BNPパリバ証券株式会社
投資調査本部長
チーフクレジットアナリスト
中空 麻奈
03-6377-1707
2017年10月31日 財務総合政策研究所 ランチミーティング
クレジット市場の勘所 ~2017年総括と2018年見通し~
アジェンダ
1. グローバルクレジット市場の現状と見通し
2. クレジットバブルの潮目となるか?各国のポイント
3. クレジットバブルの潮目を見極めるには・・・
4. 投資妙味
5. 個別のクレジットストーリー
October 2017 2
グローバルクレジット市場の現状と見通し 1
October 2017 3
低成長は継続でも、足元堅調。2018年に向けて緩やかな回復へ
世界経済成長率見通し(前年比、%):2017年8月更新
出所:National statistics offices, IMF、BNPパリバ証券予想
1.グローバルクレジット市場の現状と見通し
October 2017 4
クレジット市場におけるバブル醸成は周期的:自律的な調整を繰り返す
出所:ブルームバーグ、BNPパリバ証券
注:BNPパリバ証券ではバブルの判定を三段階で行った。クレジットスプレッドが信用コスト(μ+4σ)を下回った領域をAlert、続いて(μ+3σ)を下回った領域をHazard、さらに(μ+2σ)を下回った領域をCriticalとし、クレジットバブルのステージを分類。クレジットバブルインデックスは
クレジットバブルインデックス = 𝐦𝐦𝐦 𝑯𝑯𝑯𝑯𝑯𝑯または𝑪𝑯𝑪𝑪𝑪𝑪𝑯𝑪滞在月数𝟐𝟐
,𝑪𝑯𝑪𝑪𝑪𝑪𝑯𝑪滞在月数
𝟏𝟐× 100と定義し、これが100以上
となった場合にクレジットバブルと呼ぶことにした
⇒国内高格付社債(A格)と米国HY(B格)、欧州はアセットクラスに限らず全般的にクレジットバブル気味になっていることが現時点でも確認された
1.グローバルクレジット市場の現状と見通し
クレジットバブルインデックスの状況(左が2017年10月17日現在、右が2016年1月末現在)
信用コストの閾値 現在の 滞在期間(ヵ月) クレジットバブル
Alert Hazard Critical フェーズHazard、Critical
Critical インデックス
日本 AA格 μ+4σ μ+3σ μ+2σ Hazard 32 0 133
A格 μ+4σ μ+3σ μ+2σ Critical 34 28 233
BBB格 μ+4σ μ+3σ μ+2σ Critical 11 1 46
iTraxx Japan μ+4σ μ+3σ μ+2σ - 0 0 0
欧州 AA格 μ+4σ μ+3σ μ+2σ - 0 0 0
A格 μ+4σ μ+3σ μ+2σ - 0 0 0
BBB格 μ+4σ μ+3σ μ+2σ Alert 0 0 0
iTraxx Eur Main μ+4σ μ+3σ μ+2σ - - - 0
XO μ+4σ μ+3σ μ+2σ Hazard 29 0 121
米国 AA格 μ+4σ μ+3σ μ+2σ - 0 0 0
A格 μ+4σ μ+3σ μ+2σ - 0 0 0
BBB格 μ+4σ μ+3σ μ+2σ - 0 0 0
BB格 μ+3σ μ+2σ μ+1σ Alert 0 0 0
B格 μ+2σ μ+1σ μ Hazard 48 0 200
CDX.NA.IG μ+4σ μ+3σ μ+2σ - 0 0 0
信用コストの閾値 現在の 滞在期間(ヵ月) クレジットバブル
Alert Hazard Critical フェーズHazard、Critical
Critical インデックス
日本 AA格 μ+4σ μ+3σ μ+2σ Hazard 11 0 46
A格 μ+4σ μ+3σ μ+2σ Critical 55 13 229
BBB格 μ+4σ μ+3σ μ+2σ Critical 14 4 58
iTraxx Japan μ+4σ μ+3σ μ+2σ - 0 0 0
欧州 AA格 μ+4σ μ+3σ μ+2σ Critical 16 15 125
A格 μ+4σ μ+3σ μ+2σ Critical 17 16 133
BBB格 μ+4σ μ+3σ μ+2σ Critical 20 17 142
iTraxx Eur Main μ+4σ μ+3σ μ+2σ - 0 0 0
XO μ+4σ μ+3σ μ+2σ Critical 20 11 92
米国 AA格 μ+4σ μ+3σ μ+2σ Alert 0 0 0
A格 μ+4σ μ+3σ μ+2σ Alert 0 0 0
BBB格 μ+4σ μ+3σ μ+2σ Alert 0 0 0
BB格 μ+3σ μ+2σ μ+1σ Critical 15 1 63
B格 μ+2σ μ+1σ μ Critical 69 6 288
CDX.NA.IG μ+4σ μ+3σ μ+2σ - 0 0 0
October 2017 5
1.グローバルクレジット市場の現状と見通し 金融政策がクレジットスプレッド形成の岩盤
政策金利
出所:ブルームバーグ、BNPパリバ証券予想
各国中銀バランスシート
-1
0
1
2
3
4
5
6
7
2000
/03
2001
/04
2002
/05
2003
/06
2004
/07
2005
/08
2006
/09
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/10
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/11
2009
/12
2011
/01
2012
/02
2013
/03
2014
/04
2015
/05
2016
/06
2017
/07
2018
/08
2019
/09
2020
/10
(%)FED BOE
ECB BOJ
October 2017 6
クレジットスプレッドはタイトなままで推移するが基本
欧州クレジットと日本クレジット動向 i-Traxx Japanの推移とシナリオ別推移
出所:ブルームバーグ、Markit、BNPパリバ証券
注:予想はBNPパリバ証券
1.グローバルクレジット市場の現状と見通し
メインシナリオからサブシナリオへ⇒基本保守政権が勝ち、欧州におけるポピュリズムの台頭が抑制。米国は絶妙なバランスで上振れ。日本国債格下げ懸念も無視される・・・
リスクシナリオ⇒ポピュリズムの台頭が顕著。欧州選挙で混乱があった場合などを予想していたが、ほとんど露呈せず・・・・
October 2017 7
0
50
100
150
200
250
2011
/10
2012
/01
2012
/04
2012
/07
2012
/10
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/01
2013
/04
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/07
2013
/10
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/01
2014
/04
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/01
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2015
/10
2016
/01
2016
/04
2016
/07
2016
/10
2017
/01
2017
/04
2017
/07
(bp) Markit iTraxx Japan
Markit iTraxx Europe
Markit CDX North America IG
0
100
200
300
400
500
600
2009
/01
2009
/07
2010
/01
2010
/07
2011
/01
2011
/07
2012
/01
2012
/07
2013
/01
2013
/07
2014
/01
2014
/07
2015
/01
2015
/07
2016
/01
2016
/07
2017
/01
2017
/07
2018
/01
(bp)
メインシナリオ
リスクシナリオ
サブシナリオ
2017年残り三か月と2018年クレジットカレンダー ポイントは政治日程とマクロ政策か
出所:ブルームバーグ、BNPパリバ証券
1.グローバルクレジット市場の現状と見通し
注:緑=金融政策に注目が集まるポイント、ピンク=選挙・投票日程、黄=それ以外の重要ポイント
October 2017 8
10月1日 スペインカタルーニャ独立に関する住民投票
10月13日 IMF・世銀年次総会(ワシントン)
10月18日 (中)共産党大会、5年に1度、最高指導部を決定
10月26日 (欧)ECB理事会 7-9月期決算
10月30日 (日)日銀・金融政策決定会合(~31日)
10月31日 (米)FRB FOMC会合(~11月1日)
11月
11月6日 国連気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COPS23、ドイツ)
月内 APEC首脳会議
12月
12月8日 (米)債務上限問題引き伸ばし期限
12月12日 (米)FRB FOMC会合(~13日)
12月14日 (欧)ECB理事会
12月20日 (日)日銀・金融政策決定会合(~21日)
11月~12月 (タイ)総選挙
12月末 (英)EU残留を問う国民投票の期限
10月
2018年1月
1月22日 (日)日銀金融政策決定会合(~23日)
1月25日 (欧)ECB金融政策委員会
1月30日 (米)FRB FOMC会合(~1月31日)
月内 (日)通常国会召集 10-12月期決算
2月
2月9日 韓国平昌で冬季オリンピック開催(~25日)
