネルギーが低いために、プリカーサーイオンが残っている。

    各コリジョンエネルギー値において得られたマススペクトルのうち、最もイオン強度の⾼かったマスクロマトグラムを抽出

    移動相に関する注意点

    移動相は揮発性でないといけない。 有機溶媒の種類、添加剤の種類および濃度、移動相のpHがイオン化効率に影響

    を与えるを与える。– 測定したいイオンをもっとも効率よく発⽣させる移動相を選択する。

    測定対象物質が適切な保持時間をもつカラム、移動相を選択する。

    ©2015 Nihon Waters K.K. 30

  • 16

    移動相に関する注意点LC/MSでよく使⽤される移動相の種類

    よく使⽤される溶媒– ⽔– アセトニトリル、メタノール、イソプロパノールアセトニトリル、メタノ ル、イソプロパノ ル

    よく使⽤される添加剤– 0.01-0.2% formic acid (ギ酸)– 0.01-0.2% acetic acid (酢酸)– 1-10 mM ammonium formate (ギ酸アンモニウム)– 1-10 mM ammonium acetate (酢酸アンモニウム)

    注意が必要な添加剤

    ©2015 Nihon Waters K.K. 31

    – 0.01-0.1% triethyl amine (TEA) :pHに注意。TEAのイオン(m/z 102)が強く検出される

    – 0.01-0.1% trifluoracetic acid (TFA): ネガティブのイオンが抑制される– 1-10 mM ammonium bicarbonate (炭酸⽔素アンモニウム):pHに注意

    移動相に関する注意点不適当な添加剤

    不揮発性塩例:リン酸、ホウ酸、硫酸、クエン酸塩– ソース内に蓄積する可能性(クリーニング回数が増加)– イオン化抑制により、感度低下の可能性が⾼くなる。イオン化抑制により、感度低下の可能性が⾼くなる。

    界⾯活性剤– エレクトロスプレイによるイオン化を抑制– 移動相⽤ボトルを洗剤で洗浄しないこと!

    無機酸– 腐⾷性がある– 低濃度のHCl (<0.005%) は使⽤されることもある。

    ©2015 Nihon Waters K.K. 32

    ( )

  • 17

    100ZNPT_MeOH_19 27 (0.489) Cm (21:31) Scan ES+

    2.02e6338.9

    MeOH [M+Na] +

    例: ジンクピリチオン、10ppm

    移動相の選択(インフュージョン分析)有機溶媒の選択

    100

    0

    % 230.9

    198.0171.0

    316.9258.9 379.9 409.9

    425.9

    ZNPT_ACN_19 27 (0.487) Cm (17:28) Scan ES+ 2.02e6

    MeOH

    MeCN

    [ ]

    [M+H] +

    ©2015 Nihon Waters K.K. 33

    150 200 250 300 350 400 450m/z0

    %

    337.2220.8

    379.9409.9

    有機溶媒はメタノールを使⽤することに決定!!プロトン付加イオンよりもナトリウム付加イオンのイオン強度の⽅が⼤きい結果が得られている。

    100ZNPT_MeOH_AA_19 29 (0.521) Cm (28:36) Scan ES+

    6.29e6316.9

    MeOH / 5mM AcONH aq

    移動相の選択(インフュージョン分析)添加剤の選択

    [M+H] +例: ジンクピリチオン、10ppm

    100

    0

    %252.9

    230.9206.9

    180.9 220.8 275.2338.9

    354.9 441.8

    ZNPT_MeOH_W_19 18 (0.333) Cm (17:30) Scan ES+ 6.29e6

    MeOH / 5mM AcONH4 aq.

    MeOH / H2O

    [M+Na] +

    ©2015 Nihon Waters K.K. 34

    150 175 200 225 250 275 300 325 350 375 400 425 450m/z0

    %

    338.9

    316.9198.0

    添加剤として酢酸アンモニウムを添加してみると、プロトン付加イオンのイオン強度が⼤きくなった。ナトリウム付加イオンは、フラグメントしづらく、量のコントロールも難しいので、通常はモニターイオンとして設定しない。

  • 18

    100ZnPT_AcN_AA_19 30 (0.538) Cm (20:30) Scan ES+

    6.94e6253.0

    M CN / 5 M A ONH

    例: ジンクピリチオン、10ppm

    移動相の選択(インフュージョン分析)有機溶媒の選択の再確認

    100

    0

    %

    230.9205.0

    180.9159.8

    316.9

    274.9

    290.9441.9357.9

    339.0 380.1

    ZNPT_MeOH_AA_19 29 (0.521) Cm (28:36) Scan ES+ 6.94e6

    316.9

    MeCN / 5mM AcONH4 aq.

