手術ナビゲーションシステム、 バイオエ ンジニアリング、感覚器機能解明、シミュ レーション、 バーチャル手術、 振動・音 の計測、PVDFフィルム、 生体応用、 人間機械システム、難聴、耳小骨、骨導 補聴器 所 属 大学院情報理工学研究科 機械 知能システム学専攻、脳科学ラ イフサポート研究センター メンバー 小池 卓二 教授 所属学会 日本機械学会、日本音響学会、 バイオメカニズム学会、日本耳 鼻咽喉科学会、日本耳科学会、 日本聴覚医学会、日本鼻科学会、 Association for Research in Otolaryngology E-mail [email protected] 研究設備 レーザードップラ振動計、AE計 測装置、 マルチフィジックス解析 ソフトウェア(CFD-ACE+)、 防 音・シールドルーム キーワード 282 OPAL-RING http://www.bio.mce.uec.ac.jp/ 10 小池 卓二 Takuji KOIKE コンピュータシミュレーションによる聴覚器官の機能解明

研究概要 小池 - University of Electro-Communications · 感覚器官の研究分野で、特に聴 最適手術法提示システムとを目的としている。 じるメカニズムを明らかにするこみを解明するとともに、難聴が生ションすることで、聞こえの仕組をコンピュータ上でシ

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Page 1: 研究概要 小池 - University of Electro-Communications · 感覚器官の研究分野で、特に聴 最適手術法提示システムとを目的としている。 じるメカニズムを明らかにするこみを解明するとともに、難聴が生ションすることで、聞こえの仕組をコンピュータ上でシ

手術ナビゲーションシステム、バイオエンジニアリング、感覚器機能解明、シミュレーション、バーチャル手術、振動・音の計測、PVDFフィルム、生体応用、人間機械システム、難聴、耳小骨、骨導補聴器

所 属大学院情報理工学研究科 機械知能システム学専攻、脳科学ライフサポート研究センター

メンバー 小池 卓二 教授

所属学会

日本機械学会、日本音響学会、バイオメカニズム学会、日本耳鼻咽喉科学会、日本耳科学会、日本聴覚医学会、日本鼻科学会、Association for Research in Otolaryngology

E-mail [email protected]

研究設備

レーザードップラ振動計、AE計測装置、マルチフィジックス解析ソフトウェア(CFD-ACE+)、防音・シールドルーム

キーワード

282 OPAL-RING

http://www.bio.mce.uec.ac.jp/

新しい診断・治療技術の開発

小池 研究室

研究概要

振動・音響工学と医学のコラ

ボレーション

当研究室では、音波・振動計測、

数値解析や画像処理などにより、

生体組織の構造と機能解明に関す

る基礎・応用研究を行っている。

そして、治療に役立つ新たな計測

技術やデバイスの開発、数値シ

ミュレーションによる最適手術法

の開発、新たなコミュニケーショ

ンデバイスの開発など、幅広い研

究と応用を行っている。

聞こえ・難聴のメカニズム

感覚器官の研究分野で、特に聴

覚器官の機能解明と、その病変診

断・機能回復への応用を行ってい

る。聴覚器官のナノレベルの振動

をコンピュータ上でシミュレー

ションすることで、聞こえの仕組

みを解明するとともに、難聴が生

じるメカニズムを明らかにするこ

とを目的としている。

最適手術法提示システム

各病変に対応したシミュレー

ションによるバーチャル手術を試

行することで、難聴の効果的治療

法の検討・提案を行っている。

耳小骨可動性計測装置

聴覚器病変診断・機能回復装置

の開発研究の一例として、これま

で医師の経験によるところが大き

かった耳小骨(鼓膜の振動を蝸牛

に伝える小骨)の可動性を定量的

に評価できる装置の開発を行って

いる。これは、小さな計測対象(耳

小骨)に10ミクロン程度の変位を

与え、その時の反力(数ミリニュー

トン程度)を、手持ちで計測可能

とするものである。本装置によ

り、手術中に耳小骨の可動性を評

価できれば、効果的かつ安全な術

式を決定することができ、術後聴

力成績の向上が期待できる。

人工聴覚システム

小型高音質・埋め込みタイプの

骨導補聴器の開発も行っている。

磁力により形状が変化する超磁歪

素子を振動子として用い、これを

頭皮下に埋め込み、コイルの相互

誘導により、外部からエネルギー

小池 卓二Takuji KOIKE

コンピュータシミュレーションによる聴覚器官の機能解明

Page 2: 研究概要 小池 - University of Electro-Communications · 感覚器官の研究分野で、特に聴 最適手術法提示システムとを目的としている。 じるメカニズムを明らかにするこみを解明するとともに、難聴が生ションすることで、聞こえの仕組をコンピュータ上でシ

情報通信

製造(ものづくり)

ナノテクノロジー・材料

ライフサイエンス

環  境

エネルギー

社会基盤

Life Sciences

283OPAL-RING

と音声信号を経皮伝送するもので

ある。通常の音波を使用する補聴

器では難しい、高音域までクリア

な音質を実現する、高出力補聴器

の開発を目指している。

この他にも、PVDFフィルム

により発声時の皮膚振動を計測す

ることにより、高騒音下でも明瞭

な音声を取得可能なシステムの開

発なども行っている。

アドバンテージ

国内では珍しい耳鼻科領域で

の計測とシミュレーション

耳鼻科領域でも手術ナビゲー

ションシステムは種々開発されて

いる。しかし、手術中の計測結果

とシミュレーション結果を基に

「現在どのような問題があり、何

処をどうすればどれだけ良くな

る」といった、身体機能の低下原

因とその機序、機能回復のための

手術方法と術後の結果までを提示

できるものは未だに実用化されて

いない。

このような次世代手術ナビゲー

ション開発のため、国内外の医学

部との親密な協力関係のもとで積

極的に研究を進めている。

また、まったく新しい方式の診

断・治療装置の開発や、新たなコ

ミュニケーションデバイスの開発

を積極的に行っている。

今後の展開

ニーズの多い注目の分野

今後は、物理的な動きに加え、

電気的な仕組みも考慮し、聴覚系

全体のシミュレーションを行い、

さまざまな疾患機序の解明と最適

手術法の開発を進めていく。

また、新たな人工補聴システム

の開発にも力を入れていく。

音波・振動計測・制御技術を応

用した機器の開発を通して、生体

メカニズムの解明、生体の適合性

を考えたデバイスの開発など、研

究分野を広げていきたい。

耳小骨の可動性計測

埋め込み型骨導補聴器

高騒音下音声取得デバイス