2月16日 中国春節
2月22日 (日)山口県知事選挙
3月
2-3月頃 イタリア解散総選挙可能性
3月1日 (日)長崎県知事選挙
3月8日 (欧)ECB金融政策委員会
3月8日 (日)日銀金融政策決定会合(~9日)
3月9日 韓国平昌で冬季パラリンピック開催(~18日)
3月20日 (米)FRB FOMC会合(~21日)
3月26日 (日)石川県知事選挙
月内 OPEC総会において決定された減産の延長期限
4月
4月15日 (日)京都府知事選挙
4月26日 (欧)ECB金融政策委員会
4月26日 (日)日銀金融政策決定会合(~27日)
5月
5月1日 (米)FRB FOMC会合(~2日) 1-3月期決算
6月
6月12日 (米)FRB FOMC会合(~13日)
6月14日 (欧)ECB金融政策委員会
6月14日 (日)日銀金融政策決定会合(~15日)
6月14日 ロシアでFIFAワールドカップ開催
年内 (ロシア)大統領選挙実施
年内 ASEAN加盟国10か国の域内関税がゼロ
年内 (日)第47回衆議院議員任期満了
年内 (日)天皇の譲位
年内 アラムコIPO予定
11月 (米)中間選挙
クレジットバブルの潮目となるか? 各国のポイント
2
October 2017 9
出所:ブルームバーグ、BNPパリバ証券
2.クレジットバブルの潮目となるか?各国ポイントアップデート
October 2017 10
米国 - (1)自動車ローン残高とデフォルト率の上昇懸念
(2)税制改正
(3)債務上限問題
欧州 - (1)不良債権問題
(2)英国個人信用残高
(3)ポピュリズムの台頭再燃(ドイツ、フランス、オーストリア、イタリア、スペイン・・)
日本 - (1)選挙後の金融政策
(2)財政再建への道筋
(3)地政学的リスクの本格化懸念
中国 - (1)新体制による政策運営リスク
(2)資産運用市場リスク
市場 - (1)レバレッジド・ローン、ミドル・マーケット動向
(2)ファンド、PEファンド
米国税制改正 米国税制:現時点とこれまで提案された税制改革案の比較
出所:BNPパリバ証券
October 2017 11
Current Trump campaign House blueprint White House (April 2017) "Big Six" BNP Paribas forecast
Individual Taxes
Brackets7
39.6%, 35%, 33%, 28%, 25%, 15%, 10%
335%, 25%, 12%
335%, 25%, 12%
335%, 25%, 12%
3 or 439.6% (optional), 35%,
25%, 12%
439.6%, 35%, 25%, 12%
Top capital gains rate 23.8% 20% 16.5% - - 23.8%
Standard deduction USD 12.6k USD 30k USD 24k USD 12/24k USD 12/24k & "larger" child tax credit USD 12/24k
Estate tax Maximum 40% Eliminate Eliminate Eliminate Eliminate Partial eliminationState & local tax deduction Fully deductible Eliminate Partial eliminationPass-through income Varies with brackets - - - 25% 25%AMT 26/28% Eliminate 26/28%
Corporate TaxesCorporate tax rate 35% 15% 20% 15% 20% 25%
Corporate expensing
Net interest expenses are deductible; Capital
investments are deductable/depreciated over a ten-year period
No deductibility of interest;full investment
expensing
No deductibility of interest;full investment
expensing-
Limit deductibility of interest; full investment expensing for at least 5
years
Limit deductibility of interest; full investment
expensing
Foreign profits 35% 15% 0% Territorial system Territorial systemTerritorial system;
foreign earnings taxed at around 12% rate
Repatriation - One-time 10% tax on untaxed foreign profits
One-time 10% tax on untaxed foreign profits:
8.75% on cash and 3.5% on reinvested earnings
One-time tax with a lower rate for illiquid assets
One-time tax with a lower rate for illiquid assets
(~5% vs ~10% for cash)
AMT 20% Eliminate 20%
2.クレジットバブルの潮目となるか?各国ポイントアップデート
米国税制改正のために・・ 法定公的債務残高の推移
出所:Bloomberg., 格付け機関, BNPパリバ証券
October 2017 12
2.クレジットバブルの潮目となるか?各国ポイントアップデート
債務上限のこれまでの対処事例
格付け機関の考え方
2011年 8月2日2013年 10月17日2014年 2月15日2015年 11月2日
債務上限引上げ、2.1兆ドルの引き上げ権限を大統領に付与
債務上限引上げ合意、2014年2月7日までのデフォルト回避
債務上限2015年3月15日までの暫定延長
債務上限2017年3月15日までの適用停止
デフォルトした場合の格付け 併せて見直される格付け
ムーディーズ Aa
ファニーメイ、フレディマック
、連邦住宅貸付銀行、連邦農業
信用銀行、地方債、イスラエル
政府およびエジプト政府の債券
(アメリカ政府保証)
フィッチB+(実際にデフォルトした債券
格付け)、米国ソブリンはRD
S&PSD(実際にデフォルトした債券
格付け)、米国ソブリンはAA格
ファンド、政府系機関、金融機
関、保険会社、パブリックファ
イナンス、ストラクチャードフ
ァイナンス
0
5
10
15
20
25
Oct-07 Oct-08 Oct-09 Oct-10 Oct-11 Oct-12 Oct-13 Oct-14 Oct-15 Oct-16
(USD tr)
米国公的債務残高総合計
欧州不良債権問題:改善傾向は間違いないが・・・
欧州銀行不良債権/グロス貸出%
出所:ムーディーズ、EBA
October 2017 13
2.クレジットバブルの潮目となるか?各国ポイントアップデート
イタリア銀行不良債権/(エクイティ+貸倒引当金)%
金利上昇リスクは?
銀行の国債保有残高
出所:BNPパリバ証券
October 2017 14
2.クレジットバブルの潮目となるか?各国ポイントアップデート
100bpの上昇がイタリア銀行に与える影響
銀行国債保有
残高CET1 CET1比率 SREP RWA
100bpワイド化影響
CET1への影響
百万ユーロ 百万ユーロ % % 百万ユーロ 百万ユーロ bpBAMIIM 14179 9253 11.9% 8.15% 77627 -150 -19MONTE 12700 9394 15.4% 10.75% 61000 -282 -46ISPIM 25500 37708 12.5% 7.25% 301699 -1267 -42UBIIM 5797 7908 11.4% 7.50% 69217 -79 -11BACRED 1400 7009 13.3% 7.00% 52700 -105 -20UCGIM 48167 45604 12.9% 8.75% 352700 -2919 -64
ECB不良債権ガイダンスが10月4日から検討開始、2017年12月8日までを期限に検討することがわかっている。新不良債権ガイダンスは2018年1月1日から適用開始となる
担保のない不良債権は2年以内に100%のカバレッジ、担保がある場合も7年以内に100%のカバレッジが要求される
仮にイタリアの金融機関(大手のみ)に不良債権ガイダンスを適用した場合、不良債権処理コストとして7年間で440億ユーロ必要。税前利益が7年累積で1530億ユーロと見込めば処理自体は可能だが、収益性にプレッシャーがかかり続けることもみておきたい
ポピュリズムの台頭 ドイツ連邦下院の獲得議席数(2013VS2017)
出所:Federal Returning Officer,BNPパリバ証券
October 2017 15
考えられるドイツ連立政権の勢力図
ドイツ議会議席シェア
0
50
100
150
200
250
300
350
CDU/CSU SPD AfD FDP Left Greens
0
100
200
300
400
500
600
Grand coalition, 2013–17
Grand coalition,2017?
'Jamaica' coalition,2017?