    MeOH / 5mM AcONH4 aq.[M+H] +

    ©2015 Nihon Waters K.K. 35

    150 175 200 225 250 275 300 325 350 375 400 425 450m/z0

    %

    252.9

    230.9206.9

    180.9 220.8 275.2338.9

    354.9 441.8

    / 4 q[ ]

    酢酸アンモニウム有りの条件下で有機溶媒の再検討をしてみても、メタノールを⽤いた⽅が、[M+H]+のイオン強度は⾼いことがわかる。(100% アセトニトリルに酢酸アンモニウムは溶解しない。酢酸アンモニウム⽔溶液/アセトニトリルのグラジエント分析を⾏う際は注意が必要。)

    LC条件の検討グラジエントの傾き

    移動相の種類が決まったら、カラムをつけて測定する。 カラムにきちんと保持されるように、移動相の組成を検討する。 光学検出器などと異なり、ピークを完全に分離する必要はない。 測定対象物質の成分数が多い場合は、クロマト分離(グラジエント条件など)も検討する必要がある。

    min

    %B

    min

    %BLC条件 LC条件

    グラジエントの傾きを変更することでピークを分散して溶出させる。

    ensi

    ty

    ensi

    ty

    ©2015 Nihon Waters K.K. 36

    orInt

    e

    Inte

    min min

  • 19

    データポイントの確認多成分⼀⻫分析の場合

    データポイント1コを測定するのに必要な時間がDwell Time

    1つのピーク当たり15ポイント以上のデータポイントが必要

    ©2015 Nihon Waters K.K. 37

    モニターイオンの数が増えてくると・・・データポイント数が減ってしまわないよう、・Time Windowを区切る・Dwell timeで調整

    クロマトグラムの取り込み時間(Time Window)の編集多成分⼀⻫分析の場合

    データポイントが不⾜すると、実際の溶出に沿ったクロマトグラムが得られなくなるため、同時測定する成分数を無限に増やすことはできない。

    成分数が多い時には ピークが検出される前後の時間だけモニターするようにする 成分数が多い時には、ピ クが検出される前後の時間だけモニタ するようにする。

    ensi

    ty

    8 397.7

    8.1

    ©2015 Nihon Waters K.K. 38

    MassLynxソフトウェアは、取り込み時間に「のりしろ」を設けることが可能です。

    Inte

    min6.5 7.2

    8.0

    8.3

    7.0

  • 20

    1⾏(1Function)あたり1化合物分のモニターイオン情報が設定される

    クロマトグラムの取り込み時間(Time Window)の編集多成分⼀⻫分析の場合

    MS メソッド

    のモニターイオン情報が設定される。また、緑のバーの⻑さはクロマトグラムの取り込み時間を表す。

    データポイントが⾜りない時には、

    ©2015 Nihon Waters K.K. 39

    さらに必要に応じて、各ファンクション内のDwell Timeを調整する。

    Time Windowを編集する

    LC条件の検討カラム、注⼊量、注⼊モード、調製溶媒の選択

    適切なピーク形状を得るためには、注⼊した試料がカラムの先端で狭いバンド幅で均⼀に保持される必要がある。– カラムの選択カラムの選択

    • 逆相の場合、まず⼿持ちのカラムを使う• 測定対象物質はきちんとカラムに保持されているか(V0 に溶出していないか)

    – 注⼊量の確認• 内径2 mmのカラムの場合、通常の注⼊量は4-5 μL。

    – 注⼊モードの選択• UPLCの場合は注⼊モードは3つ

    ©2015 Nihon Waters K.K. 40

    • 注⼊モードによってはWeak Solvent(またはパージ溶媒)が⼀緒に注⼊される。– 調製溶媒の選択

    • 極性が⾼い物質を逆相カラムに注⼊する場合、調製溶媒の組成は移動相より⽔の割合を⾼くする必要がある。

    – 必要に応じて前処理を実施する• サンプルにイオン化を阻害するような物質が含まれている場合は、前処理⽅法も検討する

  • 21

    ご清聴、ありがとうございました

    弊社HPのトラブルシューティング操作ガイド集やオンデマンドウェビナーもご活⽤ください。

    ホームページ :http://www waters co jpホームページ :http://www.waters.co.jp

    トラブルシューティングMassLynx編 :http://www.waters.com/japan_masslynx_tipsEmpower編 :http://www.waters.com/japan_empower_tipsカラム・消耗品編 :http://www.waters.com/ChemCU

    ©2015 Nihon Waters K.K. 41

    オンデマンドウェビナー(24時間閲覧可能な短編ビデオ集):http://www.waters.com/ondemand