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02 広報おおさかさやま 2010.9 特集 あなたならどう過ごしますか? 問い合わせ 人権広報グループ

Second Life...Second Life う 思 い は 、 ず っ と あ り ま し た ね。同 時 に 、 今 ま で の 自 分 と は 全 く 違 っ た こ と を し た く な

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  • 02広報おおさかさやま 2010.9

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    特集

    あなたならどう過ごしますか?問い合わせ 人権広報グループ

  • 03 広報おおさかさやま 2010.9

     この世に生を受けてから終えるまで、人は、少しずつ人生を進めていきます。赤ちゃんから子どもへ、子どもから大人へ。生き続けていれば、避けることができない高齢者としての暮らし。  高齢化社会という言葉が珍しくなくなり、平均寿命が長くなった結果、一般的に高齢者とされているおおむね 65歳以降の人生をどう過ごすかということについて、多くの人の関心が高まっています。今回は、多様なセカンドライフのあり方について考えます。

    ■市の総人口に占める高齢者(65歳以上)比率

    4,156 53,785

    57,647

    56,996

    58,208

    57,947

    5,927

    7,639

    9,997

    12,227

    平成2年

    平成7年

    平成12年

    平成17年

    平成22年

    総人口  [平成22年のみ6月末現在、その他は10月1日時点/単位:人]65歳以上人口

    出典:総務省統計局、市民窓口グループ

    74

    75

    76

    77

    78

    79

    80

    81

    82

    83

    84

    85

    86

    87

    平成 21年 86.44 歳平成 17年 85.52 歳平成 12年 84.60 歳平成7年 82.85 歳平成2年 81.90 歳昭和 60 年 80.48 歳

    平成 21年 79.59 歳平成 17年 78.56 歳平成 12年 77.72 歳平成7年 76.38 歳平成2年 75.92 歳昭和 60 年 74.78 歳

    ■日本人の平均余命の推移

    女性

    男性

    平成21年

    平成17年

    平成12年

    平成7年

    平成2年

    昭和60年

    平成21年

    平成17年

    平成12年

    平成7年平

    成2年

    昭和60年

  • 04広報おおさかさやま 2010.9

    学ぶ

    ■60歳をこえて傾聴ボランティア講座を

    受講してみようと思われたきっかけは何

    ですか?

     

    自分が生きた証みたいなものを残した

    い、と思うようになりましてね。50歳く

    らいから自分にできるボランティアを

    ずっと探してはいたんです。そのときに

    は生きていくのに精一杯だったから、仕

    事に向かってたんですけれども。社会貢

    献というか、何かわたしで役に立つこと

    はないか、わたしに何かできないかとい

     

    物事を行うにふさわしい年頃をさ

    す、適齢期という言葉がありますが、

    学習に関しては、学びたいときこそが

    適齢期であると言われてもいます。

     

    60歳を超えてから傾聴ボランティア

    講座を受講されただけでなく、ともに

    受講した仲間たちとボランティア団体

    を立ち上げ、代表として活動されてい

    る小林照子さんにお話を伺いました。

    本来、学ぶことは楽しいこと。進

    学や仕事のためではなく、自分が

    学びたいことを学ぶ。セカンドラ

    イフには、そんな楽しみ方もあり

    ます。

    キーワードは

    Second Life

    う思いは、ずっとありましたね。同時に、

    今までの自分とは全く違ったことをした

    くなってもきたんです。

    ■もともと傾聴ボランティアというもの

    をご存じでしたか?

     

    全然知りませんでした。講座を受講し

    たときも、ただ聞くだけやろうって、軽

    い気持ちで申し込んだんです。たまたま

    広報誌で傾聴ボランティア講座というの

    を見て、傾聴なら私にもできるかも、と

    思って。そうして受けてみたら、これは、

    皆さん話を聞いて欲しいに違いないって

    思いました。

     

    私自身一人暮らしで、日曜日なんか誰

    とも話しないで過ごすということがあり

    ます。で、夜になって友だちに電話して、

    あんなことあって、こんなことあってっ

    てしゃべるだけでもスッキリします。そ

    んな自分の経験がありましたので、子ど

    もにしてもお年寄りにしても、みんな誰

    かに話を聞いて欲しいはずだと思ったん

    です。

    ■実際にボランティア活動を始められて

    どうですか?