majority
SPD
CSU
CDUCDU
SPD
CSU
CDU
CSU
FDP
Greens
246 (−65)
153 (−40)
94 (+94)
80 (+80)
69 (+5)
67 (+4)
CDU/CSU
SPD
AfD
FDP
Left
Greens
ドイツメルケル四選も内憂外患状態
連立交渉は混迷。高所得者向け限界所得税率、石炭火力発電、自動車用ディーゼル発動機、移民受け入れ上限、欧州統合の形態と深化など、争点も多い
FDPは欧州統合の深化に前向きでない
CSUは移民に関するスタンスを厳格化が必要。2018年のバイエルン州で過半数を維持するため
政党間協議開始は10月15日ニーダーザクセン州議会選挙が終わってから。メルケルはクリスマスごろには組閣、と言っており、不透明感が続く
2.クレジットバブルの潮目となるか?各国ポイントアップデート
ポピュリズムの台頭 イタリアのソブリン格付け
出所:Federal Returning Officer,BNPパリバ証券
October 2017 16
イタリア選挙制度改革
イタリアの景況感
10月12日:イタリア議会の下院は小選挙区制と比例代表制をミックスした選挙制度改正案を承認。現在は上院審議事項となっており、来週にも結審
提案されたRosatellum2(ロサート下院議長の提案)と呼ばれる選挙制度は、実質的に比例代表制である現行制度よりも統治の容易性と安定性に優れたもの。36%の議席は小選挙区制で配分され、残りの64%が比例代表制で配分される
小選挙区における有権者の候補者選択はそのまま候補者が属する単独政党に反映される。投票者は票を分割できず、投票者が選択した小選挙区の候補者が属する政党が比例配分の対象となるため、支持率の高い候補者がいれば属する政党の比例配分が大きくなる
投票後に連立する政党よりも投票前にすでに連立を表明していた政党、支持基盤が堅固な政党に有利
小党分立の傾向は拭えないが、五つ星運動には不利となる
五つ星運動の新党首ルイジ・ディ・マイオ氏はポピュリスト政党ではないと主張。貧困層のためのベーシックインカムの導入、無駄な支出の削減、直接民主主義の制度拡大が三大優先課題と訴えるが・・・・
Moody's S&P Fitch DBRS Rating description
Aaa AAA AAA AAA Prime
Aa1 AA+ AA+ AA (high)
Aa2 AA AA AAAa3 AA− AA− AA (low )A1 A+ A+ A (high)A2 A A AA3 A− A− A (low )Baa1 BBB+ BBB+ BBB (high)*Baa2** BBB BBB* BBB Baa3 BBB−* BBB− BBB (low )Ba1 BB+ BB+ BB (high)Ba2 BB BB BBBa3 BB− BB− BB (low )B1 B+ B+ B (high)B2 B B BB3 B− B− B (low )
TBA 27 October 20 October TBA*Stable outlook; **Negative outlook
Next rating review
Low er medium grade
Non-investment grade / speculative
Highly speculative
High grade
Upper medium grade
2.クレジットバブルの潮目となるか?各国ポイントアップデート
ポピュリズムの台頭 構造的リバランス
出所:Bloomberg,Aggregated opinion polls,Eurostat, Macrobond,BNPパリバ証券
October 2017 17
カタルーニャの動向
総選挙に関する世論調査 スペインのソブリン格付け
2.クレジットバブルの潮目となるか?各国ポイントアップデート
10日プチデモン首相「独立宣言に署名したが中央政府との対話の可能性を打診するため、施行を数週間延期」と発表
12日ラホイ首相は16日までに独立を宣言したかどうかを明確にするようプチデモン首相に要求。独立を宣言し、それを撤回しない場合には州の自治権停止などの措置に踏み切ると警告
19日までに独立宣言の撤回を要求する政府に対し、カタルーニャ州政府は撤回する考えはないと表明。19日午前10時に独立宣言を撤回しなければ自治停止となる
出所:総務省、衆議院、Bloomberg,日経新聞、、BNPパリバ証券
注:第24回総選挙時は株式取引が停止されていた時期なので対象外
選挙におけるアノマリー
October 2017 18
公示日⇒投票日:株価騰落率
2.クレジットバブルの潮目となるか?各国ポイントアップデート
選挙におけるアノマリー
October 2017 19
解散後の選挙投票日からの日経225パフォーマンス
出所:Bloomberg、BNPパリバ証券
注:選挙投票日を100として、そこから1年間の日次パフォーマンス
76
103
124
87
156
109
40
60
80
100
120
140
160
180
0日
15日
30日
45日
60日
75日
90日
105日
120日
135日
150日
165日
180日
195日
210日
225日
240日
255日
270日
285日
300日
315日
330日
345日
360日
神の国解散(00年6月) 構造改革解散(03年11月) 郵政解散(05年9月)
政権選択解散(09年8月) 近いうち解散(12年12月) アベノミクス解散(14年12月)(投票日=100)
2.クレジットバブルの潮目となるか?各国ポイントアップデート
選挙におけるアノマリー
October 2017 20
各国10年債利回り:投票日の利回り=100
出所:Bloomberg、BNPパリバ証券
注:選挙投票日を100として、投票日前後10日間の利回り推移を表す
60
70
80
90
100
110
120
130
-10日
-9日
-8日
-7日
-6日
-5日
-4日
-3日
-2日
-1日
投票
日
+1日
+2日
+3日
+4日
+5日
+6日
+7日
+8日
+9日
+10日
(日)衆院選: 国債10年物利回り (米)大統領選: 米国債10年物利回り
(英)解散総選挙: 英国債10年物利回り (英)EU離脱の国民投票: 英国債10年物利回り
(仏)大統領選: 国債10年物利回り (独)連邦議会選: ドイツ国債10年物利回り
(伊)総選挙: イタリア国債10年物利回り (カナダ)総選挙: カナダ国債10年物利回り
(EU)欧州議会選挙: ユーロ債10年物利回り
2.クレジットバブルの潮目となるか?各国ポイントアップデート
選挙におけるアノマリー
October 2017 21
公示日⇒投票日:ソブリンCDSとiTraxxJapanスプレッド変化
出所:Bloomberg、衆議院、BNPパリバ証券
第43回 小泉純一郎 2003/10/28 2003/11/09 自由民主党 0 .0bp -
第44回 小泉純一郎 2005/08/30 2005/09/11 自由民主党 -0 .1bp -
第45回 麻生太郎 2009/08/18 2009/08/30 民主党 -13 .1bp +1 .7bp
第46回 野田佳彦 2012/12/04 2012/12/16 自由民主党 +6 .0bp +1 .5bp
第47回 安部晋三 2014/12/02 2014/12/14 自由民主党 +8 .5bp -2 .8bp
第48回 安部晋三 2017/10/10 2017/10/22
パフォーマンス平均 0 .1bp 0 .1bp
タイト化 2 1
ワイド化 2 2
変化なし 1 0
タイト化の回数/
ワイド化の回数50% 33%
i-Traxx
Japan
公示→投票
国債CDS
(5 yr )
選挙後の
比較第一党
総選挙
回次
実施内閣
総理大臣公示日
総選挙期日
(投票日)
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
Jan-
03M
ay-0
3Se
p-03
Jan-
04M
ay-0
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Jan-
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4Se
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5Se
p-15
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16M
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6Se
p-16
Jan-
17M
ay-1
7Se
p-17
JGB CDS 5yr
第43回(2003年10月公示)
公示→投票:0.0bp
第46回(2012年12月公示)
公示→投票:+6bp
第44回(2005年8月公示)
公示→投票:-0.1bp
第47回(2014年12月公示)
公示→投票:+8.5bp第45回(2009年8月公示)
公示→投票:-13.1bp
東日本大震災
リーマンショック
中国景気減退?
小沢ショック
(bp)
結局民主党代表選挙は
菅氏が勝利し反発
公示日⇒投票日:ソブリンCDSのスプレッド変化
2.クレジットバブルの潮目となるか?各国ポイントアップデート
財政再建は見果てぬ夢?
出所:財務省、BNPパリバ証券
財政再建への道筋
October 2017 22
主要先進国のPB対GDP比の見通し
2.クレジットバブルの潮目となるか?各国ポイントアップデート
これからの財政を考えるポイント
出所:財務省、BNPパリバ証券
財政再建への道筋
October 2017 23
消費税引き上げによる増収分はすべて社会保障の充実・安定化に向ける
平成29年度の増収額8.2兆円については、①基礎年金国庫負担割合2分の1に3.1兆円を向け、②残額を満年度時の「社会保障の充実」および「消費税率引き上げに伴う社会保障4経費の増」と、「後代への負担のつけ回しの軽減」の比率(おおむね1:2)で案分した額をそれぞれに向ける
安倍政権が維持された場合、消費増税による徴税分の半分は財政膨張を抑制するように使われるが、残り半分は債務となる
前原民進党代表は、消費増税分をすべて債務転換を想定。小池希望の党代表は、消費増税を見送る方針にある
相対的には財政再建のポイントでは自民党に軍配
29年度 満年度
(消費税率8%時) (消費税率10%時)
②
②
①①
後代への負担のつけ回しの軽減
消費税率引き上げに伴う社会保障4経費の増
社会保障の充実
基礎年金国庫負担割合1/2
3.3兆円
0.37兆円
1.35兆円
3.1兆円
7.3兆円
0.8兆円
2.8兆円
3.2兆円
2.クレジットバブルの潮目となるか?各国ポイントアップデート
巨大化する資産運用市場
出所:格付け機関、China National Bureau of Statistics、CEIC、図表中点線はBNPパリバ証券予想、BNPパリバ証券
中国は政策執行リスク? 中国のGDP、鉱工業生産とサービス業アウトプット(前年比、%)
中国の固定資産投資、小売売上高、輸出の伸び(名目ベースの前年比、%) 中国の成長率とインフレ率の実績と予想
October 2017 24
2.クレジットバブルの潮目となるか?各国ポイントアップデート
4
8
12
16
20
24
Q1 07 Q2 08 Q3 09 Q4 10 Q1 12 Q2 13 Q3 14 Q4 15 Q1 17
IP growth Tertiary industry growthGDP growth Nominal GDP
-20
-15
-10
-5
0
5
10
15
20
25
2012 2013 2014 2015 2016 2017
Fixed asset investment growthExports growth in RMB termsRetail sales growth
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019
Real GDP grow th
CPI inf lation
クレジットバブルの潮目を見極めるには・・・ 3
October 2017 25
レバレッジド・ファイナンス
プライマリー市場の投資家層
出所:Fitch、BNPパリバ証券
October 2017 26
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%19
94
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
LTM
Mar
-201
7
1Q17
US banks Non-US banks Securities firm Institutional investor Finance Co.
3.クレジットバブルの潮目を見極めるには・・・
レバレッジド・ファイナンス
レバレッジド・ローン発行額推移
出所:Fitch、BNPパリバ証券
October 2017 27
シンジケートLBOのレバレッジ推移
3.クレジットバブルの潮目を見極めるには・・・
412 472
19480
179 209284
378 393 406 409
201 215
200217
101
159
197
356
380
757
547377
466
179
517
0
200
400
600
800
1000
1200
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
1H17
(USD b)
New money Rifinancing
2.4 2.9 3.04.5 4.6 4.0 3.6 3.3 2.9 3.5 3.8 4.4 4.2
5.76.3
7.15.5 4.8 5.6
5.6 5.9 6.26.6 6.0
6.1 6.2
0.0
2.0
4.0
6.0
8.0
10.0
12.0
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
1H17
(x) Equity/EBITDA Debt/EBITDA
レバレッジド・ファイナンス
ミドル・マーケットとシンジケートLBOのレバレッジ推移
出所:Fitch、BNPパリバ証券
October 2017 28
コベナント・ライトの発行推移
3.クレジットバブルの潮目を見極めるには・・・
5.05.5
5.7 6.3
7.1
5.5
4.8
5.6 5.65.9
6.26.6 6.0
6.1
6.2
4.04.6
5.3 5.3 5.5
4.5
3.84.3
4.65.1 5.1
5.45.7
5.35.9
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
6.0
7.0
8.0
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
1H17
(x) BSL MM
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
2013 (60) 2014 (135) 2015 (88) 2016 (64) 2017 (38)
Full set Lite Loose
投資妙味 4
October 2017 29
クレジット・イベントを見逃さないこととキャリー狙い:基本スタンスは変わらず
クレジット投資戦略
外債投資:米国債(GSE債)、ソブリン債
一歩進む外債投資:航空機リースなど
新興国投資
スプレッドが乗っているクレジットリンクノート
銀行資本性証券への投資 ⇒注目は欧州金融機関
出所:BNPパリバ証券
4.投資妙味
October 2017 30
出所:Macrobond、ブルームバーグ、BNPパリバ証券
新興国の投資妙味を考える
米国・ユーロ圏・中国の製造業PMI
October 2017 31
輸出の前年比伸び率(ドル建て、3か月平均、%)
輸出の前年比伸び率(ドル建て、3.ケ月平均、%)
40
45
50
55
60
10年
1月
10年
7月
11年
1月
11年
7月
12年
1月
12年
7月
13年
1月
13年
7月
14年
1月
14年
7月
15年
1月
15年
7月
16年
1月
16年
7月
17年
1月
17年
7月
米国ISM
ユーロ圏PMI
中国PMI
製造業PMI
4.投資妙味
トランプ勝利以降のUSD/EMクロスレート
出所:Bloomberg、IIF、MacroBond、BNPパリバ証券
新興国の投資妙味を考える ドル指数と新興国ソブリン格付け
新興国向けの資金フロー(10億ドル) ドルの名目実効為替レートとコモディティ価格
October 2017 32
90
95
100
105
110
115
120
125
TRY
ZAR
IDR
MXN
BRL
INR
70
80
90
100
110
1201996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016
EM sovereign ratings index
DXY dollar index (12-month movingaverage, RHS, inverted)
BBB
BBB-
BBB
BBB-
BBB
BBB-
BB+
BBB
BBB-
4.投資妙味
新興国の実質10年利回り%の対米格差
出所:Bloomberg、Worldbank、BNPパリバ証券
新興国の投資妙味を考える
新興国の対外債務の対GDP比の推移
October 2017 33
注:名目利回り-CPIで各国利回りを計算
4.投資妙味
バーゼル資本規制の強化に対する不満が充満していたのは欧州・・
2016年9月EBFコンファレンスにて欧州委員会副委員長による講演:Speech by EU,VP Dombrovskis
ドンブロウスキス氏は、バーゼル委員会が行っている資本規制の見直しの一部項目に対して反対の立場を主張。米国との対立軸として、資本フロアが取り沙汰された
米国は一般にバーゼル委員会に対して厳しい規制の導入を求めており、欧州は経済情勢の厳しさを背景に経済成長にマイナスとなるような規制強化に反対している(レバレッジ比率があるから、フロアという概念は不要というのが欧州の基本理念)
バーゼル委員会は標準的手法に基づく基本フロアを60-90%で検討していると公表したが、交渉は難航。米国は資本フロアを80%とする代わりに、低リスク・ポートフォリオに標準的手法を適用することを断念する、とうい案に同意したという噂も出たが、9月のバーゼル委員会の会議では決裂
米国では100%標準的手法フロアが実施されている(DF法171条コリンズ修正条項)。総資産2500億ドル以上の大手銀行は内部モデルを使えるが、標準的手法も用い、低い値が自己資本比率となっているため、米国はこの点について強硬派
欧米のスタンスが大きく異なる理由の一つは住宅ローンの保有にもある
出所:BNPパリバ
September 2017 | 34
4.投資妙味
バーゼル委員会によるRWA計算方法の見直しの検討
バーゼル委員会はRWA算出の内部モデル利用を制約するルールを検討中。内部モデル手法の一部を標準的手法に置き換えるもの
オペレーショナル・リスク算出モデルを完全に標準的手法に入れ替えること、信用リスクの多くの部分について内部モデルの利用を制約すること、内部モデルを利用するケースに対してフロアーを適用すること、が主な規制変更点
市場リスクのルールも改訂、トレーディングデスク用に内部モデルを利用することを制約。信用リスクの標準的手法のRWA計算手法を変更することも提案、その対象は金融機関、大規模な企業、不動産に対するエクスポージャーとなっている
RWA算出方法の見直しがあると・・・株式、住宅ローン、商業用不動産向けエクスポージャーの算出方法が変わる。信用リスクが全体に占める割合は高く、銀行のビジネスモデルによっては大きな影響が生じる。企業と住宅ローンに関するPD,LGDにフロアが導入される。特に低デフォルト・リスクの与信を多く行っている銀行において影響が生じる
市場リスクのRWA算出方法が変更になれば、トレーディング業務が大きい銀行におけるインパクトが予想される。オペレーショナル・リスクの先進的手法が廃止されれば多くの銀行にとって影響大
資本フロアの改訂も多くの銀行にとって影響大
出所:BNPパリバ
September 2017 | 35
4.投資妙味
影響は銀行によって異なる
クレジットリスクウェイト
オペレーショナル・リスクと市場リスク
オペレーショナル・リスクのリスク資産は増加見込み、大手投資銀行が受ける影響が大きい
リスクウェイトは損失実績の倍数として計算、業務収益に基づく指数関数的な倍率
信用リスク– 内部格付手法にリスクウェイトのフロアが適用
バーゼル銀行監督委員会は、内部格付手法に基づくリスクウェイトの計算にフロアを設定することについて市中協議を開始。フロアは標準的手法の60~90%に設定される可能性
フロアを75%とした当社の分析では、信用リスクのリスクウェイトは平均で30.8%から36.1%へと5.3ppt 上昇する結果に
企業向け融資及び住宅ローンのエクスポージャーなど、リスクウェイトが小さい先を多く持っている銀行が大きな影響を受ける
出所:BNPパリバ
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
40%
45%
50%
DB
ABN
Am
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BBVA
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nk
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dard
Cha
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ed
BaselⅣ予想 現在
September 2017 | 36
4.投資妙味
スウェーデンの当局者は次のような発言を・・・
Erik Thedeen(金融監督当局監督官):自己資本比率規制において自己資本の最低要求水準を引き上げるべきではなく、バッファーを設けるべきだ。レバレッジ規制3%もバッファーとして使うべきだ。しかし、バッファーは下回っても構わないものとする扱いにするべきだ、最低要求水準を高くすると、 solvent なのに信用収縮やら債権者が資金を引き揚げたりというというおかしなことが起きてしまいかねない(2017.2.16ブルームバーグ)
Kerstin af Jochnick(中央銀行副総裁):スウェーデンは、自国の最大手の銀行に対してバーゼル3よりも厳しい自己資本比率規制を既に導入済だが、緩めるべきだ(2017.2ロイター)
内部モデルのインプットフロア、標準的手法の不動産エクスポージャーの新設、不動産エクスポージャーにおいてLTVの水準だけでリスクウェイトが決まるマトリックス、アウトプットフロアによる内部モデルの算出結果の無効化など・・・スウェーデンの銀行は住宅ローンやその他不動産担保の貸出が多いため、過去の実績では貸倒が起きていない・・・・
出所:BNPパリバ
September 2017 | 37
4.投資妙味