     

    これは、と思ってやり始めたんですけ

    ど、大変です。講座でテクニック的なこ

    とも習うんですけど、皆さん一人ひとり

    違うでしょう。この人でうまくいっても、

    この人ではうまくいかないとか、だから、

    こんなことでいいのかな、喜んでもらえ

    たかな、嫌がられてないかな、と思った

    りします。でも、話をしていて、相手の

    方がにっこりしてくれたら、ああ良かっ

    たなと思ってその日は帰るんです。

    ■今後の希望はどんなことですか?

     

    メンバーが増えて欲しいですね。私た

    ちが受けた講座の先生が、吹田市で吹田

    傾聴ボランティアさやま代表小林 照子 さん(大野台一丁目)

    傾聴「ほほえみ」というのをなさってい

    まして、この吹田傾聴「ほほえみ」とい

    うのは、5年間で会員が約100人くら

    いになったんです。家にいる人はもちろ

    ん、会社勤めをされている人でも、週の

    うちほんの1時間やったらできると思い

    ます。みんな来て!という感じですね。

    ■一歩踏み出そうとしている人にメッ

    セージをお願いします。

     

    やってみたら、大変なんですけど、い

    いんです。いいことしてやった、じゃな

    いんです。今までわたしも仕事しかして

    いませんでしたけど、仕事じゃない時間

    というのが、逆に充実感がありますよ!

    いろんなことにチャレンジすると世界が

    広がります。

    傾聴 相手の話をありのままに受け止め、相手をわかろうとする積極的な聴き方のこと

  • さやまおりがみ倶楽部代表井上 美代子 さん(大野台一丁目)

    ■会員の皆さんが集まって来られるきっ

    かけはなんですか。

     

    以前に入門講座をしたときのメンバー

    が集まって立ち上げたんですが、市立公

    民館での「はばたきフェスタ」に展示し

    ている作品や、各自治会の文化祭に出品

    している会員さんの作品を見て入会して

    くる人も多いです。入ってくる人の中に

    は、今まで全然折り紙を折ったことのな

    い人もいらっしゃいますよ。

    ■子どもからお年寄りまでが集う折り紙

    の魅力とは何ですか?

     

    折り紙は伝承文化なので、人から人へ、

    手から手へ、口から口へ伝えていくこと

    によって、仲間作りの輪が広がること。

    場所も取らないし、時間も選ばない、誰

    にでも取り組めるものですね。折り紙と

    いうのは、間口が広くて奥が深いんです。

    簡単なものを作って贈っても喜ばれます

    し、自分のために練習して難しいものが

    折れたら、自分の楽しみにもなります。

    複雑なものを折図を見ただけで折れるよ

    うになったら達成感がありますよ。まず

    始めに習う喜び、次にそれを作る喜び、

    そして、人に教え、伝える喜びがあるん

    です。

     

    それから、一つ習ったことを繰り返し

    練習していると、だんだん手が動くよう

    になってくるでしょう、手先や頭の体操

    になります。次はこう折って、こうひっ

    くり返してって覚えていかないと作品に

    ならないじゃないですか。組み合わせで

    つくる作品なら、同じものをキッチリ折

    らないと形になっていかないから、例え

    ば、丁寧に角をあわすということに集中

    したりしてボケ防止にもなりますよ。

    ■折り紙というと、一人でつくり上げる

    というイメージがありますが?