バーゼルⅢ規制改革は何度も結論が先送りされている・・・
2016年11月30日:バーゼル委員会ステファン・イングヴェス議長が行った講演内容では、結局合意に至らなかったことがわかった。内部モデルの利用が概ね維持されるが、アウトプット・フロアについてはGHOSの承認を経て決定される。長い導入期間とフェーズイン期間が準備される。結果、過度なRWAのバラつきが減る、全体的な所要資本を大幅に上げないことに注力する、が果たせるはず
2017年には最終化を目指しており、1月8日に予定されている会合までに合意する方向であった。しかし、中央銀行総裁・銀行監督当局長官グループGHOSの会合が3月1-2日に延期されたが、リスク資産の評価手法や資本要件に関し日米欧の意見が一致しなかったため、再延期。その後6月、8月、9月半ばから10月初旬まで延期していた
10月4、5日にバーゼル会合が実施された。10日付FTではほとんどの国がフロア72.5%にする妥協案に合意に向かっているもののフランスが抵抗していると報道。13日にはバーゼル委員会コーエン事務局長が合意できなかったことを述べ、内部モデルの有効性を訴えるフランスに対し疑義を持つ発言をしている
欧州の銀行(特にフランス)が資本フロア水準に対して異を唱えている、というのが最大のポイント。標準的手法をどの程度まで下回ることを許容するかを定めた水準のことだが、米国が75%を求める一方、欧州は70%に近い水準を主張。さらに銀行のトレーディング勘定に関する資本要件についても実施の延期を求める声があり、対応できていない
出所:BNPパリバ
September 2017 | 38
4.投資妙味
全体の影響は大きいものの対応可能
CET1比率への影響
バーゼルⅢの完成におけるリスクウェイトの変更によって、CET1比率は平均で200bp程度低下する見通し。信用リスクのリスクウェイト引き上げが主因
北欧の銀行、UBS、ドイツ銀行、ABN アムロ、ロイズに対する影響が大きい
欧州では、この1年間でCET1 比率が平均80bp上昇した
バーゼルIVは年内に最終決定すると予想されるものの、当局は合意に至っていない
移行期間は長く、銀行は対応措置を講じる見通し
出所:BNPパリバ
-700
-600
-500
-400
-300
-200
-100
0
Sven
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Hand
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Stan
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Cha
rter
ed
(bp)
September 2017 | 39
4.投資妙味
40
信用階層構造の各国比較
出所:ムーディーズ
September 2017 |
Preferred Deposits Preferred Deposits Privileged Deposits
Senior OperatingObligations
Germany Switzerland
Junior DepositsSenior Operating
Obligations
France Pari Passu*France Full Deposit
Preference*
Senior OperatingObligations
Senior OperatingObligations
EU Pari PassuEU Full Deposit
Preference
Senior OperatingObligations
Senior OperatingObligations
JuniorDeposits
PreferredSenior
Long-TermDebt (Bank)
United States
Deposits Preferred Deposits Preferred Deposits Preferred Deposits
Junior Deposits
Preferred Senior Long-Term Debt (Bank)
Senior Long-Term Debt(Bank)
Senior Long-Term Debt(Bank)
Senior OperatingObligations
Junior Deposits (incl. moneymkt l iabs. variable promise
structured notes)
Senior Long-Term Debt(HoldCo)
Senior Long-Term Debt(HoldCo)
Non-Preferred SeniorLong-Term Debt (Bank)
Non-Preferred SeniorLong-Term Debt (Bank)
Senior Long-Term Debt(HoldCo)
Junior Sub Debt (HoldCo)
Preference Shares(HoldCo)
PreferenceShares
(HoldCo)
Junior SubDebt
(HoldCo)
Dated SubDebt
(HoldCo)
PreferenceShares(Bank)
Junior SubDebt (Bank)
Dated SubDebt (Bank)
Sr LT Term Debt (Bk)
Dated Sub Debt (Bank)
Pref Shares (Bank)
Jr Sub Debt (Bank)
Dated SubDebt (Bank)
Senior Long-Term Debt(HoldCo)
Dated Subordinated Debt(HoldCo)
Senior Long-Term Debt(HoldCo)
JuniorDeposits
SeniorLong-TermDebt (Bank)
Junior Deposits
Senior Long-Term Debt(Bank)
PreferenceShares(Bank)
PreferenceShares
(HoldCo)
Dated SubDebt (Bank)
Dated SubDebt
(HoldCo)
Junior SubDebt (Bank)
Junior SubDebt
(HoldCo)Preference
Shares(Bank)
PreferenceShares
(HoldCo)
Dated SubDebt
(HoldCo)
Dated Subordinated Debt(Bank)
Junior Subordinated Debt(Bank)
Preference Shares (Bank)Preference Shares (Bank)
Junior Subordinated Debt(Bank)
Dated Subordinated Debt(Bank)
Dated SubDebt (Bank)
Dated SubDebt
(HoldCo)
Junior SubDebt (Bank)
Junior SubDebt
(HoldCo)Preference
Shares(Bank)
PreferenceShares
(HoldCo)
Junior SubDebt (Bank)
Junior SubDebt
(HoldCo)
4.投資妙味
個別のクレジットストーリー 5
October 2017 41
出所:IMF REO May2017、ブルームバーグ、Bond Radar、BNPパリバ証券
October 2017 42
ソフトバンクPL
5.個別のクレジットストーリー ①ソフトバンク
CDSスプレッド推移
0
50
100
150
200
250
300
350
400
14/9
14/1
014
/11
14/1
215
/115
/215
/315
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16/1
016
/11
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217
/117
/217
/317
/417
/517
/617
/717
/817
/917
/10
(bp)
ソフトバンク
(百万円) 2016/06 2016/09 2016/12 2017/03 2017/06売上高 2,126,521 4,271,834 6,581,466 8,901,004 2,186,059
売上原価 -1,267,273 -2,568,170 -3,990,070 -5,472,238 -1,255,123売上総利益 859,248 1,703,664 2,591,396 3,428,766 930,936
販売費及び一般管理費 -507,841 -1,019,588 -1,594,371 -2,277,251 -589,362その他の営業損益 -32,171 -48,319 -65,552 -143,703 32,469
営業利益 319,236 653,944 949,660 1,025,999 374,043財務費用 -112,107 -222,022 -343,363 -467,311 -120,870持分法による投資損益 35,466 105,174 205,988 321,550 1,634
税引前利益 356,361 665,625 975,257 712,526 77,568法人所得税 -144,069 -423,262 -624,628 207,105 -47,028
純利益 272,351 800,948 903,934 1,474,430 30,540
包括利益合計 -103,069 70,608 951,506 1,433,901 233,569
出所:IMF REO May2017、ブルームバーグ、Bond Radar、BNPパリバ証券
October 2017 43
ソフトバンクのキャッシュフローに着目
5.個別のクレジットストーリー ①ソフトバンク
現行格付けはBa1/BB+/-/-/A-(それぞれ、ムーディーズ/S&P/フィッチ/R&I/JCR)、アウトルックは安定的
有利子負債が2017年3月期現在流動負債2.7兆円、非流動負債12.2兆円あり、総計14.9兆円。D/Eレシオは4.16倍。ネットD/Eレシオは現金および現金同等物2.18兆円を控除して計算すると3.54倍
7月14日現在のソフトバンク保有上場株式時価総額17.0兆円。含み損益で14.9兆円。このうち5兆円を現金同等物としてネットすると、ネットD/Eレシオは2.15倍へ
10月14日付日経新聞ではスプリントとT-モバイルが経営統合で大筋合意と報道された。規模の確保により、5Gへの投資や新サービスの開発競争に備える目的。実現できればソフトバンク米国通信戦略にはプラス
ソフトバンクの保有株式情報(10月18日現在)
(億円) 時価総額 保有時価総額 含み損益
ヤフー 30,130 12,936 12,875ソフトバンク・テクノロジー 398 196 195
アイティメディア 128 66 50ベクター 86 36 21
サイジニア 40 13 -9
Sprint 31,788 26,345 6,647Alibaba Group Holding 497,758 146,942 146,568
Renren 716 282 -135Baozun Inc. 2,204 263 205
電機セクタースプレッド推移
出所:格付け機関、ブルームバーグ、BNPパリバ証券
②東芝
電機セクター格付け状況
5.個別のクレジットストーリー
格付け アウトルック 格付け アウトルック 格付け アウトルック 格付け アウトルック
日立製作所 A3 STABLE A- POS AAp STABLE A+ STABLE東芝 Caa1 NEG CCC- NEG - - B *+ -三菱電機 A1 STABLE A POS - - AA- STABLE日本電気 Baa2 NEG BBB- STABLE - - A- STABLE富士通 A3 STABLE BBB+ POS - - A STABLEパナソニック A3 STABLE A- STABLE - - A STABLEシャープ - - B+ STABLE BB STABLE BB- STABLEソニー Baa3 STABLE BBB STABLE A STABLE A- STABLE
MDY S&P JCR R&I
0
200
400
600
800
1,000
1,200
1,400
1,600
14/6
14/8
14/1
0
14/1
2
15/2
15/4
15/6
15/8
15/1
0
15/1
2
16/2
16/4
16/6
16/8
16/1
0
16/1
2
17/2
17/4
17/6
17/8
17/1
0
(bp)日立製作所
東芝
NEC
富士通
ソニー
三菱電機
October 2017 44
CDSスプレッド推移
出所:格付け機関、ブルームバーグ、BNPパリバ証券
②東芝
5.個別のクレジットストーリー
株価推移
社債価格推移 格付け推移
October 2017 45
0
100
200
300
400
500
600
Apr-0
9Au
g-09
Dec
-09
Apr-1
0Au
g-10
Dec
-10
Apr-1
1Au
g-11
Dec
-11
Apr-1
2Au
g-12
Dec
-12
Apr-1
3Au
g-13
Dec
-13
Apr-1
4Au
g-14
Dec
-14
Apr-1
5Au
g-15
Dec
-15
Apr-1
6Au
g-16
Dec
-16
Apr-1
7Au
g-17
(bp)
0
100
200
300
400
500
600
Apr-0
9Au
g-09
Dec
-09
Apr-1
0Au
g-10
Dec
-10
Apr-1
1Au
g-11
Dec
-11
Apr-1
2Au
g-12
Dec
-12
Apr-1
3Au
g-13
Dec
-13
Apr-1
4Au
g-14
Dec
-14
Apr-1
5Au
g-15
Dec
-15
Apr-1
6Au
g-16
Dec
-16
Apr-1
7Au
g-17
(JPY)
80
85
90
95
100
Jul-1
4
Sep
-14
Nov
-14
Jan-
15
Mar
-15
May
-15
Jul-1
5
Sep
-15
Nov
-15
Jan-
16
Mar
-16
May
-16
Jul-1
6
Sep
-16
Nov
-16
Jan-
17
Mar
-17
May
-17
Jul-1
7
Sep
-17
(JPY)
123456789
101112131415
Jan-
12
Jul-1
2
Jan-
13
Jul-1
3
Jan-
14
Jul-1
4
Jan-
15
Jul-1
5
Jan-
16
Jul-1
6
Jan-
17
Jul-1
7
S&P Moody's R&I Fitch
AA-BBB+BBBBBB-BB+BBBB-B+BB-CCC+CCCCCC-
5.個別のクレジットストーリー ②東芝
債券残高
出所:会社資料、ブルームバーグ、BNPパリバ証券
危険債権になった場合の追加引当の推定
October 2017 46
メインバンクの東芝への貸出推移
みずほ銀行 SMBC SMTB BTMU
16年 3月末の貸出残高 183.4 176.8 131.0 111.2
17年 3月時点の債権分類 その他要注意先 その他要注意先 その他要注意先 要管理債権
引当率 10% 10% 10% 60%
引当額の推定(担保保証なし) 18.3 17.7 13.1 66.7
危険債権となった場合の引当率 70% 70% 70% 70%
引当額の推定(担保保証なし) 128.4 123.8 91.7 77.8
追加引当 A 110.0 106.1 78.6 11.1
18年 3月期の連結引当前業純 B 795.4 1,096.8 279.2 1,568.2
A/B (%) 13.8 9.7 28.2 0.7
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
2017
/10
2017
/12
2018
/02
2018
/04
2018
/06
2018
/08
2018
/10
2018
/12
2019
/02
2019
/04
2019
/06
2019
/08
2019
/10
2019
/12
2020
/02
2020
/04
2020
/06
2020
/08
2020
/10
2020
/12
(百万円)
東芝のこれから:想定される選択肢は4つ
出所:会社資料、BNPパリバ証券
②東芝
5.個別のクレジットストーリー
東芝本体の縮小均衡としての存続。半導体は売却し、債務超過を解消。重電の会社を標榜し、原子力廃炉から得られるキャッシュフローをとっていく
分散型
PEファンドなどによる買収で非上場化
デフォルト
売却資産 売却先 譲渡金額
2016 3月17日 東芝メディカルシステムズ キャノン 66553月30日 東芝ライフスタイル 美的集団子会社 9008月24日 東芝プラントシステム SMBC日興証券 157 議決権総数の9.9%分
11月30日 東芝アメリカ情報システム社土地・建物 LBA Realty LLC 702017 2月21日 東芝医用ファイナンス キャノン 31.4
2月24日 連結子会社による石炭事業 投資ファンド 1003月2日 東芝機械株 東芝機械 153
October 2017 47
東芝のこれから:想定される選択肢は4つ
出所:会社資料、BNPパリバ証券
②東芝
5.個別のクレジットストーリー
東芝メモリを買収目的会社Pangeaに株式譲渡、株式譲渡契約を締結することを決議
9月28日付で譲渡契約を締結
Pangea:ベインキャピタル2120億円、HOYA270億円、SKハイ二クス3950億円、並びに米国四社(Apple、Seagate、Kingston Technology、Dell Technologies Capital)から総額4155億円を受け取る形。金融機関からは6000億円の借入。株式譲渡後はベインと東芝メモリの経営陣を中心に経営
SKハイ二クスはベイン組成の会社に融資を実施予定。ただし、SKハイ二クスと東芝メモリ間には10年間ファイアーウォールが設置され、SKハイ二クス社による東芝メモリ機密情報へのアクセスは制限される。さらに、SKハイ二クスは今後10年間東芝メモリまたはPangeaの15%超の議決権を保有することができない、融資の一部は株式へ転換できるが転換権の行使には各国競争法当局の承認が必要
株式譲渡価格は合計2兆円(東芝メモリブックバリュー6000億円であるため、利益1.4兆円)
国際仲裁裁判所にWDが訴えている問題⇒国際仲裁裁判所への訴えはJVへの出資持分の差し止め請求であり、東芝メモリの株式売却の差し止めではない、というのが東芝の解釈
独占禁止法審査は懸念が残る。中国独占禁止法は2008年8月1日に発効されたばかりで、日本企業は比較的多く賠償を要求されている
こうした問題は残るが、株式譲渡契約がうまく履行できれば会計上の問題はクリアされる可能性が高いと見ている
October 2017 48
5.個別のクレジットストーリー ②東芝
出所:会社資料、BNPパリバ証券
東芝による決算発表
October 2017 49
(億円) FY3/16 FY3/17 前年比対6/23時点
会社予
対5/15時点会社予
FY3/18会社予
売上高 51,548 48,708 -2,840 0 8 49,700営業利益 -4,830 2,708 7,538 0 8 4,300(margin, %) -9.4% 5.6% 8.7%税引前利益 -3,994 2,255 6,249 11 -145 4,000(margin, %) -7.7% 4.6% 8.0%
非支配持分控除前 継続事業当期純利益
-6,458 1,199 7,657 -2 -1
非支配持分控除前 非継続事業当期純利益
1,298 -12,801 -14,099 264 -201
当期純利益 -4,600 -9,657 -5,057 298 -157 2,300
(margin, %) -8.9% -19.8% 4.6%
EPS (円) -108.64 -228.08 -119.44 6.97 -3.71 54.33
FCF 6,522 -448 -6,970 0 0 -3,800
株主資本 3,289 -5,529 -8,818 287 -129 -4,100株主資本比率 (%) 6.1% -13.0% -1.0% -0.4% -10.5%純資産 6,723 -2,757 -9,480 282 -157 -1,900Net有利子負債 4,964 4,961 -3 0 -39 9,400Net D/E ratio 151.0% - - -期末日 JPY/USDレート 113 112 -1 0 0 100
5.個別のクレジットストーリー ②東芝
出所:会社資料、BNPパリバ証券