     

    一人では覚えられないんですよ。いく

    ら折図をもらったとしても、むずかしい

    集う

    価値観が多様化する昨今、価値観

    を同じくする人同士で集うことに

    喜びを見いだす人たちも多く、互

    いに刺激しあって興味を深めてい

    ます。

    キーワードは

    Second Life

    ものになると折れないんです。複雑なも

    のにチャレンジして、一人では解決でき

    ないから教えあうんです。そうやって、

    つながりが広がっていきます。

     

    また、ボランティア連絡会に入って、

    ボランティア活動にも生かしています。

    連絡会に入っていると、いろいろなグ

    ループとの交流も広がります。手話通訳

    さんたちやほかのグループの人たちとの

    交流もできてきますから、おりがみ倶楽

    部だけでなくて、協調してイベントも組

    むこともできるようになります。

    ■これから何をしてみようか迷っている

    人へのメッセージをお願いします。

     

    仲間たちと、同じことに取り組み、習

    い、教え合っているうちに、どんどん意

    欲が高まってきます。そして生活そのも

    のに意欲的に生きられるようになりま

    す。自分磨きにもなりますし、一人ひと

    りが、自分に向いたものを選んでもらっ

    て、それを生涯の楽しみにしていっても

    らいたいですね。

     

    気になってはいたが、思うように時

    間がとれなかったこと。生活の転換点

    で、今まで見えなかった魅力に気づい

    たこと。セカンドライフを迎え、地域

    活動やボランティア、様々な人が様々

    に集います。

     

    さやまおりがみ倶楽部の代表とし

    て、文化の伝承をテーマに活動されて

    いる井上美代子さんにお話を伺いまし

    た。

    05 広報おおさかさやま 2010.9

  • 06広報おおさかさやま 2010.9

    ❖だれにでもやって

    くるもの

     「老後」についての考え方は多

    種多様だと思うので、人によっ

    ていつから「老後」かは違って

    くると思います。

     

    地域の高齢者の皆さんと話し

    ていて、「定年退職したら老後」

    と考える人は少なくなってきて

    いると感じています。実際に70

    歳・80歳になっても元気な人は

    たくさんいます。

     

    一方で、高齢になることを受

    け入れる魅力的なメッセージが、

    世の中に少ないとも思います。

    老いることは誰しも避けて通れ

    ないことなのに、良いイメージ

    が持てる状況がないのです。で

    すので、自分が老後を迎えるこ

    とを頭で分かっていても、うま

    く受け入れられないのです。

    ❖不安を分かち合う

     

    市が、平成21年に地域福祉計

    画を策定する際に実施したアン

    ケートの中で、地域の人々が一

    番不安に感じていることが「老

    後の生活について」でした。

     

    あるひとり暮らしの高齢者の

    方から相談を受けました。健康

    で、手に職を持っていて、ご近

    所づきあいもされている活動的

    な方です。一見すると、特に悩

    むことは無いように感じます。

    しかし、その方は、「ひとり暮ら

    しなので夜寝てる間に、急に苦

    しくなったらどうしよう」など

    と考え始めると眠れないと話さ

    れていました。

     

    この方と同じように「何とな

    く不安」と悩んでいる方はたく

    さんいると思います。高齢者が

    今抱えている不安を語り合い、

    いきいきと輝く高齢者の存在が、だれもが安心して年齢を重ねることができる社会へと導きます

    NPO法人ワーカーズふろむさやま代表理事 岡本京子さん

     

    私たちの活動の中で、介護に

    関するセミナーをしてみたい考

    えているときに、ノートを使っ

    た懇談会の存在を知って、面白

    そうだと思って企画したのが

    きっかけです。

     

    去年初めて開催してみて、もっ

    と話を深めて、参加した人みん

    なが十分話せるような環境を作

    りたいと考えて、今年は全5回

    で懇談会を開催しました。継続

    的に行うことで、最初はあまり

    話せなかった人も気軽に話せる

    ようになってきたかなと思いま

    す。じっくり自分の内面を話し

    てみんなが聴いてくれるという

    ことは嬉しいものですね。

     