FCF3800億円マイナスのブレークダウン
October 2017 50
営業利益 4300 会社見通し
減価償却費 2300設備投資
-7000幅が出る可能性大。保有施設をリースなどに替えるなども出てくれば
価格は違ってくる
金利支払い -160税金
-1290
半導体ビジネスを2兆円で売却すれば6000億円の企業価値を差し引い
た収益の30%が税金支払いとして増える。一方、WHのリストラが裁
判所から認可を受ければWH向け損失引当を戻せる。こうしたことか
ら税金支払い額は調整される可能性が大きい
原子力プットオプション -630 WHのプットオプションが10%残る。3%分が189億円を換算した額
原子力親会社保証
-8202021年までの5年間で4100億円の支払いが必要。これを年換算した額
リストラ費用 -500 いくらかの計上はあると考えるべきだが、ここも調整可能となる
総計 -3800
財務・事業プロフィールにみたセクター分布
出所:S&P、BNPパリバ証券
③神戸製鋼
5.個別のクレジットストーリー
October 2017 51
極めて強い 強い 中位 やや非保守的 非保守的 極めて非保守的
極め
て強
い強
い中
位や
や弱
い弱
い/
極め
て弱
い
事業プロフ
ィー
ル
財務プロフィール
自動車・
自動車部品
ヘルスケア
広告
重工業・資本財
通信
電機
鉄道
不動産
化学
航空
建設
消費財
総合商社小売り
非鉄金属
ガラス・セメント
電力・ガス
鉄鋼
石油精製・鉱業
紙パルプ
海運
鉄鋼セクタースプレッド推移
出所:格付け機関、Bloomberg、BNPパリバ証券
③神戸製鋼
鉄鋼セクター格付け状況
5.個別のクレジットストーリー
October 2017 52
CDSスプレッド推移 株価推移
0
50
100
150
200
250
300
350
Apr-1
4
Jul-1
4
Oct
-14
Jan-
15
Apr-1
5
Jul-1
5
Oct
-15
Jan-
16
Apr-1
6
Jul-1
6
Oct
-16
Jan-
17
Apr-1
7
Jul-1
7
Oct
-17
(bp)
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
Apr-1
3
Aug-
13
Dec
-13
Apr-1
4
Aug-
14
Dec
-14
Apr-1
5
Aug-
15
Dec
-15
Apr-1
6
Aug-
16
Dec
-16
Apr-1
7
Aug-
17
(JPY)
0
50
100
150
200
250
300
350
2014
/04
2014
/06
2014
/08
2014
/10
2014
/12
2015
/02
2015
/04
2015
/06
2015
/08
2015
/10
2015
/12
2016
/02
2016
/04
2016
/06
2016
/08
2016
/10
2016
/12
2017
/02
2017
/04
2017
/06
2017
/08
2017
/10
(bp)新日鐵住金
JFEスチール
神戸製鋼所
格付け アウトルック 格付け アウトルック 格付け アウトルック 格付け アウトルック
新日鐵住金 Baa1 STABLE BBB STABLE AA- STABLE A+ STABLE
ジェイ エフ イー ホールディングス Baa2 STABLE NR - AA- STABLE A STABLE
神戸製鋼所 - - NR - A *- - NR -
MDY S&P JCR R&I
BS/PL
出所:格付け機関、Bloomberg、BNPパリバ証券
③神戸製鋼
5.個別のクレジットストーリー
October 2017 53
(百万円) 2016/06 2016/09 2016/12 2017/03 2017/06
資産合計 2,215,063 2,220,655 2,207,913 2,310,435 2,337,666
当座資産 436,615 452,631 425,479 451,095 463,750
手元流動性 164,737 188,321 171,459 155,763 203,001
棚卸資産 425,174 416,702 424,443 419,020 450,519
流動資産 997,706 1,013,178 983,214 1,044,322 1,086,464
有形固定資産 935,323 930,168 939,828 972,313 957,178
固定資産 1,217,356 1,207,477 1,224,699 1,266,113 1,251,201
流動負債 760,778 738,103 800,025 849,143 883,710
固定負債 729,909 759,197 706,855 731,887 705,443
有利子負債 796,948 813,643 804,585 796,926 796,313
負債合計 1,490,687 1,497,301 1,506,880 1,581,031 1,589,153
少数株主持分 52,134 50,460 51,437 55,476 52,431
資本剰余金 103,537 103,537 103,537 103,537 103,323
利益剰余金 352,652 358,833 318,246 331,679 357,154
その他有価証券評価差額金 579 6,000 21,001 17,475 16,538
自己株式 -1,554 -2,655 -2,658 -2,660 -2,663
為替換算調整勘定 7,216 -4,214 -2,588 7,708 6,169
自己資本 672,241 672,894 649,595 673,928 696,081
自己資本率 (%) 30.3 30.3 29.4 29.2 29.8
(百万円) 2016/06 2016/09 2016/12 2017/03 2017/06
売上高 404,460 815,130 1,217,186 1,695,864 435,008
販売費及び一般管理費 47,642 92,302 169,525 220,537 46,614
営業利益 12,702 30,995 -4,246 9,749 30,302
経常利益 4,558 12,320 -26,002 -19,103 28,254
特別利益 - - - 8,141 6,779
特別損失 - - - - -
当期利益 -2,067 4,109 -36,478 -23,045 25,009
営業利益率(%) 3.1 3.8 -0.3 0.6 7.0
当期利益率(%) -0.5 0.5 -3.0 -1.4 5.7
債券残高
出所:格付け機関、Bloomberg、BNPパリバ証券
③神戸製鋼
5.個別のクレジットストーリー
October 2017 54
(百万円) 合計 債券元本 タームローン残高2017 20,000 20,000 02018 24,000 24,000 02019 26,300 22,000 4,3002020 30,000 30,000 02021 10,000 10,000 02022 35,000 35,000 02025 35,000 35,000 02031 76,280 0 76,280
金融機関借入残高
(百万円)
借入金合計に
対する割合(
%)
金融機関の連結貸出
金
(百万円)
貸出金に対す
る割合(%)
日本政策投資銀行 77,594 12.5 13,210,171 0.59みずほ銀行 61,464 9.9 71,611,942 0.09日本生命 40,535 6.5 7,749,527 0.52三菱東京UFJ銀行 28,401 4.6 95,121,265 0.03三井住友銀行 27,870 4.5 83,314,483 0.03三井住友信託銀行 26,977 4.3 27,982,411 0.1山口銀行 22,544 3.6 3,620,283 0.62三菱東京UFJ銀行 (中国)有限公司 21,834 3.5 95,121,265 0.02小計 307,219 49.5
三菱東京UFJ銀行 (合計) 50,235 8.1 95,121,265 0.05
金融機関借入金
流動資産
現金および預金 2030受取手形および売掛金 2607有価証券 450流動負債
支払手形および買掛金 4483短期借入金 19791年内償還予定の社債 400流動資産-流動負債 -1775
流動資産負債ギャップ
2017年3月期の未使用コミットメントラインが1243億円、同投資有価証券の時価が1294億円
設備や不動産なども加えれば、短期の社債償還は問題がないと考える(不動産会社売却で500億円との報道による)
金融機関もメイン寄せは進むが継続しかないであろう
出所:Bloomberg、BNPパリバ証券
③神戸製鋼
5.個別のクレジットストーリー
October 2017 55
VW CDSスプレッド推移 BPCDSスプレッド推移
トヨタCDSスプレッド推移
タカタ社債価格推移
0
50
100
150
200
250
300
350
400
450
Apr
-07
Aug
-07
Dec
-07
Apr
-08
Aug
-08
Dec
-08
Apr
-09
Aug
-09
Dec
-09
Apr
-10
Aug
-10
Dec
-10
Apr
-11
Aug
-11
Dec
-11
Apr
-12
Aug
-12
Dec
-12
Apr
-13
Aug
-13
Dec
-13
Apr
-14
Aug
-14
Dec
-14
Apr
-15
Aug
-15
Dec
-15
Apr
-16
Aug
-16
Dec
-16
Apr
-17
Aug
-17
(bp)
0
20
40
60
80
100
120
Mar
-14
May
-14
Jul-1
4
Sep
-14
Nov
-14
Jan-
15
Mar
-15
May
-15
Jul-1
5
Sep
-15
Nov
-15
Jan-
16
Mar
-16
May
-16
Jul-1
6
Sep
-16
Nov
-16
Jan-
17
Mar
-17
May
-17
Jul-1
7
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金融商品取引法第37条に定める事項の表示 金融商品取引を行うにあたっては、各金融商品等に所定の手数料等(たとえば、株式のお取引の場合には、約定代金に対し、事前にお客様と合意した手数料率の委託手数料および消費税、投資信託のお取引の場合には、銘柄ごとに設定された販売手数料および信託報酬等の諸経費等)をご負担いただく場合があります。また、すべての金融商品には、関連するさまざまなリスクがあり、国内外の政治・経済・金融情勢、為替相場、株式相場、商品相場、金利水準等の市場情勢、発行体等の信用力、その他指標とされた原資産等の変動により、多額の損失または支払い義務が生じるおそれがあります。さらに、デリバティブのお取引の場合には、弊社との合意により具体的な額が定まる保証金等をお客様に差し入れていただくこと、加えて、追加保証金等を差し入れていただく可能性もあり、こうした取引についてはお取引の額が保証金等の額を上回る可能性があります(お取引の額の保証金等の額に対する比率は、現時点では具体的条件が定まっていないため算出できません。)。また、上記の指標とされた原資産の変動により、保証金等の額を上回る損失または支払い義務が生じるおそれがあります。さらに、取引の種類によっては、金融商品取引法施行令第16条第1項第6号が定める売付けの価格と買付けの価格に相当するものに差がある場合があります。なお、金融商品毎に手数料等およびリスクは異なりますので、当該金融商品等の契約締結前交付書面や目論見書またはお客様向け資料をよくお読みください。 権利行使期間がある場合は権利を行使できる期間に制限がありますので留意が必要です。 期限前解約条項、自動消滅条項等の早期終了条項が付されている場合は、予定された終了日の前に取引が終了する可能性があります。 商号等/ BNPパリバ証券株式会社(金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2521号) 加入協会/ 日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会
免責事項 この文書は有価証券・外国為替等の購入、売却その他の取引を勧誘し、または推奨するものではありません。ご提供いたします情報は、十分信頼できる情報源に基づいておりますが、BNPパリバ証券株式会社は、情報の正確性および完全性について、保証はいたしません。本資料に記載された意見は表記時点での弊社の判断を反映したものであり、今後変更されることがあります。幣社ないしは幣社の関連会社またはそれらの従業員は本資料の情報に基づき有価証券・外国為替等を保有し、または自己勘定で、または他人の委託を受けて売買を行うことがあります。本情報を使用することにより生ずる、直接または間接のいかなる種類の損失に対しても、弊社は責任を負いかねます。この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものです。投資に関する最終決定はお客様ご自身でなさるようにお願い申し上げます。
October 2017 56
無登録格付に関する説明書
格付会社に対しては、市場の公正性・透明性の確保の観点から、金融商品取引法に基づく信用格付業者の登録制が導入されております。これに伴い、金融商品取引業者等は、無登録格付業者が付与した格付を利用して勧誘を行う場合には、金融商品取引法により、無登録格付である旨及び登録の意義等を顧客に告げなければならないこととされております。
登録の意義について
登録を受けた信用格付業者は、①誠実義務、②利益相反防止・格付プロセスの公正性確保等の業務管理体制の整備義務、③格付対象の証券を保有している場合の格付付与の禁止、④格付方針等の作成及び公表・説明書類の公衆縦覧等の情報開示義務等の規制を受けるとともに、報告徴求・立入検査、業務改善命令等の金融庁の監督を受けることとなりますが、無登録格付業者は、これらの規制・監督を受けておりません。
格付会社グループの呼称等について
ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク
格付グループの呼称:ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク(以下「ムーディーズ」と称します。)
グループ内の信用格付業者の名称及び登録番号:ムーディーズ・ジャパン株式会社(金融庁長官(格付)第2号)
スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシーズ
格付グループの呼称:スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシーズ(以下「S&P」と称します。)
グループ内の信用格付業者の名称及び登録番号:スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン株式会社(金融庁長官(格付)第5号)
フィッチ・レーティングス
格付会社の呼称:フィッチ・レーティングス(以下「フィッチ」と称します。)
グループ内の信用格付業者の名称及び登録番号:フィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社金融庁長官(格付)第7号)
信用格付を付与するために用いる方針及び方法の概要に関する情報の入手方法について
ムーディーズ:ムーディーズ・ジャパン株式会社のホームページ((http://www.moodys.co.jp)の「信用格付事業」をクリックした後に表示されるページ)にある「無登録業者の格付の利用」欄の「無登録格付説明関連」に掲載されております。
S&P : ス タ ン タ ゙ ー ト ゙ & フ ゚ ア ー ス ゙ ・ レ ー テ ィ ン ク ゙ ・ シ ゙ ャ ハ ゚ ン 株式会社のホ ー ム ヘ ゚ ー シ ゙(http://www.standardandpoors.co.jp)の「ライブラリ・規制関連」の「無登録格付け情報」(http://www.standardandpoors.co.jp/unregistered)に掲載されております。
フィッチ:フィッチのホームページ(http://www.fitchratings.co.jp)の「規制関連」セクションにある「格付方針等の概要」に掲載されております。
信用格付の前提、意義及び限界について ムーディーズ: ムーディーズの信用格付は、事業体、与信契約、債務又は債務類似証券の将来の相対的信用リスクについての、現時点の意見です。ムーディーズは、信用リスクを、事業体が契約上・財務上の義
務を期日に履行できないリスク及びデフォルト事由が発生した場合に見込まれるあらゆる種類の財産的損失と定義しています。信用格付は、流動性リスク、市場リスク、価格変動性及びその他のリスクについて言及するものではありません。また、信用格付は、投資又は財務に関する助言を構成するものではなく、特定の証
券の購入、売却、又は保有を推奨するものではありません。ムーディーズは、いかなる形式又は方法によっても、これらの格付若しくはその他の意見又は情報の正確性、適時性、完全性、商品性及び特定の目的への適合性について、明示的、黙示的を問わず、いかなる保証も行っていません。ムーディーズは、信用格付
に関する信用評価を、発行体から取得した情報、公表情報を基礎として行っております。ムーディーズは、これらの情報が十分な品質を有し、またその情報源がムーディーズにとって信頼できると考えられるものであることを確保するため、全ての必要な措置を講じています。しかし、ムーディーズは監査を行う者ではなく、格
付の過程で受領した情報の正確性及び有効性について常に独自の検証を行うことはできません。 S&P:S&Pの信用格付は、発行体または特定の債務の将来の信用力に関する現時点における意見であり、発行体または特定の債務が債務不履行に陥る確率を示した指標ではなく、信用力を保証するものでもありま
せん。また、信用格付は、証券の購入、売却または保有を推奨するものでなく、債務の市場流動性や流通市場での価格を示すものでもありません。信用格付は、業績や外部環境の変化、裏付け資産のパフォーマンスやカウンターパーティの信用力変化など、さまざまな要因により変動する可能性があります。
S&Pは、信頼しうると判断した情報源から提供された情報を利用して格付分析を行っており、格付意見に達することができるだけの十分な品質および量の情報が備わっていると考えられる場合にのみ信用格付を付与します。しかしながら、S&Pは、発行体やその他の第三者から提供された情報について、監査、デューデリ
ジェンスまたは独自の検証を行っておらず、また、格付付与に利用した情報や、かかる情報の利用により得られた結果の正確性、完全性、適時性を保証するものではありません。さらに、信用格付によっては、利用可能なヒストリカルデータが限定的であることに起因する潜在的なリスクが存在する場合もあることに留意する
必要があります。 フィッチ: フィッチの格付は、所定の格付基準・手法に基づく意見です。格付はそれ自体が事実を表すものではなく、正確又は不正確であると表現し得ません。信用格付は、信用リスク以外のリスクを直接の対象とはせず、格付
対象証券の市場価格の妥当性又は市場流動性について意見を述べるものではありません。格付はリスクの相対的評価であるため、同一カテゴリーの格付が付与されたとしても、リスクの微妙な差異は必ずしも十分に反映されない場合もあります。信用格付はデフォルトする蓋然性の相対的序列に関する意見であり、特定のデフォ
ルト確率を予測する指標ではありません。フィッチは、格付の付与・維持において、発行体等信頼に足ると判断する情報源から入手する事実情報に依拠しており、所定の格付方法に則り、かかる情報に関する調査及び当該証券について又は当該法域において利用できる場合は独立した情報源による検証を、合理的な範囲で
行いますが、格付に関して依拠する全情報又はその使用結果に対する正確性、完全性、適時性が保証されるものではありません。ある情報が虚偽又は不当表示を含むことが判明した場合、当該情報に関連した格付は適切でない場合があります。また、格付は、現時点の事実の検証にもかかわらず、格付付与又は据置時
に予想されない将来の事象や状況に影響されることがあります。 この情報は、平成25年4月1日に信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性を当社が保証するものではありません。詳しくは上記それぞれの会社のホームページをご覧ください。
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