    これからも、今後の生き方を

    考えるのに役立つテーマをみん

    なで学べるような集まりを持ち

    たいです。

    自分の思いを気軽に語り合える場が必要だと思います

    懇談会を開催しています老後ノートを使った

    知る

    狭山中学校区を担当するCSW(コミュニティ

    ソーシャルワーカー)で大阪狭山市人権協会

    の野口由美さんに、「高齢になってからも安心

    して豊かに暮らすために必要なこと」につい

    てお話を伺いました。

    暮らしの不安を分かち合い、整理するために

    Second Life

  • 07 広報おおさかさやま 2010.9

    共有できるような場所の必要性

    を感じ、各中学校区のCSWが

    集まったCSW連絡会で様々な

    人の話や本を参考にして、みん

    なで話し合いながら暮らし方や

    生き方を整理する「私たちの『老

    後の生き方暮らし方を考える懇

    談会』整理ノート」(老後ノート)

    を作成しました。

     

    このノートを使った懇談会に

    参加された方たちからは、「皆

    さんの話を聞いて気持ちが楽に

    なった」「多様な考え方があるこ

    とを実感できた」などの感想を

    頂いています。

     

    老後の暮らしについて、一人

    で考えたり、日常の会話の中で

    話しあったりすることはなかな

    か難しいことです。大勢の人が

    ★CSW(コミュニティソーシャルワーカー)とは 福祉に関する専門知識を持っている、地域の中の福祉なんでも相談員です。新たなサービスの開発や公的制度との関係の調整など、全市的に取り組む必要のある事業を行っています。

    いる場では、自分の思いを話し

    にくいと感じる人が多いと思う

    ので、まずは小規模なグループ

    で、たとえば一緒にお茶を飲む

    機会にでもこの老後ノートに取

    り組んで欲しいと考えています。

    ❖知る

     

    老後の生活を支えていくには、

    役に立つサービスを積極的に知

    る機会を持つようにすることも

    大事です。様々なサービスを知

    ることで解消できる不安もある

    んです。同じような不安を抱え

    ている人がいることを知る、ど

    ういうサービスがあるのかを知

    る。知ることの大事さを多くの

    人に実感してもらいたいですね。

    在宅生活での介護サービスなど居宅介護支援(ケアマネジャーによるケアプラン作成)、訪問介護、訪問看護、訪問リハビリ、訪問入浴、通所介護、通所リハビリ、短期入所、福祉用具貸与・購入、住宅改修など

    地域密着型サービスグループホーム、小規模多機能型居宅介護など

    施設サービス特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設など

    問い合わせ 大阪狭山市CSW連絡会老後ノート事務        局(野口☎070-5436-9538)

    大阪狭山市CSW連絡会の皆さん(左から)野口由美さん、田崎哲也さん、牧野洋平さん

    詳しく聞きたいときの相談窓口

    いきいきと暮らしたい老人福祉センター(さやま荘)、老人クラブ、熟年いきいき事業、シルバー人材センター、生きがい対策通所支援事業、福祉農園、水中運動教室、はつらつ健康体操など

    住まい・食などに関して高齢者住宅安全支援事業、寝具乾燥サービス事業、日常生活用具給付事業、在宅高齢者等「食」の自立支援事業、訪問理美容サービス事業など

    手助けが必要緊急通報システム、軽度生活援助事業など

    その他シルバーカー(歩行補助車)給付事業、徘徊高齢者等位置検索用端末機貸与事業、要介護高齢者おむつ給付事業など

    介護保険などのサービス

    市が行っている生活を支援する制度や機関

    •高齢介護グループ ☎366-0011•地域包括支援センター(市役所南館内) ☎368-9922、午前9時~午後5時30分

    「今」を安心して暮らすために、「老後ノート」を使った懇談会を開いてみませんか。年齢や人数は問いません。

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    老後ノートを使ってみませんか

    緊急通報システム、軽度生活緊急通報システム、軽度生活

    知っておきたい老後の暮らしのキーワード

    きりとり線